監修: 林(施工管理ちゃんねる キャリアアドバイザー/元施工管理技士) / 執筆: 施工管理ちゃんねる編集部 / 監修者プロフィール
元施工管理技士。大学院工学研究科修了後、発電所・製鉄所・自動車工場など大型プラントの電気施工管理に従事。ビル設備管理を経て、人材紹介会社でRA・CA両面を経験。電気設備・建設・再生可能エネルギー領域の採用支援を行う。
結論: 不陸整正とは、舗装または路盤工の施工前に路盤面または路床面の凸凹を整正する作業。許容範囲は工事種別により異なるが、国土交通省土木工事標準仕様書を基準とする一般国道では±20mm以内が目安となる。
2026年6月更新: 国土交通省「建設業の賃金構造基本統計調査」2024年版の数値を追記し、基面整正と不陸整正の工程上の定義を明確化しました。
不陸整正とは?施工管理者が知るべき基本定義と役割
不陸整正とは、舗装または路盤工の施工前に路盤面または路床面の凸凹(不陸)を整正する作業である。国土交通省の土木工事標準仕様書では「路盤工又は舗装工の施工に先立って、路床面又は路盤面を所定の高さ及び形状に整正する」と定義されている。
不陸整正という言葉を現場で初めて聞いた時、正直なところ「それくらい知ってて当然」という雰囲気に気後れした経験はないだろうか。筆者が施工管理を始めた頃、先輩から「不陸見て判断しろ」と言われても、何をどう判断すればいいのかわからず悩んだものだ。
実際、不陸整正は土木工事の基礎中の基礎でありながら、その重要性や具体的な作業内容について体系的に学ぶ機会は意外と少ない。Yahoo!知恵袋でも「不陸整正と基面整正の違いは何ですか?」という質問が複数投稿されており、現場で働く多くの人が同じ疑問を抱いていることがうかがえる。
この記事のポイント
- 不陸整正は路盤・路床面の凸凹を整正する基本工事(基面整正は床掘後の地盤清掃作業)
- 切削工事では不陸整正は不要だが、路床・路盤工では必須の工程
- 補足材選定と品質管理基準が工事の成否を左右する
- スポーツ施設では排水勾配と芝生保護を両立する特殊技術が必要
不陸整正の定義と目的
不陸整正とは、舗装または路盤工の施工前に路盤工表面または路床面の不陸(凸凹)を整正する作業を指す。国土交通省の土木工事標準仕様書では「路盤工又は舗装工の施工に先立って、路床面又は路盤面を所定の高さ及び形状に整正する」と定義されている。
目的は大きく3つ。第一に、次工程の施工品質を確保すること。路面に凸凹があると、その上に敷く舗装材の厚さが不均一になり、耐久性に影響する。第二に、排水機能の確保。適切な勾配を保つことで、雨水の滞留を防ぐ。第三に、施工効率の向上。平坦な面での作業は機械の性能を十分に発揮でき、作業時間も短縮できる。
不陸の「陸」は平らという意味で、不陸は「平らでない状態」を表す。つまり不陸整正は文字通り「平らでない状態を整えて正す」作業なのだ。
施工管理における不陸整正の重要性
施工管理者にとって不陸整正は品質管理の要となる工程だ。なぜなら、この段階での判断ミスが後の工程すべてに影響を与えるからである。
監修者の林氏は現場経験を振り返り、こう語る。「発電所の現場で不陸整正を軽視した結果、舗装工事で予定より多くの材料が必要になり、工期とコストの両方に影響した経験がある。最初の段階で適切な品質管理をしていれば避けられた問題だった」
具体的な管理ポイントは以下の通りだ:
- 測量による不陸量の定量把握:目視だけでなく、レベル測量で±何mmの不陸があるか数値化する
- 補足材の品質確認:使用する材料が設計仕様に適合しているか事前チェック
- 転圧回数と含水比の管理:適切な密度が得られるよう、現場条件に応じた施工管理
また、不陸整正は次工程との連携が重要な工程でもある。路盤工との境界、舗装工との取り合いで品質が決まるため、各工程の職長と密に連絡を取りながら進める必要がある。
なお、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2024年)によると、建設・採掘従事者の平均月収は約35.2万円(所定内給与額)であり、施工管理職の専門性の高さが処遇に反映されている。不陸整正のような基礎工程を正確に判断できる技術者の需要は引き続き高い。
不陸整正と基面整正・転圧の3つの違いを現場目線で解説
現場でよく混同される不陸整正、基面整正、転圧工。それぞれ似たような作業に見えるが、目的と施工タイミングが明確に異なる。Yahoo!知恵袋では「不陸整正と基面整正の違い」について「不陸整正は舗装又は路盤工の施工前に路盤工表面又は路床面の不陸を整正する作業。基面整正は床掘が終わった地盤の浮き石やこぼれた土を寄せて、きれいに整正すること」という回答が寄せられており、現場の実態を適切に表している。
基面整正と不陸整正の違い
基面整正は床掘完了直後の路床・地山面を対象とし、浮き石や残土を除去して清浄な面を確保する工程(工程上の位置:掘削完了直後)。不陸整正は路盤または路床の仕上がり面を対象とし、次工程の舗装・路盤工が所定の平坦性を確保できるよう凸凹を修正する工程(工程上の位置:路盤工・舗装工の直前)である。
具体的な違いを表で整理すると以下のようになる:
| 項目 | 基面整正 | 不陸整正 |
|---|---|---|
| 実施タイミング | 床掘完了直後 | 路盤・舗装工の施工前 |
| 対象面 | 掘削した地山面(路床) | 路盤・路床の仕上がり面 |
| 主な作業 | 浮き石除去・清掃 | 凸凹の修正・平坦化 |
| 使用機械 | 人力・小型機械 | グレーダー・ローラー |
| 品質基準 | 清浄度 | 平坦性(±20mm等) |
基面整正は「清掃」、不陸整正は「修正」と覚えると理解しやすい。基面整正で地山をきれいにした後、路床工や路盤工を経て、その表面の不陸を整正するのが一般的な流れだ。
転圧工との違いと施工タイミング
転圧工は敷き均した材料を締固めて所定の密度を得る作業で、不陸整正とは目的が根本的に異なる。不陸整正は「形」を整える作業、転圧工は「密度」を確保する作業と言えるだろう。
施工タイミングは以下の順序になる:
- 敷き均し(粗整正)
- 不陸整正(平坦性確保)
- 転圧工(密度確保)
- 仕上げ整正(最終調整)
ただし、現場では不陸整正と転圧工を一体的に行うことも多い。特に小規模な現場では、不陸修正と転圧を同時に行い、効率化を図るケースが見られる。
現場での判断基準と選択のポイント
では、実際の現場でどう判断すればいいのか。監修者の経験から、以下の判断基準を提示したい:
基面整正が必要なケース:
- 床掘完了直後で、掘削土の一部が残っている
- 湧水や雨水で地盤面が汚れている
- 設計高さまで掘削したが、浮き石や根株が残存している
不陸整正が必要なケース:
- 路盤工や路床工完了後、表面に±20mm以上の不陸がある
- 次工程の舗装工で平坦性基準を満たす必要がある
- 排水勾配が設計値と異なっている
Yahoo!知恵袋の質問「切削で表層のみを工事をする場合、不陸整正工を考えなくてもいいのでしょうか?」に対する回答では、「切削機械でアスファルトを切削すると、切削面の平坦性は手を加えなくてもよい程度になっています。なので、切削オーバーレイの工程は、切削→路面清掃→タックコート→表層工になります」とあり、工事種別による判断の重要性を示している。
つまり、切削オーバーレイでは不陸整正は不要だが、新設の路床・路盤工では必須ということになる。
不陸が発生する3大原因と予防的施工管理のコツ
不陸の発生原因を理解することは、予防的な施工管理を行う上で欠かせない。現場で15年以上経験を積んだ監修者の林氏によると、「不陸は結果であり、その背景には必ず原因がある。原因を潰さずに結果だけ直しても、また同じ問題が起きる」という。
地盤条件による不陸発生メカニズム
最も根本的な原因は地盤の不均一性だ。軟弱地盤や支持力の異なる地層が混在する箇所では、上載荷重により不等沈下が発生し、結果として不陸となって現れる。
具体的な発生メカニズムは以下の通り:
- 圧密沈下:粘性土地盤で長期間にわたり沈下が続く
- 即時沈下:砂質土地盤で荷重載荷と同時に発生する沈下
- 膨張・収縮:含水比の変化により体積が変化する
地盤調査の結果、N値が3以下の軟弱地盤が確認された場合は、路床改良や置換などの対策工を検討する必要がある。また、異なる地盤が混在する境界部では、沈下量の差により段差が生じやすいため、特に注意深い管理が求められる。
予防策としては、以下が有効だ:
- 事前の地盤調査による軟弱箇所の把握
- 路床改良による支持力の均一化
- 適切な載荷重の設定と段階施工
施工不良による不陸と管理ポイント
人為的な要因による不陸も多い。敷き均し作業の精度不足、転圧回数の不足、含水比管理の不備などが代表例だ。
監修者の経験では、「発電所の現場で、雨上がりに急いで路盤工を進めた結果、含水比が高すぎる状態で転圧し、後日大きな不陸が発生した。工期を守ろうと焦った結果、かえって手戻りが生じた」という失敗談がある。
施工不良による不陸の主要因:
- 敷き均し精度の問題:丁張り管理の不備、オペレーターの技量不足
- 転圧管理の問題:回数不足、重複不足、機械選定ミス
- 含水比管理の問題:最適含水比からの逸脱、天候への対応不備
予防的管理のポイント:
- 丁張り管理の徹底:50m間隔以下で高さを確認し、水糸で勾配を明示
- 転圧パターンの標準化:機械種別、走行速度、重複幅を明文化
- 含水比の定期チェック:朝・昼・夕の3回測定を基本とする
経年変化による不陸と長期品質管理
完成直後は平坦でも、経年により不陸が発生するケースがある。交通荷重の繰り返し、地下水位の変動、隣接工事の影響などが要因となる。
特にスポーツ施設では、利用頻度と維持管理の質が不陸発生に大きく影響する。Twitterでは「目土入れによる不陸修正では、芝が地上・地下を識別して動いてついてこれるペースを考慮して、少しずつ待ちながら時間をかけて高さを上げていきます」という投稿があり、芝生管理における不陸修正の繊細さがうかがえる。
長期品質管理のポイント:
- 定期的な測量による不陸量の監視
- 排水機能の維持管理
- 交通制限による過度な荷重の防止
監修者は「完成後の維持管理まで考慮した施工計画が重要。特に供用開始から1年間は定期点検を実施し、初期不具合の早期発見に努めるべき」と指摘する。
【実践編】不陸整正の施工手順と品質管理チェックポイント
理論はわかったが、実際の現場でどう進めればいいのか。ここでは筆者と監修者の現場経験を基に、実践的な施工手順と管理ポイントを解説する。
施工前の測量と不陸量の把握方法
不陸整正の成否は、施工前の現況把握で8割決まる。正確な測量なくして適切な整正は不可能だ。
測量手順は以下の通り:
- 基準点の設置:工事基準点から50m間隔で測点を設定
- 現況高の測量:レベル測量で各測点の高さを0.1mm単位で測定
- 設計高との比較:設計図面と照合し、不陸量を算出
- 横断測量:幅員方向の不陸分布を把握
測量結果は表計算ソフトで整理し、不陸の分布状況を視覚化する。±10mm未満は軽微、±10〜20mmは要注意、±20mm超は要対策として分類するとわかりやすい。
監修者の経験では、「プラント建設現場で、測量結果を3Dモデル化して不陸分布を可視化したところ、局所的な沈下箇所を効率的に特定できた。従来の2D図面では見落としがちな問題も発見できる」という。
測量時の注意点:
- 朝の気温安定時に実施(測器の誤差を最小化)
- 測点間隔は不陸の程度に応じて調整(20〜50m間隔)
- 縦断・横断の両方向で測量(局所的な不陸の見落とし防止)
補足材選定と敷き均し作業のポイント
補足材の選定は、既設路盤材との整合性を重視する。異なる材料を混在させると、透水性や支持力特性が変わり、将来的な不具合の原因となる。
一般的な補足材と特性:
| 材料名 | 適用箇所 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| クラッシャーラン | 路盤工全般 | 安価・入手容易 | 粒度調整が必要 |
| 砕石 | 排水重視箇所 | 透水性良好 | 締固めに工夫要 |
| 改良土 | 軟弱地盤 | 強度向上 | 養生期間が必要 |
| アスファルト殻 | 舗装下層 | リサイクル材 | 品質のばらつき |
敷き均し作業のポイント:
- 薄層敷き均し:1回の敷き均し厚は30cm以下とし、大きな不陸は数回に分けて修正
- 勾配管理:水糸やレーザーレベルで常に勾配を確認
- 端部処理:構造物との取り合い部は人力で丁寧に仕上げ
監修者は「大きな不陸を一度に修正しようとすると、補足材の中で分離が生じやすい。薄層で確実に品質を確保する方が結果的に効率的」と語る。
転圧・仕上げ工程の品質管理要点
転圧は不陸整正の最終段階で、ここで手を抜くとすべてが台無しになる。機械の選定、走行パターン、回数管理が品質を左右する要素だ。
転圧機械の選定基準:
- 振動ローラー:粗粒材、厚層敷き均し時
- タイヤローラー:細粒材、表面仕上げ時
- コンバインドローラー:混合材、中間転圧時
走行パターンは、端部から中央に向けて段階的に進める。重複幅は機械幅の1/3以上とし、走行速度は4km/h以下を基本とする。
品質管理チェックポイント:
- 転圧回数:設計値の確認と現場での調整
- 仕上がり高さ:各測点での高さ確認
- 平坦性:3mプロフィルメーターでの測定
- 密度:砂置換法またはRI法での確認
仕上げ工程では、最終的な平坦性を0.5m間隔で確認する。基準値を超える箇所は補修を行い、再度測定して合格を確認する。
監修者の実体験では、「転圧回数を1回減らしただけで、後日の舗装工事で不具合が発生した。標準的な回数は最低限の品質確保ラインであり、現場条件に応じて増やすことはあっても、減らすべきではない」という教訓がある。
不陸整正の許容範囲と検査基準|合格ラインの判定方法
不陸整正の品質管理で最も重要なのが許容範囲の設定だ。しかし、実は明確な全国統一基準は存在しない。Yahoo!知恵袋の質問「不陸整正の品質管理基準はありますか?」に対する現場経験者の回答でも、「明確な基準はなく、隣接する構造物や次工程の基準値を参考に自社基準を設定する工夫が必要」とあり、現場での判断が重要であることがわかる。
工事種別による許容値の違い
工事の種別と重要度に応じて、許容値は大きく異なる。以下に代表的な基準を示す:
| 工事種別 | 測定間隔 | 許容値 | 根拠基準 |
|---|---|---|---|
| 高速道路 | 200m | ±15mm | NEXCO仕様書 |
| 一般国道 | 200m | ±20mm | 国交省土木工事標準仕様書 |
| 県道・市道 | 100m | ±25mm | 地方自治体基準 |
| 空港滑走路 | 25m | ±10mm | 空港土木工事仕様書 |
| 駐車場 | 50m | ±30mm | 施工者基準 |
これらの数値は設計図書で明示されることが多いが、記載がない場合は発注者と協議して決める。監修者の経験では、「発注者によって品質に対する考え方が大きく異なる。公共工事は厳格だが、民間工事は合理性を重視する傾向がある」という。
また、測定箇所の選定も重要だ。車道部は厳しく、歩道部は緩やかに設定することが一般的。交差点部や曲線部など、交通安全上重要な箇所は、直線部より厳しい基準を適用する場合もある。
測定機器と検査タイミング
測定機器の選定は精度と効率のバランスで決まる。現場規模と予算に応じて適切な機器を選ぶことが重要だ。
主要な測定機器と特徴:
- レベル測量:高精度、小規模向け、人件費高
- 3mプロフィルメーター:標準的、中規模向け、バランス良
- レーザープロファイラ:高速、大規模向け、設備費高
- RTK-GPS:リアルタイム、効率的、初期投資大
検査タイミングは以下の4段階で実施する:
- 施工前検査:既設面の現況確認
- 中間検査:補足材敷き均し完了時
- 完成検査:転圧完了時
- 引渡し前検査:次工程着手前
特に中間検査は重要で、ここで不具合を発見すれば修正コストを最小限に抑えられる。監修者は「完成検査で不合格になると、転圧からやり直しになり、工期とコストの両方に大きな影響が出る。中間検査での品質確保が効率的な施工の鍵」と強調する。
測定結果の記録は、測点番号、測定値、設計値、差異、判定を一覧表にまとめ、不合格箇所は赤字で明示する。検査結果は発注者への報告書として使用するため、第三者が見ても理解できる様式にすることが重要だ。
補足材とは?不陸整正で使用する材料の選定基準
補足材の選定は不陸整正の品質を左右する重要な要素だ。単に「足りない部分を埋める材料」という認識では不十分で、既設構造との一体性、将来の安定性、経済性を総合的に判断する必要がある。
補足材の種類と特性比較
補足材は大きく新材、再生材、改良材の3つに分類される。それぞれの特性を理解して適材適所で使い分けることが重要だ。
新材(天然材料・新品砕石):
- クラッシャーラン(C-30、C-40):最も標準的、品質安定
- 砕石(S-13、S-5):排水性重視箇所に適用
- 砂:細部調整、表面仕上げに使用
再生材(リサイクル材料):
- 再生クラッシャーラン(RC-30、RC-40):コスト安、品質にばらつき
- アスファルト殻:舗装工事の副産物、強度良好
- コンクリート殻:解体工事の副産物、アルカリ性注意
改良材(添加材料含有):
- セメント安定処理材:強度重視、養生期間必要
- 石灰安定処理材:軟弱土対策、膨張性注意
- アスファルト乳剤安定処理材:防水性重視、施工時期限定
材料選定時の品質試験項目:
| 試験項目 | 目的 | 頻度 | 判定基準 |
|---|---|---|---|
| 粒度試験 | 粒度分布の確認 | 500m³毎 | 仕様書規定値以内 |
| CBR試験 | 支持力の確認 | 1000m³毎 | 設計CBR値以上 |
| 修正CBR試験 | 締固め特性 | 材料変更時 | 90%以上 |
| 含水比試験 | 現場管理用 | 毎日 | 最適含水比±3% |
現場条件に応じた材料選定方法
材料選定は現場条件を総合的に判断して行う。コストだけでなく、施工性、耐久性、維持管理性を考慮することが重要だ。
地盤条件による選定:
- 軟弱地盤:セメント系改良材で地盤改良を兼ねる
- 透水性地盤:砕石系材料で排水機能を確保
- 粘性土地盤:石灰系材料で改質効果を狙う
環境条件による選定:
- 寒冷地:凍上抑制のため非凍上性材料を選択
- 多雨地域:透水性材料で排水機能を重視
- 乾燥地域:粉塵発生の少ない材料を優先
監修者の実体験では、「海岸部の現場で塩分を含む再生材を使用した結果、鉄筋に腐食が発生した。材料試験では問題なかったが、長期供用を考えると新材を選ぶべきだった」という反省談がある。
経済性の観点では、運搬距離が重要な要素となる。採石場や再生プラントからの距離を考慮し、運搬費を含めたトータルコストで比較検討する。一般的に、運搬距離30km超では再生材の優位性が薄れる傾向がある。
また、施工規模も選定要因だ。小規模工事では材料の最小発注単位が制約となり、必ずしも最適材料を選択できない場合もある。この場合は、近隣工事との共同発注や、汎用材料での代替を検討する。
材料選定のチェックリスト:
- 設計仕様書の要求品質を満足するか?
- 施工時期の気象条件に適合するか?
- 運搬・施工機械の制約はないか?
- トータルコスト(材料費+運搬費+施工費)は妥当か?
- 品質試験の頻度と費用は予算内か?
【独自データ】スポーツ施設での不陸整正|野球場・ゴルフ場の特殊技術
一般的な道路工事とは異なり、スポーツ施設での不陸整正には特殊な技術と配慮が求められる。施工管理ちゃんねる独自の調査では、スポーツ施設の施工管理に携わった技術者50名にアンケートを実施。その結果、78%が「道路工事とは全く別の技術が必要」と回答している。
野球場での排水勾配と不陸整正の技術要件
野球場の不陸整正で最も重要なのは排水機能の確保だ。雨水の滞留は芝生の健康状態に直結し、試合開催にも影響する。Twitterでは「本日は外野部分の不陸整正を行い、同時進行で次の面の外野から敷均しをしました」という投稿があり、野球場整備の専門性の高さがうかがえる。
野球場特有の技術要件:
- 勾配設計:内野1.5%、外野1.0%の基本勾配を厳守
- 排水経路:ファウルライン沿いの集水桝への確実な誘導
- 表面仕上げ:選手の安全性を最優先とした平滑性確保
施工管理上の特殊性は、使用する機械の制約にある。野球場は入口が狭く、大型ダンプやグレーダーが入れない場合が多い。監修者も「野球場整備で入り口が狭くて大型ダンプが入れず、3トンダンプでピストン輸送せざるを得なかった。効率は悪いが、品質は妥協できない」と語る。
機械制約への対応策:
- 小型機械の活用:3トンダンプ、小型バックホウ中心の施工
- 人力作業の比重増:細部仕上げは職人の手作業に依存
- 材料の分割搬入:一度に大量搬入できない制約への対応
品質管理基準も厳格で、一般道路の±20mmに対し、野球場では±10mm以下が要求される。選手が全力疾走する場所であり、わずかな段差でも怪我につながるリスクがあるためだ。
ゴルフ場グリーン周辺の精密不陸修正手法
ゴルフ場、特にグリーン周辺の不陸整正は、野球場以上に精密性が求められる。ボールの転がりに直接影響するため、±5mm以下の精度が必要だ。
グリーン周辺の特殊技術:
- レーザーレベリング:レーザーガイダンス付きグレーダーで±2mmの精度を実現
- 人力最終仕上げ:機械整正後、職人が目視と触感で最終確認
- 芝生への配慮:既存芝生へのダメージを最小化する施工順序の設定
施工管理ちゃんねる独自面談調査(N=50、スポーツ施設施工管理経験者対象)では、ゴルフ場グリーン改修工事で最も苦労した点として「±5mm以下の精度管理」が62%と最多回答となった。次いで「既存芝生の養生」が54%、「雨天施工の中断判断」が38%だった。
また、グリーン周辺は排水方向が複雑で、単純な縦断・横断勾配ではなく三次元的な面管理が必要となる。監修者は「グリーン改修では3Dレーザースキャナーで現況を測量し、設計面との差分を可視化した上で施工計画を立てた。この手順を省略すると、後から修正箇所が続出する」と指摘する。
【original】路盤工と不陸整正の工程上の位置関係と判断基準
路盤工と不陸整正は密接に関連するが、工程上の役割と施工タイミングは明確に異なる。路盤工は所定の支持力を確保するための層を新設する工程であり、不陸整正はその路盤工の施工前後に行う表面平坦化作業である。両者を混同すると、工程管理上の抜けや重複が生じやすい。
路盤工の前後で不陸整正が必要になる理由
路盤工の施工前には路床面の不陸整正が必要で、路盤工の施工後には路盤面の不陸整正が必要になる。つまり、一連の道路構造物の施工では不陸整正は少なくとも2回発生する工程と理解しておくべきだ。
具体的な工程順序と不陸整正の位置は以下の通りとなる:
- 路床工完了
- 路床面の不陸整正(路盤工施工前)
- 下層路盤工
- 上層路盤工
- 路盤面の不陸整正(舗装工施工前)
- 基層工・表層工(舗装)
この2段階の不陸整正を設計図書上で明確に区別しないと、数量算出や施工管理記録が混乱する原因となる。監修者は「新人の施工管理者が路盤工前の不陸整正を見落として設計数量に計上されていない、という場面を複数回見てきた。工程計画段階での確認が欠かせない」と語る。
路盤工の種別と不陸整正の許容値の関係
路盤工の種別によって、その直前に実施する不陸整正の要求精度は変わる。下層路盤は比較的余裕があるが、上層路盤直前の不陸整正は舗装の仕上がりに直結するため、より厳格な管理が求められる。
| 路盤工の種別 | 直前の不陸整正許容値 | 主な管理理由 |
|---|---|---|
| 下層路盤工前(路床面) | ±30mm | 上層で吸収可能 |
| 上層路盤工前(下層路盤面) | ±20mm | 舗装厚への影響が出始める |
| 舗装基層工前(上層路盤面) | ±15mm | 舗装仕上がりへの直接影響 |
上記の数値は国土交通省土木工事標準仕様書および各発注者の特記仕様書を参照した目安値であり、設計図書の記載が優先される。現場での実際の許容値は必ず設計図書を確認すること。
施工管理ちゃんねる独自面談調査(スポーツ施設施工管理経験者N=50と同一調査母体、道路工事経験者含む)では、「路盤工の種別ごとに不陸整正の管理基準を使い分けている」と回答した技術者は43%にとどまり、残り57%は「一律の基準を適用している」と回答している。工程ごとの管理基準の理解浸透が現場課題であることが示唆される。
