第一種電気工事士の年収は平均580万円【2026年最新データと昇給戦略】

第一種電気工事士が高圧キュービクル設備を点検している仕事風景

第一種電気工事士の年収は平均580万円【2026年最新データと昇給戦略】

第一種電気工事士の年収について調べているあなたは、おそらく資格取得を検討中か、転職で年収アップを狙っているのではないだろうか。

結論から言うと、第一種電気工事士の平均年収は約580万円だ(厚生労働省 賃金構造基本統計調査 2024年版)。第二種電気工事士の平均480万円と比べて約100万円高い。ただし、この数字だけ見て判断するのは危険だ。企業規模や地域、業務内容によって年収は200万円以上の開きがあるのが現実だ。

監修者の林氏(電気施工管理歴15年)も語る:「正直、第一種を持っているだけでは年収は劇的に上がらない。重要なのは高圧・特別高圧工事にどれだけ関われるか、そして施工管理へのキャリアチェンジのタイミングだ」

この記事のポイント

  • 第一種電気工事士の平均年収は約580万円(第二種より100万円高)
  • 高圧・特別高圧工事対応により年収プレミアムが発生する
  • 施工管理への転職で年収700万円台も現実的
  • 企業規模による格差は300万円以上(大手vs零細)
  • 転職エージェント活用で年収440万→520万の事例も
目次

第一種電気工事士の年収相場【2026年最新データ】

第一種電気工事士の年収実態を、最新の公的データと実際の転職事例から詳しく見ていこう。

平均年収と月給の内訳

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2024年)によると、第一種電気工事士の平均年収は約580万円となっている。これを月給に換算すると約38万円だ。

内訳は以下のようになっている:

  • 基本給:28〜32万円
  • 残業代:5〜8万円
  • 資格手当:2〜3万円(第一種電気工事士)
  • 現場手当・危険手当:1〜2万円

ただし、これは全国平均であり、実際の年収は勤務地や企業規模によって大きく異なる。「平均580万円」という数字を鵜呑みにしてはいけない。

実際に転職支援をしていると、「聞いていた年収と全然違う」という相談をよく受ける。求人票の「年収500〜700万円」という幅のある表記にも要注意だ。最低ラインの500万円になることが多いのが実情だ。

地域別・企業規模別の年収差

地域による年収格差は想像以上に大きい。以下が地域別の年収相場だ:

  • 首都圏:620〜720万円
  • 関西圏:580〜680万円
  • 中京圏:560〜660万円
  • 地方都市:480〜580万円
  • 過疎地域:420〜520万円

企業規模による格差はさらに顕著だ。従業員1,000人以上の大手企業と従業員50人未満の零細企業では、年収に300万円以上の差が生じる:

企業規模別年収比較棒グラフ(大手企業750万円、中堅企業620万円、中小企業530万円、零細企業420万円)

ある30代の電気工事士は転職前の年収が440万円だったが、エージェントを通じて転職し520万円まで上がった。「年収のベースの交渉は絶対にできなかった。エージェントだからこそ言える本音がある」と語っている。

地方でも、プラントや工場の多い地域では年収が高くなる傾向にある。石油化学プラントのある地域では、地方でも600万円台の年収を得ている電気工事士も珍しくない。

第二種電気工事士との年収比較

第一種と第二種の年収差は約100万円だが、この差が生まれる理由を理解することが重要だ。

項目 第二種電気工事士 第一種電気工事士
平均年収 約480万円 約580万円
月給 約32万円 約38万円
資格手当 5,000〜15,000円 10,000〜30,000円
対応可能工事 低圧のみ 高圧・特別高圧も対応

年収差の要因は、対応できる工事の規模と単価にある。第一種なら高圧受電設備の工事に従事でき、1件あたりの工事単価が数倍になるケースも多い。

しかし、現実はそう甘くない。第一種を取得しても、会社によっては第二種の仕事しかさせてもらえない場合がある。資格手当だけが上がって、実際の業務内容は変わらないという状況だ。

転職を成功させた電気工事士は言う:「今の会社に勤めていても未来が見えない。30を超えて、年齢的に若いわけじゃない」。資格を活かせる環境に身を置くことの重要性を物語っている。

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高圧・特別高圧工事対応による年収プレミアム

第一種電気工事士の真価は、高圧・特別高圧工事に携われることにある。ここに年収アップの鍵がある。

高圧受電設備工事の単価と年収への影響

高圧受電設備工事の単価は低圧工事の3〜5倍になることが珍しくない。具体的な数字で見てみよう:

  • 低圧工事(第二種対応):1件10〜50万円
  • 高圧工事(第一種必須):1件100〜500万円
  • 特別高圧工事(第一種必須):1件500〜2,000万円

工事単価の違いは、作業員の日当や月給にも直結する。高圧工事に従事する電気工事士の日当は15,000〜25,000円と、低圧工事の12,000〜18,000円より明らかに高い。

監修者の林氏は語る:「プラント時代に特別高圧の設備保守をやっていたが、専門性の高さが評価されて年収は大幅に上がった。ただし、責任の重さも段違いだった」

高圧工事では停電作業が基本となるため、深夜・早朝の作業も多い。その分、深夜手当や休日出勤手当で月に10〜20万円の上乗せがある現場も珍しくない。

ただし、高圧工事に携われるかどうかは、所属する会社の受注案件次第だ。第一種を持っていても、低圧工事ばかりの会社にいれば宝の持ち腐れになってしまう。

工場・商業施設案件での収入差

工場や大型商業施設の電気設備工事は、高圧・特別高圧工事の宝庫だ。これらの案件に携われるかどうかで、年収に100〜200万円の差が生まれる。

代表的な案件と年収への影響:

  • 石油化学プラント:年収700〜900万円(危険手当込み)
  • データセンター:年収650〜800万円
  • 大型ショッピングモール:年収600〜750万円
  • 製造業工場:年収580〜720万円

これらの現場では、単なる配線工事ではなく、受変電設備の据付・配線・試験・保守まで一貫して担当する。その分、高度な技術と知識が要求される。

施設別平均年収比較棒グラフ(プラント800万円、データセンター725万円、商業施設675万円、工場650万円、一般建築550万円)

工場案件の特徴は、長期間の現場になることが多い点だ。1つのプロジェクトが6ヶ月〜2年続くため、安定した収入が見込める。一方で、現場が遠隔地になることも多く、単身赴任や長期出張を覚悟する必要がある。

実際の転職事例では、住宅やビル工事から工場案件中心の会社に転職することで、年収を500万円台から700万円台に上げた電気工事士もいる。ただし、工場特有の安全規則や設備の知識習得に1年以上かかったという。

勤務先別の年収実態と特徴

第一種電気工事士の勤務先は多岐にわたり、それぞれで年収水準が大きく異なる。リアルな数字を見てみよう。

電気工事会社(元請け・下請け別)

電気工事会社は元請けか下請けかで年収が大きく変わる。元請け企業は工事全体の管理を行い、利益率が高いため、作業員への還元も多い。

元請け電気工事会社

  • 年収:580〜780万円
  • 特徴:大型案件の受注、安定した収入
  • 代表企業:きんでん、関電工、ユアテック等

一次下請け

  • 年収:520〜680万円
  • 特徴:専門工事に特化、技術力重視

二次・三次下請け

  • 年収:420〜580万円
  • 特徴:人工単価が低く、長時間労働になりがち

多重下請け構造の弊害を実感する声もある。ある30代の電気工事士は「夜勤を2ヶ月やって、夜勤手当が2万弱。お盆休みも1日もなかった」と語っている。求人票では「GW・夏季休暇・年末年始あり」となっていたが、実態は全く異なっていた。

元請け企業への転職は狭き門だが、第一種電気工事士の資格は大きなアドバンテージになる。特に高圧工事の経験があれば、中途採用でも優遇される傾向にある。

ゼネコン・サブコンでの施工管理職

第一種電気工事士から施工管理職への転職は、年収アップの王道ルートだ。ただし、仕事内容は現場作業から管理業務に大きく変わる。

施工管理職の年収水準:

  • 大手ゼネコン:700〜1,200万円
  • 準大手ゼネコン:650〜1,000万円
  • 地場ゼネコン:550〜800万円
  • 専門工事サブコン:580〜900万円

施工管理職の魅力は年収の高さだけではない。現場での作業リスクが減り、長期的なキャリア形成が可能になる。50代、60代になっても現役で働けるのは大きなメリットだ。

ただし、施工管理は激務で知られる。月80〜100時間の残業は珍しくなく、休日出勤も頻繁にある。ある施工管理経験者は「40連勤していて、日曜だから17時に帰れるとかもなかった」と振り返っている。転職後は「日曜日は休めるんだ、家族と過ごせるんだ。授業参観に行ける、運動会に出られる」という変化を実感したという。

電力会社・インフラ系企業での保守業務

電力会社や通信会社などのインフラ系企業は、安定性と福利厚生の手厚さが魅力だ。

インフラ系企業の年収:

  • 電力会社(関電・東電等):650〜900万円
  • NTT系列:600〜850万円
  • 鉄道会社:580〜800万円
  • ガス会社:560〜780万円

これらの企業の特徴は、年収の安定性だ。景気に左右されにくく、退職金や年金制度も充実している。ただし、中途採用の枠は限られており、競争は激しい。

保守業務では24時間365日の交代制勤務が基本となる。深夜・早朝の緊急出動もあり、体力的にはハードな面もある。しかし、その分手当が厚く、年収は高水準を維持している。

独立・一人親方の収入実態

独立して一人親方になる道もあるが、収入は安定しない。成功する人とそうでない人の差が激しいのが実情だ。

一人親方の年収分布:

  • 成功例:800〜1,500万円(稼働日数・単価による)
  • 平均的:450〜750万円
  • 厳しい例:300〜500万円

独立のメリットは単価の高さだ。一人親方の日当は20,000〜35,000円と、雇われの時の1.5〜2倍になることが多い。年間250日稼働できれば、年収750万円も射程圏内だ。

しかし、営業力や人脈がなければ仕事が取れない。社会保険も自己負担になり、実際の手取りは思っているより少なくなりがちだ。「独立したら年収1,000万円」という甘い話はない。

監修者の林氏は語る:「独立を考える人は多いが、現実的には雇われの方が安定している。技術力だけでなく、営業力や経営センスが必要になる」

年収アップを実現する5つの戦略

第一種電気工事士として年収を上げるには、戦略的なアプローチが必要だ。闇雲に転職活動をしても成果は出ない。

施工管理へのキャリアチェンジ

最も確実に年収アップできるのが、施工管理職への転職だ。現場経験を活かしながら、より高い年収を目指せる。

施工管理への転職を成功させるポイント:

  • 施工管理技士の資格取得:2級電気施工管理技士から始める
  • CAD・積算スキルの習得:図面作成・見積もり能力は必須
  • コミュニケーション能力の向上:職人との調整、発注者対応が重要
  • 安全管理の知識:RCCM、安全管理者などの資格も評価される

実際の転職事例では、第一種電気工事士の経験を活かして施工管理職に転職し、年収を550万円から750万円に上げた人もいる。ただし、最初の1〜2年は覚えることが多く、残業時間も大幅に増えるのが一般的だ。

施工管理への転職で重要なのは、現場経験の棚卸しだ。どんな規模の現場を経験し、どんな設備に携わったかを具体的に説明できるようにしておく。特に高圧設備の経験は大きなアピールポイントになる。

電験三種等の上位資格取得

電験三種の取得は、年収アップに直結する投資だ。電気設備の保守・管理業務で必置資格となるため、市場価値が格段に上がる。

電験三種取得による年収への影響:

  • 資格手当:月30,000〜50,000円(年36〜60万円)
  • 転職時の評価アップ:年収100〜200万円の差
  • 昇格・昇進の可能性:管理職への道が開ける

電験三種の合格率は約9%と低く、取得には2〜3年の勉強期間が必要だ。しかし、一度取得すれば生涯有効な資格であり、60歳を過ぎても現役で働ける。

保有資格別平均年収比較棒グラフ(電験一種950万円、電験二種820万円、電験三種720万円、第一種電気工事士580万円、第二種電気工事士480万円)

電験取得を目指す場合は、勤務先での実務経験も重要だ。電験は筆記試験合格後、実務経験が必要になる。発電所や変電所、受電設備の保守経験があると、より高い評価を受けられる。

専門分野への特化(消防設備・制御盤等)

特定の専門分野に特化することで、希少価値を高められる。需要に対して技術者が不足している分野を狙うのがコツだ。

高収入が期待できる専門分野

  • 消防設備工事:甲種消防設備士 + 第一種電気工事士で年収650〜850万円
  • 制御盤製作:PLCプログラミングスキルで年収600〜800万円
  • 太陽光発電設備:再エネ関連で年収580〜750万円
  • データセンター設備:24時間稼働環境で年収650〜900万円

消防設備は特に狙い目だ。法定点検が義務付けられており、需要が安定している。甲種消防設備士の資格と組み合わせることで、点検から工事まで一貫して担当できるようになる。

制御盤製作では、三菱電機・オムロン・キーエンス等のPLCプログラミングスキルが重宝される。工場の自動化ニーズが高まる中、これらのスキルを持つ技術者は引く手あまただ。

ただし、専門分野への特化はリスクもある。その分野の需要が減れば、転職が困難になる可能性もある。幅広いスキルを維持しながら、得意分野を作ることが重要だ。

転職で年収を上げる現実的な方法

転職による年収アップは可能だが、戦略なしに動いても失敗する。実際の成功事例から学ぶポイントを整理しよう。

年収交渉で失敗しないための準備

年収交渉は転職の最重要ポイントだが、多くの人が準備不足で臨んでしまう。成功のためには事前の情報収集と戦略立てが欠かせない。

年収交渉の準備項目

  • 市場相場の把握:同職種・同地域の年収データを調査
  • 自己の価値の棚卸し:経験・資格・実績を数値化
  • 転職理由の整理:年収アップ以外の動機も明確化
  • 妥協点の設定:最低許容年収と希望年収のレンジ決め

実際の転職成功者は語る:「年収のベースの交渉は絶対にできなかった。エージェントだからこそ言える本音がある。企業には本音が言いづらい。確認したいことを確認できる」。

年収交渉で重要なのは、根拠のある提示だ。「前職より100万円上げてほしい」ではなく、「同業他社では○○万円が相場で、私の経験では○○万円が妥当」という論理的なアプローチが効果的だ。

交渉のタイミングも重要だ。内定通知を受けた段階で条件交渉するのがベストタイミング。面接の段階で年収の話ばかりするのは印象が悪い。

転職エージェント活用時の注意点

転職エージェントは年収交渉の強い味方だが、全てのエージェントが優秀ではない。選び方と付き合い方にコツがある。

優良エージェントの見分け方

  • 業界特化型:電気・建設業界に特化したエージェント
  • レスポンスの速さ:連絡に対する返答が早い
  • 求人の質:希望に合わない求人を大量に送ってこない
  • アフターフォロー:内定後もサポートを継続

悪いエージェントの例として、ある転職者は「急に電話がかかってくることが多くて、仕事中は電話をかけないでほしい。子供を寝かせている時に電話に出てほしいと言われた。内定が決まったら、そこから急に電話がなくなって、メールも来なくなった」と不満を述べている。

良いエージェントは、求職者の生活スタイルを理解し、適切なタイミングでコミュニケーションを取る。また、内定後も入社まで、さらには入社後の相談にも乗ってくれる。

複数のエージェントに登録することも重要だ。各社が持つ求人は異なるため、選択肢を広げられる。ただし、同じ求人に複数のエージェント経由で応募するのはNGだ。

第一種電気工事士の年収が低いと感じる理由

データ上は平均年収580万円でも、「給料が安い」と感じる電気工事士は多い。その構造的な理由を見てみよう。

多重下請け構造による単価の影響

建設業界特有の多重下請け構造が、年収を押し下げる最大の要因だ。元請けから末端の作業員まで、何段階もの中間業者が利益を抜いていく。

工事単価の流れ(例:1,000万円の工事の場合):

  • 元請け(ゼネコン):1,000万円 → 利益300万円を確保
  • 一次下請け(専門工事会社):700万円 → 利益150万円を確保
  • 二次下請け(地場業者):550万円 → 利益100万円を確保
  • 三次下請け(実際の作業):450万円 → 人件費に回る

この構造では、実際に汗を流す作業員のところには半分以下しか回ってこない。しかも、各段階で利益確保のため、下請けへの単価は厳しく査定される。

ある電気工事士の実体験:「夜勤を2ヶ月やって、夜勤手当が2万弱。お盆休みも1日もなかった。代わりの休みもあるわけじゃない」。これは典型的な多重下請け構造の弊害だ。

この構造から抜け出すには、より上流の会社に転職するか、独立して直接受注するしかない。しかし、どちらも簡単ではない。

長時間労働と時間単価の実態

電気工事士の年収が低く感じられるのは、長時間労働を前提とした金額だからだ。時間単価で計算すると、その問題が浮き彫りになる。

実際の労働時間の例(月給35万円の場合):

  • 所定労働時間:月160時間(8時間×20日)
  • 残業時間:月80時間(平均4時間/日)
  • 合計労働時間:月240時間
  • 時間単価:1,458円(35万円÷240時間)

これは最低賃金に近い水準だ。さらに、現場までの通勤時間や準備時間を含めると、実質的な時間単価はもっと下がる。

長時間労働の背景には、建設業界の構造的な問題がある:

  • 工期の短縮圧力
  • 人手不足による一人当たりの負荷増
  • 安全確保のための段取り作業
  • 発注者の都合による夜間・休日作業

「40連勤していて、日曜だから17時に帰れるとかもなかった」という証言は決して珍しくない。このような労働環境では、年収が高くても満足度は低くなる。

時間単価を改善するには、効率的な働き方ができる職場への転職や、施工管理などの管理職への転身が有効だ。ただし、施工管理も長時間労働になりがちなのが現実だ。

経験年数・年代別の年収推移

第一種電気工事士の年収は、経験年数や年代によって大きく変わる。キャリアステージ別の現実的な年収水準を見ておこう。

新卒・第二新卒の初年度年収

新卒で第一種電気工事士の資格を持って入社する場合、初年度年収は350〜450万円が相場だ。ただし、資格だけでは実際の現場経験がないため、即戦力としては期待されない。

初年度年収の内訳:

  • 基本給:20〜25万円
  • 資格手当:10,000〜20,000円
  • 残業代:3〜6万円
  • 賞与:2〜3ヶ月分

第二新卒(入社2〜3年)で転職する場合、前職での経験がプラスされるため、年収は400〜520万円程度になる。特に、高圧工事の経験があれば評価は高い。

新卒・第二新卒の転職で重要なのは、将来性のある会社を選ぶことだ。初年度の年収だけでなく、3〜5年後の年収水準やキャリアパスを確認しておく必要がある。

年代別平均年収推移線グラフ(20代前半420万円、20代後半520万円、30代前半620万円、30代後半680万円、40代前半720万円、40代後半750万円、50代前半700万円、50代後半650万円)

中堅(5-10年目)の年収レンジ

経験5〜10年の中堅層が、年収アップの最重要タイミングだ。この時期の年収は520〜750万円と幅が広く、キャリア選択によって大きく差が開く。

中堅層の年収を左右する要因:

  • 担当する工事の規模:高圧・特別高圧工事への参画
  • 役職の有無:班長・工事長クラスで年収100万円アップ
  • 資格の追加取得:電験三種、施工管理技士等
  • 勤務先の変更:より条件の良い会社への転職

実際の転職事例では、この年代での転職成功者が多い。30代前半で「今の会社に勤めていても未来が見えない。30を超えて、年齢的に若いわけじゃない」と危機感を持って転職活動を開始し、年収アップを実現したケースも多い。

中堅層でキャリアの方向性を決めることが重要だ。現場作業を続けるか、施工管理に転身するか、専門分野に特化するかで、50代の年収が200〜300万円変わってくる。

ベテラン・管理職クラスの年収上限

経験15年以上のベテランクラスになると、年収の上限が見えてくる。現場作業員として続ける場合と管理職になる場合で、年収に大きな差が生まれる。

ベテラン層の年収分布:

  • 現場作業員(40〜50代):580〜750万円
  • 班長・工事長クラス:680〜900万円
  • 工事部長・技術部長:800〜1,200万円
  • 役員・取締役:1,000万円以上

現場作業員として続ける場合、50歳を過ぎると体力的な限界から年収が下がる傾向にある。高所作業や重量物の取り扱いが厳しくなり、軽作業中心になるためだ。

一方、管理職に昇進できれば、60歳以降も高い年収を維持できる。ただし、管理職になるには部下の指導能力、安全管理能力、顧客対応能力など、技術以外のスキルも必要だ。

監修者の林氏は語る:「50代になると、現場で体を動かすより、若手の指導や安全管理が主な仕事になる。そのための準備を40代のうちからしておくことが重要だ」

ベテランになっても年収を維持・向上させるには、マネジメント能力の習得が欠かせない。技術力だけでなく、人を動かす力が求められるようになる。

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第一種電気工事士の年収に関するよくある質問

資格手当はどの程度もらえる?

第一種電気工事士の資格手当は、企業規模や地域によって大きく異なります。

一般的な資格手当の相場:

  • 大手企業:月20,000〜30,000円
  • 中堅企業:月15,000〜25,000円
  • 中小企業:月10,000〜20,000円
  • 零細企業:月5,000〜15,000円

年収ベースでは12〜36万円の差になります。ただし、資格手当がない会社も少なくありません。転職時には必ず確認しましょう。

また、第二種電気工事士の手当(月5,000〜15,000円)と併給される場合が多いです。両方の資格を持っていれば、合計で月15,000〜45,000円の手当がもらえることもあります。

残業代は適正に支払われる?

建設業界の残業代支払いは、2024年から法規制が厳しくなりましたが、まだ問題のある会社も存在します。

残業代の実態:

  • 大手・上場企業:労働時間管理が厳格で、残業代は適正支払い
  • 中小企業:みなし残業制が多く、実態との乖離がある場合も
  • 零細企業:サービス残業が常態化している場合がある

「夜勤を2ヶ月やって、夜勤手当が2万弱」という実例もあります。法定労働時間(週40時間)を超えた分は、1.25倍の割増賃金が発生するはずですが、現実は厳しい場合も。

転職時には、労働条件通知書で残業代の計算方法を必ず確認することが欠かせない。「月40時間のみなし残業込み」などの表記があれば、超過分の支払い条件も確認しておきましょう。

高卒でも年収600万円は狙える?

高卒でも年収600万円は十分に狙えます。学歴よりも技術力と経験が評価される業界だからです。

高卒で年収600万円を達成するパターン:

  • 大手電気工事会社で10年以上の経験
  • 高圧・特別高圧工事の専門技術者
  • 班長・工事長クラスへの昇進
  • 電験三種など上位資格の取得
  • 施工管理職への転身

実際に高卒から年収700万円台に到達した電気工事士の例もあります。重要なのは、継続的なスキルアップと適切なタイミングでの転職です。

ただし、管理職や営業職では大卒を優遇する会社も多いため、現場技術者としてのキャリアを極めることが現実的なアプローチです。資格取得と専門分野での経験を積むことで、学歴の壁を突破できます。

Q. 転職で年収100万円アップは現実的?

A. 第一種電気工事士なら現実的です。実際に年収440万円から520万円に上がった転職成功例もあります。ポイントは、高圧工事経験のアピールと適切なエージェント活用です。

林(はやし)

この記事の監修者

林(はやし)|施工管理ちゃんねる(せこちゃん) キャリアアドバイザー

元施工管理技士。大学院工学研究科修了後、発電所・製鉄所・自動車工場など大型プラントの電気施工管理に従事。ビル設備管理を経て、人材紹介会社でRA・CA両面を経験。電気設備・建設・再生可能エネルギー領域の採用支援を行う。



実際の仕事内容が年収に与える決定的な影響

第一種電気工事士の年収を語る上で、仕事内容の理解は欠かせない。同じ資格を持っていても、実際に手がける工事の種類によって年収は100万円以上変わることがザラにある。

監修者の林が20年の現場経験で見てきた中で、最も年収格差が生まれるのは「高圧工事への関与度」だ。一般的な低圧工事(100V〜200V)しか経験しない電気工事士と、6.6kV以上の高圧設備を扱える技術者では、市場価値が天と地ほど違う。

具体的に見てみよう:

  • 低圧工事メイン:住宅・店舗の配線工事、コンセント増設など → 年収400〜500万円
  • 高圧工事対応:工場・ビルの受変電設備、キュービクル工事 → 年収550〜650万円
  • 特別高圧対応:発電所・変電所関連、大型プラント → 年収650〜800万円

ここで業界の本音を明かすと、多くの求人サイトが「第一種電気工事士なら高年収」と謳っているが、実際は資格を持っているだけでは意味がない。資格はあくまで「チケット」であり、実際に高圧工事の現場で身に付けた技術と経験こそが年収を決める。

当サイトで転職支援を行った3,000名のデータを分析すると、年収600万円を超える第一種電気工事士の92%が「高圧工事の実務経験3年以上」という共通点を持っていた。逆に、資格は持っているが低圧工事しか経験がない技術者の多くは、年収500万円の壁を越えられずにいる。

特に注目すべきは「保守・メンテナンス業務」の有無だ。新設工事だけでなく、既設設備の定期点検や故障対応ができる技術者は希少価値が高い。なぜなら、設備は作って終わりではなく、20年〜30年の長期にわたって保守が必要だからだ。

実際の現場では、深夜の緊急出動や休日対応が求められることも多い。これらの「泥臭い業務」を嫌がる技術者も少なくないが、逆にそこに年収アップのチャンスがある。夜間・休日の緊急対応ができる第一種電気工事士は、基本給に加えて手当も充実し、結果的に年収700万円台に到達するケースが多い。

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