この記事では測量業界にチャレンジしたい方に向けて未経験の採用状況、転職成功事例、待遇、応募で注意するポイントを大公開していきます。目を通して頂ければ貴方にもチャンスがあり内定を勝ち取れる内容になっています。
測量士を未経験からでも必要な理由とは?
経験がない人でも企業が必要とするのは、どうしてでしょうか?まずは背景から解き明かします。
理由1:慢性的な人手不足
数年前に団塊の世代が一気に退職し日本全体が、どの業界でも慢性的に人材不足になっています。また近年では未曾有の災害や豪雨、台風などで急ピッチでインフラ整備に対応出来る人材確保にも課題です。
理由2:高齢化による後継者不足
現在は団塊の世代に少しでも残ってもらうために雇用延長や再雇用などに取り組んでいる企業が多いですが高齢化が深刻な問題になっています。ベテランはいるけど数年したらフルタイムで働くのは厳しい状況なので若い後継者が必要になっています。ベテランの経験や
知識を吸収出来る柔軟な人材を欲しています。
理由3:会社の若返りと活性化
未経験を欲しがる理由は、会社内の活気を上げたかったり、平均年齢が高めの業種に新卒が足を踏み入れにくいという背景もあり、若い未経験を欲しがっている傾向もあります。会社の雰囲気をもっと良くすれば、自然と会社も好転していくものです。
測量士未経験の採用ニーズは果たしてあるのか?
未経験を採用するのに何かメリットがあるのでしょうか?マンパワーが足りないから確保しておきたいと思っている方もいるでしょう。確かに人材不足の面もありますが、それだけではありません。
ニーズ1:将来の幹部候補の採用
期待その①は将来会社をリードしてくれる人材になって欲しいと思っています。測量の仕事は勿論ですが、クライアントや地元住民との打合せや説明会等でのコミュニケーション能力や交渉力が必要になってきます。どうしても社会情勢に左右される業界ですので営業能力も必要になってきます。業界未経験でもコミュニケーション能力や交渉力がある方は早いうちから測量の技術を教えておくことにメリットがあります。
ニーズ2:新しい仕事のやり方を素直に覚えてくれる
期待その②は未経験だからこそ色んな事を素直に吸収してくれる柔軟な心構えで仕事に望んで貰えると思っています。測量の技術は日々進歩しており常に勉強が伴うので吸収して会社で役立てて欲しいのです。近年では省人力化の観点でAIの技術も導入が進んでいるので、IT技術に明るい人材も重宝されます。また、積極的で素直な方はベテランの方に好かれる傾向があるので会社に早く馴染んで可愛がって貰える人材としての期待もあります。
測量士未経験者が不安になるポイントは?
経験のない世界に飛び込む時は誰しも不安なものです。未経験の方が不安に感じるポイントベスト3を紹介します。
不安1:女性でも大丈夫なのか?
建設業界は、どうしても男社会のイメージが強いと思いますが実際は昔よりは増加傾向にあるようです。女性には男性にはない柔らかい話し方や和ませる笑顔があるのでコミュニケーションが重要になる現場や打合せでは男性よりもスムーズに行くことがあります。また、現場では、どうしても力仕事が必要になってくるので男性の力を借りないといけませんが測量した大量のデータ整理は女性の方が得意なので適材適所で活躍出来る場があります。
不安2:資格がなくて会社で活躍できるのか?
勿論資格があった方が採用では有利になりますが、無資格でも問題ないという企業は多く存在します。そもそも測量士の資格には受験資格が存在しないので勉強をすれば誰でも取得出来るものになっているので会社に入ってから取得してくれて全然構わないというのが本音のようです。時間に余裕がある方や、予め基礎知識を頭に入れておきたいという方は資格を取得しておけば面接でやる気をアピールすることが出来ます。
不安3:長時間労働でブラックではないのか?
残念ながら決算時期や繁忙期は存在し労働時間が長くなる傾向はあるようです。しかし昨今の労働環境の変化やワークライフバランスの観点から以前よりも残業時間を減らす活動に取り組んでいる企業も増えています。
測量士未経験者がとるべき資格とは?
転職活動を始める前に資格を取得しておくと活動を有利に進めることが出来ます。ここではオススメの資格を紹介します。出来れば全て取得しておくのが良いですが時間がないようであれば一つだけでも大丈夫です。
資格1:測量士
まずは絶対必要な測量士です。実は受験資格がなく誰でも受験出来るってご存知でしたか?
そのため勉強すれば誰でも取得のチャンスがあります。国家資格なので難易度、やや高めです。合格率は10%台を推移しています。測量の知識のほかに高校生程度の数学の知識や、CADでの製図の知識も必要です。数学や製図をしたことのない人にとっては理解に時間もかかります。受験料は4250円と国家資格にしてはリーズナブルです。詳しくは国土地理院のHPから受験内容を確認しましょう。
資格2:土地家屋調査士
土地家屋調査士は土地を測量した後に登記する所まで出来る資格です。登記とは、例えば土地を登記する場合に測量した土地の権利を社会に公にするために帳簿に記載することです。資格試験も測量士を持っていると測量の分野は免除されるので両方持つ人も少なくありません。受験資格も特に制限がなく誰でも受験出来ます。難易度は測量士よりも難しいです。民法や登記の知識も問われるので、その分難易度も上がりますが将来、建築コンサルタントを目指す方にもオススメの資格です。
未経験測量士の待遇面は?
待遇は経験の有無に関わらず気になる所です。給料や手当は生活に直結するので、ここで纏めておきます。
初任給
相場は20万前後といったところでしょうか。オリンピックの影響もあり関東方面に行くともう少し高いようです。関東と地方のとの年収の差は最大で160万程もあります。
資格の有無
資格手当は会社によってまちまちですが測量士の相場は2千円から1万円程度で土地家屋調査士の相場は1~2万程度になっています。法律が関わってくる土地家屋調査士の方が割高になっています。2つ持っていると最低でも1万2千円は固いです。
未経験から採用された測量士のリアルな声
実際に未経験から内定を勝ち取っている方はどんなキッカケや活動の仕方をしているのでしょうか?赤裸々な内容と共にご覧ください。
ケース1:未経験
林さん(27歳)
<前職>
前職:不動産営業
勤続年数:4年
年収 : 370万
転職回数:0回
残業時間:65時間
<転職後>
職種 : 測量士
勤続年数:1年
年収:300万
残業 : 40時間
前職では、みなし残業代が40時間分ついているだけで契約を取らないと年収や評価に繋がらないので正直不安でした。そんな時に土地を売りたいお客様の測量の立会いに行った時に『機械を使って面白そうだし、手に職をつけてる感じでカッコイイ』と思い測量に興味を持ちました。調べてみると資格は勉強すれば取れることが分かり勉強してみました。勉強して見ると、意外に面白く試験にも一発で合格して測量会社に転職しようと思いました。
活動は転職エージェントに相談士ながら進める事にしました。測量士を目指したキッカケや勉強しても熱意に変わりがなかった事を伝えると『大変な業界ですが、その熱意があれば大丈夫そうですね』『いくつかピックアップしてみるのでお待ち下さい』と言われて数日の内に7社ピックアップしてもらい書類を送付してもらいました。1週間後、4社から面接オファーが来ました。すぐに面接の練習を行い、重点的に志望動機と退職理由を対策しました。
面接当日は志望動機、退職理由の他、測量業界に入る覚悟を確認され、将来どうなりたいかを聞かれスムーズに答えられました。結果としては受けたところ全てに受かり一番教育と福利厚生の良い会社に決めました。転職して1年ですが、ベテランの元で日々勉強させて頂き成長を実感しています。
ケース2:未経験
川上さん(21歳)
<前職>
前職:土木施工管理
勤続年数:1年
年収 : 370万
転職回数:0回
残業時間:60時間
<転職後>
職種 : 測量士
勤続年収:半年
年収:360万
残業 : 45時間
高校で建築を勉強し測量に興味を持ち測量が学べる専門学校にいきました。新卒で大手の建設会社に入社したものの希望の測量の部署には行けず、施工管理に配属になりました。希望の測量に配置転換を申し出ましたが最低でも3年は今の部署で我慢して欲しいと言われ、短い勤続年数でしたが転職を決意しました。
初めての転職なのでエージェントに相談してみました。すると『若い時に後悔するよりも、なりふり構わず好きなことに向かって突き進もうとする君の姿勢は好印象だよ』と言われ励まされました。負い目を感じていた自分に突き刺さり転職活動に拍車をかけました。
エージェントの指導により書類と面接の準備が出来てきたので、数社採用を受けることにしました。勉強はしてきましたが、教育を全くしないような所や法外な残業、サービス残業が多いところは避けてもらいました。面接では熱意とやる気を首尾一貫伝えることに意識しました。内定を頂いた企業の役員からは『久しぶりに芯のある若い人を見たよ、宜しくね』と言われました。
転職して半年経ちますが、毎日有意義な時間を過ごせています。ベテラン社員からも可愛がってもらいながら忙しく働いています。
ケース3:未経験
中道さん(31歳)
<前職>
前職:社内SE
勤続年数:5年
年収 : 420万
転職回数:1回
残業時間:20時間
<転職後>
職種 : 測量士
勤続年収:1年
年収:300万
残業 : 45時間
前職では会社のネットワークの保守、点検や社員のパソコンにログイン出来なくなった時の対応等、プログラム等のスキルも身につかないので漠然と将来が不安でした。そんな時にふと、測量会社の方が建設予定地で機械を覗きこんでいる人を見かけて気になり調べてみると仕事内容が魅力的に映りました。口コミでは大変で過酷な業務というものもあったりしましたが、今の時点で大したスキルがない私にとって輝いて見えた事もあり早速転職サイトに登録しました。
活動はエージェントを活用しました。相談すると『年齢と未経験はおっしゃる通り厳しい状況ですが、熱意と転職に至った経緯を掘り下げて、資格の勉強等をされては如何でしょう?』と言われました。資格が今の状況で挑戦出来るとは知らなかったので3ヵ月間勉強をして取得しました。資格は確かに熱意に繋がるなと思い、そこから本格的な転職活動をスタートしました。
書類が通り数社面接に進み対策を行いました。面接では練習以外の入社への覚悟を確認されましたが、終始頷いて頂き手ごたえを感じました。結果は内定でホットしたのを覚えています。
転職して1年ですが若い人達に負けないように日々努力しています。エージェントの方には本当に感謝しています。
未経験者が応募時に注意すること
未経験の採用を受けるとなった場合、書類や面接で気をつけないといけないことがあります。全てではありませんが、まずは以下の事を心掛けましょう。
面接
未経験なので熱意とやる気を伝えないといけません。また年齢が30を超えている場合は今までの経験を踏まえて測量業界に活かせそうなスキルも織り交ぜて受け答えをしましょう。
体験談にもありましたが資格の勉強は勿論の事、業界の情報収集をしておくと良いです。
注意したいのは、ただ単に『やる気だけは負けません』等といった漠然とした内容ではなく、志望のきっかけから熱意に繋がるような話し方を心掛けましょう。
履歴書
書類では資格は関係のありそうなものだけを記入し志望動機、自己PR等に注力しましょう。例えばまだ資格を取得していなくても勉強中と書くだけでも熱意に繋がります。また仕事に対する姿勢や心構え等も未経験では有効な自己PRになるので前職までの仕事内容の整理をしておきましょう。
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