【3分でわかる!】サンドレーン(SD)工法とは?

サンドドレーン工法

サンドドレーン工法は我が国日本では古くからよく利用されている工法です。代表的なバーチカルドレーン工法の一つとしてあります。柔らかくて軟弱な地盤に使われます。一言でいえば、水分をたくさん含んでいる地盤から、水分を吸い取ってしまうことで、ある程度丈夫な地盤にする工法です。

例えばですが、砂地の場所を雨の日に歩いていると柔らかくいですよね!でも晴れの日になると砂が陽の光に照れされてカチカチになり、その場所もしっかりとした道になっています。同様に、サンドドレーン工法は軟弱になっている地盤に砂の杭を打ち込んで排水する距離を近くして、砂の杭と敷いた砂の層を通して粘土層に含まれた水分を外に出して、地盤を丈夫にする方法です。

別の言い方でいいますと、たくさんの砂の杭(直径40~50センチ)を打ち込み、その杭に水路のような役割をさせて、軟弱な地盤に含まれた水分を吐き出させるというしかけとなります。コップの中に水を入れてそのコップの中にスポンジをいれるとそのスポンジ全体が水をいっぱい含んだ状態になる、あの毛細管現象のスポンジの役割を砂の柱が果たして、深層の地中部分の水分を吸い上げるのです。それと早く水分を吐き出させて沈下を終了させるために、その上に土砂などを投入して荷重をかけたりします。

目次

サンドドレーン(SD)工法の主な作業の流れ

SD工事の流れ

  1. 所定の位置に施工機器をセットする。
  2. ケーシングパイプの打ち込み
  3. ケーシングパイプを支持し、地盤まで到達させて打ち込み作業を完了させる。
  4. 規定量の軽量した砂を海水を一緒に注入しながら、ケーシングパイプのサイドパイプから投入する。
  5. 砂面を確認した後、ケーシングパイプを引き抜き現在の地盤の高さまで砂杭を制作する。
  6. 打設完了となる。

海上では近年、大深層や早期の施工に対応できるケーシングパイプが12連から14連装の大型船が建造されていて、大規模な工事に活躍するようになってきています。

サンドドレーン(SD)工法のメリットは?

SD

サンドドレーン(SD)(SD)工法のメリットとしては圧倒的に他の工法に比べると工事の費用が安価であることです。それと杭のドレーンの径が他よりも大きくなるので、圧密の遅れが少ないことです。大型のバイブロハンマーを使用するので貫入する能力が高くなります。

大型の施工機器の使用になるので、深層部分の施工も可能である。海上でもケーシングパイプが12から14連装の大型船が建造されているので、大規模工事を早期施工が可能になりました。使用するものが基本的に砂になるので将来的に支障になりにくいです。陸上、海上問わず、あらゆる場所での施工が可能であるので、軟弱地盤の改良法としてよく使用される。

サンドドレーン工法には多くのメリットがあり、ここではその主要なものを紹介いたします。

1つ目は、建設地の地盤改良に適していることです。これは、通常の地盤改良が難しい湿地や軟弱地盤でも施工可能であるためです。

2つ目は、施工期間の短縮です。特別な機材を使用することで、一般的な地盤改良方法に比べて短期間で作業を完了することが可能となります。

3つ目は、コストの削減です。短期間で施工できるため工事費用を抑えることが可能であり、また、特別な機材を使用することにより効率的な作業が可能となります。

これらのメリットにより、サンドドレーン工法は多くの建設現場で活用されています。

メリット

詳細

地盤改良に適している

湿地や軟弱地盤でも施工可能

施工期間の短縮

特別な機材を使用し、短期間で完了

コスト削減

短期間で施工可能なため工事費用を抑えられる

サンドドレーン(SD)工法のデメリットは?

沈下が落ち着くまでは、圧密状態で放置する時間が必要となってしまうことです。工事の際に他の工法に比べるとどうしても施工機器の振動や騒音といったものは大きくなってしまいます。使用する施工機器が大型なので、超軟弱な地盤の場所では最悪対策が必要なるケースがあります。

狭い地域での作業になる場合施工機器が大型なため工事作業中は完全に通行止状態になってしまう。
施工後の地盤の状態の詳細の確認が取りにくいのが現状です。

サンドドレーン工法には多くのメリットが存在しますが、一方で考慮すべきデメリットもあります。

1つ目のデメリットとして、施工にコストがかかることが挙げられます。特殊な機器や専門知識が必要なため、初期投資が高くなります。

次に、効果が一時的なものであるという点も注意が必要です。地盤改良後も続けて監視が必要であり、そのための追加費用が発生します。

最後に、施工中に地下水脈を傷つける可能性があることです。これは、周囲の環境に影響を与える恐れがあります。

以下に、これらのデメリットを表形式で整理しました。

デメリット

詳細

高コスト

施工に特殊な機器や専門知識が必要

一時的な効果

地盤改良後も継続的な監視が必要

環境影響

地下水脈を傷つける可能性

これらの点を理解し、計画的に施工を進めることが大切です。

 

サンドドレーン(SD)工法の原理とは?

サンドドレーン工法はバーチカルドレーン工法の一つとしてあり、軟弱な地盤を強固にするための対策の一つとして使用されます。
原理として鉛直方向に一定の間隔でケーシングパイプを打ち込むことによって、圧密排水距離を短縮して、圧密沈下の促進と地盤の強度の増加を図ることができる。

サンドドレーン工法の施工手順

(1) 地盤調査

地盤調査は、サンドドレーン工法を適用するための初期段階で行われます。正確な工法の計画を立てるために、まず現場の地盤状況を把握する必要があります。これは、地質、地下水位、土質、地盤の硬さ等を調査することで行われます。

地盤調査では、以下のような手順で行われます。

  1. ボーリング調査:地中深くまで棒状の機材を打ち込み、地層の情報を得ます。

  2. SPT(Standard Penetration Test):地盤の硬さを調査します。打設機で一定の高さから落下させた鉄錘を用いて、何回打撃を加えるとどれだけ深く進入するかを調査します。

  3. 土質分析:採取した土壌を実験室で分析し、その成分や性質を調査します。

これらの調査結果を元に、最適なサンドドレーン工法の計画を立てることが可能となります。役割は小さいように思えますが、地盤調査はサンドドレーン工法の成功を左右する大切な工程であると言えます。

(2) 予備設計

予備設計は、サンドドレーン工法の施工前に行われる重要な工程で、地盤改良の精度を上げるためのステップです。まず、地盤調査で得たデータを基に、必要なサンドドレーンの本数と配置を決定します。これにより、地盤の状態に最適化された改良計画を立てることが可能となります。

次に、予備設計の表では以下のような項目が挙げられます。

項目

内容

予定地

地盤調査で得たデータを基にした改良予定地

サンドドレーン設置本数

地盤の状態に応じた設置本数

配置

サンドドレーンを設置する位置

以上の詳細な計画を立てることで、施工後の安全性と効率を高めることが可能となります。

(3) 工事の実施

工事の実施段階では、まず初めにサンドドレーンを設置する位置を決めます。これは予備設計で得られたデータを元に、最も効果的な配置を計算し決定します。

次に、専用の機械を使用してサンドドレーンを地下深くまで打ち込みます。この際、地盤の硬さや深さに応じて機械の設定を調整することが重要です。

サンドドレーン設置後は、地盤全体が均等に圧密されるよう圧縮作業を行います。これにより、地盤内部の水分がサンドドレーンに吸収されやすくなります。

最後に、全工程が正確に行われたか確認するための検証作業を行います。これには専門的な知識と経験が必要となります。

風土や地質、建築物の形状等により適切な工法が変わってきますので、いずれの工程も細心の注意を払って行う必要があります。

(4) 結果確認

サンドドレーン工法の施工後は、その結果を確認します。結果確認の主な目的は、地盤の改良が予想通りに行われたか、または必要な効果が得られたかを把握することです。

具体的には、以下のような項目が確認されます。

確認項目

内容

地盤の硬さ

地盤改良後、地盤が所望の硬さになっているかをチェックします。

安定性

地盤の安定性を評価し、建築物の基礎がしっかり支えられるかを確認します。

沈下量

地盤改良後の沈下量を測定します。予想外の沈下がある場合、追加の対策が必要となることもあります。

このように、結果確認は施工後の地盤の状態を正確に把握し、必要に応じて次のステップを計画するための重要なプロセスとなります。

サンドドレーン(SD)工法の効果とは?

サンドドレーン工法は陸上でも海上でも軟弱な地盤を強化するために我が国では古くから使用されてきた代表的な工法です。特に我が国では沿岸部で軟弱な沖積粘土地盤が分厚く堆積していることが多くあり、沿岸部での埋め立てや構造物の建設に際には、基礎の支持力や土留擁壁に作用する土の圧力などの安定性の問題や瞬時の沈下、圧密沈下、などの沈下に関する問題があり、その解決策として地盤改良が必要になってきます

そういう海上での建設の基盤になる部分の強化として粘土性地盤の圧密沈下の促進や残留沈下の減少の為にバーチカルドレーン工法の
一つとしてあるサンドドレーン工法が古くから最も多く使われる工法としてあります。あの関西国際空港の地盤改良にもこのサンドドレーン工法が多く使用されたことでも有名です。

サンドドレーン(SD)工法の留意点

サンドドレーン工法は我が国では古くから最も多く使用されてきた工法です。しかしまず地盤改良の改善策の一つとしてあるので、現在ではたくさんの地盤改良の方法が存在します。大切な事は地盤改良の前に工事する地盤がどういった状態なのかが大切で何よりも地盤が建物を建設していく上で何よりも大切になってきます。そういった意味で地盤改良の前に綿密な地盤調査をすることが大切になってきます。その地盤にあった地盤改良の方法がサンドドレーン工法であれば問題はないのです。

サンドドレーン工法は軟弱な地盤改良には最適で幅広い条件でも使用可能であることはいうまでもないですが、サンドドレーン工法の上記であげた短所である工事の際にどうしてもバイブロの振動音や、重機が大型なので、広いスペースが設置する際に必要になることが施工後の沈下状況の確認が安易でないことなどもしっかりと理解した上でのサンドドレーン工法の選択をすることが大切になってきます。まずは地盤改良の前の地盤調査を綿密にすることがとても大切になってきます。

サンドドレーン(SD)工法の特徴は?

サンドドレーン工法は何度もいいますが、我が国日本では古くから最も多く使用されてきた工法になります。とくに海上での建設に関しての地盤改良には今までもかなりの実績があります。皆さんご存知の関西国際空港の地盤もサンドドレーン工法でされました。関西国際空港の地盤、すなわち海底の一番上に堆積している軟弱な沖積の粘土層はどこの海岸にも堆積している粘土で、イメージとしてはその粘土層で出来ている大きな島の上に関西国際空港が建っているってわけです。

しかしその島の沈下は自然に放っておくとどんどん沈下がすすんでいきます。そのために何らかの地盤改良をしないと関西国際空港が建設されたとしてもあっという間に海の中に沈んでしまう状況でした。広い関西国際空港の下の粘土層で出来た厚い沖積粘土の沈下そのものを止めることは不可能ですが、沈下を人工的に早めることによって、関西国際空港が完成してからの沈下状況を緩めることは出来るということに至ったのです。

その地盤改良に最も適した工法としてサンドドレーン工法が選ばれたのです。実際には1年足らずの短い工期で工事を完了することになりました。なぜそういう結果になったかといいますと、関西国際空港の地盤にあたる島の重さで絞り出される粘土層からの水が、出来るだけ早く外に出せるように沈下を早く終わらせて粘土を固くするように、粘土の中に水の抜け道になる砂杭を作る方法です。

実際に1期工事では2.5mの間隔で直径40cm、長さ20mの砂杭を100本と、2期工事では120本の砂杭を打ち込みました。これだけの大規模な工事を僅か1年で完了させることが出来たということもサンドドレーン工法が海上での建設に関する地盤改良にはもっとも適した工法であることは今までの実績からも証明されます。

それと1期島の工事開始から計測している沖積粘土層の沈下データをみてもサンドドレーン工法の効果が発揮され、島の重さが実際にかかってから1年足らずで沈下はほぼなく、それ以降も沈下はしていないというデータがでています。そして今現在は沈下は完全にとまっています。こうしてサンドドレーン工法を使用した実際の身近なものを参考にすればサンドドレーン工法の凄さがわかりますよね!

終わりに

いかがだったでしょうか?

日本では昔から使われれているサンドドレーン(SD)工法のメリット、デメリットはありますが実績も多数ある工法ですので、ぜひ検討されている方がいたら一度実際に工事にかかる費用や、工数を見積もってみてはいかがでしょうか?

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次