電気主任技術者と電験の違いは?資格比較と年収格差の実態

電気主任技術者と電験の違いは?資格比較と年収格差の実態

電気主任技術者と電験の違いは?資格比較と年収格差の実態

「電気主任技術者と電験って同じですよね?」「ずっと別物だと思っていたので色々混乱してます」——Yahoo!知恵袋でこんな疑問を投げかける声が後を絶たない。

あなたも同じような混乱を感じているのではないか。電気業界に興味を持ち始めた段階では、電気主任技術者・電験・電気工事士の関係性が見えにくい。さらに、転職を考える段階になると「年収はどれくらいか」「どの資格が有利なのか」という現実的な疑問も浮かんでくる。

この記事では、電気主任技術者と電験の関係性から始まり、電気工事士との違い、そして転職市場での年収格差まで、現場を知る立場から率直に解説していく。

この記事のポイント

  • 電気主任技術者と電験は同じ資格(電験は試験の略称)
  • 電気工事士は「工事」、電気主任技術者は「保安監督」の法的区分
  • 試験合格組と認定組では転職市場で格差がある(免状番号で判別可能)
  • 20代×電験2種×データセンター業界で年収600万円は現実的
  • 大学電気系学科出身者は認定取得ルートで有利
目次

電気主任技術者と電験は同じ資格【名称の違いだけ】

結論から言うと、電気主任技術者と電験は同じ資格だ。

Yahoo!知恵袋では「厳密に言うと少し違います。電験とは、電気主任技術者試験のことを言います。最初の『電』と最後の『験』で電験です」という回答があるが、これが正確な説明だ。多くの初学者がこの点で混乱している。

電気事業法で定められた正式名称と略称

電気事業法で定められた正式な資格名称は「電気主任技術者」である。一方、「電験」は「電気主任技術者試験」の略称として使われ始めた。

試験の正式名称を分解すると以下のようになる:

  • 第一種電気主任技術者試験 → 電験一種(電験1種)
  • 第二種電気主任技術者試験 → 電験二種(電験2種)
  • 第三種電気主任技術者試験 → 電験三種(電験3種)

つまり、「電」気主任技術者試「験」から「電験」という略称が生まれた。現在では試験のことを指すだけでなく、資格そのものを「電験3種を持っている」のように表現することが一般的になっている。

免状に記載される資格名は「電気主任技術者免状」

実際に試験に合格したり認定を受けたりして交付される免状には、「電気主任技術者免状」と記載される。「電験免状」ではない。

免状の種類は以下の3種類:

  • 第一種電気主任技術者免状
  • 第二種電気主任技術者免状
  • 第三種電気主任技術者免状

法律上の正式名称が「電気主任技術者」であることは、転職活動での履歴書記載時に重要だ。正確には「第三種電気主任技術者免状 取得」と書くのが適切である。

業界での呼び方「電験」が一般化した理由

なぜ「電験」という略称がここまで浸透したのか。

現場では「でんけん」と4文字で呼ぶ方が「でんきしゅにんぎじゅつしゃ」と10文字で呼ぶより圧倒的に楽だ。特に電気工事の現場では、「俺、電験3種持ってるから」という会話が日常的に飛び交う。

また、試験対策の参考書や講座でも「電験3種対策講座」「電験2種テキスト」のような表記が一般的になった。Google検索でも「電験3種」で検索する人の方が「第三種電気主任技術者」で検索する人より圧倒的に多い。

この結果、業界内では「電験」が資格の呼び名として完全に定着している。

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電気主任技術者と電気工事士の決定的な3つの違い

電気主任技術者(電験)と電気工事士を混同する人も多いが、法的な役割が全く異なる。

業務内容:「工事」vs「保安」の法的区分

最も重要な違いは業務内容だ。

電気工事士の業務:

  • 電気工事の「作業」を行う
  • 配線工事、コンセント取り付け、分電盤工事
  • 実際に工具を持って作業する職種

電気主任技術者の業務:

  • 電気設備の「保安監督」を行う
  • 設備の点検・検査、運用管理、工事計画の審査
  • 管理者として設備の安全性に責任を持つ職種

転職市場で重要なのは、電気主任技術者の方が「管理職」としての側面が強いことだ。現場作業員から一歩上のポジションを狙える資格と言える。

責任範囲:設置工事vs運用保守の違い

法的責任の範囲も大きく異なる。

電気工事士は「工事の適切な施工」に責任を持つ。工事が完了すれば、その工事に関する責任は基本的に終了する。

一方、電気主任技術者は「設備の継続的な安全管理」に責任を持つ。設備が稼働している限り、保安監督責任が続く。この責任の重さが、年収の違いにも直結している。

ある30代の元メーカー設計職は面談で「大学で電気系の学科を専攻しているので、500V以上の仕事をすれば三種以上は確保できる。1万V以上なら二種、5万V以上5年なら一種が取れる」と語った。責任の重い高電圧設備ほど、高位資格が要求される仕組みになっている。

取得方法:技能試験vs理論試験中心の差

試験内容も対照的だ。

電気工事士試験:

  • 筆記試験+技能試験(実技)
  • 実際の配線作業能力を測定
  • 年2回実施(受験機会が多い)

電気主任技術者試験:

  • 理論・電力・機械・法規の4科目(筆記のみ)
  • 理論的な知識と計算能力を重視
  • 年2回実施(2022年度から)

電気工事士は「実際に手を動かせるか」、電気主任技術者は「理論的に設備を理解し管理できるか」を問う試験と言える。

電気工事士と電気主任技術者の資格別合格率比較を示す棒グラフ

電験1種・2種・3種の資格比較と難易度ランキング

電気主任技術者は種別によって監督できる設備の規模が大きく異なる。転職市場での価値も連動して変わる。

監督可能な電気工作物の電圧階級別分類

電圧階級による区分は以下の通り:

資格種別 監督可能な電圧 対象施設例
第三種電気主任技術者 5万V未満(ただし出力5,000kW以上の発電所は除く) 工場、ビル、商業施設のキュービクル
第二種電気主任技術者 17万V未満 大規模工場、データセンター、小規模発電所
第一種電気主任技術者 全ての事業用電気工作物 大規模発電所、変電所、超高圧送電線

転職市場では、より高電圧設備を監督できる資格ほど希少価値が高い。特にデータセンターブームの影響で、電験2種の需要が急速に高まっている。

合格率と必要勉強時間の種別比較

各資格の難易度を数値で見ると、その格差は歴然としている。

資格種別 合格率 必要勉強時間目安 科目合格率
電験3種 16.6% 1,000時間 約30%
電験2種 5% 1,500時間 約20%
電験1種 3% 2,000時間以上 約15%

科目合格制度があるため、実際の学習戦略では「一発合格」より「3〜4年かけて全科目揃える」アプローチが現実的だ。

認定取得の実務経験要件【種別×年数×電圧】

試験以外に「認定」による取得ルートがある。これが転職戦略で重要な意味を持つ。

認定取得の実務経験要件:

  • 電験3種:500V以上の電気工作物の工事・維持・運用に関する実務経験3年
  • 電験2種:1万V以上の電気工作物の実務経験3年(電験3種取得者は1年短縮可能)
  • 電験1種:5万V以上の電気工作物の実務経験5年(電験2種取得者は3年短縮可能)

大学で電気系を専攻した場合、卒業と同時に実務経験年数が短縮される。工業高校電気科卒業者も同様の恩恵を受けられる。

つまり、「まず就職して実務経験を積み、認定で資格を取る」という戦略が存在する。試験勉強が苦手な人には現実的な選択肢だ。

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20代×電験2種で年収600万円は本当か【転職データ検証】

Yahoo!知恵袋で「20代の若さで2種でも受験でとれたら、業界次第では、600万はほぼ間違い無し」という書き込みを見たことがあるだろうか。これは本当なのか、データで検証してみよう。

年代×資格種別の年収相場【独自データ】

施工管理ちゃんねるが過去3年間で面談した30,000名のデータから、電気主任技術者の年収実態を分析した。

年代 電験3種 電験2種 電験1種
20代 420万円 580万円 650万円
30代前半 520万円 680万円 780万円
30代後半 600万円 750万円 900万円
40代 650万円 800万円 1,000万円

20代×電験2種の580万円という数字は、Yahoo!知恵袋の「600万円」にかなり近い。ただし、これには条件がある。

年収600万円到達の条件:

  • 試験合格で取得(認定組より約50万円高い傾向)
  • データセンター・外資系企業を選択
  • 実務経験2年以上
  • 基本的な英語力(TOEIC600点程度)

この条件を満たせば、20代で年収600万円は「ほぼ間違いなし」と言えるデータが確認できた。

業界選択による年収格差:一般vs外資系

同じ電験2種でも、業界選択で年収が大きく変わる。

業界 20代年収目安 30代年収目安 特徴
製造業(設備管理) 450万円 550万円 安定、残業少
建設業(施工管理) 500万円 650万円 昇進早い、激務
データセンター 600万円 750万円 24時間体制、英語必要
外資系ファシリティ 700万円 900万円 成果主義、高プレッシャー

Yahoo!知恵袋で言及されていた「データセンターとかの設備・ファシリティー系」「外資だと1000万でも夢ではありません」という情報は、このデータと一致している。

ただし、外資系は成果が出なければ容赦なく降格・解雇されるリスクもある。「高年収=安定」ではないことを理解しておく必要がある。

試験合格vs認定取得「見えない格差」の実態

法的には同じ価値の電気主任技術者免状だが、取得方法により現場での扱いに差が生まれている。これが「見えない格差」の実態だ。

免状番号で判別可能な取得方法の見分け方

実は、電気主任技術者免状を見れば、その人が試験で取得したか認定で取得したかが分かる。

Yahoo!知恵袋では「免状に記載される番号の頭に付くアルファベットが違うので見ればすぐにどちらか解ります」と説明されている。これは事実だ。

免状番号のパターン:

  • 試験合格組:数字のみの免状番号
  • 認定取得組:アルファベット+数字の免状番号

この区別により、現場では無言のうちに「あの人は試験組」「この人は認定組」という認識が生まれる。技術者として正当な評価を受けるべき話だが、現実はそう単純ではない。

転職市場での試験組vs認定組の評価差

転職活動での評価に差があるのか。率直に言うと、差はある。

Yahoo!知恵袋の「どうしても認定の場合は周りから低く見られがち」という指摘は、残念ながら現場の実情と一致している。

試験合格組への評価:

  • 「自分で勉強して取得した」という努力が評価される
  • 理論的な知識がしっかりしていると認識される
  • 転職時の面接でアピールポイントになりやすい

認定取得組への評価:

  • 実務経験は十分にあると認識される
  • 「試験勉強をしていない」という先入観を持たれがち
  • 面接で実務経験の具体的な説明が重要になる

監修者の林氏(施工管理歴15年)は「認定組でも現場で結果を出している人はいくらでもいる。ただし、最初の評価で不利になるのは事実」と語る。

転職を考える際は、この現実を理解した上で戦略を立てる必要がある。認定組なら面接で実務エピソードを具体的に話せるよう準備しておくことが重要だ。

試験合格組と認定組の電気主任技術者年収比較を示す棒グラフ

電験取得のキャリアパス戦略【実務経験カウント活用法】

電気主任技術者を取得する最適なルートは人それぞれ異なる。特に実務経験をどう積み上げるかが鍵となる。

電圧階級別の実務経験積み上げ戦略

認定取得を狙う場合、電圧階級別の実務経験を戦略的に積み上げることが重要だ。

実務経験カウントの階段:

  1. 500V以上の現場で3年 → 電験3種認定申請可能
  2. 1万V以上の現場で3年 → 電験2種認定申請可能
  3. 5万V以上の現場で5年 → 電験1種認定申請可能

重要なのは、「どの現場なら何Vの設備があるか」を理解して転職することだ。

電圧階級別の現場例:

  • 500V以上:小規模工場、商業ビル、マンション
  • 1万V以上:大規模工場、データセンター、病院
  • 5万V以上:発電所、変電所、製鉄所、石油化学プラント

ある面談者は「大学で電気系の学科を専攻しているので、500V以上の仕事をすれば三種以上は確保できる」と語った。大学での専攻を活かし、最初から戦略的に現場を選んでいる例だ。

設計職から施工管理への転身で経験値リセット回避

メーカーの設計職から施工管理に転身する場合、実務経験のカウントが複雑になる。

設計職では「電気工作物の工事・維持・運用に関する実務」とは認められにくい場合がある。図面を描いているだけでは、電気主任技術者の認定要件を満たさない可能性が高い。

一方、施工管理なら現場での工事監督業務が実務経験として認められやすい。年収600万円のメーカー設計職から転身するケースでは、「実務経験がカウントされない問題を解決するため」という動機が多い。

転身のメリット:

  • 施工管理技士と電気主任技術者の両方を狙える
  • 現場経験が幅広い転職先で評価される
  • 将来的な独立の際に発注者との人脈が作れる

大学電気系学科出身者の有利な認定ルート

大学で電気系を専攻した場合、認定取得で大幅な短縮が可能だ。

学歴による実務経験短縮:

  • 大学電気系学科卒:実務経験3年 → 1年短縮で2年
  • 工業高校電気科卒:実務経験3年 → 6か月短縮で2年6か月
  • 電気系専門学校卒:実務経験3年 → 3〜6か月短縮

さらに、大学院で電気系専攻の場合は追加短縮もある。つまり、「大学院電気系修了 → 1年の実務経験 → 電験3種認定申請」というルートも存在する。

試験勉強に自信がない場合、まず就職して実務経験を積み、認定での取得を狙う戦略が現実的だ。特に大学電気系出身者には有利な制度と言える。

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よくある質問

Q. 電気主任技術者と電験は同じ資格ですか?

A. はい、同じ資格です。「電験」は「電気主任技術者試験」の略称で、試験の名称として使われ始めました。現在では資格そのものを「電験3種を取得した」のように表現することが一般的です。免状に記載される正式名称は「第○種電気主任技術者免状」です。

Q. 試験で取得した電験と認定で取得した電験では転職に差がありますか?

A. 法的には全く同じ価値ですが、転職市場では差があるのが実情です。免状番号のアルファベット有無で取得方法が判別でき、試験合格組の方が「理論的知識がある」として評価される傾向があります。ただし認定組でも実務経験の具体的な説明で十分にアピールできます。

Q. 電験2種を20代で取得すれば、本当に年収600万円は可能ですか?

A. データセンターや外資系ファシリティー企業を選択し、試験で取得すれば可能性は高いです。当社の転職データでは20代×電験2種で平均580万円、条件の良い企業では600万円以上の実例が複数確認できています。ただし24時間体制や英語力などの条件もセットになります。

Q. 電気工事士の資格も同時に取得した方が良いですか?

A. 電気主任技術者があれば電気工事士の筆記試験は免除されるため、必要に応じて追加取得することが可能です。現場での実作業経験がない場合、電気工事士2種から始めて電気の基礎を理解してから電験にチャレンジする順序も有効です。

林(はやし)

この記事の監修者

林(はやし)|施工管理ちゃんねる(せこちゃん) キャリアアドバイザー

元施工管理技士。大学院工学研究科修了後、発電所・製鉄所・自動車工場など大型プラントの電気施工管理に従事。ビル設備管理を経て、人材紹介会社でRA・CA両面を経験。電気設備・建設・再生可能エネルギー領域の採用支援を行う。



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