電験三種やめとけと言われる理由を現場経験者が検証|40代転職の現実

電験三種やめとけと言われる理由を現場経験者が検証|40代転職の現実

「第三種電気主任技術者は試験で合格して実務経験なしの人がかなりいます。箸にも棒にも掛かりません」——Yahoo!知恵袋でのこの厳しい言葉が、電験三種を目指すあなたの心に刺さっていないか?

実際に100人以上の転職面談を重ねてきた立場から、正直に言う。電験三種の現実は、あなたが想像するほど甘くない。6ヶ月間毎日4時間の勉強で取得したとしても、年収アップは30万円程度にとどまることが多い。しかし、それが電験三種の全てではない。

この記事のポイント

  • 電験三種取得者の73%が実際には電気主任技術者として働いていない現実
  • 年収アップ幅は平均30万円程度で責任の重さと見合わない構造的問題
  • 40代以降の転職では保安協会でも採用が厳しく、年齢の壁が深刻
  • 施工管理職では電験三種より電気工事士1種の方が実用性が高い
  • 再エネ普及により2030年まで電気主任技術者の需要は年3.2%増の見込み
林(はやし)

この記事の監修者

林(はやし)|施工管理ちゃんねる(せこちゃん) キャリアアドバイザー

元施工管理技士。大学院工学研究科修了後、発電所・製鉄所・自動車工場など大型プラントの電気施工管理に従事。ビル設備管理を経て、人材紹介会社でRA・CA両面を経験。電気設備・建設・再生可能エネルギー領域の採用支援を行う。

目次

「電験三種はやめとけ」と言われる5つの理由

転職面談で電験三種について相談されるとき、正直に言う。この資格には構造的な問題がある。現場を知る立場から、なぜ「やめとけ」と言われるのか、その理由を包み隠さず説明する。

責任の重さに対して報酬が見合わない

これが電験三種の最大の問題だ。Yahoo!知恵袋にあった声が実情をよく表している:「3種取って中小企業の主任技術者やっても一般社員給料より年間30万円多ければ御の字!責任に見合った報酬にならない」

電気主任技術者の年収は平均520万円(厚生労働省 賃金構造基本統計調査)だが、問題はその内訳だ。一般的に年収アップ幅は以下の通り:

  • 中小企業:年間20〜30万円増
  • 設備管理会社:年間30〜50万円増
  • 保安協会:年間50〜80万円増(ただし激務)

月換算で2.5万円程度のアップに対し、24時間365日の責任を負う。この責任対報酬のアンバランスが、多くの取得者を悩ませている。

実務経験がなければ就職が困難

試験に合格しても、それは「スタートライン」に過ぎない。実務経験がなければ、まともな就職先は見つからない。

保安協会への転職を例に取ると、求人の90%以上が「実務経験3年以上」を条件にしている。つまり、未経験者が入れるのは以下のような限られた選択肢のみ:

  • ビルメンテナンス会社(年収350〜450万円)
  • 設備管理会社の見習いポジション(年収300〜400万円)
  • 地方の中小企業(年収400〜500万円)

「箸にも棒にも掛からない」という厳しい言葉の背景には、この実務経験の壁がある。

40代以降の転職では年齢の壁が立ちはだかる

45歳で電験三種を取得した場合の転職現実は、想像以上に厳しい。保安協会の採用担当者と話すたび、同じことを言われる:「40代での未経験採用はほぼない」

面談で出会った48歳のAさんは、電験三種を取得後、1年間で30社以上応募したが、面接にすら進めなかった。結局、年収を100万円下げて地方のビルメン会社に転職することになった。

電気業界では体力と柔軟性が重視されるため、年齢制限は他業界以上に厳しい現実がある。

24時間365日の待機体制による生活への影響

電気主任技術者の責任は、勤務時間で終わらない。設備トラブルが発生すれば、深夜でも週末でも駆けつける必要がある。

実際に電気主任技術者として働いているBさん(42歳)に聞いた話では:

  • 月平均3回の緊急呼び出し
  • 連休も携帯電話は手放せない
  • 家族との時間が犠牲になりがち

年収は580万円と悪くないが、「時給換算すると一般社員より安い」と苦笑いしていた。

電験三種取得者の年収と現実的なキャリアパス

では、電験三種を取得した場合の現実的な年収はどの程度なのか。転職支援の現場で見てきた実例を基に、率直に説明する。

電験三種取得による実際の年収アップ幅

厚生労働省のデータでは電験三種取得者の平均年収は520万円だが、これは全年代・全業界を含む数値。実際の年収アップ幅は、転職先によって大きく異なる。

転職先 年収レンジ 未経験可否 年収アップ幅
保安協会 450〜650万円 × 80〜150万円
設備管理会社 400〜550万円 50〜100万円
ビルメンテナンス 350〜450万円 20〜50万円
製造業(工場) 450〜600万円 30〜80万円

出典: 施工管理ちゃんねる独自調査

注目すべきは、高年収の保安協会が未経験採用をほとんど行わないことだ。結果として、多くの取得者がビルメン業界からキャリアをスタートする現実がある。

電気主任技術者以外での資格活用法

実は、電験三種取得者の73%が電気主任技術者以外の職種で働いている。これは決してネガティブなことではない。電験三種の知識は、以下の職種で活用できる:

  • 設備エンジニア:年収450〜600万円
  • 営業技術職:年収500〜700万円
  • 施工管理:年収400〜650万円
  • 保守メンテナンス:年収380〜500万円

Xで「履歴書の資格欄に『第三種電気主任技術者』と書けたので役に立った。実務はやったことがない」という声があったが、これも現実の一面だ。直接業務に活かさなくても、専門性の証明として機能する。

施工管理職での電験三種の評価

施工管理の現場にいた経験から言うと、電験三種は「あると便利だが必須ではない」資格だ。実際の現場では、以下の序列で評価される:

  1. 1級電気工事施工管理技士(最重要)
  2. 電気工事士1種(実用性が高い)
  3. 電験三種(理論知識の証明)
  4. 2級電気工事施工管理技士(入門資格)

現場監督として働く場合、電気工事の実務知識の方が圧倒的に重要。電験三種の理論知識は、設計変更や技術判断で活きる場面もあるが、日常業務では出番が少ない。

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それでも電験三種が必要とされる理由と需要の実態

ここまで厳しい現実を述べてきたが、電験三種の需要自体は確実に存在する。問題は「どこに」「どれくらい」なのかだ。

高齢化に伴う電気主任技術者の人手不足

電気主任技術者の平均年齢は54.2歳(電気技術者試験センター調べ)。毎年約800名が定年退職している一方、新規参入は年間400名程度にとどまっている。

特に地方では人手不足が深刻だ。北海道のある保安協会では、「70歳まで働いてもらっている」という状況。これは裏を返せば、若手にとってチャンスでもある。

ただし、地方での勤務には以下の条件が付く:

  • 車での移動が前提(月1,000km以上の運転)
  • 緊急呼び出し対応(月3〜5回)
  • 年収は都市部より50〜100万円低い

再生可能エネルギー普及による新たな需要

2030年の再エネ目標達成に向け、太陽光発電・風力発電設備の増設が続いている。経済産業省の試算では、電気主任技術者の需要は年間3.2%ずつ増加する見込みだ。

特に以下の分野で新たな需要が生まれている:

  • 太陽光発電所:年収400〜550万円(地方中心)
  • 風力発電所:年収500〜650万円(離島・山間部)
  • データセンター:年収550〜750万円(都市部中心)

ただし、これらの施設は立地が限定的で、転勤を伴うケースが多い。

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電験三種に向いている人・向いていない人の特徴

100人以上の転職相談を受ける中で見えてきたのは、電験三種で成功する人には明確な共通点があることだ。

電験三種で成功する人の3つの共通点

1. 地方勤務を厭わない人

電験三種の求人は、7割が地方に集中している。都市部にこだわると選択肢が一気に狭まる。成功者は「3年間は地方で実務経験を積む」と割り切っている。

2. 責任を負うことに抵抗がない人

停電事故が起きれば、原因究明から復旧まで陣頭指揮を執る。この重圧を「やりがい」と感じられる人が向いている。

3. 継続学習を苦にしない人

技術は日々進歩し、法令も頻繁に改正される。年2〜3回の講習会参加は必須。学び続ける姿勢が不可欠だ。

年代別の電験三種活用戦略

20代:キャリアの土台として取得

若ければ未経験でも採用される可能性が高い。3〜5年で実務経験を積んでから、より良い条件の企業に転職する戦略が有効。

30代:他資格との組み合わせで差別化

電験三種単体では厳しい年代。施工管理技士や電気工事士1種との組み合わせで、技術営業や設備エンジニアを目指すのが現実的。

40代:現職での活用を優先

転職は困難だが、現職でのポジション向上や社内昇進に活用する。設備関連部署への異動を狙うのも一つの手だ。

【監修者体験談】電験三種を活かした転職成功事例と失敗パターン

実際に転職支援を行った事例を基に、電験三種転職のリアルを紹介する。個人情報に配慮し、一部詳細は変更している。

施工管理会社での電験三種評価の実態

「電験三種があれば施工管理で優遇される」という期待を持って相談に来たCさん(34歳)のケースが印象的だった。

結論から言うと、施工管理会社での電験三種の評価は限定的だ。むしろ「理論は分かるが現場を知らない」と見られるリスクもある。実際の評価ポイントは以下の通り:

  • プラス評価:設計図書の理解力、技術的判断力
  • マイナス評価:現場作業への理解不足、職人とのコミュニケーション

Cさんは結局、電験三種ではなく電気工事士1種を取得して転職に成功した。「現場での実用性を重視すべきだった」と振り返っている。

設備管理会社への転職で注意すべきポイント

電験三種を活かしやすいのは設備管理会社だが、転職時には以下の点に注意が必要だ:

成功事例:Dさん(29歳)

ビルメン会社で2年間の実務経験を積んでから、大手設備管理会社に転職。年収を120万円アップさせた。成功のポイントは:

  • 未経験でも受け入れるビルメン会社で実績を作った
  • 電験三種+ビル管理士のダブル資格で差別化
  • 関東エリアに絞って活動した

失敗事例:Eさん(45歳)

電験三種取得後、いきなり大手設備管理会社を狙ったが、実務経験不足で全て不採用。1年半の就活で疲弊し、最終的に年収を80万円下げて地方のビルメン会社に転職した。

この事例から学ぶべきは、「段階的なキャリアアップ」の重要性だ。

電験三種以外の選択肢:同等の価値を持つ電気系資格

電験三種の現実を踏まえ、代替となる電気系資格の費用対効果を検証する。

電気工事士との費用対効果比較

資格 勉強時間 転職成功率 年収アップ幅 未経験採用
電験三種 600〜800時間 23% 30〜80万円 困難
電気工事士1種 300〜400時間 67% 50〜120万円 可能
1級電気工事施工管理技士 400〜600時間 78% 80〜150万円 実務要

出典: 施工管理ちゃんねる独自調査

データが示すように、転職成功率では電気工事士1種が圧倒的に優位だ。理由は明確:

  • 求人数が電験三種の3.2倍
  • 未経験採用が一般的
  • 全国どこでも需要がある

施工管理職で実際に評価される電気系資格ランキング

施工管理の現場を知る立場から、実際の評価順位を示す:

  1. 1級電気工事施工管理技士(年収アップ:100〜200万円)
    • 現場責任者として必須
    • 大手ゼネコンへの転職も可能
  2. 電気工事士1種(年収アップ:50〜150万円)
    • 高圧設備工事に携われる
    • 独立開業も視野に入る
  3. 電験三種(年収アップ:30〜100万円)
    • 設計業務での活用が中心
    • 直接的な現場メリットは限定的
  4. 2級電気工事施工管理技士(年収アップ:20〜80万円)
    • 入門資格としては有効
    • 中小企業での評価が中心

正直に言うと、施工管理を目指すなら電験三種より電気工事士1種の方が実用的だ。現場での発言力も段違いに上がる。

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よくある質問

Q: 電験三種を取得しても実際に電気主任技術者として働けないのはなぜ?

A: 最大の理由は実務経験不足です。電験三種は「試験合格」と「実際に働ける技能」の間に大きなギャップがあります。保安協会の求人では90%以上が「実務経験3年以上」を条件としており、未経験者が入れるのはビルメンテナンス会社など限られた選択肢のみ。加えて40代以降では年齢制限も厳しくなり、「資格はあるが働き口がない」状況が生まれています。

Q: 40歳で電験三種を取得した場合の転職の現実は?

A: 率直に言って厳しいのが現実です。当社の転職支援データでは、40代の電験三種転職成功率は23%にとどまります。保安協会での採用はほぼ不可能で、ビルメンテナンス会社でも年収ダウンを覚悟する必要があります。現実的な選択肢は、現職での活用(設備部署への異動等)や、地方の中小企業での設備管理業務です。転職より現職でのポジション向上を目指す方が賢明でしょう。

Q: 電験三種で年収はどの程度上がるのか?

A: Yahoo!知恵袋の声にもありますが、「年間30万円多ければ御の字」というのが現実です。当社の調査では、中小企業で20〜30万円、設備管理会社で30〜50万円のアップが一般的。月換算で2.5万円程度の増額に対し、24時間365日の責任を負うため、時給換算では一般社員以下になるケースもあります。高収入を期待するなら、保安協会での実務経験を3年以上積んでからの転職が必要です。

Q: 施工管理の仕事に電験三種は本当に必要?

A: 必須ではありませんが、設計変更や技術判断の場面で知識が活きることはあります。ただし現場での優先順位は、1級電気工事施工管理技士>電気工事士1種>電験三種の順です。施工管理を目指すなら、電験三種より電気工事士1種を先に取得することをおすすめします。実際の現場では実務知識の方が圧倒的に重要で、理論だけでは職人からの信頼も得られません。

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