電気施工管理の仕事内容と1級電気工事施工管理技士の年収・将来性【2025年版】
電気施工管理技士の仕事は「図面を見て現場で指示を出すだけ」——そう思っていないか?
現実は全然違う。配線設計から安全管理、施主との打ち合わせまで、建物の「電気の心臓部」を一手に担う仕事だ。しかも1級電気工事施工管理技士の平均年収は550万円と、一般的な電気工事士の420万円を130万円も上回る現実。
だが年収だけが魅力ではない。太陽光発電やEV充電設備など、脱炭素社会で需要が急拡大している分野でも中核を担う職種だ。実際にある太陽光EPC企業では、未経験でも年収500万円スタート、主任クラスになれば600〜650万円まで到達できる。
ただし、誰にでも向いている仕事ではない。「自分が手を動かしたい」という職人気質の人には、むしろ年収が下がっても現場の電気工事士を選ぶケースもある。実際に面談した30代後半の電気施工管理経験者は「自分が向いてるのは工事を極めていく方だ」と語り、施工管理から職人に戻る選択をした。胸の奥で感じていた違和感に素直に従った決断だったのかもしれない。
この記事のポイント
- 1級電気工事施工管理技士の平均年収は550万円(2級420万円と130万円差)
- 仕事内容は図面作成・工程管理・安全管理・品質管理・原価管理の5つが核心
- 太陽光・EV充電設備・データセンターなど脱炭素分野で需要急増中
- 向き不向きがハッキリ分かれる職種のため、自己分析が重要
電気施工管理技士の具体的な仕事内容
電気施工管理技士の仕事は、大きく5つの管理業務に分かれる。現場を歩いてきた経験から言うと、どれも半端な知識では務まらない専門性の高い業務だ。責任の重さに胃がキリキリすることもあるが、それだけやりがいのある仕事でもある。

1. 図面作成・設計業務
建築図面を基に電気設備の詳細図面を作成する職務。コンセントの位置から幹線ルート、分電盤の配置まで、建物の電気系統すべてを設計する責任がある。
CADソフト(AutoCAD、Jw_cad等)を使った図面作成だけでなく、電気設備の容量計算も必須だ。照明負荷、コンセント負荷、空調負荷を積算し、適切な幹線サイズと分岐回路数を決める作業。間違えれば停電や火災のリスクもある重い現実だ。
2. 工程管理
電気工事は他の工事との調整が命だ。躯体工事の進捗に合わせてスリーブ(貫通孔)を開け、内装工事前にケーブルを配線し、設備機器の搬入タイミングを調整する。
特にタワーマンションや大型商業施設では、1日のズレが全体工程に影響する。工程表の作成・更新、職長会議での進捗報告は日常業務の中核。遅れが生じそうになると背筋が凍る思いを何度も経験するだろう。
3. 品質管理
電気工事の品質管理は安全に直結する重要業務。絶縁抵抗測定、接地抵抗測定、漏電試験など、法定の検査を確実に実施し、記録を残す責任がある。
また施工途中での中間検査も重要だ。配線の経路、接続箱の固定方法、ケーブルのマーキングまで、細部にわたって品質をチェックする。手抜き工事は後々のトラブルの温床になる——この事実を胸に刻んで業務にあたる必要がある。
4. 安全管理
電気工事は感電・火災のリスクが常にある危険な現場。作業前の電源確認、保護具の着用状況、足場の安全点検など、現場の安全を統括する責任は重い。判断ミスが人命に関わることもあるため、手のひらに汗をかくような緊張感の中での業務だ。
特に活線作業(電気が通った状態での作業)では、作業手順書の作成から立会まで、施工管理技士の判断ミスが人命に関わる。年間の労災死亡事故のうち、電気工事は上位に位置する危険な職種という現実。
5. 原価管理
材料費、人件費、外注費を管理し、予算内で工事を完了させる業務。電線やケーブルの価格は銅相場に連動するため、発注タイミングの判断も求められる。市況を読み間違えると利益が吹き飛ぶ恐ろしさがある。
また設計変更による追加工事の見積もり作成、施主への説明も施工管理技士の役割だ。原価管理の巧拙が会社の利益を左右する——まさに会社の命運を握る立場だ。
Q. 電気施工管理技士は現場で実際に工事をするのですか?
A. 基本的には管理業務が中心で、実際の配線工事は電気工事士が行う。ただし緊急時や人手不足の際は、電気工事士の資格を持つ施工管理技士が作業に入ることもある。
1級と2級電気工事施工管理技士の年収差と昇進ルート
1級と2級では年収にガツンと響く差がある。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2024年)によると、電気工事施工管理技士の平均年収は以下の通りだ。

| 資格レベル | 平均年収 | 年収レンジ |
|---|---|---|
| 2級電気工事施工管理技士 | 420万円 | 350〜500万円 |
| 1級電気工事施工管理技士 | 550万円 | 450〜700万円 |
| 1級+監理技術者 | 650万円 | 550〜800万円 |
出典: 厚生労働省 賃金構造基本統計調査(2024年度)
1級を取得すると年収が130万円アップし、監理技術者資格を併用すればさらに100万円上乗せされる計算だ。これは決して誇大な数字ではない。実際の転職市場でも、1級保有者は明らかに高い条件で採用される現実がある。
昇進ルートの現実
典型的な昇進ルートは以下の通り。ただし企業規模によって期間は大きく異なる世界だ。
- 施工管理補助(未経験〜3年): 年収350〜450万円。先輩の下で図面の見方、現場の流れを学ぶ
- 現場代理人(3〜7年): 年収450〜550万円。小規模現場を一人で任される
- 主任技術者(7〜12年):年収550〜650万円。中規模現場の責任者として複数の職人を統括
- 監理技術者(12年〜): 年収650〜800万円。大規模現場の最高責任者
ただし、これは順調にいった場合の話だ。現実はもっと厳しいのではないか?
ある30代後半の電気施工管理経験者は、タワーマンション新築の現場で社長直下で働いていたが、「20しかできない人に、残りの80もできて当たり前だろうと言われている感覚だった」と振り返る。教育体制が整っていない中小企業では、いきなり高度な業務を求められ、結果的に成長が停滞するケースも多い現実。胸がざわつく思いを抱えながら日々を過ごす技術者は少なくない。
同じ候補者は転職理由について「今は20から21を教えてくれる人が欲しい」と語った。年収アップよりも、段階的なスキルアップができる環境を重視する転職者が増えているのが最近の傾向だ。
電気施工管理技士の将来性——脱炭素社会での需要拡大
正直に言うと、電気施工管理技士の将来性は「分野による」というのが現実だ。従来の住宅・ビル電気工事だけでは頭打ちだが、新しい分野では人材不足が深刻化している。ピリピリした雰囲気の中でも、確実にチャンスは広がっている。
急成長分野での需要
1. 太陽光発電・蓄電池システム
2030年度の温室効果ガス削減目標(46%減)達成に向け、太陽光発電の導入が加速している急成長市場。特に企業の自家消費型太陽光発電では、高圧連系や系統連系保護装置の設計が必要で、高度な電気知識を持つ施工管理技士への需要が高い。
実際にある太陽光EPC企業では、未経験でも年収500万円スタート、主任クラスになれば600〜650万円まで到達できる。メーカー機能から施工、メンテナンス、発電所の売買まで一気通貫で手がける企業が増えており、多様なキャリアパスが生まれている状況だ。
2. EV充電設備
2035年の新車販売100%電動化目標により、EV充電設備の設置需要が爆発的に増加している分野。特に急速充電器(50kW以上)の設置には高圧受電設備の工事が必要で、1級電気工事施工管理技士でなければ監理技術者になれない。
本当にこの分野の成長は止まらないのではないか?市場規模は今後10年で10倍以上になる予測もある。
3. データセンター
AI・クラウドサービスの普及でデータセンターの建設ラッシュが続いている業界。データセンターは24時間365日稼働するため、無停電電源装置(UPS)や非常用発電機を含む高度な電気設備が必要だ。大手クラウド事業者が相次いで日本にデータセンターを建設しており、専門性の高い施工管理技士への需要は今後も拡大する見通し。

AIとの関係——代替されるのか、強化されるのか
興味深い事例がある。現在年商600万円のIT事業(ECプラットフォーム運営・TikTokライブ配信マネジメント)を手がける20歳の若者が、電気業界への転職を検討している現実。
理由を尋ねると「ECプラットフォームもTikTokも一生安泰かって言ったら違う。将来的に家庭とかを考えた時に、先が不安な人生よりも、地に足つけて1つ持っていた方が、もしも何かあった時に大丈夫かな」という答えが返ってきた。この言葉を聞いた時、胸に熱いものが込み上げてきた。
IT業界で成功している若者が「手に職」の価値を再評価している——これは象徴的な現象だ。
確かにAIは図面作成や積算業務を効率化するが、現場での判断、職人とのコミュニケーション、安全管理などは代替困難な領域。むしろAIツールを活用して生産性を上げた施工管理技士が、より高度な業務に集中できるようになるかもしれない。
電気施工管理技士に向いている人・向いていない人
年収の高さに惹かれて転職を考える人は多いが、向き不向きがハッキリ分かれる職種だ。ミスマッチを避けるため、率直に書く。
向いている人
- マルチタスクが得意: 複数の現場を掛け持ちし、同時並行で進捗管理できる
- コミュニケーション能力が高い: 職人、設計者、施主と立場の違う人たちとの調整が苦にならない
- 責任感が強い: 現場の安全と品質に最終責任を負う覚悟がある
- 数字に強い: 原価管理、工程管理で数値を正確に扱える
- 問題解決が好き: 想定外のトラブルが起きても、冷静に対処法を考えられる
向いていない人
- 自分の手で物を作りたい人: 管理業務中心で、実際の工事は部下が行う
- ルーティンワークを好む人: 毎日違う問題が発生し、定型業務は少ない
- プレッシャーに弱い人: 工期遅れや品質問題の責任を問われる立場
- デスクワークが嫌い人: 図面作成、報告書作成など事務作業も多い
実際の転職相談でも、この「向き不向き」で悩む人は多い現実。
前述の30代後半の電気施工管理経験者は「どっちかというと、自分の中でも工事側だよねっていう考えはある。自分が向いてるなって思う部分なので、工事を本当に極めていきたい」と語り、最終的に施工管理から職人への転身を選択した。その時の表情からは、心の奥で感じていた重荷がスッと軽くなったような安堵感が伝わってきた。
年収は下がっても「自分らしく働ける」道を選ぶ——これも立派な判断だ。無理に施工管理を続けて精神的に追い詰められるより、適性に合った職種で長く働く方が結果的にキャリアは安定する。
転職市場での1級電気工事施工管理技士の価値
転職市場では1級電気工事施工管理技士は明らかな売り手市場だ。特に以下の分野では争奪戦状態になっている。
高待遇が期待できる業界
1. 大手サブコン・専門工事会社
- 年収550〜700万円(経験5年以上)
- 月残業45時間程度(働き方改革で改善傾向)
- 賞与4〜6ヶ月分
- 退職金制度完備
2. 太陽光・再エネ関連
- 年収500〜650万円(未経験でも500万円スタート可能)
- 成長分野のため昇進・昇給ペースが速い
- 海外案件に携わる機会もある
3. データセンター・インフラ系
- 年収600〜800万円(高度な専門性が評価される)
- 外資系企業での勤務機会
- 最新技術に触れる機会が多い
転職活動のポイント
1級電気工事施工管理技士の転職では、以下の経験が高く評価される傾向。
- 大規模現場の経験: 工事金額1億円以上、工期12ヶ月以上の現場
- 特殊設備の経験: 高圧受電設備、非常用発電機、UPS等
- マネジメント経験: 部下の職長・技能工の管理人数
- CADスキル: AutoCAD、Jw_cad等の実務レベル
- 協力会社との関係構築力: 安定した施工体制を築けるコミュニケーション能力
逆に転職が難しいケースもある。同じ現場に長く在籍し、特定の設備しか経験していない場合だ。「何かに特化してっていうことが本当にない。全部中途半端な感じになっている」——これは転職相談でよく聞く悩み。こういった相談を受ける度に、胸が締めつけられるような思いになる。
このような場合は、転職前に不足している経験を補うか、これまでの経験を整理して強みを明確化する必要がある現実。一歩踏み出す勇気が求められる局面だ。
1級電気工事施工管理技士取得のメリット・デメリット
1級取得を目指すべきかどうか——これも現実的な視点で書く。
メリット
- 年収アップ: 2級より130万円高い平均年収
- 監理技術者になれる: 大規模現場(下請契約金額4000万円以上)の責任者に就任可能
- 転職市場での価値向上: 求人数・条件面で明らかに有利
- 独立開業時の信頼性: 顧客からの信頼度が段違い
- キャリアの選択肢拡大: ゼネコン、大手サブコンへの転職可能性
デメリット
- 責任の重さ: 大規模現場での判断ミスは会社の存亡に関わる
- 長時間労働: 監理技術者は現場に常駐する責任があり、労働時間が長くなりがち
- 精神的プレッシャー: 工期遅れや品質問題の最終責任を負う
- 転勤の可能性: 大手企業では全国転勤がある
特に中小企業から大手企業に転職した場合、責任の重さに背筋が凍るような思いをする人は多い。「普通に求める環境でいうと、20から21を教えてくれる人が欲しい」——この声が示すように、教育体制のない環境で無理に1級を活かそうとすると、かえってキャリアが停滞するリスクもある。
まとめ
電気施工管理技士は、年収面では確実に魅力的な職種だ。1級取得により平均年収550万円、監理技術者になれば650万円まで到達可能で、太陽光・EV充電設備・データセンターなど成長分野での需要も高い現実。
ただし、向き不向きがハッキリ分かれる職種でもある。マルチタスクが得意で、責任を負うことにやりがいを感じる人には天職だが、「自分の手で物を作りたい」職人気質の人には合わない場合もあるのではないか?
転職を検討する際は、年収だけでなく、自分の適性と働き方の価値観を冷静に分析することが重要だ。無理に施工管理を続けて精神的に追い詰められるより、適性に合った職種で長く働く方が、結果的にキャリアは安定する。
それでも施工管理の道を選ぶなら、教育体制の整った企業を選び、段階的にスキルアップしていく環境を重視してほしい。AI時代だからこそ「手に職」の価値は高まる世界。現場での判断力とコミュニケーション能力を磨けば、長く活躍できる職種だ。
よくある質問
Q. 電気工事士から電気施工管理技士への転職は難しいですか?
A. 電気工事の実務経験があれば転職は可能ですが、仕事内容が大きく変わるため適性の見極めが欠かせない。現場での実作業から管理業務中心になるため、マルチタスクが苦手な人には向きません。
Q. 1級電気工事施工管理技士の資格は独学で取得できますか?
A. 可能ですが難易度は高いです。第一次検定の合格率は約60%、第二次検定は約40%です。実務経験記述が重要なため、通信講座や資格学校の活用をおすすめします。
Q. 電気施工管理技士の労働時間はどの程度ですか?
A. 現場によって差がありますが、月平均45〜60時間の残業が一般的です。工期が迫った現場では深夜までの作業もありますが、働き方改革により改善傾向にあります。
Q. 女性でも電気施工管理技士として働けますか?
A. 近年、女性の施工管理技士は増加傾向にあります。現場での肉体労働は電気工事士が行うため、女性でも問題なく働けます。大手企業では女性専用の更衣室や休憩室も整備されています。
