第一種電気工事士の資格完全ガイド2025 – 試験日程・合格戦略・転職活用法
「第一種電気工事士を取れば年収が上がる」——そんな話を聞いたことがあるかもしれない。でも正直、資格を取っただけでは意味がない。重要なのはどう活用するかだ。
実際に現場で15年間施工管理をしてきた経験から言うと、第一種電気工事士は確実に年収アップとキャリアアップに直結する。ただし、免状交付に必要な実務経験5年をどう積むかで、その後のキャリアが大きく変わってしまう。
特に設計職の人は要注意だ。設計業務では実務経験がカウントされず、せっかく試験に合格しても免状がもらえない。そんな人のために、この記事では施工管理への転身パスも含めて解説していく。
この記事のポイント
- 第一種電気工事士の試験合格率は筆記46.8%・実技64.1%(電気技術者試験センター)
- 資格手当は月1〜3万円、年収は400〜650万円レンジが相場
- 免状交付には実務経験5年が必須 — 設計職では不可、施工管理なら可
- 2025年筆記試験は10月5日、実技試験は12月14日実施予定
- 電気主任技術者取得への逆算キャリアパスも構築可能
第一種電気工事士資格とは?工事範囲と取得メリット
第一種電気工事士は、高圧(600V超〜7000V以下)の電気工事ができる国家資格だ。第二種が一般住宅や小規模店舗の低圧工事に限られるのに対し、第一種は工場やビル、病院などの大規模施設を扱える。
▶ 第一種電気工事士が“すごい”理由 – 資格の…で詳しく解説しています
この違いが年収格差を生む最大の理由。大規模工事は単価が高く、責任も重い分、それに見合った報酬が得られる。
第一種と第二種の工事範囲の違い(高圧・低圧・特別高圧)
電気工事の範囲は電圧によって明確に分かれている:
- 低圧(600V以下):第二種電気工事士で対応可能。一般住宅、小規模店舗
- 高圧(600V超〜7000V以下):第一種電気工事士が必要。工場、中規模ビル
- 特別高圧(7000V超):電気主任技術者の監督下で第一種が工事可能
現場で痛感したのは、高圧工事と低圧工事では求められる知識レベルが全く違うこと。高圧設備は一歩間違えれば大事故につながるため、安全管理や技術的判断により高い専門性が求められる。だからこそ、第一種電気工事士の市場価値は高いのだ。
第一種電気工事士が扱える設備・工事の具体例
第一種電気工事士が担当する具体的な設備・工事は以下の通り:
- 受変電設備:キュービクル式高圧受電設備の工事・保守
- 動力設備:工場の製造ライン、エレベーター、大型空調設備
- 照明設備:大型商業施設、病院、学校の照明系統
- 防災設備:自動火災報知設備、避難誘導灯、非常用発電機
- 通信設備:放送設備、インターホン、監視カメラシステム
施工管理をしていた頃、病院の受変電設備更新工事を担当したが、24時間稼働の施設で停電は許されない。夜間作業が中心で、1つのミスが患者の生命に関わる。そんな現場では、第一種電気工事士の技術と判断力が欠かせなかった。

資格取得による年収アップと資格手当の相場
第一種電気工事士の資格手当相場は月額1〜3万円。年間で12〜36万円の収入アップとなる。ただし、本当のメリットは昇進・昇格への影響だ。
企業規模別の資格手当実態:
| 企業規模 | 月額資格手当 | 昇進への影響 |
|---|---|---|
| 大手ゼネコン | 2〜3万円 | 現場代理人昇格の必須条件 |
| 電気工事専門会社 | 1.5〜2.5万円 | 工事主任者の推奨資格 |
| 設備管理会社 | 1〜2万円 | 主任技術者の優遇条件 |
実際に面談した30代の電気工事士は「実務経験のカウントができるというところがミートしているのであれば、結構いい感じだと思います」と語っていた。彼のように、年収アップを狙って資格活用を考える人が増えている。
第一種電気工事士の受験資格と資格条件
第一種電気工事士の受験は誰でもできるが、免状交付には実務経験5年が必要だ。この5年をどう積むかが、その後のキャリアを左右する。
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筆記・実技試験の受験に必要な条件
受験資格に制限はない。学歴・年齢・実務経験に関係なく、誰でも受験できる。第二種電気工事士を取得していなくても、いきなり第一種から受験可能だ。
ただし現実的には、電気の基礎知識がない初心者がいきなり第一種を受験するのは厳しい。筆記試験の合格率46.8%という数字が物語っている通り、第二種(筆記61.5%)より確実に難しいからだ。
受験に必要な書類:
- 受験申込書
- 写真(最近6か月以内、4.5cm×3.5cm)
- 受験手数料(筆記試験:11,300円、実技試験:11,300円)
免状交付に必要な実務経験5年の詳細条件
ここが最大の落とし穴。試験に合格しても、実務経験5年がなければ免状は交付されない。そして「実務経験」の定義は意外と厳格だ。
実務経験として認められる業務:
- 電気工事の施工:実際に配線・器具取付等の工事を行う
- 電気工事の施工管理:工事の監督・指導・検査業務
- 電気工事の維持・運用:設備の保守点検・故障対応
重要なのは「電気工事に直接関わる業務」であること。設計業務や営業業務は実務経験にカウントされない。
実務経験がカウントされる職種・されない職種の判定基準
実務経験にカウントされる職種:
- 電気工事士(作業員)
- 電気施工管理技士
- 電気設備の保守技術者
- 電気主任技術者(設備管理業務)
実務経験にカウントされない職種:
- 電気設備の設計者
- 電気機器の営業
- 電気関連の研究開発
- 電気工事の積算・見積業務のみ
面談で会った元メーカー設計職の30代男性は、この問題を解決するために電気施工管理への転職を検討していた。「大学で電気系の学科を専攻しているので、500V以上の仕事をすれば三種以上は確保できる」と語っており、将来的な電気主任技術者取得も視野に入れていた。
設計職では第一種の免状が出ない。施工管理なら出る。この違いを理解している人は意外と少ない。
2025年度試験日程と申込スケジュール
2025年度の第一種電気工事士試験日程が確定した。例年通り、筆記試験が秋、実技試験が冬の実施となる。
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筆記試験・実技試験の実施日程
2025年度試験日程(予定):
- 筆記試験:2025年10月5日(日)
- 実技試験:2025年12月14日(日)
- 合格発表:筆記試験は11月上旬、実技試験は翌年1月中旬
筆記試験に合格した人のみが実技試験に進める。筆記試験の合格は3年間有効のため、実技試験で不合格になっても翌年・翌々年は筆記試験が免除される。
申込期間と受験料・必要書類
申込スケジュール:
- 申込期間:2025年6月16日(月)〜7月4日(金)※予定
- 申込方法:インターネット申込または郵送申込
- 受験料:筆記試験11,300円、実技試験11,300円(各税込)
申込期間が約3週間と短いため、見逃さないよう注意が必要だ。特にインターネット申込の場合、締切日の17時で受付終了となる。
必要書類(郵送申込の場合):
- 受験申込書
- 写真2枚(4.5cm×3.5cm、最近6か月以内撮影)
- 受験手数料(郵便振替または銀行振込)
各試験に向けた学習計画の立て方
筆記試験は10月、実技試験は12月。逆算すると、6月の申込時点で本格的な学習をスタートすべきだ。
推奨学習スケジュール:
- 6〜8月:筆記試験の基礎固め(計算問題・法規)
- 9〜10月:過去問演習・弱点補強
- 10月:筆記試験本番
- 11〜12月:実技試験対策・候補問題練習
- 12月:実技試験本番
初心者の場合、筆記試験だけで4〜6か月の学習期間を見込んでおきたい。電気の基礎知識がある人でも、法規や計算問題に慣れるまで3か月は必要だ。
初心者向け合格戦略と難易度分析
第一種電気工事士の難易度は「第二種より明らかに高い」が現実。ただし、正しい戦略で臨めば初心者でも合格は十分可能だ。
▶ 詳しくは電気工事士 – 定期的に講習とは?第一種電気工事士に焦点を…をご覧ください
合格率と難易度の推移(過去5年間のデータ分析)
一般財団法人電気技術者試験センターのデータによると:
- 第一種電気工事士:筆記試験46.8%、実技試験64.1%
- 第二種電気工事士:筆記試験61.5%、実技試験73.4%
筆記試験の合格率差は約15ポイント。第一種は計算問題の難易度が高く、出題範囲も広いためだ。

過去5年間の合格率推移を見ると、第一種の筆記試験は40〜50%で安定している。実技試験は60〜70%と比較的高いが、これは筆記試験を突破した人だけが受験するためだ。
実は、最大の難所は筆記試験。ここさえクリアできれば、実技試験は練習量でカバーできる。
電気初心者が躓きやすい分野と対策法
初心者が最も苦戦するのは以下の3分野:
1. 電気回路の計算問題
オームの法則、キルヒホッフの法則、交流回路の計算が出題される。特に三相交流や力率の概念で躓く人が多い。
対策:基礎から順番に積み上げる。いきなり複雑な回路を解こうとせず、直流回路から始めて交流回路へ進む。
2. 電気機器の原理・構造
変圧器、電動機、発電機の動作原理や特性が問われる。暗記だけでは対応できず、原理の理解が必要。
対策:図解やイラスト中心の教材を使う。機器の動作を頭の中でイメージできるまで繰り返す。
3. 電気設備技術基準・電気工事士法
法規は暗記分野だが、条文が多く体系的な理解が難しい。
対策:過去問ベースで頻出条文から覚える。全ての条文を覚えようとせず、出題頻度の高い項目に絞る。
おすすめ参考書・問題集と学習順序
Phase 1:基礎固め(学習開始〜2か月目)
- 『第一種電気工事士筆記試験完全解答』(オーム社)
- 『みんなが欲しかった!第一種電気工事士の教科書』(TAC出版)
Phase 2:演習・定着(3〜4か月目)
- 『第一種電気工事士筆記試験模範解答集』(電気書院)
- 過去問10年分の反復演習
Phase 3:直前対策(試験1か月前)
- 『第一種電気工事士筆記試験の攻略手法』(電気書院)
- 模擬試験での時間配分練習
学習の順序は「理論→電力→機械→法規」がおすすめ。理論で計算の基礎を固めてから、各論に進むと効率的だ。
正直なところ、独学だけで合格するのは厳しい。特に初心者は通信講座や短期セミナーの活用も検討すべきだろう。
実技試験対策と工具・材料の選び方
実技試験は「練習量」がすべて。候補問題を何度も繰り返し、手が覚えるまで練習することが合格への唯一の道だ。
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必要工具一覧と購入時の選択ポイント
実技試験に必要な工具は受験者が自分で準備する。工具選びで作業効率が大きく変わるため、妥協は禁物だ。
必須工具リスト:
- ペンチ:200mm、絶縁グリップ付き(3,000〜5,000円)
- ニッパ:160mm、切れ味重視(2,500〜4,000円)
- プラスドライバー:No.1、No.2各1本(各1,500円程度)
- マイナスドライバー:5.5mm、絶縁タイプ(1,500円程度)
- 電工ナイフ:ケーブル被覆剥き用(2,000〜3,000円)
- ウォーターポンププライヤー:250mm(2,500円程度)
- 圧着ペンチ:リングスリーブ用・裸圧着端子用(各5,000〜8,000円)
- メジャー:金属製3.5m以上(1,500円程度)
総額で3〜4万円の投資になるが、これをケチると合格が遠のく。特に圧着ペンチは品質の差が仕上がりに直結するため、信頼できるメーカー品を選びたい。

候補問題の効率的な練習方法
実技試験は10問の候補問題から1問が出題される。全問題を完璧に仕上げられるようになることが目標だ。
練習手順:
- Week 1-2:基本作業の習得(電線接続、器具取付、測定)
- Week 3-6:候補問題1〜10を順番に練習(各問3回以上)
- Week 7-8:ランダム出題での時間測定(制限時間40分)
- Week 9-10:苦手問題の集中練習
練習のコツは「丁寧さと速さの両立」。最初は時間を気にせず確実に作業し、慣れてきたら徐々にスピードアップする。40分以内に完成させることが合格の最低条件だ。
時間短縮テクニックと減点対策
時間短縮テクニック:
- 器具配置の最適化:作業前に器具の配置を決めておく
- 電線の事前準備:必要な長さを測定・切断してから作業開始
- 接続順序の固定化:毎回同じ順序で接続し、迷いを排除
主な減点項目と対策:
| 減点項目 | 減点 | 対策 |
|---|---|---|
| 電線接続部の露出 | -10点 | 圧着後に必ず絶縁テープで保護 |
| 器具の取付不良 | -5〜10点 | ねじの締め付け確認 |
| 電線の切りしろ不足 | -5点 | 規定の切りしろを必ず確保 |
| 配線の美観不良 | -3〜5点 | 電線を整然と配置 |
100点満点中60点以上で合格。大きな減点項目(接続不良、器具不良)を避ければ、細かい美観の減点は恐れる必要はない。
【転職者必見】設計職から実務経験を積める電気施工管理へのキャリアチェンジ
設計職の人が第一種電気工事士を活かすには、施工管理への転身が最も現実的なルートだ。この事実を知らずに資格を取っても、免状が出ずに終わってしまう。
なぜ設計職では第一種の実務経験がカウントされないのか
実務経験の定義は「電気工事に直接従事する業務」だ。設計業務は確かに電気工事に関わるが、「工事そのもの」ではない。
電気技術者試験センターの判定基準:
- 対象業務:電気工事の施工、施工管理、保守点検
- 対象外業務:設計、積算、営業、研究開発
設計者が描いた図面を元に、実際に配線工事を行うのが電気工事士。設計者は「工事の前段階」には関わるが、「工事そのもの」には関わらない。この違いが実務経験の対象・対象外を分ける。
面談で会った元メーカー設計職の候補者も、この問題を解決するために「実務経験のカウントができるというところがミートしているのであれば、結構いい感じだと思います」と転職を前向きに検討していた。
施工管理職で実務経験を積むメリットと年収相場(400万円〜)
電気施工管理技士なら、第一種電気工事士の実務経験がカウントされる。なぜなら、施工管理は「電気工事の監督・指導」業務だからだ。
施工管理転職のメリット:
- 実務経験5年をクリアできる
- 年収400〜650万円(設計職と同等以上)
- 電気主任技術者への道筋もつく
- 独立開業時の人脈形成ができる
年収相場(電気施工管理):
| 経験年数 | 年収レンジ | ポジション |
|---|---|---|
| 1〜3年 | 400〜480万円 | 現場技術者 |
| 4〜7年 | 480〜580万円 | 主任技術者 |
| 8年以上 | 580〜650万円 | 現場代理人 |
設計職から施工管理への転職は「年収を下げずにキャリアチェンジできる」数少ないパターンだ。特に大手サブコンなら、設計経験を評価して即戦力としての待遇を提示してくれる。
電気主任技術者取得への逆算キャリアパス(500V→三種、1万V→二種)
施工管理なら電気主任技術者(電験)の実務経験もカウントされる。これが設計職にはない最大のアドバンテージだ。
面談した候補者が語っていた通り、「大学で電気系の学科を専攻しているので、500V以上の仕事をすれば三種以上は確保できる。1万V以上なら二種、5万V以上5年なら一種が取れる」という認定取得ルートが開ける。
電験認定取得の条件(大学電気系学科卒):
- 電験三種:500V以上の実務経験1年以上
- 電験二種:1万V以上の実務経験1年以上
- 電験一種:5万V以上の実務経験5年以上
施工管理なら、工場やプラントの高圧受電設備工事に関わることで、これらの電圧レベルの実務経験を積める。設計職では絶対に得られないキャリアパスだ。
逆算キャリア戦略:
- 電気施工管理に転職(年収400万円〜)
- 第一種電気工事士の実務経験を積む(5年)
- 高圧設備工事で電験三種・二種の実務経験も並行取得
- 免状取得後は独立開業または管理職昇格
この戦略なら、10年後には年収700万円以上も視野に入る。
免状申請手続きと資格証の取得方法
試験合格後、実務経験5年を満たした時点で免状申請が可能になる。申請から交付まで約2か月かかるため、早めの準備が重要だ。
免状申請に必要な書類と実務経験証明書の書き方
申請必要書類:
- 第一種電気工事士免状交付申請書
- 試験合格証明書(原本)
- 実務経験証明書
- 住民票の写し(本籍記載、6か月以内)
- 申請手数料5,200円
最も重要なのが実務経験証明書。勤務先の証明印が必要で、以下の内容を記載する:
- 従事した電気工事の種類・内容
- 従事期間(年月日)
- 従事した時間数(月平均)
- 証明者の氏名・職印
実務経験の記載例:
「令和○年○月〜令和○年○月(5年間)にわたり、工場電気設備工事の施工管理業務に従事。高圧受電設備、動力設備、照明設備の工事監督を担当。月平均160時間従事。」
申請から交付までの期間と手数料
申請から免状交付まで約1.5〜2か月かかる。繁忙期(4月・10月)は3か月程度かかることもある。
手数料:5,200円(収入印紙で納付)
申請先は住所地を管轄する経済産業局。郵送申請も可能だが、書類不備で返送されるリスクを考えると窓口申請が確実だ。
資格証の更新・再交付手続き
第一種電気工事士免状に有効期限はない。ただし、以下の場合は再交付手続きが必要:
- 紛失・盗難:再交付手数料2,600円
- 汚損・破損:再交付手数料2,600円
- 氏名・住所変更:変更届(手数料不要)
再交付申請には3〜4週間かかる。その間は工事業務ができないため、免状の管理には十分注意したい。
第一種電気工事士のキャリアパスと年収の実態
第一種電気工事士の年収は、働く場所と職種によって大きく変わる。同じ資格でも、戦略次第で年収に200万円以上の差が生まれる。
企業勤務での資格手当相場(月1〜3万円)
企業勤務の場合、基本給に加えて資格手当が支給される。相場は月額1〜3万円だが、企業規模によって差がある。
| 企業分類 | 基本給レンジ | 資格手当 | 年収合計 |
|---|---|---|---|
| 大手ゼネコン | 25〜35万円 | 2〜3万円 | 450〜650万円 |
| 電気工事専門会社 | 22〜30万円 | 1.5〜2.5万円 | 400〜550万円 |
| 設備管理会社 | 20〜28万円 | 1〜2万円 | 350〜480万円 |
| プラント保守 | 28〜38万円 | 2〜4万円 | 500〜700万円 |
注目すべきはプラント保守。24時間体制の設備管理で危険手当も加わるため、年収が高めに設定されている。ただし、夜勤や休日出勤が多いのが実情だ。
独立開業時の収入目安と必要な準備
第一種電気工事士で独立する場合、年収600〜1000万円以上も可能だが、準備と覚悟が必要だ。
独立に必要な準備:
- 電気工事業登録:都道府県知事登録(手数料9万円)
- 工事保険加入:PL保険、工事保険等(年30〜50万円)
- 工具・車両:作業車、工具一式(初期投資200〜300万円)
- 営業資金:運転資金として3〜6か月分の生活費
面談した候補者の中に、「個人事業主的な業務を今やっていまして、もうちょっと大きくしたい」と語る人がいた。すでに個人事業主として活動しており、法人化を検討している段階。電気の専門知識を活かして上流工程に参入する戦略を描いていた。
独立の収入目安:
- 1年目:300〜500万円(営業・基盤作り中心)
- 3年目:500〜700万円(定期顧客の確保)
- 5年目以降:700〜1000万円以上(従業員雇用・事業拡大)
ただし、独立には相応のリスクもある。サラリーマンの安定収入を手放す覚悟と、営業力・経営力が必要だ。
施工管理への転身で期待できる年収アップ幅
現場作業員から施工管理に転身すると、年収は確実にアップする。責任は重くなるが、その分の対価は得られる。
転身による年収アップ効果:
- 作業員(5年経験):年収400〜480万円
- 施工管理(同経験):年収480〜580万円
- アップ幅:+80〜100万円
施工管理なら、以下のような追加収入も期待できる:
- 現場代理人手当:月2〜5万円
- 資格手当(1級施工管理技士):月1〜3万円
- 残業代:管理職でなければ全額支給
- 賞与:査定評価が高くなりやすい
転職面談で100人以上と話した経験から断言できるが、施工管理への転身は「リスクが低く、リターンが大きい」キャリアチェンジの代表例だ。
▶ 電気工事士の転職・資格の総合ガイドはこちら
よくある質問
第二種から第一種への受験は必要?
第二種電気工事士を取得していなくても、いきなり第一種から受験できる。ただし、電気の基礎知識がない初心者には第二種からの段階的取得をおすすめする。第一種の筆記試験合格率46.8%に対し、第二種は61.5%と明らかに易しいからだ。
実務経験5年はアルバイトでもカウントされる?
雇用形態(正社員・契約社員・アルバイト)は実務経験のカウントに影響しない。重要なのは「電気工事に直接従事しているか」だ。ただし、週1日程度の短時間勤務では実質的な経験として認められない可能性がある。フルタイムまたはそれに近い勤務実態が望ましい。
電気系学科卒業者の優遇措置はある?
受験資格に学歴による優遇はない。ただし、実務経験の判定では有利になる場合がある。特に大学・高専の電気系学科卒業者は、電気主任技術者の認定取得ルートも開けるため、キャリア戦略の幅が広がる。工業高校電気科卒業者も、電験三種の認定取得(実務経験3年+面接)が可能だ。