「建築施工管理技士」の転職理由、5選!

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建築施工管理技士の転職理由5選 – 30,000人のデータから見る本音と成功のコツ

建築施工管理技士として現場を歩いてきたあなたが、転職を考える理由。それは「単なる不満」ではなく、キャリアへの真剣な向き合いの証拠だ。

施工管理ちゃんねるの独自調査によると、建築施工管理技士の転職率は年間約23%。これは他業種の平均15%を大きく上回る数字だ。では、なぜこれほど多くの技術者が転職を検討するのか。

この記事のポイント

  • 建築施工管理技士の転職理由TOP5を30,000人のデータから分析
  • 転職理由を好印象に変える5つの実践テクニックを紹介
  • 採用担当者が本当に評価するポイントを業界経験者が解説
  • 年収比較表付きで転職先5選を具体的に提示

現場で10年以上施工管理を経験してきた監修者の林氏は語る。「転職理由の伝え方一つで、同じ経歴でも評価は180度変わる。技術者の価値を正しく伝える方法を知ってほしい」

目次

建築施工管理技士が転職を考える5つの理由【30,000名の転職データから分析】

施工管理ちゃんねるが2024年に実施した転職理由調査(N=30,247名)から、建築施工管理技士の転職動機を分析した結果を発表する。数字が物語る現実は、想像以上に深刻だった。

1位:労働環境の改善を求めて(残業・休日出勤の常態化)

42%の建築施工管理技士が労働環境を転職の第一理由に挙げた。月間残業時間80時間超、年間休日数100日未満という現実に、技術者の心は疲弊している。

実際の面談で印象的だったのは、ある30代の建築施工管理技士の言葉だ。「工事成績評定91点を取っても、売上総利益51.8%を出しても、賞与はEクラス。数字で成果を証明できるのに報われない怒りが転職を決めた理由です」

Yahoo!知恵袋では次のような声も見られる:
「業務量の多さ・残業時間・人間関係。上2つは覚悟の上で仕事していましたが、社内の人間関係だけはどうにもなりませんでした」

この声が示すのは、施工管理技士の多くが激務は受け入れているが、それに見合う評価や環境が得られないことへの失望だ。監修者の林氏も「現場時代、深夜まで書類を作って翌朝6時に現場入り。この生活を10年続けて『これが普通』だと思い込んでいた自分が怖い」と振り返る。

2位:年収アップとキャリアの安定性

38%が年収への不満を転職理由に挙げた。建築施工管理技士の平均年収は約550万円(厚生労働省 賃金構造基本統計調査)だが、実際の現場では大きなバラつきがある。

特に注目すべきは、資格と経験を持ちながら適正な評価を受けていない技術者の存在だ。前述の面談事例では、1級建築施工管理技士・新潟勤務で年収630万円という人材が「評価されていない」と感じて転職を検討していた。

年収アップを求める背景には、単なる金銭欲求だけでなく「技術者としての正当な評価を受けたい」という尊厳の問題もある。施工管理技士は国家資格保有者であり、現場の安全と品質を支える専門職。それにふさわしい処遇を求めるのは当然だ。

実際、転職によって年収が上がった事例は数多い。施工管理ちゃんねるの転職支援実績では、平均して転職後2年以内に年収が78万円向上している。

3位:技術スキルの幅を広げたい

28%が技術スキル向上を転職動機に挙げた。これは建築施工管理技士特有の課題と言える。一つの現場、一つの工法に特化しすぎると、技術者としての市場価値が限定されてしまう。

例えば、木造住宅専門の施工管理から鉄骨造やRC造への転身を図る技術者は多い。「29歳一級施工管理技士・二級建築士。木造の現場管理してます。スキルアップのため転職を考えてますが、どうしたら良いか分からなくなりました」というYahoo!知恵袋の相談は、技術者の成長欲求を端的に表している。

監修者の林氏も語る。「発電所からビル設備管理へ転職した際、電気設備の知識の幅が一気に広がった。専門性を深めることも大事だが、関連領域への展開も技術者にとって重要な成長戦略だ」

建築施工管理技士が求める技術スキルの具体例:

  • BIM・CIMなどのデジタル技術
  • 異なる構造(木造→鉄骨造、RC造→プレキャスト工法等)
  • 設備設計・積算業務
  • 環境配慮型建築(ZEB、省エネ等)

4位:発注者側への転身(受注者から発注者へ)

19%が発注者側への転身を希望した。これは建築施工管理技士ならではの転職パターンで、競合記事ではほとんど言及されていない独自の切り口だ。

Yahoo!知恵袋の成功体験談が示唆に富んでいる:
「工事受注側から発注側の仕事(発注権限有)がしたかったのと待遇がよかったから。週休2日制で残業は月30時間程度、当時の同期と同等以上の待遇」

この体験談が重要な理由は、発注者側転身による労働環境の劇的改善を具体的数値で示している点だ。受注者側では月残業80時間が常態化していたのに対し、発注者側では30時間程度に削減されている。

発注者側への転職先例:

  • デベロッパー(三井不動産、住友不動産等)
  • 官公庁・自治体(建築職公務員)
  • 電力会社・鉄道会社(インフラ企業の建築部門)
  • 大手メーカーの設備管理部門

ただし注意点もある。発注者側は「管理」が中心となり、現場での「ものづくり」から離れる側面がある。この変化を受け入れられるかが転職成功の鍵だ。

5位:資格を活かした専門職への転換

15%が建築施工管理技士の資格を活かした専門職転換を目指している。建築士、不動産鑑定士、建築設備士など、建築関連の他資格との組み合わせによるキャリアアップだ。

実際の転職事例では、以下のような組み合わせが成功している:

  • 建築施工管理技士 + 一級建築士 → 設計事務所の設計施工管理者
  • 建築施工管理技士 + 宅建士 → 不動産デベロッパーの開発担当
  • 建築施工管理技士 + 建築設備士 → 設備設計コンサルタント

興味深いのは、施工管理経験者が設計分野に転身する際の優位性だ。「図面は読めるが現場を知らない設計者」と「現場を熟知した設計者」では、実用性に大きな差が生まれる。

監修者の林氏は指摘する。「設計者が書いた図面を現場で『これ、施工できません』と指摘するのが施工管理の日常。その経験を活かして設計側に回れば、施工性を考慮した設計ができる強みがある」

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採用担当者が転職理由を聞く真の目的と評価ポイント

転職理由を聞かれたとき、多くの建築施工管理技士は「正直に答えるべきか、建前を言うべきか」で悩む。しかし採用担当者が本当に知りたいのは、表面的な理由ではない。

採用担当者が本当に知りたい3つのポイント

1. 同じ理由で再度転職しないか

採用担当者が最も恐れるのは、入社後の早期退職だ。「残業が多いから転職する」と言った人材が、自社でも同様の理由で辞めるリスクを見極めようとする。

重要なのは「転職によって何を解決し、どう成長したいか」を明確に示すことだ。単なる現状逃避ではなく、戦略的なキャリア選択であることを伝える必要がある。

2. 技術者としての成長意欲があるか

建築施工管理技士は技術職であり、継続的なスキルアップが求められる。採用担当者は「この人は向上心を持ち続けられるか」を転職理由から読み取ろうとする。

面談で印象的だった候補者の言葉がある。「アクティブに体を動かして、人と関わって、作業を完了して、いろんな人と関わり合って、それで次の仕事をもらって、着実に一歩一歩大きくしていく」。この発言からは、技術者としての健全な成長欲求がうかがえる。

3. 組織への適応力があるか

施工管理は「人」を動かす仕事だ。職人、設計者、発注者との調整能力が問われる。転職理由が「人間関係」の場合、採用担当者は慎重になる。

「正直、人間関係が理由で転職するなら、その旨を素直に全部言ってほしい。それを一緒にポジティブ変換するのが我々の役目」と語る転職エージェントもいる。隠すより、改善への意欲を示すほうが評価される。

建築施工管理技士ならではの評価基準

建築施工管理技士の採用では、一般的な転職とは異なる評価基準がある。

技術的専門性の深さ

「何ができるか」より「どの程度の精度でできるか」が重視される。例えば「RC造の施工管理経験3年」より「30階建て190戸のRC造マンション工期3年を工程通りに完工」という具体性が評価される。

工事成績評定も重要な評価ポイントだ。業界平均65-75点の中で82点以上を安定して取れる技術者は高く評価される。前述の面談事例では91点という優秀な実績が転職活動の大きな武器となった。

現場対応力とトラブル解決能力

図面通りに進まないのが建設現場の常識。採用担当者は「想定外への対応力」を重視する。転職理由でも、困難な現場をどう乗り越えたかのエピソードは強力なアピール材料になる。

継続的な学習姿勢

建築技術の進歩は早い。BIM、IoT、脱炭素技術など新しい分野への興味・学習姿勢があるかも評価基準だ。転職理由を「新技術を学びたい」「DXに取り組みたい」という成長志向で表現できれば、ポジティブな評価につながる。

NGな転職理由と好印象な転職理由の境界線

同じ内容でも伝え方次第で評価は大きく変わる。具体例で境界線を明確にしよう。

【NG例】現状批判に終始するパターン

  • 「会社がブラックで残業ばかりでした」
  • 「上司と合わなくて仕事がつまらなかった」
  • 「給料が安くて将来が不安でした」

これらは事実かもしれないが、採用担当者には「この人は不満ばかり言う人」という印象を与える。

【好印象例】成長志向で未来を語るパターン

  • 「より幅広い構造の現場経験を積み、技術者として成長したく」
  • 「チームマネジメント力を磨き、より大規模な現場で責任を担いたく」
  • 「適正な評価制度のもとで、自分の技術力を正当に評価していただきたく」

同じ現実でも、「何を目指すか」にフォーカスを当てることで印象は劇的に変わる。

転職理由を好印象に伝える5つの実践テクニック

ここからは具体的な伝え方のテクニックを解説する。建築施工管理技士だからこそ使える表現方法だ。

ネガティブ理由をポジティブに転換する方法

テクニック1:「課題解決型思考」で表現する

施工管理技士は現場の課題解決が本業だ。この思考パターンを転職理由にも適用しよう。

【変換例】
NG:「残業が多すぎて体がもたない」
OK:「限られた時間でより高い成果を出すため、効率的な施工管理手法を学びたい」

【変換例】
NG:「人間関係が最悪だった」
OK:「多様なステークホルダーと良好な関係を築き、円滑なプロジェクト遂行を実現したい」

テクニック2:数値で現状を客観視する

施工管理技士は数値管理のプロだ。転職理由も数値で語ると説得力が増す。

【例文】
「現職では月平均85時間の残業でしたが、貴社の月30時間程度の環境であれば、余力を技術習得や資格取得に活用し、より価値の高い施工管理技士として成長できると考えます」

この表現なら、単なる「楽をしたい」ではなく「成長への投資時間を確保したい」という印象を与えられる。

テクニック3:業界動向と関連付ける

建設業界のトレンド(DX、働き方改革、脱炭素等)と関連付けると、先見性のある技術者という印象を与えられる。

【例文】
「建設業界の2024年問題を踏まえ、従来の長時間労働に依存しない高効率な施工管理手法を学び、業界の健全な発展に貢献したいと考えています」

建築施工管理技士の専門性をアピールする表現

技術的専門用語を適度に使う

転職理由の中に、建築施工管理技士ならではの専門用語を織り込むと、技術者としての信頼性が高まる。

【例文】
「現職では主に在来工法の木造住宅を担当していましたが、今後はプレキャスト工法やCLT工法など、最新の構造技術を習得し、技術者としての対応範囲を拡大したいと考えています」

品質・安全・工程の3要素で語る

施工管理の基本である「QCD(品質・コスト・工期)」や安全管理の視点を転職理由に組み込む。

【例文】
「現場の安全性向上と品質確保を両立しながら、より効率的な工程管理を実現したく、貴社の先進的な施工管理システムの下で技術を磨きたいと考えています」

具体的なエピソードで説得力を高める構成法

STAR法(Situation-Task-Action-Result)を活用

転職理由に具体的なエピソードを織り込む際は、以下の構成が効果的だ:

  • Situation:どんな現場・状況だったか
  • Task:あなたが担った役割・課題
  • Action:具体的にとった行動
  • Result:得られた結果・学び

【例文】
「前職では築15年の商業ビル改修現場で主任として、稼働中の店舗への影響を最小限に抑えながら躯体補強工事を進める必要がありました(S)。夜間作業と騒音対策が大きな課題でしたが(T)、3Dモデルを使った事前シミュレーションと近隣説明の徹底により(A)、予定より2週間早く完工し、近隣クレーム0件を達成しました(R)。この経験を活かし、より複雑な大規模改修プロジェクトでリーダーシップを発揮したいと考えています」

このエピソードには技術的専門性、課題解決能力、コミュニケーション能力が全て含まれている。

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【例文7選】建築施工管理技士の転職理由テンプレート集

ここでは実際の面接や履歴書で使える、建築施工管理技士向けの転職理由例文を紹介する。自分の状況に合わせてカスタマイズしてほしい。

労働環境改善を理由とする場合の例文

【例文1】効率性重視型

「現職では月平均80時間の残業が常態化しており、技術習得や資格取得に充てる時間を確保できない状況でした。建設業界の働き方改革が進む中、限られた時間でより高い成果を出す施工管理手法を学び、技術者として持続可能なキャリアを築きたいと考えています。貴社の週休2日制と効率的なプロジェクト管理のもとで、DXツールの活用や新工法の習得に取り組み、より価値の高い施工管理技士として成長したいです」

【例文2】ワークライフバランス型

「施工管理の仕事にやりがいを感じている一方で、現職の労働環境では長期的なキャリア継続に不安を感じています。適切な労働環境のもとで体調管理を徹底し、30年、40年と技術者として現場に立ち続けたい。そのために、貴社の働き方改革への取り組みに共感し、健全な職場環境で施工管理の専門性を深めていきたいと考えています」

キャリアアップを理由とする場合の例文

【例文3】技術的成長型

「現職では主に住宅建築の施工管理を担当してきましたが、技術者としてより幅広い構造・工法の知識を身につけたいと考えています。特に貴社が手がける大規模なRC造やS造のプロジェクトに携わることで、施工管理技士としての技術範囲を拡大し、将来的には1級施工管理技士として責任者を担えるレベルまで成長したいです」

【例文4】マネジメント志向型

「これまで5年間、現場代理人として単独現場を担当してきましたが、今後は複数現場の統括や若手技術者の育成にも携わりたいと考えています。貴社では所長クラスの技術者が複数現場を管理する体制とうかがっており、より上位のマネジメントスキルを身につけ、組織全体の施工品質向上に貢献したいです」

発注者側転身を理由とする場合の例文

【例文5】立場転換型

「これまで8年間、受注者側として複数の現場で施工管理に携わってきました。その中で、建築物のライフサイクル全体を見据えた発注・管理の重要性を痛感しています。貴社の建築部門では発注者として建物の企画段階から関わることができ、施工現場での経験を活かしながら、より上流工程での品質・コスト・工期の最適化に貢献できると考えています」

専門性向上を理由とする場合の例文

【例文6】資格活用型

「1級建築施工管理技士の資格を取得し、現場での実務経験も積んできましたが、今後は建築設備の分野でも専門性を深めたいと考えています。貴社では建築施工管理技士が設備工事の調整も担当すると聞いており、電気・機械設備の知識を習得することで、総合的な建築技術者としてステップアップしたいです」

【例文7】新技術対応型

「建築業界のDX化が加速する中、BIMやIoTを活用した施工管理の重要性を強く感じています。現職ではまだ従来手法が中心でしたが、貴社のような先進的な取り組みを行う企業で、デジタル技術を駆使した次世代の施工管理を学びたいと考えています。これまでの現場経験とデジタル技術を組み合わせ、建設業界の生産性向上に貢献したいです」

転職すべきか迷ったときの判断基準【チェックリスト付き】

転職を検討しているものの、「本当に今が転職のタイミングか」で迷う建築施工管理技士は多い。客観的な判断基準を提示する。

転職を検討すべき5つのサイン

サイン1:技術的成長が止まった

同じ工法、同じ規模の現場を3年以上繰り返している場合は要注意だ。建築技術は急速に進歩しており、新しい工法や技術に触れる機会がない環境では、技術者としての市場価値が下がるリスクがある。

「なんか結構もう窓際みたいな感じというか」という面談での発言は、中堅技術者が感じる成長停滞感を端的に表している。このような状況に陥る前に、転職を検討すべきだ。

サイン2:健康面に明確な影響が出ている

「胃がキリキリする緊張」「日曜の夜が憂鬱になる」「毎朝の胃の重さ」といった身体症状が出ている場合は、転職のタイミングだ。

施工管理は体力勝負の側面もあるが、健康を犠牲にしてまで続けるべき仕事ではない。30代、40代で体調を崩せば、その後のキャリア全体に影響する。

サイン3:正当な評価を受けていない

前述の事例のように、工事成績評定91点、売上総利益51.8%という数値的成果を出しても評価されない会社では、技術者の成長意欲は削がれる。

「頑張る人、頑張らない人の昇格するタイミングが同じであり、要は年功序列」という口コミサイトの声は、多くの施工管理技士が感じる不満を代弁している。

サイン4:将来への明確なビジョンを描けない

「この会社で10年後、自分はどうなっているか」をイメージできない場合は転職を検討すべきだ。特に20代後半から30代前半の技術者にとって、キャリアパスの明確化は急務だ。

サイン5:業界動向に対応できない環境

DX化、働き方改革、脱炭素対応など、建設業界の変化についていけない会社では、技術者として取り残されるリスクがある。

年代別・経験年数別の転職タイミング

20代(経験年数1-5年):基礎固めか方向転換か

20代の転職には2つのパターンがある。

1つ目は「基礎技術の習得環境を求める転職」だ。新卒で入った会社の研修体制が不十分、先輩からの指導を受けられない場合は、早期の転職が正解となることもある。

2つ目は「方向性の修正転職」だ。建築から設備、住宅から土木など、専門分野の変更は20代のうちに行うのが有利だ。

Yahoo!知恵袋の「せっかく大学卒業して学歴あるから現場には来るな、まずはちゃんとした会社入ってダメだったら最終的に来たらいい」という警告も、20代の選択の重要性を示している。

30代(経験年数6-15年):専門性確立と責任拡大

30代は施工管理技士として最も重要な時期だ。1級資格の取得、現場責任者としての経験、マネジメントスキルの習得がキーになる。

この年代での転職は「より大きな責任を担える環境」「専門性を深められる会社」が基準となる。年収アップも重要な要素だが、それ以上に「技術者としての成長環境」を重視すべきだ。

40代以降(経験年数16年以上):経験の集大成と後進育成

40代以降の転職は慎重に判断すべきだ。豊富な経験を活かせる管理職ポジション、技術コンサルタント、独立などの選択肢を検討する時期だ。

現職に留まるべきケースの見極め方

転職がベストの選択とは限らない。以下の場合は現職での解決を優先すべきだ。

一時的な繁忙期や人員不足の場合

大型案件の立ち上げ時期、退職者による一時的な人手不足の場合は、状況の改善を待つのも一つの選択だ。ただし「一時的」が1年以上続く場合は転職を検討すべき。

スキルアップの機会が近い将来に控えている場合

大型案件への配属、海外プロジェクトへの参加、新工法の導入など、明確なスキルアップ機会が6ヶ月以内に控えている場合は、その経験を積んでからの転職が有利だ。

社内での改善余地がある場合

直属の上司や人事部門とのコミュニケーションで改善できる問題の場合は、転職前に社内解決を試すべき。特に労働時間や配属希望などは、会社側も対応してくれる場合がある。

建築施工管理技士の経験を活かせる転職先5選【年収比較表付き】

建築施工管理技士の経験は幅広い業界で評価される。具体的な転職先と年収水準を分析しよう。

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発注者側企業(デベロッパー・官公庁等)

年収レンジ:500-800万円(経験5年以上)

発注者側への転職は、前述のとおり労働環境改善の効果が大きい。具体的な転職先は以下の通り:

  • 不動産デベロッパー:三井不動産、住友不動産、野村不動産等
  • 鉄道会社:JR各社、私鉄大手の建築部門
  • 電力会社:発電所・変電所建設の発注管理
  • 官公庁・自治体:建築職公務員として公共工事の発注管理

発注者側転職のメリットは労働時間の改善だけでない。建築物のライフサイクル全体に関わるため、企画・設計・運用・保全まで幅広い知識を習得できる。

ただし注意点もある。現場での「ものづくり」から離れるため、技術的な最新動向に疎くなるリスクがある。定期的な勉強会や業界セミナーへの参加で知識をアップデートする必要がある。

建設コンサルティング・設計事務所

年収レンジ:450-700万円(1級資格必須)

施工現場での経験を活かし、設計段階から施工性を考慮した提案ができる技術者として重宝される。

転職先例:

  • 組織設計事務所:日建設計、日本設計、梓設計等
  • 建設コンサルタント:建設技術研究所、パシフィックコンサルタンツ等
  • ゼネコン設計部:大手ゼネコンの設計・技術開発部門

この分野での転職成功のポイントは、施工経験を「設計への活かし方」として語れることだ。「現場で施工困難だった詳細を設計段階で改善したい」といった具体的な貢献イメージを示せれば評価される。

設備管理・ファシリティマネジメント

年収レンジ:400-650万円(安定性重視)

建築物の運用・保全段階で活躍するポジション。建設から運用まで一貫して建築に関わり続けられる。

転職先例:

  • ビルメンテナンス会社:イオンディライト、大成有楽不動産等
  • FM専門会社:ザイマックス、シーイーシー等
  • 大手企業の設備管理部門:製造業・金融機関等の本社ビル管理

この分野は施工管理と比べて労働時間が安定している点が魅力だ。緊急対応はあるものの、新築工事のような工期に追われることはない。

監修者の林氏も「大型プラント電気施工管理からビル設備管理に転身した際、生活の質が劇的に改善した。技術者として建築に関わり続けながら、健全な労働環境で働けている」と語る。

異業種(不動産・IT・製造業など)

年収レンジ:500-900万円(業界により大きく変動)

建築施工管理技士の「プロジェクト管理能力」「多職種調整力」「安全管理スキル」は、建設業界以外でも高く評価される。

転職先例:

  • IT業界:プロジェクトマネージャーとして大規模システム開発を管理
  • 製造業:工場建設・設備導入プロジェクトの管理
  • 物流業:物流センター・倉庫建設の専門職
  • エネルギー業界:再生エネルギー発電所の建設・保全

異業種転職のポイントは「転用可能なスキル」の言語化だ。「複数の協力会社との工程調整経験→プロジェクト管理スキル」「安全管理の徹底→リスク管理能力」といった翻訳が必要になる。

転職先分類 平均年収 労働環境 成長性 難易度
発注者側企業 600万円 ★★★★ ★★★ ★★★
設計・コンサル 550万円 ★★★ ★★★★ ★★★★
設備管理・FM 500万円 ★★★★★ ★★ ★★
異業種転職 650万円 ★★★ ★★★★★ ★★★★★
同業他社 580万円 ★★ ★★★ ★★

よくある質問

Q. 施工管理から転職するなら発注者側の仕事がおすすめって本当?

A. 労働環境の改善という点では確かに効果的です。実際の転職事例では「週休2日制で残業は月30時間程度」という劇的な改善が報告されています。ただし、現場での「ものづくり」から離れるため、技術的な最新動向に疎くなるリスクもあります。発注者側でも技術研鑽を続ける意識が欠かせない。

Q. 建築施工管理技士の転職で資格はどの程度重要?

A. 1級建築施工管理技士は転職では必須レベルです。年収で100-150万円程度の差が出ることも珍しくありません。一方で、測量士や建築設備士などの関連資格は「あれば有利」程度。専門性の幅より深さを重視する企業が多いのが実情です。まずは1級施工管理技士の取得に集中することをおすすめします。

Q. 20代で施工管理を辞めるのは早すぎる?

A. 必ずしも早すぎるとは言えません。Yahoo!知恵袋でも「むしろ年数を重ねるとマイナス評価の可能性もある」という指摘があります。技術的な基礎をしっかり身につける環境にない場合、研修制度が充実した会社への早期転職が正解となるケースも多いです。ただし、短期間での転職を繰り返すのは避けるべきです。

Q. 転職理由で「残業が多い」と正直に言っても大丈夫?

A. 伝え方次第です。単に「残業が嫌」というのではなく「限られた時間でより高い成果を出すため、効率的な施工管理手法を学びたい」という成長志向で表現すれば問題ありません。建設業界の働き方改革が進む中、労働環境を重視するのは健全な判断として評価されます。

Q. 建築施工管理技士1級と2級で転職の有利さは変わる?

A. 大きく変わります。1級技士は主任技術者・監理技術者として専任でき、企業にとって「売上に直結する人材」です。年収水準も1級取得者は平均で100-150万円高くなります。2級では担当できる工事規模に制限があるため、転職の選択肢も狭まります。キャリアアップを目指すなら1級取得は必須と考えてください。

林(はやし)

この記事の監修者

林(はやし)|施工管理ちゃんねる(せこちゃん) キャリアアドバイザー

元施工管理技士。大学院工学研究科修了後、発電所・製鉄所・自動車工場など大型プラントの電気施工管理に従事。ビル設備管理を経て、人材紹介会社でRA・CA両面を経験。電気設備・建設・再生可能エネルギー領域の採用支援を行う。

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