土木施工管理とは舗装、橋、鉄道、トンネル、河川、港湾などの土木工事において全体を指揮する現場監督的な立場に当たります。
工事の施工計画の作成、作業工程の管理、安全、品質、コストの管理の他、用地の確保、役所への手続き、書類処理、周辺住民への説など、様々な仕事を任されます。
幅広い分野で需要のある土木施工管理の仕事について詳しく見ていきましょう。
未経験から土木施工管理として正社員になるには?
土木工事の仕事自体は未経験であったり資格をもっていなくても従事する事ができますが、現場の中心的な立場となる施工管理ともなると、それ相応の技術や能力が求められる事は言うまでもありません。
ここでは未経験でも土木施工管理として正社員になれる可能性について見ていきたいと思います。
資格を取る
土木施工管理の資格として「2級土木施工管理技士」「1級土木施工管理技士」という資格が存在します。
工事現場での実務経験を積む事で「2級土木施工管理技士」の受験資格を得る事ができ、合格すれば現場の「主任技術者」として土木施工管理の仕事に従事する事が出来ます。
土木施工管理の実務経験を積むことで「1級施工管理技士」の受験資格が得られ、合格すればあらゆる場面で活躍できるようになります。
よって、未経験から土木施工管理の仕事をする為には、まず一般的な工事現場での実務経験が必要になってくるのです。
それぞれの資格の内容について説明したいと思います。
・2級土木施工管理技士
試験内容が「土木」「鋼構造物塗装」「薬液注入」の3種類に分けられ、これらの中で合格した分野において作業工程ごとの責任者である「主任技術者」として従事する事が可能になります。
受験資格である実務経験の年数は、学歴によって違いがあり、最短では大学の工学部土木科などを卒業した後に1年以上の実務経験で受験が可能です。
尚、高校まで卒業していれば4年6ヵ月、学歴がない場合は8年以上の実務経験が必要になってきます。
・1級土木施工管理技士
作業工程ごとの責任者に当たる「主任技術者」及び現場全体を指揮する「監理技術者」の両方に選任が可能で、全ての土木工事において施工管理や安全管理といった業務に従事する事ができます。
受験資格に関しては1年以上の土木施工管理の実務経験が必要になります。
最短で大学の工学部土木科などを卒業した後に、「2級土木施工管理技士」を取得し、1年以上の施工管理の経験を含めた3年以上の実務経験で受験が可能です。
尚、学歴がなくても「2級土木施工管理技士」を取得している場合は、1年で受験資格を得られますが、2級を取得する際の実務経験と合わせて9年以上かかる事が分かります。
つまり、未経験から土木施工管理の正社員として活躍するにはまず土木工事の経験を積み、「2級土木施工管理技士」の取得することが第一歩となります。
その後あらためて土木施工管理の実務経験を経て「1級土木施工管理技士」を取得する事でさらに重要な仕事にも従事できるようになるのです。
キャリア支援のある未経験受け入れ求人を選ぶ
資格を取得したとしても経験が有無によって企業の見方も変わってきます。
よって未経験で土木施工管理の仕事を目指す場合、求人を選ぶにも内容の確認や情報収集をしっかりとする必要があります。
重要なのはキャリア支援のある企業で未経験の受け入れがある求人を探す事です。
キャリア支援とは、未経験者を対象とした資格取得支援や研修といった教育制度のある企業の事です。
企業によってその内容は異なりますが、ある企業では入社時研修では現場での最低限の知識の学習や現場見学といった内容で仕事に対する心構えを習得したり、その後も2年研修~15年研修といって時間をかけて土木施行管理技士の育成に力を入れています。
このように現場で仕事をしながら、正しい知識を身に付ける事の出来るキャリア支援は、未経験で働く者にとっては、非常に有利な要素です。
土木施工管理という仕事は様々な現場で需要がある為、未経験者でも、受け入れのある工事現場での求人が見つかる可能性は大きいといえます。
キャリア支援というサポートを受けて、現場での実務経験をこつこつと積める安心で安全な仕事場を探す事が大切です。
異業種から正社員で土木施工管理として転職するには?
現在、土木施工管理の仕事は東日本大震災や大雨被害などの災害、2020年オリンピックの為の造成工事において、非常に需要が高まってきます。
そのため、異業種から土木施工管理の仕事に転職を考えている人も少なくないのではないでしょうか。
しかしながら、いきなり異業種から未経験で施工管理の仕事に就く事はまずできません。
前述でも述べたように、土木施工管理の仕事をする為には、まず実務経験が必要なのです。
ここでは異業種から転職する場合、正社員で土木施工管理の仕事を目指す方法についてみていきたいと思います。
建築系の転職エージェントに相談する
転職エージェントとは、人材紹介サービスの一つであり、登録する事で担当者がつきます。無料で転職の相談に乗ってくれたり、企業の求人紹介から履歴書や職務経歴書の添削、面接に関するアドバイスやセッティング、さらに給与交渉などの転職をする際に様々なサポートをしてくれます。
全業種、全職種を取り扱う総合型をはじめ、中には建築系や施工管理専門の特化型も存在し、表には出ていない非公開求人も紹介してくれる可能性があります。
ただ連絡や面談をしながら進めるため、実際に働くまで時間がかかる事があります。
求人サイトで、探してみる
求人サイトでも様々な情報を得る事ができ、自分のペースに合わせて自由に決められる点があります。
ただ転職エージェントと違い、担当者が付かないため、自分でWebサイトの求人情報を調べて、手続きなど全てこなさなくてはなりません。
どちらかというと、転職エージェントを利用した方が良い求人を見つけるには有利です。
転職エージェントで思うような求人が見つからない場合の手段として考えておく方が適切かもしれません。
知り合いの土木施工管理に相談する
もし知り合いや友人で土木施工管理の仕事をしている人がいるなら、直接相談してみるのも良いかもしれません。
実際に現場に携わっている立場ならではの情報やアドバイスが期待できる可能性は大きく、上手くいけば未経験者でも雇ってくれるような良い仕事場を紹介してくれるかもしれないし、施工管理になるための条件や資格についても教えてくれるでしょう。
土木施工管理の正社員の給料・年収は?
これまでの説明で、土木施工管理は工事現場での実務経験や資格の取得が必要であり、現在の日本において非常に需要の高い職業というのが、お分かり頂けたと思います。
では気になる給料や年収のおおよその平均について見ていきたいと思います。
エリア別
北海道 :給料 約29万円、賞与…約67万円
東北 :約27万円、約62万円
関東 :約34万円、約91万円
中部 :約30万円、約83万円
近畿 :約33万円、約88万円
中国/四国 :約29万円、約74万円
九州 :約27万円、約64万円
沖縄 :約25万円、約46万円
年齢別
~19歳 :給料 約19万円、賞与…約12万円
20歳~24歳 :約29万円、約35万円
25歳~29歳 :約27万円、約64万円
30歳~34歳 :約31万円、約79万円
35歳~39歳 :約34万円、約90万円
40歳~49歳 :約39万円、約119万円
50歳~59歳 :約39万円、約125万円
60歳~69歳 :約29万円、約53万円
70歳~ :約26万円、約27万円
土木施工管理の正社員のお仕事探しにオススメのサイトランキング
正社員で土木施工管理の仕事を探す際、オススメの求人サイト及び情報サイトについて見ていきたいと思います。
求人サイトに関しては現在の求人数にて順に紹介していきます。
1位:doda
現在で836件の求人が掲載されている転職エージェントサービスです。
担当者による非公開求人の紹介はもちろん、スカウトサービスというものがあります。
これは経験やスキルを登録しておくことで、それを見た企業から直接オファーがくるように仕向けてくれるサービスです。
2位:マイナビ転職
現在で283件の求人が掲載されている転職エージェントサービスです。
dodaと比べると求人数は少ないものの、スカウトサービスもありサイト上での情報が豊富です。
土木施工管理の仕事内容や転職成功ガイドなども紹介されているのでサイトを見るだけでも勉強になります。
3位:せこかんラボ
せこかんラボは土木施工管理を含む、多くの建築の仕事内容を紹介する情報サイトです。
求人サイトではありませんが、建築業界における業種ごとの求人の探し方ガイド、給料、年収、技術に関する内容など様々な記事が掲載されています。
また記事内にて求人紹介のページにとべるようにもなっていますので、一度目を通すことで非常に良い学習になることは間違いないでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
道路、橋、鉄道、トンネル、河川、ダムという地図に残るものを時間をかけて造っていくのが土木工事であり、それを指揮する責任者が土木施工管理です。
決して楽な仕事ではありませんが、長い工事が終わった後に自分が中心となって造ってきたものを目の当たりにした時は何とも言えない感動が待っています。
また新規の工事だけでなく、老朽化した建造物の補修や維持という面でも求められます。
人の生活を支える仕事でもあるのが、土木施工管理の大きな魅力といえます。
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