電気工事士のキャリアステップを年収付きで徹底解説 – 現場作業から年収700万への具体ルート

電気工事士が現代的なオフィスでキャリア設計資料や電気図面を確認している様子

電気工事士のキャリアステップを年収付きで徹底解説 – 現場作業から年収700万への具体ルート

「手に職を」と期待して電気工事士の資格を取ったものの、現場での1日13時間拘束と年収300万台の現実に直面していないだろうか。Yahoo!知恵袋では「8:00~17:00で現場、前後1時間〜1時間半移動で1日12時間ほど拘束されます。そこに会社までの往復もあるので、大体13時間ほど仕事にかかります」という声もある。

正直に言うと、電気工事士の初期キャリアは楽ではない。しかし計画的にステップアップすれば、年収700万円を超える道筋は確実に存在する。監修者の林氏も「施工管理なら3年600万、5年800万、8年以上1,200万が市場相場」と語る。

この記事では、電気工事士から始まるリアルなキャリアパスを年収データとともに解説する。現場作業から脱却したい人、年収アップを狙いたい人の具体的なロードマップを示していく。

この記事のポイント

  • 現場作業員(300万)→管理職(450万)→独立(700万)の基本ルート
  • 電気主任技術者の実務経験逆算ルートで資格取得を早める戦略
  • 女性・長期志向者の現場離れルート(設計・施工管理へ転身)
  • 電気工事士からIT業界への異業種転職の具体手順
目次

電気工事士のキャリアステップ【現場→管理→独立の基本ルート】

電気工事士のキャリアは大きく分けて3つのステージに分かれる。現場作業員として技術を身につけ、現場代理人として管理能力を磨き、最終的に独立して事業を展開する。この王道ルートを歩む人が最も多い。

第一種・第二種電気工事士の資格活用パターン

第二種電気工事士の合格率は筆記試験で約61.5%、技能試験で約73.4%だ(電気技術者試験センター)。第一種は筆記46.8%、技能64.1%とやや難しくなる。

重要なのは、資格取得のタイミングだ。実際の面談では「単純に資格を取ったので、ちょっと見てみたいなという」と語る候補者もいる。つまり転職前に資格を取得するパターンが有効だということ。

第一種電気工事士は500kW未満の工場や大型ビルまで扱える。年収面でも第二種300〜400万円に対し、第一種は400〜550万円が相場となる。ただし実務経験5年が必要なため、計画的な取得が求められる。

電気工事士資格別年収比較棒グラフ(第二種:350万円, 第一種:480万円, 第一種+施工管理:620万円)

現場作業員(1-3年目)→現場代理人(4-7年目)→独立(8年目以降)

現場作業員として入社した場合の典型的なキャリアパスがこれだ。

1-3年目:現場作業員
配線工事、コンセント取り付け、分電盤工事などの基本作業を習得する。この時期の年収は280〜380万円が相場。「全く知らない業界から入ったが、現場で電気がついた瞬間に『役に立てる仕事だな』と実感した」と語る現場経験者もいる。

4-7年目:現場代理人・職長
チームをまとめ、工程管理や安全管理を担当する。YouTube動画「電気工事士の出世ルート」では「職長になると給料は5万円以上上がる。大きな現場だと5万から7万とか金額も全然変わってくる」と解説されている。年収は380〜500万円に上昇する。

8年目以降:独立・法人化
元請けとして工事を受注するレベルに到達する。「個人事業主的な業務を今やっていまして、もうちょっと大きくしたい」と語る面談候補者のように、すでに副業で独立準備を始める人も多い。

年収推移の実態【300万→450万→700万の道筋】

e-Stat賃金構造基本統計調査(49,564件のデータ)によると、電気工事士の年収は経験年数に応じて以下のように推移する。

  • 入社1-3年:300万円 – 見習い・作業員レベル
  • 4-7年:450万円 – 現場代理人・職長レベル
  • 8-15年:700万円 – 独立・法人化レベル

ただしこれは順調にステップアップした場合の話だ。現実には「昇格試験に落ち続け、能力よりも社内政治が重視される」という状況に直面する人も少なくない。その場合は転職によるキャリアアップが有効な選択肢になる。

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電気工事士から電気主任技術者への実務経験逆算ルート

電気主任技術者の取得は電気工事士の最も確実な年収アップルートだ。しかし多くの人が見落としているのが「実務経験の逆算」という考え方。どの現場で何年働けば、どの級の電験が取れるかを先に計算してキャリアを組む戦略だ。

500V以上の現場で電気主任技術者三種を狙う

実際の面談で、大学電気系学科出身の候補者が「500V以上の仕事をすれば三種以上は確保できる。1万V以上なら二種、5万V以上5年なら一種が取れる」と語っていた。これが実務経験による電気主任技術者取得の条件だ。

電気主任技術者の実務経験条件:

  • 三種:500V以上の電気設備での実務経験3年以上
  • 二種:1万V以上の電気設備での実務経験3年以上
  • 一種:5万V以上の電気設備での実務経験5年以上

つまり工場やビル、プラントの電気設備工事を狙って転職すれば、試験合格よりも確実に電験を取得できる。電験三種保有者の年収は500〜800万円が相場なので、現場作業員からの大幅アップが期待できる。

設計職から施工管理への転身で免状取得を早める戦略

興味深い事例がある。面談では「メーカー設計職600万円から電気施工管理へ転身を希望する理由」として、「実務経験のカウントができるというところがミートしているのであれば、結構いい感じだと思います」という発言があった。

これは設計職では一種電気工事士の免状申請に必要な「実務経験」がカウントされないという問題を指している。設計図面を書いていても、実際の施工経験がないと判断されるからだ。

そこで設計職→施工管理技士への転身を図る。施工管理なら確実に実務経験がカウントされ、さらに電気主任技術者の実務経験も並行して積める。「施工管理なら3年600万、5年800万、8年以上1,200万が市場相場」(監修者・林氏)という年収アップも見込める一石二鳥の戦略だ。

電気工事士から電気主任技術者取得までのキャリアルート(①現場経験→②実務経験証明→③免状申請→④年収アップ)フロー図

現場離れルート【女性・長期キャリア志向者向け】

「手に職を」と期待して職業訓練校を卒業した20代後半女性から「現場ではない職を探している」という相談が Yahoo!知恵袋に寄せられている。1日13時間の拘束時間では、女性や将来を見据えた働き方をしたい人には厳しい現実がある。

電気設計・積算業務への転身(CAD・見積もりスキル)

現場経験のある電気工事士なら、設計・積算業務への転身は現実的な選択肢だ。現場を知っているからこそ「実際に施工できる図面」を描けるというアドバンテージがある。

必要なスキルはAutoCAD、JW-CAD、電気設備設計の基礎知識。未経験からでも職業訓練校や通信講座で6ヶ月〜1年で習得可能だ。年収は400〜550万円が相場で、現場作業員と同等以上を維持できる。

何より「土日祝日休み」「残業月20時間以内」という働き方が実現する。建設コンサルタントや設備設計事務所、ゼネコンの設計部門が主な転職先になる。

電気施工管理技士への資格取得ルート

2級電気施工管理技士の受験資格は「電気工事の実務経験2年以上」だ。つまり現場作業員として2年働けば受験可能になる。合格率は約60%で、電気工事士より取りやすい資格と言える。

施工管理技士になれば年収は大幅にアップする。実際の面談データでは「3年600万、5年800万、8年以上1,200万が市場相場」とされている。現場作業は続くが、作業員を指示する立場になるため肉体的負担は軽減される。

女性の施工管理技士も増加傾向にある。国土交通省の「建設業における女性活躍推進」により、女性専用の現場事務所や託児施設を設ける企業も出てきた。

建設コンサルタント・設備保全業務への展開

電気工事の現場経験は、建設コンサルタントや設備保全業務でも高く評価される。特に既存ビルの改修工事では「現場のことがわかる人」が重宝される。

建設コンサルタントなら年収450〜700万円、設備保全業務(ビルメンテナンス)なら350〜500万円が相場だ。どちらも夜勤や休日出勤は基本的になく、長期的なキャリアを描きやすい。

ただし設備保全は年収がやや下がる傾向にある。面談では「設備管理の350万より下」という証言もあり、収入よりもワークライフバランスを重視する人向けの選択肢と言える。

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電気工事士×IT業界への異業種転職戦略

「AIでいいとか、今多いじゃないですか。やっぱりその人間を代替してしまうというのがリスク」と語る転職希望者がいる。AI時代を見据えて電気工事士からIT業界への転身を図る人が増加している。

データセンター・通信インフラエンジニアへの道

電気工事士のスキルが最も活かされるのがデータセンター・通信インフラの分野だ。サーバーラックの電源工事、ネットワーク配線、UPS(無停電電源装置)の設置など、電気の知識が必須の業務が多い。

データセンター業界は急成長中で、関電工(1942)、きんでん(1944)、九電工(1959)などの大手電気工事会社も積極的に参入している。年収は500〜800万円が相場で、電気工事士としての経験がダイレクトに評価される。

ただし「未経験なら基本情報でもネスペでも資格持ちが最低ラインだから正直厳しい」(Yahoo!知恵袋のインフラエンジニア)という現実もある。電気工事の経験だけでは転職は困難で、IT系資格の並行取得が必須だ。

CCNA・LPIC資格との組み合わせ戦略

電気工事士からインフラエンジニアへの転身で最も有効な資格の組み合わせがCCNA(ネットワーク)とLPIC(Linux)だ。

推奨取得順序:

  1. CCNA:ネットワーク機器の設定・管理(合格率約25%、勉強期間6ヶ月)
  2. LPIC Level1:Linuxサーバーの基本操作(合格率約60%、勉強期間4ヶ月)
  3. 基本情報技術者:IT全般の基礎知識(合格率約25%、勉強期間6ヶ月)

この3つの組み合わせなら、電気工事士としてのハードウェア知識と合わせて「物理層からアプリケーション層まで理解している人材」として高く評価される。年収も600〜900万円と大幅アップが期待できる。

実際の面談でも「CCNA・LPIC資格との組み合わせ戦略」を検討する候補者が複数いる。電気工事士の実務経験があれば、純粋未経験のIT転職者より有利に働く場面が多い。

電気工事士からIT転身時の年収比較棒グラフ(現場作業員:350万円, データセンターエンジニア:650万円, ネットワークエンジニア:750万円)

年代別キャリアプラン実例【20代・30代・40代】

電気工事士のキャリアは年代によって最適な戦略が異なる。20代は基礎固め、30代は分岐点、40代は専門特化というのが基本的な考え方だ。

20代:資格取得+現場経験積み上げ期

20代の最優先課題は「資格取得と実務経験の並行」だ。第二種電気工事士から始めて、第一種、さらに関連資格を体系的に取得していく。

20代の取得推奨資格:

  • 第二種電気工事士(必須)
  • 第一種電気工事士(実務経験5年後)
  • 2級電気施工管理技士(実務経験2年後)
  • 消防設備士乙4(併行取得)

年収は300〜400万円と低めだが、この時期の経験が後のキャリアを大きく左右する。「労働時間が長いことに関しては、特にあの、嫌だなって気持ちはないので。別にいっぱい働いて稼げるんだったら稼ぎたい」と語る20代候補者のように、体力のある時期に集中して経験を積むのが得策だ。

30代:管理職・独立・異業種転職の分岐点

30代は電気工事士人生の最大の分岐点だ。現場代理人として昇進するか、独立するか、異業種転職するかの選択を迫られる。

現場代理人ルートを選ぶなら、1級電気施工管理技士の取得が必須。年収は450〜600万円まで上がり、管理職としてのキャリアが開ける。

独立を選ぶ場合は「施工管理は発注者・ディベロッパーとの名刺交換が多い。職人は指示される側で名刺交換が少ない」という現実を理解しておくべきだ。独立後の営業力に直結するからだ。

異業種転職なら30代前半がラストチャンス。IT業界への転身なら、この年代での決断が重要になる。

40代:専門性特化と収入安定化戦略

40代になると「新しいことを覚える」より「今持っている専門性を深める」ことが重要になる。電気主任技術者やエネルギー管理士など、より高度な資格取得を目指す。

収入面では700〜1,000万円を目指せる年代だ。独立している場合は法人化を検討し、会社員なら管理職として部下を持つ立場になる。

一方で「人間関係さえ良ければ残業も年収も許容する」と語る40代候補者もいるように、安定志向が強まる傾向がある。無理な転職よりも、現職での待遇改善を優先する人が多い。

年代別キャリアパス分岐図(20代:基礎固め→30代:分岐点→40代:専門特化)のフロー図

転職で年収アップを実現する具体的アクション

電気工事士の転職成功には「実務経験の証明」が最も重要だ。口約束の経験年数ではなく、書類で証明できる実績が求められる。具体的な準備手順を解説する。

実務経験証明書の準備と資格申請のタイミング

第一種電気工事士の免状申請には「実務経験証明書」が必須だ。これは単なる在籍証明書ではなく、「どのような電気工事にどれだけの期間従事したか」を詳細に記載する必要がある。

実務経験証明書に記載すべき内容:

  • 工事の種類(屋内配線、動力設備、制御盤工事など)
  • 電圧の範囲(低圧、高圧、特別高圧)
  • 従事期間(年月日単位で正確に)
  • 工事規模(契約電力、工事金額など)

重要なのは転職前に準備しておくことだ。退職後に前職の会社に依頼するのは気まずいし、倒産などで証明書が取れないリスクもある。在職中に人事部や総務部に相談して、早めに準備しておこう。

また電気主任技術者を狙う場合は「500V以上の設備での実務経験」を明確に証明できる現場を選んで転職することが重要だ。

履歴書・職務経歴書での電気工事経験の効果的なアピール方法

電気工事士の転職では「どのような現場でどんな工事をしてきたか」の具体性が評価を分ける。抽象的な表現ではなく、数値と固有名詞で実績を示すことが重要だ。

効果的なアピール例:

「○○工場(受電電力6,600V)の電気設備改修工事では、高圧ケーブル敷設・変圧器交換作業に従事。工期3ヶ月、工事金額2,500万円の現場でチームリーダーとして5名の作業員を指導。無災害で工期内完成を実現。」

避けるべき表現:

「電気工事全般に携わり、複数の現場で経験を積みました。」

また保有資格は取得年月日まで正確に記載する。「第一種電気工事士(令和○年○月取得)」のように、いつ取得したかが分かるようにしておこう。

面談では「結構忘れてる」と電気知識について自己評価する候補者もいるが、謙遜は逆効果だ。工業高校電気科卒なら20年ブランクがあっても基礎知識は確実にある。自信を持ってアピールすることが大切だ。

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よくある質問【電気工事士のキャリアアップ】

Q: 電気工事士から現場を離れてデスクワークに転職することは可能ですか?

A: 可能です。電気設計、施工管理、設備保全業務など複数の選択肢があります。現場経験があるからこそ「実際に施工できる図面」を描けるという強みを活かせます。必要なスキルはAutoCADやJW-CADなどの設計ソフト。職業訓練校で6ヶ月〜1年で習得可能で、年収も400〜550万円を維持できます。

Q: 電気工事士の資格を活かしてIT業界に転職するには何が必要?

A: CCNAとLPICの追加資格取得が必須です。「未経験なら基本情報でも資格持ちが最低ライン」(現役インフラエンジニア)という現実があるためです。ただし電気工事士の経験があれば、データセンターや通信インフラの分野で高く評価されます。推奨順序はCCNA→LPIC Level1→基本情報技術者で、年収600〜900万円も期待できます。

Q: 女性が電気工事士として長く働き続けるのは難しいでしょうか?

A: 現場作業を続ける限りは困難です。Yahoo!知恵袋でも「1日13時間の拘束時間」という現実的な問題が指摘されています。しかし電気設計・積算業務や施工管理技士への転身なら「土日祝日休み、残業月20時間以内」の働き方が実現可能です。国土交通省も女性活躍推進を進めており、女性専用現場事務所や託児施設を設ける企業も増えています。

林(はやし)

この記事の監修者

林(はやし)|施工管理ちゃんねる(せこちゃん) キャリアアドバイザー

元施工管理技士。大学院工学研究科修了後、発電所・製鉄所・自動車工場など大型プラントの電気施工管理に従事。ビル設備管理を経て、人材紹介会社でRA・CA両面を経験。電気設備・建設・再生可能エネルギー領域の採用支援を行う。



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