現場監督なら知っていて当然な、業務上での役割とは?

ここでは現場監督の業務上の役割にスポットを当てて、現場監督を目指している方や建設業界に興味のある方に向けて紹介していきます。
一読して頂ければ、仕事内容や必要なスキル、気になる収入について把握出来るような記事になっていますので是非、就職・転職の候補として検討してして頂けると幸いです。

目次

施工管理と現場監督の違いは?


この2つは、業務の内容が似ているので具体的に、どんな違いがあるのか良く分からないと思います。求人では施工管理・現場監督と纏めて書かれているものも目にします。

【仕事内容】
・現場監督
現場の進捗管理、施工計画、資材、下請け手配、施工図チェック、検査、安全管理、クレーム対応などです。

・施工管理
現場監督の仕事内容に工数等のコスト管理、作業環境の調整等をおこなったします。

具体的にどちらが何の仕事をするという線引きはありませんが、会社によってはでデスクワーク関係は施工管理、現場の調整関係は現場管理と分けている所や、仕事内容は同じである所もあります。

どちらも国家資格である施工管理技士を受ける事が出来るので同じようにスキルアップすることも可能です。

施工管理と現場監督の収入の差

2つの仕事に収入の差はあるのでしょうか?
もし同じ仕事内容であるのに収入に差が出るのであれば何故なのか気になります。
年齢や経験年数などでも加味して纏めました。

施工管理

残念ながら国が出している年収の統計では施工管理や現場管理等の特定の職種の収入は無かったので、大手求人サイトの検索結果の上位100社の中で社員の年収を参考で公開している求人だけを集計して以下のように纏めました。
施工管理でも人気の7つのジャンルについて調べました。

職種 / 年齢 20代 30代 40代 50代
建築施工管理 350~490 450~900 500~1200 680~800
空調施工管理 380~720 500~850 460~900 なし
電気設備施工管理 320~720 417~800 500~990 600~800
管工事施工管理 270~540 400~850 460~1058 600~750
土木施工管理 325~600 340~760 400~985 500~1300
内装施工管理 314~550 370~1000 550~1000 700~900
プラント施工管理 350~530 400~750 500~900 750~850

各年代で年収に幅がありますが、企業規模や未経験で採用された場合や残業時間、資格の有無、経験によって年収に幅が出ます。

全職種で40代までに年収が1000万前後までもらえている方がいる事や、特徴的なのが土木施工管理は50代で更に年収が上がっている事が分かります。

現場監督

現場管理は施工管理とほぼ同じ仕事内容であるために、施工管理と同等額程度と思って頂いて結構です。

現場監督に求められる業務内容とは?

多岐に渡ると言いましたが、詳しく内容を知りたくないですか?
ここでは、どんな事を日々の業務で行っているのか把握するために主に任される仕事内容BEST3を解き明かします。

1:工程管理

第1位の工程管理とは一般的に、お客さんから注文を受けた物を要求レベルの品質まで、決められた予算で納品出来るように設備や人材、資材を効率よく手配していく事を意味します。

例えば、お客さんから家の注文を受けた時に、作る側とすれば住めて耐震施工などの問題が無ければ大丈夫です。

しかしお客さんとしたら部屋はどれくらい欲しくて、トイレや風呂の位置はどこにするか、ドアは引き戸か通常のタイプかなど、色々要望があるはずです。このお客さんの要望が品質です。

納期はお金に直結してくるので、お客さんの用意している予算に合わせて納期も調整する必要があります。なぜなら、時間を掛ければ、それだけ人件費が掛かってコストアップするからです。

よって、納期と品質を満たしていくように必要な物を手配したり配置したりする業務で一番重要になってきます。

また、進捗が分かるように、工事が始まる前に工程別(例えば基礎、柱を立てる、壁を作るなど)に人をどれくらい入れて何日くらいかかるか分かるように横軸に日数と縦軸に各工程を表わしたような表で管理したりすることも工程管理の仕事です。

2:コスト管理、資材管理

第2位はコスト・資材管理です。

先程は納期を守るための工程管理ですが、赤字になっては意味がありません。よってコスト管理が必要になってきます。

工程が間に合っていない所に人を入れれば工程を短縮する事は出来ます。しかし入れた分、人件費が掛かってしまう結果になります。

資材も次の工程に間に合うように倉庫の中に入っていないと作業がストップしてしまい何も作業をしていないのに人件費だけが掛かってしまいます。

また、資材を供給する業者の選定も重要です。同じ用途で同じ品質の物を少しでも安く仕入れる事が出来れば全体にかかるコストを安く抑える事が出来ます。

したがってお金の計算や資材の届くスピード(リードタイム)も把握しておく必要があります。

3:トラブル、クレーム対応

これが一番工程を狂わせる原因になります。
第3位は現場でのトラブルや、お客さんからのクレームの対応です。

例えば、先程の家を建てるケースで考えると工事途中に作業員がケガをした場合や入って来た資材が不良品だった場合、既に終わった工程に施工不良があった場合、お客さんの要望に変更があった時等があります。最悪なのが、人的ミスが出来上がってから発覚して大幅な、やり直しが発生した時です。

ただの一例ですが、他にも予想しないトラブルが発生した時は現場監督が指示を出さないといけません。

また、お客さんが打合せで言った内容を聞き洩らしてしたり、事前に聞いていない内容を後だしで出した場合は謝罪や施工を変えたりしないといけません。最悪なのが出来上がった後に作業員が掃除しきれていなかったゴミ等が見つかる事です。

工事開始から引き渡しまでは何が起きても良いように日頃から現場の点検や確認が必要になります。

現場監督に必要な能力とは?


最後に仕事をする上で必要なスキルを紹介します。
ここに直結するようなアピールをすれば内定を勝ち取ることも出来るはずです。
特に必要となる能力を抽出しました。

1:手配力

工程管理に必要な能力の一つですが、必要な工程に人や資材、設備を割り振る必要があります。工期は早いもので数か月、長いもので数年かかることもあります。

工事が始まる前に工事で必要な物を発注したり、どの工程に何人、どんな人を割り振るのか計画を立てることから始まるので、現場の作業工程や作業員の特徴を把握する能力が必要です。

2:状況把握能力

建設業界の人が良く使う言葉で、「現場は生き物」というワードがあります。
これは日々現場は変化しているということを意味しています。

計画した工程通りに進めば良いのですが、天候や作業環境、作業員の体調、トラブルによって上手く進まないことは起こり得ます。

例えば天候だと暑さ、寒さで作業効率が落ちます。夏だと小まめに休憩をしないといけないですし冬だと寒さで体調を崩す人も出てくる事が考えられます。そのため計画の段階で余裕を持った工程にしておく必要があります。

また、工程や資材の納品状況次第では計画とは違う工程を先にした方が早く進めた方が良い場合もあります。そういったこと含めて状況を見ながら柔軟に対応する能力を求められます。

3:コスト意識・交渉力

予算内で納品することは会社としては重視されます。

赤字を出せば、どの工程で、どんな事があって予算が合わなくなったのか報告をしないと毛ませんし、上長に赤字伺いを出す必要が出てきます。

どうしようもなく出してしまったものについては仕方ありませんが、出来るだけ未然に防ぐ必要があります。

工程の遅れは予算に繋がることは先程も言いましたが、普段から工程を意識した働き方を求められます。

また、明らかに無理な納期や、予算で工事を行うようになっていた場合は上長を納得させるような交渉力が必要です。

作業員の労働環境を守れるのも現場監督の役割であり、現場からの信頼にも繋がります。

上長や現場の言いなりにならずに客観的に状況を判断して無理な場合は早い段階での報告し打開案を提案出来る事が理想です。

終わりに

最後まで目を通して頂き有難うございます。

現場監督は建設業界で重要なポジションとして位置づけられていることは、お分かり頂けたかと思います。

建設業界では、深刻な人材不足が叫ばれていることもあり興味を持ってくれる方は貴重な存在です。

この記事を参考に是非応募を検討してみて下さい。

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