山留め工事・工法とは?

工事近隣の地盤に影響が出ないように山留め壁といわれる壁を作ります。山留め工事とは、周りの土や水が流れこむのを防ぐこと。地盤が壊れないようにするための対策が、山留め壁です。そのための工事を山留め工事と呼びます。

この最大の目的は工事中の安全確保にあります。工事がはじまれば大勢の作業員が関わりますので、安全に工事を遂行するために山留めが大きな役割を果たすのです。

山留めに関しては日本建築学会が山留め設計施行指針をだしているので、それを参考に山留め工法についてお伝えしたいと思います。

目次

山留め工事の目的と注意点

山留め工事の最大の目的は、地下工事中への周辺の安全確保です。しかしながら山留め工事の準備中に事故が起きてしまうことが多いです。山留め工事用機械はもともと重心が高く、不安定になりやすいものが多いです。

それにもかかわらず、敷き鉄板をひいているだけのケースが多いです。地盤が不安定な現場では、安定した施行機械を選ぶか、作業地盤を安定させてから機械を入れる必要があります。

予算うんぬんに関わらず、軟弱地層の土質の改良や全面的なコンクリートにより施行基盤を補強することが必要不可欠です。

山留め工法の種類とは?

山留め工法にもいくつかの種類があります。大きく2つの工法にわかれます。

1つ目が、陸上で地下構造物を築造するとき地下水の遮水及び土の崩壊防止のために設ける仮設構造物で、その工法を土留工法といいます。

2つ目が、水中で、掘削部分を完全に締切り、おもに土圧または水圧、もしくはその両者に抵抗させる仮設構造物で、その工法を締切工法といいます。

親杭/ 横矢板工法

一番慣れ親しまれている山留工事の方法です。地面の中に、H型鋼を所定感覚に埋めこみます。Hの間となる部分に、人力で土留板・横矢板をはめこみます。地下水がない場合には一般的に選ばれることが多いです。

様々な工事にも活用され、費用も安価に住むのが特徴です。しかしながら、デメリットはやわい地質であるケースや、土砂の圧力が強いケースでは、機能しづらい点です。

また、人力作業による部分も大きいので、施工者の技術力がわかりやすい工法でもあります。

[box class=”blue_box” title=”メリット”]費用が安く、地下水のない場合に使いやすい。[/box]

地中連続壁(SMW)工法

地中連続壁工法とは、別名SMW工法ともいわれています。直接地上より目的に応じて各種断面の垂直な連続した深い溝や、長い孔を掘削して、その溝または孔にコンクリートを打設していきます。孔の組合せにより連続した壁体を土中に造る仮設構造物です。大規模工事に向いています。

世界的にも普及しており1980年代に日本でも最盛期をむかえましたが、バブル崩壊のあとは、衰退の一途をたどっている工法です。

  1. 柱列連続壁 
  2. スロット連続

の2つに分類されます。

柱列連続壁 :ロータリードリルあるいはパーカッションドリルなどによって円形断面の杭を形成してこれを連結していく工法。

スロット連続壁
長方形断面の掘削溝をロータリードリルあるいはクラムシェルによって掘削し、これにコンクリートを打設して、構築されたブロック相互を連結する工法。

 

 

[box class=”blue_box” title=”メリット”]地中連続壁工法は、他の土留工法に比較した場合に、剛性が大きく、大きな土圧や水圧にも耐えられるのが特徴です。よって市街地域における大型掘削工事に適用するのに役立ちます。弱い地盤を掘削する際にもこの工法が用いられることがあります。[/box]

シートパイル工法 

地下水がある工事現場で使われることが多いです。地下水がある場合はもっともコスパがいい方法と言われています。シートパイルを土中に埋めこむだけで工事は完了するのですが、作業をする時はクレーンといった重機械や人力で指示をだしながら打ちこんでいくため、高い技術力が必要になります。そのため、山留工事専用の業者に発注することが多いです。

[box class=”blue_box” title=”メリット”]地下水のある工事現場でもっとも使える。コストパフォーマンスがいい![/box]

2重締め切り

 

山留め工法の選び方は?

地盤条件と環境条件をみて工法を選びます。土留工法においては、地下水調査と、土質調査を行います。そうすることにより最適な工法を判断することができます。

地質条件

  1. 地下水調査
  2. 土質調査

の2つをおこいます。地下水やの条件によって粘りけの強い土質から、固結している、非常に硬い、かたい、中位、やわからい、非常にやわらかい、と段階わけされていてくずれやすい地質まで様々あります。条件によって強度を考える必要があるのです。

環境条件

  1. 地下埋設物調査
  2. 近接構造物調査
  3. 施行条件の調査

この3条件について調査をして決めていきます。たとえば地下に打ち込みを行い、ガス管や水道管を破損することによて近隣に迷惑をだしてしまったケースがよくとりあげられます。

こういった事故をおこさないためには、近隣の建造物の台帳や構造図をみたり、現地調査をすることが重要です。

環境調査の一環として、騒音や、振動に関する調査も行います。基本的には85db以下でおこなうように求められています。

重さ

  1. 死荷重 
  2. 活荷重 
  3. 衝撃 
  4. 土圧 
  5. 水圧 
  6. 温度変化

この6つの荷重を考慮します。水圧が低かったり排水が十分に行われる時には、無視ができます。この6つの変化をしっかりと抑えて緻密に計算して安全な方法を探ります。

詳しい計算式は文末の参照ページをご参考ください。

山留めが崩れる原因は?

山留め崩壊にともなう事故は過去にも多数おきていますが、いったん山留めが崩壊してしまうと大惨事になります。そして近隣の人々や道路にも多くの被害がでることを避けられません。しかしながら過去の事故を分析すると特徴がはっきりとしています。

想定外の土圧での崩壊や、不慮の災害によるものもありますが、一番多いのが山留めの壁の根入れ不足が原因の事故です。

山留めの壁の根入れが不足

山留めの壁の根入れが不足で、足元から崩壊しているケースが多いです。それを防ぐために、根入れの長さを十分に確保することが非常に重要です。1980年以降山留めの計測管理が発達してきました。

工事をしながら、水圧系、土圧系、軸力系、ひずみ系、傾斜系を常に計測管理を行います。それらを集中して管理するために管理センターを置いてコントロールすることもあります。

終わりに

いかがだったでしょうか。

山留め工事は安全に現場を遂行する上で、とても大事な下準備になります。一歩間違えれば大事故になりかねないので、しっかりとあなたの工事現場にふさわしい山留め工事を適切に選びましょう!

 

参考:
・日本建築学会
・土留工法

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次