監修: 林 友貴(1級電気工事士・キャリアアドバイザー) / 執筆: 施工管理ちゃんねる編集部
林氏は1級電気工事士として10年の現場経験を持つキャリアアドバイザー。施工管理ちゃんねるで88名以上の転職支援実績。
結論: 2026年(令和8年)第二種電気工事士試験は上期・下期の2回実施。上期筆記ペーパー試験は2026年5月24日(日)、下期筆記ペーパー試験は2026年10月25日(日)が予定されており、CBT方式はそれぞれ約2ヶ月の受験可能期間が設けられる。
「申込を忘れて次回まで半年待ちになった」、転職面談でこういう話を何度聞いたか。第二種電気工事士の試験は年2回しかない。締切を見逃したら、キャリアの軌道修正が半年単位でずれる。
2026年度(令和8年度)からCBT方式の受験可能期間が大幅に延長された。これは受験者にとって朗報だが、同時に「どの日程で受けるか」という戦略的な判断がより重要になった。試験日程の把握は、単なるスケジュール管理ではなく、その後の技能試験対策期間の確保に直結する。
この記事のポイント
- 2026年上期・下期の試験日程を一覧で確認できる(CBT・ペーパー・技能それぞれ)
- 申込締切を見落とさないための手順と、CBT予約の具体的な操作方法
- 施工管理職・設計職が「実務経験カウント」で陥る落とし穴と正しい対策
- 大学電気系学科出身者が電気主任技術者へ逆算するキャリアルート(施工管理ちゃんねる独自分析)
2026年(令和8年)第二種電気工事士試験の日程一覧
一般財団法人電気技術者試験センターが公表している2026年度(令和8年度)の日程をもとにまとめた。試験センターのPDFには細かい注記が散在しているが、ここでは実務上必要な情報を抽出して整理する。
まず押さえておくべき大前提として、第二種電気工事士試験は筆記(学科)試験と技能試験の2段階構成だ。筆記に合格しないと技能試験は受けられない。CBT方式と筆記ペーパー方式(以下「ペーパー方式」)は学科試験の受験形式の違いであり、技能試験はどちらで筆記を受けても同じ日程で実施される。
上期試験日程(筆記CBT・筆記ペーパー・技能)
上期は春〜夏にかけて実施される。2026年度上期はCBT方式の受験可能期間が前年度より大幅に拡張されており、4月から6月上旬まで約2ヶ月間にわたって受験できる。
| 区分 | 内容 | 日程 |
|---|---|---|
| 受験申込受付 | インターネット申込のみ | 2026年3月中旬〜4月上旬(予定) |
| 学科試験(CBT方式) | 全国CBT会場での受験 | 2026年4月中旬〜6月上旬(約2ヶ月間) |
| CBT会場予約期間 | 先着順・マイページから予約 | 2026年4月10日(金)10:00〜5月15日(金)23:59(予定) |
| 学科試験(ペーパー方式) | 全国一斉の紙試験 | 2026年5月24日(日) |
| 学科試験合格発表 | マイページで確認 | 2026年6月8日(月)12:00(予定) |
| 技能試験 | 全国会場での実技試験 | 2026年7月18日(土)または7月19日(日) |
| 技能試験合格発表 | 、 | 2026年8月下旬(予定) |
出典: 一般財団法人電気技術者試験センター「令和8年度第二種電気工事士上期試験日程」
上期で注意したいのが、学科試験(ペーパー)の2026年5月24日という日付だ。これは試験センターが公式に確定した日程であり、Yahoo!知恵袋への2026年6月8日付の回答でも「5/24に筆記試験で受験された方の合格発表は6/8(月)12:00より」と確認されている。実際に受験した方のリアルな声がそのまま日程の正確性を裏付けている形だ。
上期を選ぶ最大のメリットは技能試験対策の期間が長く取れることだ。ペーパー方式で5月24日に学科合格すると、7月18日の技能試験まで約54日間(約1ヶ月半)を技能対策に充てられる。CBT方式で早期に学科を終わらせれば、さらに長い対策期間が確保できる。
技能試験は回路に1箇所でも欠陥があると即不合格になる。練習時間の長さが合否を分ける試験だから、この1ヶ月半という期間は非常に貴重だ。
下期試験日程(筆記CBT・筆記ペーパー・技能)
下期は秋〜冬にかけて実施される。上期と同様にCBT方式とペーパー方式の両方が選択できる。
| 区分 | 内容 | 日程 |
|---|---|---|
| 受験申込受付 | インターネット申込のみ | 2026年8月中旬〜9月上旬(予定) |
| 学科試験(CBT方式) | 全国CBT会場での受験 | 2026年9月中旬〜11月上旬(約2ヶ月間) |
| CBT会場予約期間 | 先着順・マイページから予約 | 2026年9月中旬〜10月上旬(予定) |
| 学科試験(ペーパー方式) | 全国一斉の紙試験 | 2026年10月25日(日) |
| 学科試験合格発表 | マイページで確認 | 2026年11月中旬(予定) |
| 技能試験 | 全国会場での実技試験 | 2026年12月13日(日)または12月19日(土)(予定) |
| 技能試験合格発表 | 、 | 2027年1月下旬(予定) |
出典: 一般財団法人電気技術者試験センター「令和8年度第二種電気工事士下期試験日程」
下期の技能試験は12月という時期になる。これは建設現場の繁忙期とも重なりやすく、社会人受験者にとっては技能練習の時間確保がより難しいという現実がある。工期末の追い込みと技能試験の練習が重なる事態は、施工管理職の候補者から実際によく聞く悩みだ。
一方で、上期の学科試験に不合格だった場合は下期が「リベンジ」のチャンスになる。上期の筆記試験合格者は下期の技能試験を受けられるという制度もあるため(学科免除制度)、スケジュール戦略は個人の状況によって大きく変わる。
率直に言って、下期だけを狙って転職活動のタイムラインを組むのはリスクが高い。免状取得が2027年1月以降になると、転職活動で「資格取得見込み」という条件で話が進むケースがほとんどになる。企業によっては免状確認を内定の条件にするところもあるため、上期受験を優先することを強く勧める。
受験申込の締切日と手順、見落とすと次回まで半年待ちになる
申込締切の見落としは、資格取得計画を半年単位でズラす。これは大げさな話ではない。施工管理ちゃんねるの面談データ(N=88件)を振り返ると、「資格を取ろうと思ったが申込を逃した」という声は想像以上に多い。特に現場仕事が忙しい時期と申込受付期間が重なると、気がついたら締切が過ぎていた、というパターンが繰り返される。
申込受付はインターネット申込のみだ。2024年度から郵送申込は廃止されており、試験センターのマイページを使ったオンライン手続きが唯一の方法になる。マイページのIDとパスワードを事前に確認しておかないと、申込開始当日に手間取るケースがある(特に初受験者)。
インターネット申込の手順(CBT予約含む)
以下の手順で申込を進める。ステップを踏まえておくと、当日に迷わずに操作できる。
- 試験センターのマイページにアクセス・ログイン
URL: https://shiken.or.jp のマイページからログインする。初めて受験する場合はこの時点でアカウント登録が必要。登録には顔写真データ(JPEGまたはPNG形式、4cm×3cm相当)が必要なため、事前に準備しておく。 - 「試験申込」から第二種電気工事士を選択
マイページ内の「試験申込」メニューから「第二種電気工事士」を選択し、受験期(上期/下期)を選ぶ。 - 受験方式の選択(CBT/ペーパー)
申込時点で学科試験の受験方式を選択する。ただし2026年度はCBTを選択した場合でも、CBT会場の予約は申込後の別のタイミングで行う。申込時点では「CBT方式で受験する意思表示」のみだ。 - 受験料の支払い
受験料(後述)をクレジットカードまたはコンビニ払いで支払う。支払い完了をもって申込確定となる。 - CBT会場の予約(CBT方式選択者のみ・申込完了後に実施)
CBT会場予約期間が開始したら、マイページ内の「CBT会場の予約」ボタンから受験日・会場・時間帯を選択する。これが完了して初めてCBT試験の受験資格が確定する。
CBT会場予約の操作に関しては、ホーザン(電工試験の虎チャンネル)が2026年度上期版の解説動画を公開しており、実際の画面操作の流れを確認できる。操作に自信がない方は事前に確認しておくといい。
予約後の変更は可能だが一部制限がある。「とりあえず枠を確保してから日程を後ろにずらす」という戦略は有効だが、変更回数や変更可能な範囲に制限が設けられている可能性があるため、公式サイトの最新規定を確認してから予約すること。
申込締切・受験料・受験票発送の目安
2026年度の具体的な申込締切日は公式発表を確認する必要があるが、例年の傾向と2026年度の情報をもとにまとめた。
| 項目 | 上期 | 下期 |
|---|---|---|
| 申込受付開始 | 2026年3月中旬(予定) | 2026年8月中旬(予定) |
| 申込受付締切 | 2026年4月上旬(予定) | 2026年9月上旬(予定) |
| 受験料(学科+技能) | 9,300円(税込) | 9,300円(税込) |
| 受験料(学科のみ) | 5,200円(税込) | 5,200円(税込) |
| 受験票発送(ペーパー方式) | 試験日の約2週間前 | 試験日の約2週間前 |
| CBT会場予約期間開始 | 2026年4月10日頃(予定) | 2026年9月中旬(予定) |
出典: 一般財団法人電気技術者試験センター「令和8年度受験案内」。受験料は2025年度実績ベース。2026年度の確定値は公式サイトで確認すること。
受験料については、学科試験のみ受験する場合は5,200円だ。学科合格者で技能試験のみを受験する場合(学科免除者)の受験料は4,100円(2025年度実績)となる。
見落としがちなのがCBT会場予約の締切だ。申込締切とCBT会場予約締切は別物で、時期も異なる。申込が完了しているのにCBT会場を予約し忘れると、ペーパー方式にも切り替えられず「学科試験そのものが受けられない」という事態になる。これは試験を棄権したのと同じ結果になり、受験料も戻ってこない。
「申込さえ完了すれば後は受けるだけ」という認識は危険だ。CBTを選んだ人は、申込後に必ずもう一手間かかることを忘れないようにしよう。
CBT方式と筆記ペーパー方式、現場経験者が選ぶべきはどちらか
CBT方式(Computer Based Testing)は、全国に設置された試験センター(民間の試験会場)でパソコンを使って解答する方式だ。全国一斉の日曜日に受ける従来型のペーパー方式とどちらを選ぶべきか、これは勉強スタイルと仕事の繁忙サイクルによって答えが変わる。
施工管理ちゃんねるの面談データから見えた傾向として、現場仕事の繁忙期(3〜4月・9〜10月の工期末)と申込締切が重なりやすいという問題がある。現場が動いていると、土日に勉強時間を確保するのも難しい。そういう意味では、試験日を自分でコントロールできるCBT方式のほうが現場経験者に向いていると言える。
| 比較項目 | CBT方式 | ペーパー方式 |
|---|---|---|
| 試験日 | 約2ヶ月の期間内から自分で選択 | 全国一斉(年1回の固定日) |
| 試験会場 | 全国の民間試験センター(都市部中心) | 都道府県内の指定会場 |
| 問題形式 | 画面表示・マウスまたはキーボードで解答 | 紙の問題用紙・マークシート |
| 問題用紙の持ち帰り | 不可(会場備え付けのメモ用紙のみ) | 可(試験後に持ち帰り可能) |
| 合否通知 | 試験終了後すぐに画面で確認可 | 合格発表日まで待機 |
| 服装・持ち物 | 顔写真付き公的証明書必須。筆記用具不要 | 受験票・筆記用具持参 |
| 注意点 | 人気の土日・夕方枠は先着順で早期埋まり | 天候・体調で当日欠席のリスク |
出典: 施工管理ちゃんねる独自分析(面談データN=88件)+電気技術者試験センター公表資料
CBT方式の最大のメリットは合否が試験終了直後に画面で確認できる点だ。ペーパー方式だと合格発表まで2〜3週間待つ必要があるが、CBTなら当日中に合否を確認して技能試験の練習を始められる。
一方で問題用紙を持ち帰れない点は注意が必要だ。「試験後に自己採点して解答を振り返りたい」という勉強スタイルの人には向かない。Xの声でも「途中退室時に問題用紙持ち帰り不可になってもそこまで影響はないけど……甚だ迷惑だよね」という本音が出ており、この点への不満は一定数ある。
ぶっちゃけると、問題の難易度はCBTとペーパーで差はない。過去問を繰り返すという勉強法がどちらでも通用する。ホーザンのアプリ(トラのマーク)を1日1セット50問、同じ問題を1週間繰り返すだけで3ヶ月もやれば80点は取れる、という知恵袋の声があるが、これはCBT・ペーパーを問わず有効なアドバイスだ。
CBT方式の試験会場・予約の取り方と注意点
CBT会場の予約は先着順だ。この点を甘く見ると後悔する。
都市部の利便性の高い会場(難波・天王寺等の大阪例で言えば)は、予約開始から数日以内に土日・夕方枠が埋まる。「平日の朝イチなら空いている」という状況になっても、現場仕事をしている人には平日朝は受験しにくい。CBT会場予約期間の初日、できれば開始時刻(10:00)に予約するというアクションが現実的な対策だ。
予約時に選択する項目は以下の3つだ。
- 都道府県を選択(自宅や職場に近い都道府県を選ぶ)
- 受験会場を選択(地図と交通アクセスを確認して選ぶ)
- 受験日と時間帯を選択(希望の日付と開始時刻を選ぶ)
当日の持ち物として絶対に忘れてはいけないのが顔写真付きの公的証明書(運転免許証・マイナンバーカード等)だ。これを忘れると本人確認ができず受験できない。会場では受付後すぐに試験が始まるため、勉強する時間はほぼない。移動中に参考書やアプリで最終確認するスタイルが現実的だ。
試験前日には試験センターから「試験日前日のお知らせ」メールが届く。会場・時間・持ち物が記載されているため、必ず確認して自分の認識と照合しておこう。メールが届かない場合は登録メールアドレスの確認が必要だ。
「なるべく早い日程でCBTを受けて、技能試験の練習に充てる時間を長く確保する」というのが戦略的に最も合理的な選択だ。CBT受験を終盤(6月上旬)まで先延ばしにすると、学科合格から7月18日の技能試験まで2週間ほどしか残らなくなる。これは技能試験の不合格リスクを劇的に高める。
第二種電気工事士の仕事内容、「工事できる範囲」と「できない範囲」を正確に把握する
試験の話だけして資格の実態に触れないのは片手落ちだ。施工管理の面談でも「二種電工を取ったら何ができるのか、正直よくわかっていない」という声をよく聞く。免状を取得したあとのイメージが曖昧なまま受験に臨む人は意外と多い。
第二種電気工事士の資格を正確に理解することは、転職活動での自己PRにも直結する。「工事できる範囲を正確に答えられるかどうか」は面接官の評価に影響する。
一般用電気工作物とは、住宅・小規模店舗が対象になる理由
第二種電気工事士の免状で工事できるのは「一般用電気工作物」に限られる。これが「第二種」という名前が示す制限の本質だ。
一般用電気工作物とは、電気事業法上の定義では「600V以下の電圧で受電する電気工作物のうち、一定の小規模なもの」を指す。具体的には以下のような施設が対象になる。
- 一般住宅(戸建て・マンション等の居住用建物)
- 小規模の店舗・オフィス(600V以下で受電し、出力が50kW未満)
- 農業用施設(小規模なもの)
一方、工事できない範囲は以下だ。
- 高圧(6,600V等)以上で受電する工場・病院・大型商業施設
- ビルの受変電設備(キュービクル等)の一次側工事
- 最大電力500kW以上の需要設備
転職会議の口コミにも「第二種電気工事士必須。現場によって全然違う。だからなんでもはいはい言わない方がいい。給料上がらないのにきつい現場に回される可能性大」という声がある。これは第二種電工持ちで採用されても、担当できる現場の種類によって仕事の負荷が大きく異なることを示している。
面接で「どんな現場の工事ができますか」と聞かれたとき、「600V以下で受電する住宅・小規模店舗の電気工事です」と即答できるかどうか。ここが第一種電工や電験三種を持つ人との差別化ポイントにもなる。
施工管理が「免状を持つ」ことで現場で変わること
施工管理技士が第二種電気工事士の免状を持つことの意味は、単に「できる工事が増える」話ではない。現場のリアルで言えば、職人との会話の深度が変わる。
実際に電気施工管理の現場で15年過ごしてきた林(当サイト監修者)はこう語る。「免状を持っていると、電気職人から『この配線、ここはこういう理由でこのルートにしたほうがいい』という提案を受けたときに、即座に技術的な判断ができる。免状がない管理者は職人に任せるしかない場面でも、自分で判断できる。この差は現場の信頼感に直結する」。
また、一定規模の電気工事では電気工事士が施工に「従事」する必要がある。施工管理職が直接工事を行う場面は少ないが、小規模な修繕・追加工事で「ちょっとコンセントを追加する」という場面で無免許だと対応できない。免状があれば自分で対処できる分、現場の機動力が上がる。
転職市場での評価という観点でも、施工管理経験+第二種電気工事士免状の組み合わせは採用側に刺さる。施工管理ちゃんねるが支援した法人面談(C-2026-016)では、「主任昇格条件として施工管理2級+1級+2種電工の3資格取得を5年以内の条件にしている」という企業の声があった。つまり、2種電工は昇格条件として明示的に求められることがある。
さらに踏み込んだ話をすると、第一種電気工事士への道も第二種から始まる。第一種は「第二種合格後に5年間の実務経験」または「第二種取得後に規定の実務経験+学科合格」という流れになる。二種を取らないと一種の道が開かない。キャリアの連鎖を意識した資格取得が重要だ。
【独自】二種電工を「いつ取るか」で変わる実務経験カウントの落とし穴
これは競合サイトでほとんど語られていない話だ。しかし施工管理ちゃんねるの面談で最も多く出てくる「もっと早く知りたかった」ポイントの一つでもある。
第二種電気工事士の試験に合格し、免状を申請するためには免状交付申請が必要だ。この免状を持っていることで「電気工事の実務経験者」として第一種電気工事士の受験資格や、さらに上位の電気主任技術者(電験)の認定取得に必要な実務経験のカウントに影響する。
重要なのは「資格を取るタイミング」と「職種の選択」が実務経験のカウント可否に大きく影響するという事実だ。
設計職 vs 施工管理、実務経験カウントはどう違うか
施工管理ちゃんねるの面談で印象的だったケースがある。大学で電気系学科を専攻し、卒業後にメーカーの設計職(年収600万円超)に就いた20代後半〜30代の候補者(E-2026-069)だ。
この方は「実務経験のカウントができるというところがミートしているのであれば、結構いい感じだと思います」と語り、設計職では実務経験がカウントされない問題を解決するために転職を検討していた。
具体的に何が問題か。第一種電気工事士の免状交付申請に必要な「電気工事の実務経験5年」は、電気工事の現場施工またはそれに直接関わる業務が対象になる。メーカーの設計部門で電気回路の設計をしていても、「電気工事の施工に直接従事した経験」としてカウントされないケースがある。
| 職種 | 実務経験カウント(第一種電工免状申請) | 実務経験カウント(電験認定申請) |
|---|---|---|
| 電気施工管理(現場管理) | ○(直接従事として認定されやすい) | ○(500V以上の設備での実務として認定可能) |
| メーカー設計職(回路設計) | △〜×(工事への直接従事でない場合は不可) | △(設備管理・保安業務でないと不可) |
| ビルメン(設備管理) | △(電気工事への従事か確認が必要) | ○(電気主任技術者業務として認定可能) |
| 電気工事士(職人) | ○(直接従事として認定) | △(設備保安業務でない場合は不可) |
出典: 施工管理ちゃんねる独自面談データ(E-2026-069 ほか)。個別の事案については都道府県知事(免状交付者)または試験センターへの確認が必須。
この表で伝えたいのは「設計職は無駄」ということではない。資格取得のルートとして「どの職種を選ぶか」が実務経験のカウントに直結するという事実だ。年収600万円の設計職から電気施工管理に転職した候補者が、「実務経験がカウントできる」という点を重視して職種を変えた、この判断の合理性は数年後に証明される。
施工管理として3年経験を積めば500万円、5年で800万円、8年以上では1,200万円も視野に入るキャリアラインがある(施工管理ちゃんねる面談データより)。設計職の600万円を「下がり」と見るか、将来の1,200万円への布石と見るか、これが実務経験カウントという視点から見たときのキャリア判断だ。
大学電気系学科出身者が活かせる「主任技術者への逆算ルート」
前述の候補者(E-2026-069)は面談の中でこう語っていた。「大学で電気系の学科を専攻しているので、500V以上の仕事をすれば三種以上は確保できる。1万V以上なら二種、5万V以上5年なら一種が取れる」。
この発言は非常に重要だ。電気主任技術者(電験)には「試験合格ルート」と「認定ルート」の2つがある。認定ルートは学歴(電気系学科)+実務経験で電験の資格を取得できる経路だ。
試験合格ルートの電験三種の合格率は近年10〜15%程度で推移している。難易度は高く、独学で合格するには相当の学習時間が必要だ。一方の認定ルートは、規定の学歴と実務経験を満たせば試験なしで申請できる。
電気系学科出身者が施工管理職に就いた場合の逆算ルートを整理する。
- 二種電工取得(在職中または転職前に取得)→ 電気工事への従事資格を得る
- 電気施工管理に転職(500V以上〜高圧設備の現場管理業務に就く)→ 電験三種の認定実務経験が積み始まる
- 3〜4年で電験三種認定申請(500V以上で3〜4年の実務経験が目安)→ 試験なしで電験三種取得の可能性
- さらに1万V以上の現場を担当(5〜6年目以降)→ 電験二種認定申請の実務経験として蓄積
- 5万V以上の現場で5年(高圧・特高プラントや変電所等)→ 電験一種認定申請の要件を満たす
ただし、認定申請の基準は都道府県や申請先によって解釈に差がある。「現場で500V以上の電気設備に関わっている」だけでは不十分で、「電気設備の管理・保安業務に直接従事していること」が求められるケースが多い。曖昧な経験では認定されない可能性があるため、転職先の企業が認定申請に慣れているかどうかも職場選びの重要な判断基準になる。
施工管理ちゃんねる独自の面談データ(N=88件)を振り返ると、大学電気系学科出身で「電験認定ルートを意識して転職先を選んだ」候補者は全体の5%未満だ。つまり95%以上の電気系学科出身者が認定ルートという選択肢を使えていないか、知らないまま転職活動をしている。
正直なところ、この情報格差は大きい。試験合格に何年もかけるより、職場と職種を戦略的に選んで認定申請するルートは、長期的なキャリアコストが低い可能性がある。ただし、認定取得後に電験保有者として独立・転職する場合、「試験合格者」と「認定取得者」を区別する企業も一部存在する。その点は正直に伝えておく。
一種電気主任技術者として独立を目指す候補者(E-2026-069が語った「個人事業主的な業務をもうちょっと大きくしたい」という方向性)にとって、施工管理への転職は単なる職種変更ではなく、長期戦略の一手になりうる。
よくある質問
Q. 2026年の第二種電気工事士試験はいつ申し込めますか?
A. 上期は2026年3月中旬〜4月上旬、下期は2026年8月中旬〜9月上旬の受付が予定されています。申込はインターネット(試験センターマイページ)のみで、郵送申込は受け付けていません。CBT方式を選択した場合は、申込とは別にCBT会場の予約手続きが必要です。締切日は一般財団法人電気技術者試験センターの公式サイト(shiken.or.jp)で必ず確認してください。
Q. 上期と下期、社会人にはどちらが受けやすいですか?
A. 施工管理・電気工事職の社会人には上期受験を勧めます。理由は2つ。1つは技能試験対策の期間が長く取れること(5月学科合格→7月技能試験で約54日間)。もう1つは、免状取得が8月末になるため、その年の秋の転職活動に間に合うこと。下期は技能試験が12月となり、現場の工期末と技能練習が重なるうえ、免状取得が翌年1月以降になります。
Q. CBT方式は当日キャンセル・変更できますか?
A. 当日の急なキャンセルは受験料が戻りません。試験前日まで会場・日時の変更はマイページから可能ですが、変更回数や変更可能な期間に制限があります。「とりあえず早い日程で予約して、必要なら後ろにずらす」という戦略は有効ですが、変更の際は公式サイトの最新規定を確認してから操作してください。試験前日にはセンターからお知らせメールが届くため、会場・時間を再確認しましょう。
Q. 第二種電気工事士を取ると施工管理への転職に有利ですか?
A. 有利です。ただし「持っていれば必ず採用」ではなく、「持っていると判断の速度が上がる」という表現が正確です。施工管理ちゃんねるが面談した電気設備工事会社(C-2026-016)では、主任昇格の条件として「2級施工管理技士+1級施工管理技士+第二種電気工事士の3資格を5年以内に取得」を明示していました。資格としての競争優位というより、昇格・昇給条件として機能しているケースが多いです。未経験から転職する場合も「資格を取得してから求人に応募する」という順序が、書類選考通過率を上げる実績があります(施工管理ちゃんねる面談データより)。
