土木品質管理の仕事をこれから始めようと思っている方に具体的な例を挙げて説明していくので土木品質管理の業務や将来の展望などイメージできるのではないでしょうか。
土木品質管理の役割とは?
土木品質管理の役割は大きく分けて3つあります。
それぞれ解説していきます。
役割1:各種指針、要網に沿った材料選び
各種指針や要網に書かれてある、材料の形状や寸法、品質や規格を満たしているか確認します。材料の形状が規格に合っていなければ、組付けする事が出来ないですし、寸法が違えば現場での加工等、無駄な時間を費やすことになります。
また品質を満たしていないと強度や耐久性といった目に見えない重大な欠陥につながります。
役割2:経済的につくる
各種指針通りの強度や規格などを満たした材料を選ぶ際に、最も単価の低い物を選ぶ必要があります。また使用する設備や重機も費用を抑え、更に施工方法の無駄を省き計画的に現場を進めるように促すことも重要です。
役割3:設計図書や仕様書通りにつくる
クライアントの発注により、設計士がクライアントの要望通りに、設計図書(図面等)や仕様書を制作します。クライアントの意向がそのまま設計図書や仕様書となるので、設計図書に合わせた造形でつくられているか、また仕様書の内容に沿ってつくられているかを管理することでスムースな引き渡しを可能にします。
土木品質管理に求められるスキルとは?
土木品質管理を行う上で必要なスキルは以下の通りです。
スキル1:リスクマネジメント
様々な問題を未然に防ぐスキルが求められます。工事を進める行程において人選や設備、重機の不具合などにも速やかに対応しなければなりません。工事におけるミスは人員的な要素がほとんどなので、設備や重機を扱う人員の教育や機材の点検等、様々なリスクアセスメントを行います。
スキル2:観察力
品質管理を行う上で問題となる事柄を見付けることが出来なければ、問題解決に至らないので観察力は重要なスキルです。機材のメンテナンス不良や取り扱いの際の違反行為を見抜くための観察力や、適切な施工方法で工事が行われているかを観察するのも重要です。
スキル3:コミュニケーション能力
事前に不具合を見付ける事が出来ても、その問題を現場に通達出来なければ、問題解決出来ません。ミーティングの際の通達だけではなく、作業の合間のコミュニケーションも積極的に行うように心がけましょう。作業者とのコミュニケーションから、不具合や問題箇所に気付ける事もあるからです。
土木品質管理の働き方は?
土木品質管理の1日の仕事の流れと休日についてご紹介します。
土木品質管理の1日の仕事の流れは?
土木品質管理の1日の大まかな流れです。
7:30~8:00 出社。
↓
8:00~9:30 作業手順、注意点などの確認、現場への移動。
↓
9:30~12:00 現場での注意事項の伝達、目視や報告による品質管理の確認。
↓
12:00~13:00 昼食、現場管理者との打ち合わせ等。
↓
13:00~16:00 午後の業務における注意事項の伝達、確認。
↓
16:00~18:00 事務所に戻りその日の報告書の作成。
土木品質管理の休日や休暇は?
務める事務所や現場の状況等で違ったりするので、基本的なケースをご紹介します。有給休暇に関してはどのケースにおいても共通であります。
ケース1:大手事務所の定休日
基本的に週休二日ですが、休みの曜日は各事務所で違うので、土日休みと決まっているわけではありません。日曜日+平日のどこかというケースが多いかと思います。
ケース2:個人事務所
大手のような完全週休二日制を取っている事務所もありますが、隔週二日休みや週一日休みという事務所もあります。
ケース3:長期休暇
GW、夏季、冬季の長期休暇もあり、一般的な連休に準じた休みというケースがほとんどですが、稀に暦通りというケースもあります。
土木品質管理の仕事が激務と言われる理由
現場を隅々まで監視して、作業員や重機にも目を向けなければならないので肉体的にも精神的にもハードです。
本当に激務なの?
土木工事の品質を管理する上で、機材、設備の点検等や、材料の形状、寸法、品質、規格と見るべき箇所が多いので、肉体的にハードな面があるのと、他の土木作業員に嫌われる職種になるからです。
激務と言われる理由は?
既に着工している作業であっても、品質に合致していない工事を行っている場合や、規格に合っていない材料がある場合など、現場での直し作業を指示しなければなりません。土木作業員から見れば、既に終わっている作業などを手直しや、やり直し等しなければならないので、迷惑がられるケースがほとんどです。ですが品質を管理する以上、迷惑がられてもNGを出さなければならないので、精神的にもハードです。
土木品質管理の年収は?
土木品質管理の年収をご紹介します。わかりやすいように年齢別で紹介していますが、スキルにより年収も変動するのであくまでも目安です。
年齢別
年齢別で年収を表すと下記の通りです。
20代~30代・300万円~350万円
30代~40代・350万円~400万円
40代~50代・400万円以上
経験年数別
年齢とは別に経験年数で表してみます。
未経験・300万円~350万円
5年~15年・350万円~400万円
15年以上・400万円以上
土木品質管理の将来性は?
これからの時代、AIによる自動化の時代と言われていますが土木建築業界では自動化は難しいと言われています。大きな重機や書類作成などの単純作業は自動化出来ますが、手作業で行う工事や管理に関しては、将来的にも人が行わなければならないでしょう。そういった意味では、土木品質管理の将来性は明るいといえるかもしれません。
土木品質管理の年収をあげるには?
土木品質管理で年収を上げるには現場での作業を長く続ける必要があります。また資格を取る事も年収を上げる為には必要です。
経験を積む
経験を積むという事は、スキルを上げるという事です。上で挙げたように、リスクマネジメントや観察力など現場が変わっても基本的にすべき事は一緒なので、現場数をこなす事で経験値を上げる事が出来ます。
資格を取る
品質管理の為の資格があるので資格を取る事も報酬アップに繋がります。品質管理検定もしくはQC検定と呼ばれる資格があります。4級、3級、2級、1級/準1級とある中でQC検定1級を取れれば報酬アップになります。
転職をする
最も効率的で即効性のある年収アップの方法は、転職ではないでしょうか。経験やスキルなど、正当に評価されているか疑問に思われている方は、転職サイトなどへの登録を試みるのも良いかと思います。あなたの経験やスキルを求めている会社があるかもしれません。
最後に
土木業において品質管理は安心、安全に直結するので重要な仕事になります。
現場では嫌われる存在でもあるので精神的強さが求められる仕事でもありますが、やりがいと達成感は十分あるので、責任感や、やりがいを求めて転職を考えている方にとっては、魅力的な仕事ではないでしょうか。
コメント