監修: 林(施工管理ちゃんねる キャリアアドバイザー/元施工管理技士) / 執筆: 施工管理ちゃんねる編集部 / 監修者プロフィール
元施工管理技士。大学院工学研究科修了後、発電所・製鉄所・自動車工場など大型プラントの電気施工管理に従事。ビル設備管理を経て、人材紹介会社でRA・CA両面を経験。電気設備・建設・再生可能エネルギー領域の採用支援を行う。
結論: 第一種電気工事士筆記試験は合格率46.8%、CBT・筆記方式併用で年2回受験機会あり。第2種との難易度差は実際には「110対100」程度で想像より小さい。
第一種電気工事士の筆記試験について調べているあなたは、きっと「第2種より圧倒的に難しいのでは?」「勉強方法がわからない」といった不安を抱えているのではないか。
実際に合格した受験者の声を聞くと、意外な事実が見えてくる。Yahoo!知恵袋のある合格者は「第2種を100とすると第1種は110程度」と振り返り、「学科試験はそんなに難しいとは思わなかった」とコメントしている。
施工管理ちゃんねるの監修者・林(電気施工管理15年)も「1種の筆記は2種の延長線上。むしろ技能試験の方が時間との勝負」と語る。転職面談で100人以上の電気工事士と話してきた経験から断言できるが、筆記試験で挫折する人の多くは「難しそう」という先入観で適切な対策を怠っているケースが大半だ。
この記事では、2025年度の第一種電気工事士筆記試験の日程・申込から効率的な合格戦略まで、現場経験者の視点で実践的なノウハウを解説する。
この記事のポイント
- 2025年度は上期CBT・下期筆記の併用実施、申込期間は3月下旬~4月下旬
- 合格基準は60点以上かつ各分野で30%以上の正答率
- 第2種との難易度差は「110対100」程度で、想像より差は小さい
- 過去問20回分の演習で出題パターンが見えてくる
【2025年度】第一種電気工事士筆記試験の日程・申込方法
2025年度の第一種電気工事士筆記試験は、CBT方式と従来の筆記方式の併用実施となる。まずは基本的な日程と申込方法を確認しよう。
▶ 第一種電気工事士の資格完全ガイド2026|…で詳しく解説しています
筆記試験の実施日程(CBT方式・従来方式)
CBT方式(上期)
- 申込期間:2025年3月24日(月)~4月7日(月)
- 試験期間:2025年6月19日(木)~7月3日(木)のうち希望日選択
- 合格発表:2025年7月11日(金)
筆記方式(下期)
- 申込期間:2025年8月4日(月)~8月18日(月)
- 試験日:2025年10月5日(日)
- 合格発表:2025年11月14日(金)
注目すべきは、CBT方式では約2週間の期間内で自分の都合に合わせて受験日を選択できる点だ。「会社の繁忙期を避けて受験したい」という施工管理者には大きなメリットになる。
申込方法と受験料
申込はインターネットまたは書面で受け付ける。
- 受験料: 11,300円(非課税)
- 申込先: 一般財団法人電気技術者試験センター
- 必要書類: 顔写真(縦4.5cm×横3.5cm)
CBT方式を選択する場合は、受験予約も必要になる。申込完了後に送付される受験票記載のID・パスワードで専用サイトにログインし、希望する試験会場と日時を予約する流れだ。
監修者の林は面談で「CBT方式の予約は早い者勝ち。希望日があるなら申込と同時に予約を入れるべき」とアドバイスしている。実際、人気の土日枠は1週間程度で埋まってしまうケースが多い。
CBT方式のメリット・デメリット比較
CBT方式導入により選択肢が増えたが、どちらを選ぶべきか迷う受験者も多い。
CBT方式のメリット
- 受験日を自分で選択できる(平日受験も可能)
- 全国約300会場で実施(アクセス良好)
- 即座に合否結果が表示される
- マークミスのリスクがない
CBT方式のデメリット
- 受験料が若干高い(運営費込み)
- 計算問題でのメモ書きがやりにくい
- 画面の見やすさに個人差がある
- 予約が取れないリスク
従来筆記方式のメリット
- 慣れ親しんだ紙の問題用紙・マークシート
- 計算問題で余白を自由に使える
- 受験会場が大規模(1,000人規模の会場も)
従来筆記方式のデメリット
- 受験日が固定(都合が悪くても変更不可)
- 合格発表まで約1ヶ月待機
- マークミスのリスク
どちらを選ぶかは個人の環境次第だが、「仕事の都合を優先したい」ならCBT、「慣れた環境で確実に実力を発揮したい」なら従来方式という判断基準が現実的だ。
筆記試験の出題内容と合格基準を徹底解説
筆記試験の具体的な出題内容と合格基準を理解しておこう。「何が出るかわからない」不安を解消することが、効率的な学習の第一歩だ。
▶ あわせて読みたい:電気工事士技能試験対策の完全ガイド – 60代文系でも合格…
出題分野と問題数の内訳
第一種電気工事士筆記試験は全50問(120分)で構成される。出題分野の内訳は以下の通りだ。
| 出題分野 | 問題数 | 出題例 |
|---|---|---|
| 電気に関する基礎理論 | 7問 | オームの法則、キルヒホッフの法則、三相交流 |
| 配電理論及び配線設計 | 8問 | 配電方式、負荷計算、電圧降下 |
| 電気応用 | 4問 | 電動機、照明、電熱、電気化学 |
| 電気機器・配線器具・電気工事用材料 | 9問 | 変圧器、開閉器、ケーブル、管工材 |
| 電気工事の施工方法 | 8問 | 屋内配線、引込線工事、接地工事 |
| 一般用電気工作物の検査方法 | 4問 | 絶縁抵抗測定、接地抵抗測定 |
| 配線図 | 10問 | 配線図記号、施工方法の判定 |
注目すべきは配線図問題の比重の大きさだ。全50問中10問(20%)を占めるため、ここで確実に得点できるかが合否を分ける。
監修者の林は「配線図は暗記ゲーム。配線用遮断器の記号を『□に×』と覚えるように、パターン学習で攻略できる」と語る。実際、過去問を20回分解けば配線図記号はほぼ完璧に覚えられる。
合格基準(正答率と足切り)
第一種電気工事士筆記試験の合格基準は以下の2つの条件を満たす必要がある。
- 総得点が60点以上(全50問中30問正解)
- 各分野で30%以上の正答率
特に注意すべきは「分野別足切り」の存在だ。例えば配線図で10問中2問しか正解できなければ、総得点が60点を超えていても不合格となる。
Yahoo!知恵袋では「30問正解でギリギリ合格」という体験談が投稿されており、実際の合格ラインが60点付近にあることがうかがえる。監修者の林も「40問正解を目標にすれば、分野別足切りの心配もなく安全圏」とアドバイスしている。
試験時間と途中退室のルール
試験時間は120分で、途中退室は試験開始から60分経過後から可能だ。
この途中退室制度を巧妙に活用する受験者もいる。過去問演習で90分以内に解き終わる実力がついたら、本番でも60分時点で見直しを完了し、残り時間を技能試験の材料確認に使うという戦略だ。
ただし、途中退室は一度出ると戻れない。「見直しが不十分で不安になっても再入室できない」リスクを理解した上で判断してほしい。
CBT方式の場合、答えを変更する際のクリック操作にも慣れが必要だ。事前に試験センターが公開している操作体験版で練習しておくことを強く推奨する。
第1種と第2種の筆記試験難易度差は「110対100」程度
多くの受験者が気になるのが「第1種と第2種でどれくらい難易度が違うのか」という点だろう。結論から言えば、実際の難易度差は想像より小さい。
▶ 第二種電気工事士実技試験の効率的対策法【25日前開始でも合格可能】も参考になります
出題範囲の違いと重複部分
第1種と第2種の筆記試験で最も大きな違いは出題範囲の広さだ。
第2種の出題範囲
- 一般用電気工作物(低圧:600V以下)
- 屋内配線、引込線工事
- 基本的な電気理論
第1種の出題範囲
- 一般用電気工作物(第2種と同範囲)
- 自家用電気工作物(高圧:600V超、最大電力500kW未満)
- ネオン設備、非常用予備電源
- より高度な配電理論・計算問題
重複部分が約60%を占めるため、第2種合格者にとって第1種は「追加学習」の位置付けになる。新たに覚える必要があるのは高圧関連の知識と、やや複雑な計算問題だ。
監修者の林は「第1種の追加範囲は『高圧の世界』。変圧器の結線方式、保護装置、接地方式が中心で、実は現場経験者にとっては身近な内容」と説明する。
合格率から見る実際の難易度
過去5年間の合格率データを比較してみよう。
| 年度 | 第1種筆記 | 第2種筆記(上期) | 難易度差 |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 46.8% | 61.5% | 約15ポイント差 |
| 2022年 | 48.2% | 58.4% | 約10ポイント差 |
| 2021年 | 45.1% | 60.7% | 約16ポイント差 |
(出典: 一般財団法人電気技術者試験センター)
合格率の差は10~16ポイント程度で、「第1種は極端に難しい」というイメージほどの差はない。Yahoo!知恵袋の合格者が「第2種を100とすると第1種は110程度」と評価した感覚値とも一致する。
この合格者はさらに「学科試験はそんなに難しいとは思わなかった」とコメントしており、むしろ技能試験の方で苦労したことをうかがわせている。
2種合格者が1種受験で注意すべきポイント
第2種合格者が第1種受験で躓きやすいポイントを整理した。
1. 高圧機器の名称・記号
断路器、遮断器、避雷器など、低圧では登場しない機器の記号と機能を新たに覚える必要がある。特に配線図問題で頻出するため、暗記は必須だ。
2. 三相交流の計算問題
第2種では基本的な三相交流しか出題されないが、第1種では不平衡負荷、Y-Δ変換などやや応用的な計算が求められる。
3. 保護協調
過電流継電器、地絡継電器の動作特性と協調設定は、第1種特有の出題分野だ。変電所の保護システム全体を理解する必要がある。
4. 電気設備技術基準
高圧設備の施工基準、離隔距離、接地抵抗値などの法規・基準値は丸暗記するしかない。語呂合わせやゴロを活用する受験者が多い。
監修者の林は転職面談で「第1種を目指すなら、第2種合格の勢いで続けて受験することを推奨している。間を空けると第2種の知識も薄れてしまう」と語る。実際、第2種合格の翌年に第1種を受験する人の合格率は、間隔を空けた人より高い傾向がある。
過去問を使った効率的な勉強方法5ステップ
第一種電気工事士筆記試験の攻略法は、シンプルに言えば「過去問演習」に尽きる。ただし、やみくもに問題を解いても効果は薄い。体系的なアプローチが重要だ。
▶ 詳しくは第一種電気工事士の資格とは?試験日・勉強法から転職戦略まで完全解説をご覧ください
過去問の入手方法と解き方のコツ
過去問の入手先
- 電気技術者試験センター公式サイト(無料・過去3回分)
- 市販の過去問題集(解説付き・10~20回分収録)
- 電気書院「第一種電気工事士筆記試験完全解答」
- オーム社「第一種電気工事士筆記試験完全マスター」
Yahoo!知恵袋のある合格者は「筆記試験は『同じ問題が何度も繰り返し出る』という傾向があるので、20回分もやれば出題パターンが手に取るようにわかる」と証言している。実際、基本的な計算問題や配線図記号は過去問の焼き直しが大半だ。
解き方のコツ
- 最初の3回分は時間を気にせず解答・解説を読み込む
- 4回目以降は120分の時間制限で実戦演習
- 間違った問題は必ず理由を分析してノートに記録
- 正解した問題でも「なんとなく」で選んだものは要復習
- 直前期は苦手分野の問題だけを集中的に解き直し
監修者の林は「過去問を解く際は『なぜその答えになるのか』の根拠を言語化できるまで理解を深める。丸暗記では応用問題に対応できない」とアドバイスしている。
分野別の重要度と学習順序
効率的な学習のため、出題頻度と難易度を考慮した学習優先順位を示す。
Phase1(最優先・基礎固め)
- 配線図(10問/50問) – 暗記で確実に得点可能
- 電気工事の施工方法(8問) – 現場経験者なら常識レベル
- 電気機器・材料(9問) – 第2種の知識で大半は解ける
Phase2(重要・計算対策)
- 配電理論・配線設計(8問) – 計算問題の核心
- 電気基礎理論(7問) – オームの法則、電力計算など
Phase3(仕上げ)
- 電気応用(4問) – 電動機、照明設備
- 検査方法(4問) – 測定器の使い方、基準値
配線図で20%、施工方法・機器材料で34%を占めるため、Phase1を完璧にするだけで過半数の得点が見込める。「計算問題が苦手でも合格できる」理由はここにある。
間違い問題の復習システム構築法
過去問演習で最も重要なのは「間違い直し」の仕組み作りだ。以下のシステムを推奨する。
間違いノートの作成法
| 項目 | 記録内容 |
|---|---|
| 問題番号 | 2023年上期第15問 |
| 分野 | 配電理論 |
| 自分の解答 | ②(不正解) |
| 正解 | ④ |
| 間違えた理由 | Y-Δ変換の公式を忘れていた |
| 復習日 | ○月○日、○月○日 |
復習タイミング
- 間違えた当日に1回目の復習
- 3日後に2回目の復習
- 1週間後に3回目の復習
- 試験直前にファイナル復習
このエビングハウス忘却曲線に基づく復習サイクルにより、一度間違えた問題を本番で再び間違える確率を大幅に下げられる。
監修者の林は面談で「間違いノートは『自分専用の攻略本』。市販の参考書より100倍価値がある」と表現している。実際、合格者の多くが独自の間違い直しシステムを構築している。
筆記試験免除条件と実務経験のカウント方法
第一種電気工事士の筆記試験には免除制度があり、一定の条件を満たせば筆記試験をスキップして技能試験から受験できる。ただし、免除条件は複雑で誤解も多い。
▶ 第一種電気工事士を辞めたい人の退職理由と転職成功の全手順もチェックしてみてください
筆記試験免除の対象資格・学歴
完全免除(筆記試験を受けずに技能試験に進める)
- 第一種電気工事士筆記試験合格(前回合格から技能試験不合格の場合)
- 第一種・第二種・第三種電気主任技術者免状取得者
- 旧電気事業主任技術者免状取得者
部分免除(該当なし)
第一種電気工事士の場合、「部分免除」は存在しない。筆記試験は完全免除か受験かの二択だ。これは第二種電気工事士(電気科卒業で一部科目免除)とは異なる点なので注意が必要。
よくある誤解
- ❌「大学の電気科卒業で筆記免除」→ 第一種では免除にならない
- ❌「第二種電気工事士合格で一部免除」→ 免除にならない
- ❌「電気工事施工管理技士で免除」→ 免除にならない
監修者の林は面談で「電気系の資格を持っていても、第一種の筆記免除になるのは電験だけ。他の資格では筆記試験の受験が必要」と強調している。
実務経験として認められる業務範囲
第一種電気工事士の免状交付には「3年以上の実務経験」が必要だ。何が「実務経験」として認められるかを正確に理解しておこう。
認められる実務経験
- 電気工事の作業(配線、機器取付、試験・調整)
- 電気工事の現場管理・監督
- 電気設備の保守・点検
- 自家用電気工作物の管理・運用
- 第二種電気工事士としての業務経験
認められない業務
- 電気機器の設計・開発(製造業のR&D部門)
- 電気設備の営業・販売
- 理論研究・シミュレーション
- 電気工事以外の建設作業(大工、左官など)
判断が分かれるケース
- 電気設備の検査・測定業務 → 工事に付随すれば○、単独なら×
- 制御盤の設計 → 工事現場での設計変更は○、事務所での図面作成は×
- CAD図面作成 → 施工図面は○、基本設計図面は×
実務経験の証明は「実務経験証明書」(勤務先の証明)で行う。証明者は直属上司または人事担当者で、業務内容を具体的に記載する必要がある。
メーカー設計職の経験が認められないケース
特に注意が必要なのが「メーカー設計職の実務経験」だ。
施工管理ちゃんねるの独自面談調査でも、ある30代の電気系メーカー設計職から「実務経験のカウントができるというところがミートしているのであれば、結構いい感じだと思います」という声が上がっている。この方は大学で電気系学科を専攻し、メーカーで電気機器の設計業務に従事していたが、その経験は第一種電気工事士の実務経験としてカウントされない。
なぜメーカー設計職がカウントされないのか
- 電気工事士法の「電気工事」は「電気設備の設置・変更工事」を指す
- メーカーの設計は「製品開発」であり「工事」ではない
- 実際の配線・接続作業を伴わない理論設計は対象外
この方は転職面談で「個人事業主的な業務を今やっていまして、もうちょっと大きくしたい」と語り、設計職から電気工事の現場側へのキャリアチェンジを検討している。メーカー設計職の方が第一種免状を取得するには、転職して実際の工事業務を3年経験するか、電験を取得するかの二択になる。
Yahoo!知恵袋では「第一種電気工事士に合格すれば、たとえ50年後に免状交付申請手続をしても全く問題ありません」という投稿もある。つまり、実務経験3年の条件さえ満たせば、筆記・技能試験合格から何年経っても免状交付が可能だ。
監修者の林は「メーカー設計職で年収600万を得ていても、第一種免状が欲しいなら一度現場側に転職するのも手。電気施工管理なら設計の知識も活かせるし、3年で2級施工管理技士も取得できる」とアドバイスしている。
▶ 電気工事士の転職・資格の総合ガイドはこちら
よくある質問(筆記試験関連)
第一種電気工事士筆記試験について、受験者からよく寄せられる質問とその回答をまとめた。
第1種電気工事士の筆記試験は何問正解すれば合格ですか?
50問中30問以上(60点以上)の正解が必要です。 ただし、各分野で30%以上の正答率も同時に求められるため、特定分野だけで大きく失点すると不合格になる可能性があります。
Yahoo!知恵袋では「30問正解でギリギリ合格」という体験談が投稿されており、実際の合格ラインが60点付近にあることがうかがえます。安全圏を狙うなら40問正解(80点)を目標にすることをおすすめします。
筆記試験に合格したら免状はいつまでに申請すれば良いですか?
筆記・技能試験の両方に合格後、実務経験3年を満たせばいつでも申請可能です。 合格に期限はありません。
Yahoo!知恵袋では「50年後に免状交付申請手続をしても全く問題ありません」という回答もあり、試験合格の有効期限は設定されていません。ただし、実務経験3年の条件を満たしてから申請する必要があるため、合格後すぐに免状が交付されるわけではない点に注意してください。
実務経験は第二種電気工事士として働いた期間もカウントされるため、第二種から段階的にステップアップする受験者も多くいます。
