施工管理のデメリットと働きがいについてお伝えします。近年、建設業界、施工管理のお仕事に注目が集まるようになりました。「施工管理の年収が高い」などメリットについては多くの記事で取り上げられていますが、全てがいいことばかりではありません。
本件では「デメリットについてもしっかり理解するために」ということで、今回は建設業で働くデメリットを中心に紹介していきたいと思います。
施工管理のお仕事は「ツラい」ということはみなさんも聞いたことがあるかもしれません。どんな仕事にも辛い面はつきものです。悪い側面やデメリットを理解することで、逆にこの仕事の「やりがい」がみえてくるのではないでしょうか。
果たしてメリットとデメリット、どちらが大きいのか、一緒に考えていきましょう。
建築施工管理技士のメリットとは
先にメリットについてみていきましょう。メリットについては多くの記事でまとめられていますよね。
①後世に残せる仕事である
自分が携わった建造物が、カタチとして残ることから「人のためになっている」ことが実感しやすい仕事です。あなたが手がけた建物が、あなたが生きている間だけではなく、この世を去った後にも残るです。
また「実際に成果が目に見える」仕事であり、自身のモチベーションにもつながると思います。自分が手がけた建物の前を通るたび、「これは、自分がつくったんだぞ」と誇らしい気持ちになれるのは、建築施工管理技士ならではの醍醐味ですね。
②高い給与水準
繰り返しになりますが、建設業界の仕事は、人々が生活する上で欠かせない仕事であり、いつの時代でも一定の重要がある業界といえます。
建物は新規工事だけでなく、老朽化建物・インフラの改修工事や耐震工事等の仕事もあるので、建物が存在している限り、建設業界の仕事がなくなることはないといっていいでしょう。
一定の需要が見込める業界であり、建築施工管理技士の給与水準は、他業種と比べ高めといわれています。
建築施工管理技士の平均年収は440万円〜500万円というデータもあるので、全体(全業界の平均年収は440万円(総務省の賃金調査))よりも高い水準にあります。
またスキルや資格があれば、より高収入を得られる可能性があります。1級建築施工管理技士の資格取得者であれば800万円以上、なかには1,000万円以上を得ている方もいます。大手ゼネコンを中心に高収入求人が集まっていますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
③経験値を積んで、キャリアアップしやすい
建設現場の仕事は「経験がものをいう」仕事なので、自分のこれまでの実務経験やスキルを多分に発揮できる仕事といえます。
自分のスキルや経験が、給与や社内でのポジション(職位)にも反映してきますから、やりがいのある仕事といえるでしょう。
またスキルや資格がある方であれば(※特に1級をもっていると)、転職も容易といえます。経験値の高い建築施工管理技士は、多くの企業から重宝される存在です。転職へのハードルが低いことは、自身のキャリアを考えていく上で、メリットといえますね。
④様々な人と関われる
建設現場は、世代もキャラも違う多種多様な人がたくさん集まっています。
また建築施工管理技士は、対外(発注者、近隣住民等々)の人とも折衝する機会もあります。
建築施工管理技士の仕事は「調整」の仕事といえるほど、現場の工程から人間関係の調整に至るまで行う必要があります。
大変な反面、いろいろな人と関わる機会がある、自身のコミュニケーションを高める機会にもなるといった点は、この仕事のメリットだと思います。
建築施工管理技士のツラいこととは?デメリット5選!
それでは、今回の本題、デメリットについてみていきましょう。ここまでみてきたように、施工管理の仕事は非常にやりがいのある仕事です。ただし、「ツラい」仕事であることも間違いありません。
今回は5つ紹介しますので、デメリットについて再度ご理解の上、自身の仕事に向き合っていきましょう。
①残業が多い・休日がない
建設現場は「工期厳守」が大鉄則ですよね。
工期は天候にも左右されることも多いですし、自分の仕事が終わらないと他の人に迷惑がかかってしまう職業柄、残業や休日出勤が慢性化している業界ともいえます。
また、建築施工管理技士の仕事は、現場だけでなく、現場作業後のデスクワーク(書類整理等々)もありますから、残業は当たり前になっているかもしれません。
「36(サブロク)協定はどこいったの?」「働き方改革の波がきてませんけど…」なんて思っている方も多いと思います。
労働時間が多くて、肉体的にも精神的にもツラいといったことは、建築施工管理技士の仕事において、誰もが真っ先に浮かぶデメリットといえますね。
②プライベート・家族との時間がとれない
前項の残業が多い、休日がないことを主因として、「プライベート時間が確保できない」
といった悩みを持たれている方は多いでしょう。
またプロジェクトによっては遠方であったり、工期も長くなることもあることから、単身赴任を余儀なくされるといった悩みも多いです。
「休日の家族旅行をキャンセル…妻激怒」「家に帰ったら、全員寝てる」なんて経験をされている人も多いと思います。
プライベート・家族との時間が確保できていないといったことがネックになっている方は、就業環境を重視している会社への転職等も検討してみるのもいいかもしれません。
③人間関係・プレッシャー・ストレス
メリットのところでも触れましたが、建築施工管理技士の仕事は「調整」の仕事といえるほど、現場の各工程から人間関係の調整まで、すべての指揮をとらなければなりません。
いろいろな人と関われるというおもしろさがある反面、中には癖の強い職人さんも多かったりする為、正直慣れるまでは非常に疲れます。
また、工期のプレッシャーだけでなく、現場は命の危険と隣り合わせといった緊張感があるので、精神的な負担は非常に大きいものです。
ストレスが原因で、うつ病になった…なんて話も耳にします。
こういった状況だけは避けたいものです。
④時給換算すると…(笑)
給与水準は世間一般よりも高い水準にあることも事実ですが、労働時間・航続時間が長い傾向にあるのも事実です。
多くの建築施工管理技士の方々のお話を聞く中で、「正直、割に合ってないよ…」「いざ時給換算してみたら、アルバイト以下…?(悲)」なんて話もよく出てきます。
それではみなさん、実際に電卓を手に、時給換算してみましょう(笑)
いかがだったでしょうか(笑)
また余談にはなりますが、「お金を使う時間がなくて、意外とお金が貯まる!?」といった意見も結構あったりします。
これを良いことと捉えるか、捉えないかは、あなた次第です(笑)。
⑤資格取得に時間がかかる
資格取得をすることで、自身の市場価値や給与水準を高めることが可能です。
しかしながら、「仕事をしながら、資格勉強はキツイよ」というのが本音だと思います。
さらに、受験資格には実務経験年数も関わってくるので、資格を取得するには(=まず受験資格を満たすだけでも)時間がかかります。
簡単に、各級の受験資格は
2級:学歴次第ではあるものの、大学を出ている場合は、指定学科以外でも1年半以上の実務経験があれば「実地」試験を受けることが可(「学科」試験は満17歳以上であれば学歴や実務経験の有無に関係なく受験することが可)
1級:①学卒後、実務経験7年半以上(指定学科卒は5年以上)
②【2級建築施工管理技士保有者】合格後、実務経験5年以上
となっているので、1級取得するまでの年数(目安)としては、2級取得に1年半、合格後に5年が必要ということから逆算しますと、(一発合格できるとも限らないので)大体10年前後といったイメージです。長い道のりですね。
しかしながら、それだけ取得が大変ということは、逆に言えば、「有資格者の市場価値は非常に高い」ということです。
1級建築施工管理技士が高収入であったり、各企業からの採用ニーズが高いのは納得できますね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の記事では建築施工管理技士のメリットとデメリットをみてきました。
果たして「ツラさ」が勝つのか、「やりがい」が勝つのか。
あなたはどちらだったでしょうか。
「たしかにツラい!ただやめられない!」
これが建築施工管理技士を続けられている方々の真意なのではないでしょうか。
デメリットを理解することで、自分が「なにに」重きを置いているのか、やりがいを感じているのかが見えてくると思います。また今の会社のココは良い、ココは良くないといった面も見えてくると思います。
仕事に求めるものは人それぞれです。今の職場でやや不満やネックになっているところがあれば、そこに正直に向き合って、改善の道を探っていきましょう。
コメント