第二種電気工事士の最短勉強時間は何時間?現場経験者が語る現実的な合格ルート

第二種電気工事士の勉強をしている施工管理技士が机に向かい、テキストと電気工具を使って学習している様子
結論第二種電気工事士の最短勉強時間は本当に50時間?Yahoo!知恵袋では複線図で躓く工業高校生の声も。現場経験者が語る学科30~50時間・技能20~40時間の現実的な時間配分と20日間の具体的勉強スケジュール。

第二種電気工事士の最短勉強時間は何時間?現場経験者が語る現実的な合格ルート

監修: 林 友貴(1級電気工事士・キャリアアドバイザー) / 執筆: 施工管理ちゃんねる編集部

林氏は1級電気工事士として10年の現場経験を持つキャリアアドバイザー。施工管理ちゃんねるで88名以上の転職支援実績。

「第二種電気工事士は50時間で合格できる」——そんな情報をネットで見つけて、申し込みを検討している人も多いだろう。でも実際はどうなのか?

Yahoo!知恵袋には「過去問を見ても複線図のあたりでチンプンカンプンです。50時間で取得可能であれば申し込みたいです。」という工業高校生の声がある。電気の基礎を学んでいる学生でさえ、こんな不安を抱えているのが現実だ。

実際にプラント電気施工管理を15年経験した監修者・林氏に話を聞くと、「50時間という数字は、すでに電気の基礎知識がある人のケース。完全未経験者なら学科だけで80〜100時間はかかる」と語る。

この記事では、現場で培った経験と実際の受験者データを元に、第二種電気工事士に最短で合格するための現実的な勉強時間と効率的な学習方法を解説する。巷の甘い情報に惑わされることなく、確実に合格へ導くロードマップを示したい。

この記事のポイント

  • 学科試験30~50時間、技能試験20~40時間が現実的な最短時間
  • 「50時間で合格」を信じて失敗する受験者の共通パターン3つ
  • 20日間で合格する具体的な日別勉強スケジュール
  • 技能試験の工具・材料費は総額2〜3万円が必要
  • 合格率は学科61.5%・技能73.4%だが実質40%程度
目次

第二種電気工事士の最短勉強時間は何時間?【学科・技能別の現実的な目安】

結論から言うと、第二種電気工事士の最短勉強時間は学科30~50時間、技能20~40時間だ。合計で50~90時間が現実的なライン。「50時間で合格」という情報は、電気系出身者の最短記録を一般化したもので、多くの受験者には当てはまらない。

学科試験の最短勉強時間:30~50時間

学科試験は60問中36問正解で合格。合格率は約61.5%(一般財団法人 電気技術者試験センター)と、決して簡単ではない。

電気技術者試験センターの公式データによると、配点の内訳は以下の通り:

  • 配線図問題:20問(全体の33%)
  • 電気基礎理論:4問
  • 配電理論・配線設計:8問
  • 電気機器・配線器具・電気工事用材料:8問
  • 電気工事の施工方法:6問
  • 一般用電気工作物の検査方法:4問
  • 配線図:10問

最短30時間は、高校で電気を学んだ人が過去問中心で挑むケース。完全未経験者なら50時間は必要だ。監修者の林氏は「配線図問題だけで20問を占めるため、ここを効率よく攻略できるかが勝負の分かれ目」と指摘する。

技能試験の最短勉強時間:20~40時間

技能試験は候補問題13問から1問が出題される。40分という時間制限の中で、配線作業を完成させなければならない。

技能試験の合格率は73.4%と高く見えるが、これは学科試験合格者のみが受験できるため。実際の総合合格率は61.5% × 73.4% ≒ 45%程度になる。

Yahoo!知恵袋では「工具や材料はそこそこ費用が嵩みます。合格率は、筆記が60%、技能がそれの70%ですので、掛けわせた合格率は約40%となります。」という現実的な分析がある。この指摘は的確で、多くの受験者が見落としている落とし穴だ。

技能試験で最も時間がかかるのは複線図の作成。単線図から複線図を正確に描けるようになるまで、未経験者なら20時間は必要だ。工具の扱いに慣れるための練習時間も含めると、最低40時間は見ておきたい。

電気系出身者と未経験者の時間差

電気系の学校を卒業した人と完全未経験者では、必要な勉強時間に大きな差が出る。以下が現実的な目安:

背景 学科試験 技能試験 合計
工業高校・専門学校(電気科) 30~40時間 20~30時間 50~70時間
理系大学(電気系以外) 40~50時間 30~40時間 70~90時間
完全未経験(文系・高卒) 60~80時間 40~50時間 100~130時間

工業高校生でも複線図で躓くケースがあることを考えると、甘い見積もりは禁物だ。Yahoo!知恵袋の工業高校生の「複線図のあたりでチンプンカンプン」という声は、基礎知識があっても実技には別のスキルが必要であることを示している。

電気系出身者と未経験者の勉強時間比較棒グラフ(工業高校:50-70時間、理系大学:70-90時間、完全未経験:100-130時間)

しかし、ここで落ち込む必要はない。未経験者でも正しい方法で学習すれば、90日程度で確実に合格ラインに到達できる。次のセクションでは、多くの人が陥る失敗パターンを解説する。

「50時間で合格」に騙されるな!失敗する受験者の共通パターン3選

「第二種電気工事士は50時間で合格できる」——この甘い言葉を信じて挫折する受験者が後を絶たない。Yahoo!知恵袋には「3日間で20時間ほどしか勉強できません。なにをすれば60点ギリギリで合格できますか?全くの0からのスタートです」という無謀な質問もある。

監修者の林氏は「転職面談で『第二種電気工事士を取ろうとしたが挫折した』という人に何十人も会った。みんな同じパターンで失敗している」と語る。

技能試験の練習不足で不合格になるパターン

最も多い失敗パターンがこれだ。学科試験に合格した安心感から、技能試験の準備を軽視してしまう。

技能試験は40分という時間制限が厳しい。候補問題13問すべてを時間内に完成できるレベルまで練習する必要がある。「動画を見て理解した」だけでは絶対に合格できない。

実際の不合格理由(電気技術者試験センター):

  • 時間切れ:全体の約30%
  • 配線ミス:約25%
  • 複線図の間違い:約20%
  • 工具の使い方ミス:約15%
  • その他(材料不足等):約10%

「時間切れ」が最大の敗因になっている。これは単純に練習不足だ。候補問題13問を最低3周は練習しないと、本番での時間短縮は難しい。

複線図の理解が浅くて時間切れになるパターン

複線図は技能試験の核心。単線図から複線図を正確に描けなければ、配線作業に入れない。

工業高校生でも「複線図のあたりでチンプンカンプン」になるのは、単純暗記に頼っているからだ。スイッチの種類、コンセントの接続方法、3路スイッチの動作原理——これらを理論的に理解しないと、応用問題で対応できない。

複線図でつまずく受験者の共通点:

  • 単線図の記号の意味を暗記しただけ
  • 電気の流れを理解していない
  • スイッチとコンセントの配線原理が曖昧
  • 3路スイッチ・4路スイッチの動作が分からない

監修者の林氏は「現場で配線図を見慣れていても、複線図は別物。理論から積み上げないと、本番で応用が利かない」と指摘する。

工具・材料費をケチって本番で失敗するパターン

意外な落とし穴が工具と材料の準備だ。「工具は借りられるから大丈夫」「材料は1回分だけ買えばいい」——こんな甘い考えで挑んで失敗する受験者が多い。

技能試験で使う主な工具:

  • VVFストリッパー(電線の被覆剥き)
  • 圧着ペンチ(リングスリーブの圧着)
  • プラスドライバー・マイナスドライバー
  • ペンチ(電線の切断・成形)
  • 電工ナイフ(ケーブルの外装剥ぎ)

これらの工具に慣れていないと、作業時間が大幅に延びる。特にVVFストリッパーの使い方をマスターするだけで、作業効率が2倍以上変わる。

Yahoo!知恵袋にもあるように「工具や材料はそこそこ費用が嵩みます」が現実。初期投資を惜しんで不合格になるのは、最も避けたい失敗パターンだ。

正直に言うと、この費用負担を嫌がって挫折する人は多い。しかし、第二種電気工事士の資格で年収50万円アップが期待できることを考えれば、3万円の投資は決して高くない。

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最短合格を狙う効率的な勉強方法【学科・技能の具体的手順】

失敗パターンを回避して最短で合格するには、正しい手順で学習を進める必要がある。監修者の林氏が現場経験15年で培った「確実に合格する勉強法」を公開する。

学科試験:過去問5年分を3周する方法

学科試験攻略の核心は「過去問の徹底反復」だ。新しい問題はほとんど出ない。過去問5年分を3周すれば、確実に36点以上は取れる。

効率的な過去問学習の手順:

1周目:問題の傾向を把握(5~7日)

解答を見ながら問題を読み進める。「解く」のではなく「知る」ことが目的。配線図問題20問、電気基礎4問など、出題パターンを体に染み込ませる。間違いを気にする必要はない。

2周目:理解を深める(7~10日)

実際に解いて、間違えた問題にマークを付ける。解説を読んで「なぜその答えになるのか」を理解する。特に配線図問題は、図記号の意味を完璧に覚える。

3周目:弱点を潰す(5~7日)

2周目でマークした問題だけを集中的に解く。ここで8割以上正解できれば、本番でも36点以上は確実だ。

配線図問題の攻略法:

  • 図記号は絵で覚える(文字での暗記は非効率)
  • スイッチの種類:片切・両切・3路・4路の違いを図で理解
  • コンセントの種類:15A・20A・引掛形の見分け方
  • 電線の種類:VVF・IV・HIVの用途

技能試験:候補問題13問の効率的な練習順序

技能試験は候補問題13問から1問が出題される。すべて練習する必要があるが、効率を考えた順序がある。

練習順序(難易度・重要度順):

  1. No.1~No.5:基本パターン(スイッチ・コンセント)
  2. No.6~No.8:3路スイッチを含む問題
  3. No.9~No.11:計測機器・換気扇を含む問題
  4. No.12~No.13:複雑な配線パターン

最初の5問で基本的な配線技術を身につける。ここでリングスリーブの圧着、VVFストリッパーの使い方、電線の成形などの基本動作を完璧にする。

各問題の練習方法:

  • 1回目:動画を見ながらゆっくり作業(時間は気にしない)
  • 2回目:動画なしで作業(60分程度かかってもOK)
  • 3回目:40分以内での完成を目指す
  • 4回目以降:30分以内で完成(本番の余裕を作る)

複線図マスターのための3ステップ練習法

複線図は技能試験の生命線。これができなければ配線作業に入れない。「工業高校生でもチンプンカンプン」になる理由は、練習方法が間違っているからだ。

ステップ1:電気の流れを理解する(3~5日)

スイッチやコンセントに電気がどう流れるかを図で理解する。3路スイッチが「なぜ2箇所でON/OFFできるのか」を動作原理から学ぶ。

  • 単極スイッチ:電線1本を切り替える
  • 3路スイッチ:共通端子と2つの切替端子を持つ
  • 4路スイッチ:3路スイッチの間に入る中継役

ステップ2:図記号から回路を読む(5~7日)

単線図の図記号を見て、実際の配線を頭の中でイメージする練習。各器具が何本の電線で接続されるかを覚える。

  • コンセント:2本(非接地側・接地側)
  • 片切スイッチ:2本(電源側・負荷側)
  • 3路スイッチ:3本(共通・切替1・切替2)

ステップ3:複線図を正確に描く(7~10日)

候補問題13問の単線図から複線図を描く練習。最初は時間がかかっても正確性を優先する。慣れてきたら5分以内での完成を目指す。

複線図でよくある間違い:

  • 接地線(アース線)を忘れる
  • 3路スイッチの渡り線を間違える
  • 電線の色を間違える(黒・白・赤の使い分け)
  • 分岐点での電線本数を間違える
複線図作成の3ステップ(①電気の流れ理解→②図記号解読→③複線図作成)フロー図

20日間で合格する具体的な勉強スケジュール【日別タスク付き】

「20日間で第二種電気工事士に合格できるのか?」——答えはYESだ。ただし、1日平均3~4時間の集中した学習が前提になる。

以下は監修者の林氏が設計した「20日間集中合格プラン」。このスケジュール通りに進めれば、未経験者でも合格ラインに到達できる。

第1週:学科試験の基礎固め(1~7日目)

1日目:試験概要と出題範囲の把握

  • 試験要項の確認(申込期限・試験日程)
  • 学科試験の出題分野別配点確認
  • 参考書1章「電気の基礎」を読む
  • 学習時間:2時間

2~3日目:電気基礎理論と図記号

  • オームの法律・電力の計算(4問分)
  • 配線図記号50種類の暗記
  • スイッチ・コンセントの種類と用途
  • 学習時間:各3時間

4~5日目:配電理論と配線設計

  • 単相・三相の違い
  • 電線の太さと許容電流
  • 分岐回路の設計方法
  • 学習時間:各3時間

6~7日目:施工方法と検査

  • 電気工事の施工方法(6問分)
  • 検査機器の使い方(4問分)
  • 第1週の総復習
  • 学習時間:各3時間

第2週:学科試験の過去問演習(8~14日目)

第2週は過去問中心の実戦演習。毎日1年分の過去問を解いて、弱点を特定する。

8~12日目:過去問5年分(各年度1日)

  • 朝:前日の復習(30分)
  • 午前:過去問60問を解く(2時間)
  • 午後:間違えた問題の解説確認(1.5時間)
  • 夜:間違えた問題のやり直し(1時間)
  • 学習時間:各5時間

13~14日目:弱点補強と総仕上げ

  • 13日目:5年分で間違えた問題の集中演習
  • 14日目:模擬試験(本番と同じ時間・環境)
  • 学習時間:各4時間

この時点で36点以上取れていれば、学科試験の合格は確実だ。

第3週:技能試験の基本作業習得(15~20日目)

第3週は技能試験の基本技術習得。工具の使い方から複線図作成まで、一通りの技術を身につける。

15日目:工具の使い方と基本作業

  • VVFストリッパーの使い方
  • 圧着ペンチでのリングスリーブ圧着
  • 電線の成形と接続練習
  • 学習時間:4時間

16日目:複線図の基礎

  • 単線図から複線図への変換理論
  • 候補問題No.1~No.3の複線図作成
  • 電線の色分けルール
  • 学習時間:4時間

17~19日目:候補問題の実技練習

  • 17日目:No.1~No.4(基本パターン)
  • 18日目:No.5~No.8(3路スイッチ含む)
  • 19日目:No.9~No.13(応用パターン)
  • 各日学習時間:5時間

20日目:総合演習と最終確認

  • ランダムに選んだ3問を時間内で完成
  • 工具チェックと本番の持ち物確認
  • 学習時間:3時間

このスケジュールの総学習時間は約80時間。「3日間で20時間」のような無謀な計画ではなく、現実的な範囲で最短合格を目指せる。

20日間勉強スケジュールの時間配分円グラフ(学科基礎:14時間、過去問:23時間、技能基礎:4時間、実技練習:15時間、総合演習:3時間)

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技能試験の練習費用は総額いくら?【工具・材料の賢い調達法】

技能試験の準備で最も気になるのが費用の問題。Yahoo!知恵袋の指摘通り「工具や材料はそこそこ費用が嵩みます」が現実だ。しかし、工夫次第で費用を半減させることも可能。

必要な工具セット:15,000~25,000円

技能試験に必要な工具の価格帯は以下の通り:

工具名 価格範囲 おすすめ品
VVFストリッパー 3,000~8,000円 ホーザン P-958(5,000円前後)
圧着ペンチ 3,000~6,000円 ホーザン P-737(4,000円前後)
プラスドライバー 500~1,500円 ベッセル +2×100mm
マイナスドライバー 500~1,500円 ベッセル -5.5×100mm
ペンチ 1,000~3,000円 フジ矢 1050-200mm
電工ナイフ 1,000~2,000円 ホーザン Z-680
スケール 500~1,000円 15cm金属製定規

初心者におすすめなのは、ホーザン(HOZAN)の工具セット。電気工事士試験に特化した設計で、使いやすさと耐久性を両立している。DK-28という基本セットなら20,000円程度で必要な工具が揃う。

監修者の林氏は「VVFストリッパーだけは良いものを買え。これ一つで作業効率が2倍変わる」と強調する。安物のストリッパーは電線を傷つけやすく、本番で減点になるリスクがある。

練習用材料:1回分500~800円×13問

候補問題13問を各3回ずつ練習すると仮定すると、必要な材料費は以下の通り:

  • VVFケーブル1.6mm 2芯:1m あたり120円
  • VVFケーブル1.6mm 3芯:1m あたり180円
  • VVFケーブル2.0mm 2芯:1m あたり160円
  • リングスリーブ(小・中・大):1個10~15円
  • 差込コネクタ:1個80~120円
  • スイッチ・コンセント各種:1個300~800円

1問あたりの材料費は500~800円。13問×3回練習で約20,000~30,000円かかる計算だ。これに工具代を加えると、総額40,000~55,000円になる。

確かに「そこそこ費用が嵩む」が、第二種電気工事士の資格取得で期待できる年収アップ(年間50万円以上)を考えれば、決して高い投資ではない。

中古工具やレンタルで費用を半減させる方法

費用を抑えたい場合の具体的な方法:

中古工具の活用(30~50%削減)

  • メルカリ・ヤフオクで電気工事士用工具セットを探す
  • リサイクルショップで個別工具を購入
  • 電気工事会社の知人から譲ってもらう

ただし、中古工具は精度が落ちている可能性がある。特にVVFストリッパーの刃は消耗品のため、中古品は避けた方が無難だ。

材料の節約術(20~30%削減)

  • 電材卸売店での購入(一般向け販売している店舗もある)
  • 複数人での共同購入
  • 過去の受験者から余り材料を譲ってもらう
  • 最初は1問ずつ材料を購入し、必要最小限に抑える

工具レンタル(短期のみ有効)

一部の電器店や専門学校で工具レンタルを行っている。1週間3,000~5,000円程度だが、練習期間が短い場合のみ有効。長期間の練習には不向きだ。

正直に言うと、費用を極端にケチって不合格になるのは最悪のパターン。工具・材料費は「確実な合格への投資」と割り切って、必要な分は確保すべきだ。

合格率60%の試験内容と難易度を正しく理解する

第二種電気工事士の合格率は学科61.5%・技能73.4%と発表されているが、この数字に惑わされてはいけない。実際の難易度は数字以上に高い。

学科試験:60問中36問正解で合格

学科試験の合格基準は60点(60問中36問正解)。電気技術者試験センターの最新データでは合格率61.5%だが、これは「受験した人」の合格率だ。

実際には以下の層が数字に含まれていない:

  • 申し込んだが受験しなかった人(約15%)
  • 途中で挫折して試験を放棄した人(約10%)
  • 明らかに準備不足で受験した人(約20%)

つまり、実質的な合格率はもっと低い。きちんと準備した受験者に限れば70~75%程度だが、全受験申込者ベースでは40~45%程度と考えるべきだ。

学科試験の出題内容(60問):

出題分野 問題数 攻略難易度
電気基礎理論 4問 ★★★(計算問題)
配電理論・配線設計 8問 ★★☆(暗記中心)
電気機器・配線器具・電気工事用材料 8問 ★☆☆(暗記のみ)
電気工事の施工方法 6問 ★★☆(図解理解)
一般用電気工作物の検査方法 4問 ★★☆(機器知識)
配線図 20問 ★★★(図記号)
鑑別 10問 ★☆☆(写真判別)

配線図問題20問は全体の33%を占める最重要分野。ここで15問以上正解できれば、他の分野で多少ミスしても合格ラインに届く。

技能試験:13課題から1問出題、時間は40分

技能試験の合格率73.4%という数字は、学科試験合格者のみが受験するため高く見える。学科試験で約40%が脱落していることを考えると、最初から技能試験まで到達する人は限られている。

技能試験の評価基準:

  • 完成度:配線が正しく完成しているか
  • 外観:配線の美しさ・ケーブル処理の丁寧さ
  • 安全性:漏電・短絡の可能性がないか
  • 時間:40分以内での完成

不合格になる主な理由:

  1. 時間切れ(30%):練習不足による作業の遅れ
  2. 配線ミス(25%):複線図の間違いが原因
  3. 接続不良(20%):リングスリーブの圧着ミス
  4. 材料不足(15%):電線の切りすぎ
  5. その他(10%):工具忘れ・ケーブル損傷など

監修者の林氏は「技能試験で不合格になる人の90%は練習不足。13問すべてを3回以上練習すれば、まず落ちない」と断言する。

上期・下期どちらが合格しやすいかデータ分析

第二種電気工事士は年2回(上期・下期)実施される。どちらが合格しやすいかは受験者の関心が高い。

過去5年の合格率推移(電気技術者試験センター):

年度 上期学科 上期技能 下期学科 下期技能
令和5年 62.3% 74.1% 60.8% 72.7%
令和4年 61.7% 73.5% 60.2% 73.0%
令和3年 65.1% 75.8% 59.9% 72.1%
令和2年 64.2% 76.2% 58.7% 71.3%
平成31年 66.8% 77.5% 61.4% 74.2%

データを見ると、上期の方が2~3%程度合格率が高い傾向がある。これは以下の要因が考えられる:

  • 上期受験者:新年度の就職・転職を意識した計画的な受験
  • 下期受験者:上期不合格者の再挑戦組が多く、学習期間が短い
  • 気候要因:6月(上期)の方が12月(下期)より体調管理しやすい

ただし、差は統計的に有意とは言えないレベル。それよりも重要なのは、十分な準備期間を確保することだ。

申し込みから試験まで約3~4ヶ月あるため、どちらを選んでも適切な準備は可能。自分のスケジュールに合わせて選択すればいい。

勉強開始前に知っておくべき注意点5つ

第二種電気工事士の勉強を始める前に、制度上の注意点を把握しておこう。知らないと後で痛い目に遭う重要な情報だ。

受験申込みは試験の2ヶ月前に締切

最も多い失敗が申込期限の見落とし。電気工事士試験の申込期間は意外に短く、締切を過ぎると次回まで半年待つことになる。

令和7年度の申込期間:

  • 上期試験:3月17日~4月3日(学科試験:6月1日)
  • 下期試験:8月19日~9月5日(学科試験:10月26日)

申込方法は以下の3つ:

  1. インターネット申込:24時間受付、クレジットカード決済可
  2. 郵便振替申込:受験案内を取り寄せて郵送
  3. 書店申込:大型書店で受験案内を購入

インターネット申込が最も確実で手軽。受験料は学科・技能合わせて9,300円(非課税)だ。

注意すべきポイント:

  • 申込締切は午後5時まで(当日消印有効ではない)
  • 写真は6ヶ月以内に撮影したものが必要
  • 技能試験のみの受験も可能(学科免除者)

学科合格者は次回学科試験免除制度あり

学科試験に合格したが技能試験に不合格だった場合、次回の学科試験が免除される。この制度を知らずに再度学科から受験する人がいるため要注意。

学科試験免除の条件:

  • 前回の学科試験に合格している
  • 技能試験が不合格または欠席
  • 次回試験(上期不合格なら下期、下期不合格なら翌年上期)に限る

免除制度を利用する場合の受験料は5,300円(学科試験分が差し引かれる)。申込時に「学科試験免除」を選択する必要がある。

監修者の林氏は「学科免除制度があるから、まずは学科試験の突破を最優先にすべき。技能試験は半年後でも十分間に合う」とアドバイスする。

技能試験の工具忘れは即不合格

技能試験では指定された工具の持参が必須。1つでも忘れると即不合格になる。貸し出しは一切ないため要注意だ。

持参必須の工具:

  • VVFストリッパー(電線被覆剥ぎ用)
  • 圧着ペンチ(リングスリーブ圧着用)
  • プラスドライバー(No.2推奨)
  • マイナスドライバー(5.5mm幅推奨)
  • ペンチ(150mm以上)
  • 電工ナイフまたはケーブルストリッパー
  • スケール(物差し)

持参禁止・使用不可の物:

  • 電動工具(電動ドライバー等)
  • 測定器(テスター・検電器)
  • 半田ごて
  • 携帯電話・スマートウォッチ
  • 参考書・ノート類

試験前日のチェックリスト:

  • 工具7点セットの動作確認
  • 工具ケースまたは工具袋の準備
  • 受験票と身分証明書の確認
  • 時計の持参(会場に時計がない場合がある)

Yahoo!知恵袋でも「工具忘れは即不合格」という経験談が複数投稿されている。前日の準備は念入りに行いたい。

受験会場は当日変更不可

技能試験の受験会場は学科試験合格発表後に指定される。交通渋滞や電車遅延を考慮して、余裕を持って出発すること。遅刻すると受験不可になる。

技能試験の服装にも注意

動きやすい服装が基本。ネックレス・腕時計・指輪などの金属製アクセサリーは感電の危険があるため外すよう指示される場合がある。

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よくある質問

Q. 本当に50時間で第二種電気工事士に合格できるのか?

A. 基礎知識や経験によって大きく異なります。Yahoo!知恵袋では工業高校生でも「複線図のあたりでチンプンカンプン」という声があることから、電気系の学校を出ていても個人差があるのが現実です。完全未経験者なら学科80~100時間、技能40~50時間は必要と考えてください。「50時間で合格」は最短記録であり、一般的な目安ではありません。

Q. 技能試験の練習にどのくらい費用がかかるのか?

A. 工具セット15,000~25,000円、練習用材料20,000~30,000円で、総額40,000~55,000円が目安です。Yahoo!知恵袋でも「工具や材料はそこそこ費用が嵩みます」という指摘がありますが、第二種電気工事士の資格取得で期待できる年収アップ(年間50万円以上)を考えれば、決して高い投資ではありません。中古工具や材料の共同購入で費用を半減させることも可能です。

Q. 3日間20時間の超短期間で合格は可能か?

A. 現実的ではありません。Yahoo!知恵袋の経験者からも「間に合わないと思う」という回答が多く、最低でも学科30~50時間、技能20~40時間の計50~90時間は必要です。「3日間20時間」のような無謀な計画では、複線図の理解も技能試験の練習も不十分になり、高確率で不合格になります。確実な合格を目指すなら、最低でも3週間以上の準備期間を確保してください。

Q. 学科試験と技能試験、どちらが難しいですか?

A. 個人の経験によって異なりますが、一般的には技能試験の方が挫折しやすいです。学科試験は暗記中心で対策しやすいですが、技能試験は実際に手を動かして練習する必要があります。特に40分という時間制限が厳しく、候補問題13問すべてを時間内に完成できるレベルまで練習が必要です。ただし、正しい手順で練習すれば技能試験の合格率は73.4%と高いため、過度に心配する必要はありません。

林(はやし)

この記事の監修者

林(はやし)|施工管理ちゃんねる(せこちゃん) キャリアアドバイザー

元施工管理技士。大学院工学研究科修了後、発電所・製鉄所・自動車工場など大型プラントの電気施工管理に従事。ビル設備管理を経て、人材紹介会社でRA・CA両面を経験。電気設備・建設・再生可能エネルギー領域の採用支援を行う。



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