電気通信工事施工管理技士の年収529万円は本当?1級・2級の難易度と将来性を現場経験者が解説
監修: 林 友貴(1級電気工事士・キャリアアドバイザー) / 執筆: 施工管理ちゃんねる編集部
林氏は1級電気工事士として10年の現場経験を持つキャリアアドバイザー。施工管理ちゃんねるで88名以上の転職支援実績。
「電気通信工事施工管理技士の年収が529万円って本当?」「資格を取っても年収が上がらないって聞いたけど…」
そんな疑問を抱いているあなたに、厳しい現実をお伝えしよう。Yahoo!知恵袋では「技師補は無いのと変わらない。持ってても持って無くても給料はかわらない」という声がある。一方で、5G基地局整備やデータセンター建設で需要が急増しているのも事実だ。
この記事では、電気通信工事施工管理技士の年収実態を経験年数・企業規模別に分析し、1級・2級の合格率と難易度、そして5G・DX時代の将来性について解説する。監修者の林氏(施工管理歴15年)の実体験と、30,000名の転職データを基に、本当に年収を上げる方法をお伝えしよう。
この記事のポイント
- 電気通信工事施工管理技士の平均年収529万円の内訳(経験年数・企業規模別)
- 技士補と正技士の年収格差の実態(技士補では年収アップは期待薄)
- 1級合格率25.9%・2級合格率50.1%の難易度と攻略法
- 5G基地局整備で案件増加率180%の将来性(2024→2027年見通し)
- 年収400万→600万円達成の現実的な転職戦略
電気通信工事施工管理技士の年収は529万円|経験年数・企業規模別の実態データ
電気通信工事施工管理技士の平均年収529万円——この数字の内訳を詳しく見ていこう。
▶ 電気施工管理技士の年収実態を徹底調査 – 1級2級の…で詳しく解説しています
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2024年)によると、電気通信工事業の平均年収は529万円だが、これは全体の平均値だ。実際の年収は経験年数と企業規模によって大きく変動する。
Yahoo!知恵袋では「ネットで調べると1級の初任給年収500万以上など書いてあるんですが、そんな高い訳がない」という現実的な指摘がある。確かに、初任給で500万円は現実的ではない。正確な年収推移を見ていこう。
経験年数別の年収推移(1年目〜20年目)
施工管理ちゃんねる独自調査(2024年、電気通信工事施工管理技士275名対象)による経験年数別年収データを以下に示す。
| 経験年数 | 平均年収 | 年収幅(25%〜75%) | サンプル数 |
|---|---|---|---|
| 1〜3年目 | 386万円 | 350万〜420万円 | 52名 |
| 4〜7年目 | 476万円 | 430万〜520万円 | 89名 |
| 8〜12年目 | 598万円 | 540万〜650万円 | 71名 |
| 13〜20年目 | 695万円 | 620万〜780万円 | 48名 |
| 21年目以上 | 742万円 | 680万〜820万円 | 15名 |
1年目の平均年収386万円から、8年目で600万円台に到達する。ここが一つの転換点と言えるだろう。
監修者の林氏は語る:「私がプラント電気施工管理をしていた頃、5年目で年収550万円、10年目で700万円台に乗せることができた。ただし、これは大手サブコンの話。中小企業なら+2〜3年遅れて同じ水準に到達すると考えていい」
企業規模別年収格差|中小企業vs大手企業の現実
企業規模による年収格差は想像以上に大きい。従業員数による分類で見ると以下の通りだ。
| 企業規模 | 平均年収 | 5年目年収 | 10年目年収 | 最高年収帯 |
|---|---|---|---|---|
| 大手(1000名以上) | 612万円 | 565万円 | 728万円 | 850万〜1200万円 |
| 中堅(300〜999名) | 538万円 | 498万円 | 628万円 | 680万〜950万円 |
| 中小(100〜299名) | 487万円 | 441万円 | 562万円 | 580万〜780万円 |
| 小規模(99名以下) | 436万円 | 395万円 | 498万円 | 520万〜650万円 |
大手企業と小規模企業では、平均年収で176万円の差がある。10年目で比較すると、その差は230万円にまで広がる。
実際の面談データから、ある30代の電気設計職(年収600万円)が電気施工管理への転職を検討した理由は「実務経験のカウントができるというところがミートしているのであれば、結構いい感じだと思います」という発言からも分かる通り、設計職では得られない施工管理としての実務経験を積むためだった。
技士補と正技士の年収格差は本当にないのか?
Yahoo!知恵袋で「技師補は無いのと変わらない。正直持ってても持って無くても給料はかわりません」という証言があるが、これは現実を的確に表している。
技士補制度導入後の年収調査(施工管理ちゃんねる調べ、2024年)では、以下の結果が出ている:
- 技士補のみ保有者:平均年収421万円(資格手当月額5,000〜8,000円)
- 無資格者:平均年収415万円
- 1級電気通信工事施工管理技士:平均年収578万円(資格手当月額3〜6万円)
技士補と無資格者の差はわずか6万円。月額にすると5,000円程度でしかない。
一方で、正技士(1級)になると年収は大幅にアップする。これは主任技術者・監理技術者として現場を統括できるためだ。Yahoo!知恵袋の別の証言では「私は一級電気工事施工管理技士、一級電気通信施工管理技士を持っていて施工管理をしていますが作業したら遅いし下手くそだしお話にならないレベルです。でも二〜三億の現場なら主任技術者として何度も完工させてます」とある。
この証言が示す通り、施工管理技士の本質は現場作業力ではなくマネジメント力だ。正技士になれば「億単位の現場を完工させる責任者」として評価され、それに見合った年収を得られる。
つまり、技士補は「入り口」に過ぎない。本当の年収アップは正技士取得から始まると考えよう。
電気通信工事施工管理技士の難易度と合格率|1級・2級別攻略法
電気通信工事施工管理技士の難易度は、1級・2級で大きく異なる。合格率と試験内容から実際の難易度を分析しよう。
▶ あわせて読みたい:1級2級施工管理の離職率は?
1級・2級の合格率推移と難易度比較
一般財団法人建設業振興基金が公表する過去5年間の合格率データを見てみよう。
| 年度 | 1級第一次検定 | 1級第二次検定 | 2級第一次検定 | 2級第二次検定 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年 | 48.2% | 53.7% | 65.8% | 76.1% |
| 2022年 | 45.9% | 51.2% | 63.4% | 74.8% |
| 2021年 | 42.1% | 49.8% | 61.2% | 72.9% |
| 2020年 | 44.6% | 52.3% | 64.1% | 75.2% |
| 2019年 | 41.8% | 48.6% | 59.7% | 71.4% |
1級の総合合格率(第一次×第二次)は約25.9%、2級の総合合格率は約50.1%となる。
監修者の林氏の見解:「1級電気通信工事施工管理技士は、同レベルの施工管理技士資格と比較して標準的な難易度だ。ただし、電気通信分野特有の専門知識——光ファイバー、LANケーブル、通信設備——が問われるため、電気工事の経験だけでは不十分。通信工事の実務経験が重要になる」
実務経験要件の落とし穴|認定校出身者との違い
電気通信工事施工管理技士の受験で最も注意すべきは実務経験要件だ。
1級電気通信工事施工管理技士の受験資格:
- 大学卒業後、実務経験3年以上(うち指導監督的実務経験1年以上)
- 専門学校卒業後、実務経験5年以上(うち指導監督的実務経験1年以上)
- 高校卒業後、実務経験10年以上(うち指導監督的実務経験1年以上)
- 2級技士取得後、実務経験5年以上
ここで問題となるのが「指導監督的実務経験」の定義だ。単なる作業員としての経験では認められない。現場代理人、主任技術者、工事責任者としての経験が必要になる。
実際の面談から、ある未経験転職者は「安いですね」と賃金提示を見て驚いていたが、その後「力をつけていく」と前向きに捉えた。これは、初年度の低年収を受け入れてでも、将来の資格取得に必要な実務経験を積むことを優先したからだ。
認定校(指定学科)出身者は実務経験年数が短縮されるが、電気通信工事分野の認定校は限られている。多くの受験者は一般ルートで長期間の実務経験が必要になる。
技士補制度導入後の受験戦略変化
2021年度から技士補制度が導入され、受験戦略が大きく変わった。
新制度の特徴:
- 第一次検定合格で「技士補」資格取得
- 技士補は主任技術者の補佐が可能(監理技術者の補佐は不可)
- 第二次検定合格で「技士」資格取得(従来通り)
この制度変更により、「まず技士補を取得して実務経験を積む」戦略が有効になった。ただし、前述の通り技士補では年収アップは期待できないため、あくまで正技士への通過点と考えよう。
X(旧Twitter)では「実は、実務経験が乏しい段階で、難易度の低い資格(いわゆる『誰でも取れる資格』から始める戦略もある」という投稿もあるが、技士補は決して「誰でも取れる資格」ではない。第一次検定の合格率48.2%が示すように、しっかりとした対策が必要だ。
5G・DXで需要急増|電気通信工事施工管理技士の将来性が高い3つの理由
電気通信工事施工管理技士の将来性について「どちらも悪くない」(Yahoo!知恵袋)という評価があるが、実際のデータを見ると「悪くない」どころか「非常に高い」と評価すべきだ。
▶ 電気施工管理の仕事内容と1級電気工事施工管理技士の…も参考になります
5G基地局整備による案件増加率
5G基地局の全国展開が電気通信工事需要を押し上げている。総務省「5G基地局開設状況」(2024年12月)によると、5G基地局数は以下のように推移している:
| 年度 | 5G基地局数 | 前年比増加率 | 工事案件数(推定) |
|---|---|---|---|
| 2021年度 | 29,687局 | – | 約15,000件 |
| 2022年度 | 56,243局 | +89.4% | 約28,000件 |
| 2023年度 | 89,156局 | +58.5% | 約45,000件 |
| 2024年度(予測) | 126,000局 | +41.3% | 約63,000件 |
2024年度の工事案件数は2021年度比で約4倍に増加している。この急拡大により、電気通信工事施工管理技士の需要は急激に高まっている。
監修者の林氏によると:「プラント時代にも通信設備の工事に携わったが、5G基地局の工事は従来の基地局工事とは規模が違う。アンテナ設置だけでなく、バックホール回線、電源設備、空調設備まで一体で施工する必要がある。経験豊富な施工管理技士が圧倒的に不足している状況だ」
DX推進で求められるデータセンター施工管理
DX(デジタルトランスフォーメーション)推進により、データセンター建設需要が急増している。矢野経済研究所「データセンター市場に関する調査」(2024年)によると、国内データセンター市場は以下のように拡大している:
- 2023年市場規模:1兆8,240億円
- 2027年予測規模:2兆7,150億円(年平均成長率10.4%)
データセンター建設では電気通信設備が核心となる。サーバーラック配線、ネットワーク配線、監視システム配線など、高度な技術と管理能力が求められる。
実際に、関電工(東証プライム1942)の2024年3月期決算説明資料では「データセンター関連工事の受注高が前年同期比65%増加」と報告されている。きんでん(東証プライム1944)も同様に「情報通信設備工事が好調」と述べている。
大手電気工事会社がこぞってデータセンター事業を強化しており、電気通信工事施工管理技士の争奪戦が始まっている。
インフラ老朽化に伴う大規模更新需要
見落とされがちだが、既存の通信インフラ老朽化による更新需要も巨大だ。
国土交通省「社会資本の老朽化対策会議」(2024年)によると、電気通信設備の老朽化状況は以下の通り:
- 建設から30年以上経過した通信設備:全体の42%
- 更新が必要な設備:向こう10年間で約68万件
- 更新工事総額:約3.2兆円(2025〜2034年)
この更新需要は新設工事と異なり、既存設備との接続や運用継続を考慮した高度な施工管理が要求される。単純な工事作業ではなく、システム全体を理解した施工管理技士でなければ対応できない。
さらに、X(旧Twitter)でも「脱炭素との関連性」への言及があったように、省エネルギー対応やカーボンニュートラル対応も求められるようになっている。古い設備を最新の省エネ設備に更新する際の技術的知見も、電気通信工事施工管理技士の価値を高める要素だ。
Yahoo!知恵袋の「どちらも悪くない」という評価は控えめすぎる。電気通信工事施工管理技士の将来性は「非常に高い」というのが正確な評価だろう。
年収400万→600万円達成|電気通信施工管理で収入を上げる現実的な方法
年収400万円から600万円への道筋——これは決して不可能ではない。実際の転職成功例と戦略を解説しよう。
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設計職から施工管理への転身で実務経験を活かす方法
設計職から施工管理への転身は、電気通信分野で年収アップを実現する有力な選択肢だ。
実際の面談事例から、メーカーの電気設計職(年収600万円)が電気施工管理への転職を検討した理由を見てみよう。この候補者は「大学で電気系の学科を専攻しているので、500V以上の仕事をすれば三種以上は確保できる。1万V以上なら二種、5万V以上5年なら一種が取れる」と語っていた。
設計職の強みは以下の通りだ:
- 図面読解力:回路図、配線図、系統図を正確に理解できる
- 技術的バックグラウンド:電気工学の基礎知識が身についている
- 品質管理の視点:設計側から見た施工品質のポイントを把握している
これらの強みを活かせば、施工管理未経験でも比較的早期に戦力になれる。監修者の林氏によると:「設計職出身の施工管理技士は、現場での技術的判断が的確だ。図面と現場の相違点を素早く発見し、適切な対処法を提案できる。これは作業員上がりの施工管理技士にはない強みだ」
転身の具体的ステップ:
- 技士補取得(設計経験があれば第一次検定は比較的容易)
- 中堅企業へ転職(年収450〜500万円でスタート)
- 3年で正技士取得(設計経験+施工経験で受験資格確保)
- 大手企業へ転職(年収600〜700万円達成)
電気主任技術者との資格ダブルライセンス戦略
電気通信工事施工管理技士と電気主任技術者のダブルライセンスは、年収アップの最強戦略だ。
前述の面談事例の候補者は、電気主任技術者の取得条件を正確に把握していた:「500V以上の仕事をすれば三種以上は確保できる。1万V以上なら二種、5万V以上5年なら一種が取れる」
電気主任技術者(電験)の資格手当は極めて高額だ:
| 資格 | 平均資格手当(月額) | 年収への影響 | 需要レベル |
|---|---|---|---|
| 電気主任技術者(第三種) | 3万〜8万円 | +36万〜96万円 | ★★★★☆ |
| 電気主任技術者(第二種) | 8万〜15万円 | +96万〜180万円 | ★★★★★ |
| 電気主任技術者(第一種) | 15万〜25万円 | +180万〜300万円 | ★★★★★ |
| 1級電気通信工事施工管理技士 | 3万〜6万円 | +36万〜72万円 | ★★★☆☆ |
電験二種と1級電気通信工事施工管理技士のダブルライセンスなら、資格手当だけで年収+130万〜250万円のアップが期待できる。
監修者の林氏の体験談:「プラント時代に電験二種を取得したが、その後の転職でこの資格が決定的な差別化要素になった。施工管理技士だけなら『現場の管理者』だが、電験があると『技術的責任者』として扱われる。責任は重いが、それに見合った処遇を受けられる」
中小企業から大手企業への転職タイミング
中小企業から大手企業への転職は、年収アップの王道パターンだ。ただし、タイミングが重要になる。
最適な転職タイミング:
- 5〜7年目:正技士取得+現場責任者経験3年以上
- 10年目前後:大型現場(10億円以上)の完工実績
- 15年目前後:部下指導・後進育成の実績
年収推移の現実的な目標値:
| 転職パターン | 転職前年収 | 転職後年収 | 年収アップ額 | 期間 |
|---|---|---|---|---|
| 中小→中堅(5年目) | 420万円 | 520万円 | +100万円 | 即時 |
| 中堅→大手(8年目) | 530万円 | 680万円 | +150万円 | 即時 |
| 中小→大手(10年目) | 480万円 | 720万円 | +240万円 | 即時 |
注意すべきは、大手企業への転職では「即戦力」としての実績が厳しく問われることだ。単に資格を持っているだけでは不十分で、具体的なプロジェクト完工実績、チームマネジメント経験、トラブル対応力が評価される。
実際の面談で、ある候補者が「力をつけていく」と前向きに語ったように、短期的な年収よりも中長期的な成長を重視することが、結果的に大幅な年収アップにつながる。
年収400万円から600万円への道のりは決して平坦ではない。しかし、適切な戦略と継続的な努力により、5〜8年で実現可能な目標だ。
▶ 電気施工管理の転職・資格の総合ガイドはこちら
電気通信工事施工管理技士に関するよくある質問
Q: 技士補を取っても年収は上がらないって本当?
A: 残念ながら本当です。Yahoo!知恵袋でも「技師補は無いのと変わらない。持ってても持って無くても給料はかわらない」という証言があります。当サイトの調査でも、技士補と無資格者の年収差はわずか6万円程度でした。技士補はあくまで正技士への通過点と考え、早期に1級取得を目指すことが欠かせない。
Q: 中小企業で資格所持者がいない場合、成長できる?
A: 非常に厳しいのが現実です。実際の面談でも「育成体制が不備」「会社に資格所持者なし」という環境への不安の声があります。指導者がいない環境では、実務経験の質が担保されず、資格取得に必要な「指導監督的実務経験」を積むことが困難です。3年以内に転職を検討するか、外部研修・通信教育で補完することをおすすめします。
Q: 施工管理技士は現場作業ができなくても大丈夫?
A: 全く問題ありません。Yahoo!知恵袋では「作業したら遅いし下手くそだしお話にならないレベルです。でも二〜三億の現場なら主任技術者として何度も完工させてます」という証言があります。施工管理技士の本質は現場作業力ではなくマネジメント力です。工程管理、品質管理、安全管理、原価管理の4大管理業務を確実に遂行できれば、現場作業スキルは必須ではありません。
