CADオペレーターの仕事とは?業務内容や年収は?


女性でも働きやすく将来性も期待できると言われるCADオペレーターという職業の全体像を知ってもらうため、仕事の役割や求められるスキル、年収や休日などの情報をまとめて解説していきます。

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目次

CADオペレーターの役割とは?

CADオペレーターの仕事とはCADと呼ばれる図面作成ソフトを用いて、設計者やデザイナーといったクライアントの意図やアイディアをパソコン上に図面として描き起こすことです。機械設計や建築や土木、服飾などCADは多くの分野で使用されてますが、CADオペレーターには実務上の役割として大きく次の3つがあります。

役割1:イメージを設計図として出力する

クライアントから掲示されたアイディアや要望は最初の段階では計画やイメージに過ぎず、イメージを実物として作り上げるためには、誰もが実務で使用できる設計図が必要となります。
そのために設計士やデザイナーの理想や考えを理解し、CADを使用してパソコン上に出力していくことになります。

役割2:図面データを修正する

パソコン上に出力した図面データは一度の作成すれば終了というケースは少なく、設計者の指示や現場の都合によって変更や修正をすることがほとんどです。
時には何度も調整を求められることもありますが、クライアントからの指示を正しく理解し、出力した図面データを根気よく加筆修正していきます。

役割3:図面データを管理する

作成した図面データはチームで共有するため、常に最新データが参照できるようにします。専用システムを導入していることもありますが、ファイル名に一定のルールを定めて整理するといった几帳面さが大切です。

また扱うデータが個人情報に関わっていたり、発表前の新製品の資料だったりとデリケートなことも多いため、コンプライアンスの意識を強く持つ必要があります。

CADオペレーターに求められるスキルとは?

オペレーターは技術職であるため、設計製図の基礎知識が豊富なことに越したことはありませんが、働く業界を問わず以下のようなスキルが求められます。

スキル1:PCの基本操作とCADのオペレーションスキル

CADソフトは大きく2次元と3次元の2種類がありますが、業界や図面の役割によって様々なソフトがあり、いつも同じCADソフトで仕事ができるとは限りません。時にはインストールから設定などを自分で行う必要もあるため、基本的なPCスキルは必須となります。

加えてCADオペレーターとして当然求められるのが、どれだけ正確にCADを扱えるかというオペレーションの能力です。多数の操作コマンドを覚えて、必要な図形をより素早く作図できるかが、CADオペレーターの最も重要なスキルと言えます。

また、今まで2Dで検討していた事案が急に3Dや別のソフトで行われたりと、不意の事態に遭遇しても対応できるよう、最新のソフトについて自分で情報を集めて、向上しようとする姿勢が大切となります。

また、エクセルのVBやマクロなどの一般ソフトの扱いにも長けていれば、図面管理や数量の積算にも役立てられるため仕事の幅が広がるでしょう。

スキル2:コミュニケーションスキル

CADオペレーターはクライアントの指示や意図を図面に反映させるため、一度作成したデータでも地道に根気よく訂正していくことになります。時には材料や工法の違いなどが理解できずに恐縮することもありますが、着工や納品に間に合わせるためにもクライアントとの協力が重要となります。

特にCADオペレーターは最終的に図面として仕上げなければならず、最後まで円滑な業務を行うためには、パソコンでの作業が中心とはいえ、対面でのビジネスマナーを身につけたり、休憩時間の会話といった頻繁なコミュニケーションが欠かせません。

スキル3:図面を読み取るスキル

CADオペレーターはクライアントの指示に従ってデータを作成していきます。ですが、ただ言われるまま作業するのではなく、時には設計者の勘違いやミスを指摘したり、改善案を提案できるようになって初めてプロの仕事と言えます。

そのため、CADオペレーターも建築なら加工図から材料の寸法や種類を読み取ったり、現場で必要とされる線種を理解して記号や寸法線を表示させたりと、専門家として図面を読み取れるように勉強していく必要があります。
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CADオペレーターの働き方は?

CADオペレーターはライフスタイルにより会社に雇用される以外にも、環境が整っていれば在宅で働くこともできるため、多様な働き方ができる職種です。

CADオペレーターの1日の流れは

9:00 メールおよび作業予定の確認、打ち合わせ
クライアントと前日のデータ修正や当日行う作業の打ち合わせといったミーティングや届いていたのメール対応を行います。

9:30 設計図書データの作成、修正
自分のデスクにてデータの修正作業の続きや、新たに指示された設計データの作成を行います。

12:00 昼食
事務所ごとに自分のデスクで食べたり、職場のみんなと外でランチを楽しむこともあります。

13:00 データの修正箇所を確認、修正
午前中に引き続きデータの作成や、データの修正箇所を確認および修正を行っていきます。特に修正は作業を途中で止めてしまうとミスが多くなるため、必要な作業はできるだけ当日中に済ませておく必要があります。

17:00 退社
時に残業もありますが、繁忙期や緊急の対応といったことがなければ定時で終業となることが多いです。

CADオペレーターの休日や休暇は?

ほとんどの人は日祝休みとなることが多く、安定したスケジュールとなっているようですが、繁忙期には残業や休日出勤も必要となることがあります。

ケース1:オフィスワーカーとして

建築会社やメーカーに正社員やパートアルバイトとして直接雇用されたり派遣会社に登録している人は、携わる会社の就業規則に則った休日となるため、ほとんどの人が土日祝日や年末年始などは基本的にお休みとなります。

ケース2:在宅ワーカーとして

CADオペレーターはインターネットに接続できる環境であれば仕事ができるため、育児との両立などを希望する場合は在宅勤務可の会社を選択して働く人も増えていますが、業務上の都合もあり多くの人が勤めている会社や事務所と同じ日程で休んでいます。

ケース3:フリーランスとして

相応の経験を積んで実力が認められフリーランスとして独立している人は、働く場所や時間も完全に自由なため長期休暇の取得も可能です。しかし繁忙期での納期や体調もすべて自分で管理していく必要があります。

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CADオペレーターの仕事が激務と言われる理由

CADオペレーターの仕事が激務だという話をよく聞きます。もちろんプロとして仕事を行う以上、オペレーター個人の責任は決して軽くはありませんが、気になる実態はどうなっているでしょうか?

本当に激務なの?

CADオペレーターはデスクワークの仕事ですが、意外にも健康や体力面で苦労するという意見が多く見受けられます。長時間パソコンに座りながら同じ姿勢で作業するため、ドライアイや腰痛に悩まされたり、細かく繊細な作業を繰り返すため思いのほか負担が大きいのが特徴です。

激務と言われる理由は?

体力面でも思わぬ苦労のあるCADオペレーターですが、何よりも設計業務特有の修正の多さと納期のプレッシャーが、激務と言われる主な理由と言えます。クライアントから頼られている証拠ともいえますが、真面目な人ほど仕事や周囲の人に対して責任を感じてしまうかもしれません。

CADオペレーターの年収は?

CADオペレーターの平均年収は300万~400万円ほどと言われており、一般的にキャリアが長くなるほど専門知識や実務のスキルが上がるため、それに伴って収入も高額になりやすいのが特徴です。

年齢別

20代で300万円台からスタートとなり、30代で400~450万円位が目安となります。一般的に年齢が上がるほど、スキルや経験が蓄積されるため収入も高くなりやすく、40代以降のベテランは500万円以上も狙うことができます。ただし職種として実力主義なところがあり、20代で400万円程の収入を得ている人もいるようです。

経験年数別

未経験や始めたばかりのころは下積みということもあって300万円程が平均的な年収です。その後、5年くらい経験を積むと400万円程になると言われますが、10年以上のベテランオペにもなると500万以上稼ぐ人もめずらしくありません。

CADオペレーターの年収をあげるには?


CADオペレーターの年収は実務経験が大きく影響しているため、CADスキルの向上と実務を通じて専門知識や経験を積んでいくのが年収をあげる方法と言えます。

資格をとる

CADオペレーターになるのに資格は必要ありませんが、公的な資格として「CAD利用技術者試験」や「CADトレース試験」があります。自分のスキルを保証する公的な証明となるため、無資格の人よりも周囲の評価も得やすく、会社によっては一万円程度が資格手当てが月給に上乗せされるため、ひいては年収アップに繋げることができます。

経験を積む

CADの操作スキルは専門学校などを卒業してから企業に就職する人もいますが、未経験でもOJTで習得していくことができます。しかしCADの操作に精通する以上に重要になってくるのが、各々の専門性を高めることです。

身を置く業界を絞って仕事をすることで、例えば建築なら現場で使われる独特な用語や必要とされる図面、線種の意味や太さの表現上のルールといった慣習を覚えて得意分野にできれば、給与なども好条件で仕事をすることができるでしょう。

転職をする

多くの業界でCADオペレーターの需要は高く、一度習得してしまえばCADスキルは異なる業界でも通用しやすい職種です。ベテランなら未経験の頃と比べて高いCADスキルや専門知識を持っていますので、思い切って条件を交渉して他の会社に転職することもできるでしょう。

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最後に

CADオペレーターは各業界で専門家として認知されており、それなりの責任を伴いますが、職場環境が整いやすい仕事でもあるため、男性だけでなく女性や家庭との両立を希望する方にも人気がある職業です。
特に自分が作成した図面が実際に形になる達成感は、他の仕事では味わえない大きな魅力ですので、CADオペレーターの仕事に興味を持たれた方は、ぜひプロとして仕事に挑戦していただきたいと思います。

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