今回は住宅リフォームの施工管理技師のお仕事についてみていきましょう。
住宅リフォームの施工管理とは?
住宅のリフォームを中心に行う施工管理です。世の中で空き部屋が増えてきたことから、リフォーム案件も増えてきたことにより、住宅リフォームを中心とした施工管理技師の需要も高まっています。
住宅リフォーム施工管理しのお仕事体験談
30代・男性のケース(3000万以下の受託)
こちらでは「施工監理業務」に関して、具体的な業務内容等を綴りたいと思います。請負金額800万円〜2500万円程度の幅広い工事を担当しております。業務フローは大きく2つのタームに分かれております。
1つ目が施主へのヒアリングに始まり、空間のデザイン提案や間取り作成などの「設計業務」です。2つ目は、着工からお引き渡しまでの「施工監理業務」です。
リノベーション住宅では基本的に、申請が必要ない範囲での計画変更を行います。よって、スケルトンをあまり操作せずインフィルの部分のみの工事が大半となります。
とはいえ、既存物件の構造は多種多様であり、既存の竣工図面や構造図面が残っていないこともしばしば、壁をめくってみないと何が出てくるか分かりません。まっさらの土地に好きに設計する『新築住宅』とは違い、既存の柱や梁、給排水などのインフラををどう計画していくか、という点がリノベーションのポイントであり面白い所だと思います。 私が以前担当した物件のことを綴りたいと思います。
設計業務の内容とは?
2つの大きな問題が起きてしまった、私の中でもかなり印象に残っている物件の一つです。 築36年の木造2階建て住宅をリノベーションするという計画でした。この物件は築年数が古いせいか、竣工図書は保存されておらず、何が出てくるか分からない物件でした。
間取りも現在のそれとは大きく異なり、二間続きの和室を中心とする古い間取りでした。施主の要望で、広いLDKを実現するべく、壁を抜く計画をしていたのですが、実際解体をしてみると柱と筋交いが思わぬところに出てきました。これが一つ目の予期せぬトラブルです。
構造部材を移設する方法も考えたのですが、せっかくの柱を残すのはどうかと提案し、あえてLDKの一部に構造部材を残す計画で進めることになりました。柱は塗装で雰囲気を変え、リノベーションならではの良い空間ができたと思います。実際お施主様も喜んでおり、お子様の身長を測ったり、ビスを打って物を引っ掛けたりと創意工夫を楽しみながら生活しているとの事です。
住宅リフォームのトラブル
もう一つの予期せぬトラブルは、排水管の漏水問題です。古い物件にはよくある問題ではありますが、この物件は特殊で、漏水した排水が、付近の擁壁水抜き穴から溢れてしまったのです。
幸い、出てきたのは少量の汚水だけだったのですが、この問題を抱えたままでは生活することは出来ないということで、急遽屋外給排水経路を全てやりかえる工事を行いました。この物件では不動産売買契約の瑕疵担保責任範囲内だったこともあり、修理費用の一部を不動産の売主様が負担してくれたこともあり、今では快適に生活されております。
リノベーション計画の現場では、様々な予期しない事が発生しますが、それらをどう上手く活かせるかという点が、やり甲斐のあるポイントだと思います。新築ではありえないトラブルにも見舞われますが、逆に新築では作れるはずのない、素敵な空間が設計できることも多くあります。今後より一層リノベーション業界が盛り上がればと思います。
住宅リフォームの施工管理のやりがいとは?
身近な人のすまいづくりに貢献できるのは住宅リフォームのやりがいだとも言われています。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
住宅リフォームの建築施工管理としても楽しい仕事はいっぱいあります。ぜひ空き家が増えていく中で、身近な人の幸せの環境をつくるとても素敵なお仕事でした。
コメント
コメント一覧 (1件)
最近空き家問題などが話題になっているが、まだまだ地方での需要が高いことが読める記事だった。
実際に仕事を探す中で個人向けか法人向けに悩んでいましたので、大変参考になりました。