第一種電気工事士の仕事内容とは?業務範囲から年収まで現場経験者が解説
第一種電気工事士の資格に興味があるものの、「実際にどんな仕事をするのか」「第二種電気工事士との違いは何か」と悩んでいませんか?
結論から言えば、第一種電気工事士は高圧電気工事(1000V超)を扱える唯一の電気工事士資格です。工場やプラント、商業施設など大規模な電気設備の工事・保守を担当し、第二種では手がけられない高電圧領域で活躍します。
筆者が施工管理として大型プラントの電気設備に携わってきた経験、そして当社が実施した転職者面談から見えてきた現場のリアルをお伝えします。
この記事のポイント
- 第一種電気工事士は1000V超の高圧工事を担当(第二種は600V以下のみ)
- 工場・プラント・商業施設が主な勤務先で年収450~650万円が相場
- 危険性が高い分、安全管理と専門知識が重要な仕事
- 再生可能エネルギー分野で需要が急増している将来性の高い資格
第一種電気工事士の仕事内容と業務範囲
第一種電気工事士の最大の特徴は、高圧電気設備を扱えることだ。ここでは、具体的にどのような工事を担当するのか、業務範囲を詳しく見ていこう。
▶ 電気工事士の仕事 – 年収は?仕事内容は?休みは?で詳しく解説しています
高圧電気工事(1000V超)での業務内容
第一種電気工事士のメイン業務は、1000Vを超える高圧電気設備の工事・保守だ。
具体的には以下のような作業を担当する:
- 高圧受電設備の設置・配線工事:工場やビルの受電設備(キュービクル)の設置
- 高圧電動機の配線・制御回路工事:大型機械の電源供給システム構築
- 変電設備の保守・点検:変圧器や開閉器の定期メンテナンス
- 高圧ケーブルの敷設・接続:地中埋設や架空線での高圧配線作業
実際に大型プラントで電気施工管理をしていた頃、第一種電気工事士の職人さんたちが6600V系統の配線工事を担当していた。低圧とは扱う電圧レベルが桁違いで、一つのミスが大事故につながる緊張感のある現場だった。
特に印象的だったのは、彼らが使う測定器の精度や安全装置の充実ぶり。高圧工事では「絶対に事故を起こさない」という強い意識が求められる。
低圧電気工事(1000V以下)での業務内容
第一種電気工事士は、第二種の業務範囲もすべてカバーできる上位資格だ。
低圧領域では以下の作業も担当する:
- 一般住宅の配線工事:分電盤の設置・交換、室内配線
- 店舗・事務所の電気設備工事:照明器具・コンセントの設置
- 空調設備の電気配線:エアコンや換気扇の電源工事
- 弱電設備工事:インターホンや火災報知器の配線
ただし、現実的には第一種電気工事士の有資格者は高圧案件を優先的に任されることが多い。低圧工事は第二種電気工事士でも十分対応可能なため、人材の使い分けが行われるのが一般的だ。
第二種電気工事士との作業範囲の違い
両者の決定的な違いは、扱える電圧レベルにある。
| 項目 | 第一種電気工事士 | 第二種電気工事士 |
|---|---|---|
| 作業可能電圧 | 制限なし(一般用・自家用電気工作物) | 600V以下(一般用電気工作物のみ) |
| 主な勤務先 | 工場・プラント・大規模商業施設 | 住宅・小規模店舗・一般建築 |
| 年収相場 | 450~650万円 | 350~500万円 |
| 求人数 | 限定的(専門性高い) | 豊富(需要が多い) |
「第一種と第二種、どちらを取るべきか迷っている」——転職相談でよく聞かれる質問だ。
ある30代の電気工事士は面談で「今の会社に勤めていても未来が見えない」と語っていた。第二種電気工事士として住宅工事をしていたが、単価の安い案件ばかりで年収アップが見込めない状況。第一種を取得して工場案件にシフトしたいと相談に来られた。
確かに、第一種電気工事士の方が案件単価は高く、キャリアアップの選択肢も広がる。一方で、高圧工事は危険性も高く、求められる技術レベルも格段に上がるのが現実だ。
工事現場別の実際の作業内容【現場環境別解説】
第一種電気工事士の働く現場は多岐にわたる。ここでは、代表的な現場での具体的な作業内容を見ていこう。
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工場・製造業での電気工事作業
製造業の現場では、生産設備に関連する電気工事が中心になる。
主な作業内容:
- 生産ライン用電源工事:コンベアや加工機械への高圧電源供給
- 制御盤の設置・配線:PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)回路の構築
- 非常停止システムの設置:安全装置・緊急停止回路の配線
- 照明・換気設備工事:工場内の環境設備に関する電気工事
工場での作業は、生産を止めずに工事を進める必要があるケースが多い。夜間や休日の工事が中心となり、短時間で確実に作業を完了させる技術力が求められる。
また、工場特有の粉塵や高温環境での作業もあり、通常のビル工事とは異なる注意点がある。防塵・防爆対応の機器選定や、耐熱性を考慮した配線材料の選択など、専門知識が必要だ。

商業施設・オフィスビルでの電気工事作業
大型商業施設やオフィスビルでは、快適な環境を維持するための電気設備が重要になる。
主な作業内容:
- 受変電設備工事:ビル全体の電力供給システムの構築
- 空調設備の電気工事:大型空調機の電源・制御回路工事
- 防災設備工事:自動火災報知設備・排煙設備の電気配線
- エレベーター・エスカレーターの電気工事:昇降設備の電源・制御回路
商業施設では営業中の工事も多く、お客様への影響を最小限に抑えながら作業を進める必要がある。深夜の工事や、営業時間外での集中工事が一般的だ。
特に大型ショッピングモールなどでは、停電が売上に直結するため、高い信頼性が求められる。予備電源系統の構築や、二重化された配線システムなど、高度な技術が必要な案件が多い。
プラント・発電所での電気工事作業
プラントや発電所は、第一種電気工事士の技術力が最も試される現場だ。
主な作業内容:
- 高圧配電設備工事:6600V系統の配電盤・開閉器工事
- 計装設備工事:温度・圧力センサーなどの計測機器配線
- 非常用電源設備工事:UPS(無停電電源装置)・発電機設備
- 制御室設備工事:中央制御室の操作盤・監視システム
実際にプラント現場で施工管理をしていた経験から言うと、ここでの電気工事士の技術レベルは極めて高い。単純な配線工事ではなく、プラント全体の運転に関わる重要なシステムを扱うため、一つのミスが操業停止につながる。
特に印象的だったのは、24時間稼働するプラントでの活線工事。電源を切ることができない状況で、極めて慎重かつ迅速に作業を進める職人さんたちの技術には感心させられた。
こうした現場では年収も高く、経験豊富な第一種電気工事士なら600万円を超える年収を得ることも珍しくない。
第一種電気工事士の1日のスケジュールと作業の流れ
実際の現場では、どのような1日を過ごすのだろうか。工場での電気工事を例に、典型的なスケジュールを見てみよう。
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朝礼・安全確認から作業開始まで
7:30 – 8:00 朝礼・安全確認
現場の朝は早い。作業員全員が集まり、当日の作業内容と安全事項を確認する。高圧工事では特に、以下の項目を入念にチェックする:
- 作業対象設備の運転状況確認
- 停電範囲と影響箇所の確認
- 使用工具・測定器の点検
- 安全装備(絶縁手袋・絶縁靴・ヘルメット)の確認
- 緊急連絡体制の確認
「安全第一」は建設業界の合言葉だが、高圧工事では文字通り命に関わる。朝礼での安全確認を怠ると、重大事故につながりかねない。
8:00 – 8:30 作業準備・機材搬入
作業に必要な機材を現場に搬入し、配置する。高圧工事で使用する機材は重量があるものが多く、クレーンを使った搬入作業も頻繁に行われる。
実際の配線・設置作業の進め方
8:30 – 12:00 午前の作業
高圧工事では、必ず電気主任技術者の立会いのもとで作業を進める。一般的な作業の流れは以下の通り:
- 電源の確実な遮断:ブレーカーの開放・施錠
- 検電作業:確実に電源が切れていることを測定器で確認
- 接地器具の設置:感電防止のための保安用接地
- 配線・接続作業:計画に従って配線を進める
午前中は集中力が高い時間帯のため、特に注意を要する作業を優先的に行う。高圧ケーブルの接続や、制御回路の配線など、精密さが要求される作業だ。
13:00 – 17:00 午後の作業
午後は午前中の作業の続きや、比較的危険度の低い作業を行う。配線の固定作業や、配管・ダクト内への電線引き込みなど、体力を使う作業が中心になることが多い。
検査・点検・報告書作成業務
17:00 – 18:00 検査・点検作業
工事完了後は、必ず検査・点検を実施する。高圧工事では以下の検査が必須:
- 絶縁抵抗測定:配線の絶縁性能確認
- 導通確認:回路の正常性確認
- 表示・標識の確認:安全標識の設置確認
- 施工図面との照合:設計通りに施工されているかの確認
測定結果は必ず記録し、後日提出する竣工図書に添付する。このデータが、将来の保守・点検の基礎資料になる。
18:00 – 18:30 報告書作成・片付け
1日の作業内容を報告書にまとめ、翌日の準備を行う。高圧工事では詳細な作業記録が法的に求められるため、報告書作成は重要な業務だ。
正直なところ、この事務作業を面倒に感じる職人さんも多い。しかし、万が一のトラブル時には、この記録が責任の所在を明確にする重要な証拠となる。
使用する機器・工具と専門技術【電気業界特化】
第一種電気工事士が使用する機器・工具は、第二種とは大きく異なる。高電圧を扱うための専門性の高い道具が必要になる。
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高圧工事専用の測定機器・工具
高圧工事では、専用の測定機器が欠かせない。主な機器は以下の通り:
電圧測定器類:
- 高圧検電器:6600V系統でも安全に電圧確認ができる専用機器
- 絶縁抵抗計(メガー):高圧回路の絶縁性能測定用
- 接地抵抗計:保安用接地の性能確認用
- クランプメーター:高圧回路での電流測定用
専用工具類:
- 絶縁工具セット:高電圧対応のペンチ・ドライバー類
- ケーブルカッター:高圧ケーブル切断用の専用工具
- 圧縮工具:高圧ケーブルの圧縮端子取付用
- 油圧式圧着工具:大容量回路の端子接続用
これらの工具は決して安くない。一式揃えると数十万円から100万円近くになることもある。しかし、高圧工事では安全性と作業品質に直結するため、良質な工具への投資は必須だ。
安全装置・保護具の使用方法
高圧工事での安全装備は、生命を守る最後の砦だ。
必須の保護具:
- 絶縁手袋:耐電圧性能が証明されたもの(定期的な耐圧試験が必要)
- 絶縁靴:感電防止用の専用靴
- 絶縁マット:作業場所に敷いて接地を防ぐ
- 活線警告器:意図しない充電回路への接近を警告
実際にプラント現場で見ていて印象的だったのは、ベテラン職人ほど安全装備に手を抜かないということ。「慣れ」こそが最大の敵で、基本的な安全手順を徹底することが事故防止につながる。
「20から21を教えてくれる人が欲しい」——ある30代後半の施工管理補助の方が面談で語った言葉だ。安全に関する知識や技術は、経験豊富な先輩から丁寧に教えてもらうことが重要。独学では限界がある分野でもある。
配線材料・電線の種類と選定基準
高圧工事で使用する配線材料は、低圧工事とは規格が大きく異なる。
高圧ケーブルの種類:
- CV(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース)ケーブル:最も一般的な高圧ケーブル
- CVT(トリプレックス)ケーブル:3相回路用の一体型ケーブル
- OF(油浸絶縁)ケーブル:大容量送電用(特別高圧含む)
選定基準:
- 使用電圧:回路電圧に対して十分な絶縁耐力
- 許容電流:負荷電流に対する十分な容量
- 環境条件:屋外・地中・高温環境への対応
- 難燃性:火災時の延焼防止性能
材料選定を間違えると、最悪の場合は火災や感電事故につながる。このため、電気設備技術基準や内線規程などの法規を正確に理解し、適切な材料を選定する知識が必要だ。
第一種電気工事士の責任範囲と法的位置付け
第一種電気工事士は、単なる作業員ではない。法的に重要な責任を負う立場にある。
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電気事業法に基づく業務権限
第一種電気工事士の法的位置付けは、電気工事士法で明確に規定されている。
業務権限の範囲:
- 一般用電気工作物:600V以下の住宅・店舗等(第二種と同じ)
- 自家用電気工作物:最大電力500kW未満の需要設備
- 最大電力500kW以上:電気主任技術者の監督の下での作業
特に重要なのは、自家用電気工作物での工事権限だ。工場やビルの高圧受電設備など、事業活動に直結する重要な設備を扱える唯一の電気工事士資格でもある。
ただし、最大電力500kW以上の大規模設備では、電気主任技術者の監督が必要。完全に独立して工事を行えるわけではないことを理解しておきたい。
工事完成後の責任と保証範囲
第一種電気工事士が実施した工事には、法的な責任が伴う。
主な責任範囲:
- 技術基準適合責任:電気設備技術基準への適合確保
- 安全確保責任:工事による事故・災害の防止
- 竣工検査協力義務:電気主任技術者による検査への協力
- 保守点検情報提供:将来の保守に必要な情報の提供
実際に現場で問題になるのは、工事完成後のトラブル対応だ。設備の不具合や故障が発生した場合、工事に起因するものかどうかの判断が求められる。このため、詳細な施工記録の作成と保管が重要になる。
また、工事業者としての賠償責任保険への加入も必須。高圧工事では事故時の損害額が巨額になる可能性があり、十分な保険加入なしには業務を行うべきではない。
実務経験者が語る仕事のリアルと注意点【独自調査】
理論だけでは分からない、現場のリアルな声を紹介しよう。実際の転職者面談や現場経験から見えてきた実態だ。
高圧工事での危険性と安全対策の実態
高圧工事の現場では、常に緊張感が漂う。
プラント現場で15年間電気施工管理をしてきた経験から言うと、高圧工事での事故の多くは「慣れ」から生まれる。新人のうちは慎重に作業するが、経験を積むにつれて安全手順を省略しがちになる。
実際にあった危険な場面:
- 検電作業の省略:「前回切った回路だから大丈夫」という思い込み
- 接地器具の未設置:「短時間だから」という油断
- 作業連絡の不備:他の作業者との連携不足による誤操作
幸い大事故には至らなかったが、一歩間違えれば重大災害になっていたケースを何度も見た。高圧工事では、どんなに経験を積んでも基本的な安全手順は絶対に省略してはいけない。
ある転職者は面談で「40連勤していて、日曜だから17時に帰れるとかもなかった」と語っていた。長時間労働による疲労は、判断力の低下を招き、事故リスクを高める。働き方改革が進む中、安全第一から見るとも適切な労働環境の確保が重要だ。
年収アップと転職時の注意点【転職者インタビュー】
第一種電気工事士の転職市場での実態はどうか。実際の転職成功事例から見えてくるポイントがある。
転職成功事例:
ある30代の電気工事士(第二種→第一種取得)の転職実績:
- 転職前:住宅電気工事、年収440万円
- 転職後:工場電気設備保守、年収520万円(+80万円)
面談では「年収のベースの交渉は絶対にできなかった。エージェントだからこそ言える本音がある」と語っていた。個人では交渉しにくい年収面も、専門エージェントを通すことで適正な評価を受けられる場合が多い。
転職時の注意点:
- 実務経験の重要性:資格だけでなく、実際の現場経験が評価される
- 業界・現場の特殊性:工場・プラント・ビル設備など、専門分野の経験が重視される
- 安全意識の確認:面接では安全に対する意識・経験を詳しく確認される
- 継続学習の姿勢:技術の進歩に対応できる学習意欲が求められる
正直なところ、第一種電気工事士の求人は第二種ほど多くない。しかし、その分専門性が高く評価され、長期的なキャリア形成には有利だ。
施工管理職への転職で求められるスキル変化
第一種電気工事士から施工管理職への転職も一つのキャリアパスだ。
「どっちかというと、自分の中でも工事側だよねっていう考えはある」——ある30代後半の施工管理補助の方が面談で語った言葉だ。施工管理と現場工事、どちらに向いているかは人それぞれ。
施工管理職への転職で求められるスキル:
- 工程管理能力:複数の工事を並行して管理する能力
- 品質管理知識:法規・基準に基づく品質確保
- 安全管理経験:現場の安全を統括管理する経験
- コミュニケーション能力:職人・発注者との調整能力
第一種電気工事士として現場経験を積んだ後、施工管理技士資格を取得して管理職にキャリアアップする道筋もある。年収面では施工管理職の方が高くなる傾向にあるが、現場での技術を追求したい人には工事士としての道もある。
重要なのは、自分の適性と将来のビジョンを明確にすることだ。
第一種電気工事士の将来性とキャリアパス
第一種電気工事士の将来性はどうか。業界の動向とキャリアの可能性を考えてみよう。
再生可能エネルギー分野での需要増加
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの普及が急速に進んでいる。この分野では、第一種電気工事士の需要が特に高まっている。
成長分野での需要:
- 太陽光発電設備:メガソーラーの建設・保守で高圧工事技術が必要
- 風力発電設備:風力発電機の電気系統工事
- 蓄電池設備:系統安定化用大型蓄電システム
- 水素関連設備:電解装置・燃料電池の電気工事
実際に、太陽光発電設備の工事では第一種電気工事士の有資格者が不足している状況だ。特に、パワーコンディショナーや高圧連系設備の工事は、第一種でなければ施工できない。
今後10年間で再生可能エネルギー関連の設備投資は大幅に増加する見込みで、この分野に特化した第一種電気工事士の需要は高まり続けるだろう。
施工管理職・独立開業への道筋
第一種電気工事士のキャリアパスは多様だ。
主なキャリアパス:
- 専門技術者として技術を極める
- 高度な技術を身につけ、特殊工事のスペシャリストに
- 年収600万円超も可能
- 施工管理職への転職
- 電気施工管理技士資格を取得
- 現場経験を活かした管理職として年収700万円超を目指す
- 独立開業
- 電気工事業の許可を取得して独立
- 特殊技術を活かした高付加価値サービスで差別化
- 設計・コンサルティング業務
- 現場経験を活かした電気設備設計
- 省エネ・再エネ分野でのコンサルティング
どのキャリアパスを選ぶにしても、第一種電気工事士の実務経験は大きなアドバンテージになる。高圧工事の現場を知っていることで、設計や管理業務でもより実践的な判断ができるからだ。
ただし、独立開業には相応のリスクもある。営業力や経営能力も必要になるため、技術だけでは成功は難しい。慎重な事業計画と十分な準備期間を設けることが重要だ。
よくある質問
第一種と第二種の仕事内容の具体的な違いは?
最も大きな違いは扱える電圧レベルです。第二種電気工事士は600V以下の低圧工事のみですが、第一種は制限なく高圧工事も可能です。
具体的には、第一種では工場の生産設備(数千V)や商業施設の受電設備(6600V)など、大規模な電気設備の工事を担当できます。仕事の規模や責任も大きく、年収も一般的に第一種の方が高くなります。
未経験でも第一種電気工事士の仕事はできる?
資格を取得すれば法的には可能ですが、現実的には厳しいのが実態です。高圧工事は危険性が高く、実務経験がないと現場で通用しません。
一般的なキャリアパスは以下の通りです:
- 第二種電気工事士として低圧工事で経験を積む
- 電気工事の基礎技術と安全意識を身につける
- 第一種電気工事士を取得
- 高圧工事現場で先輩の指導を受けながら技術習得
未経験から直接第一種の現場に入ることは、安全面からも推奨されません。
第一種電気工事士の平均年収と昇給の可能性は?
第一種電気工事士の年収相場は450~650万円程度です。勤務先や経験年数によって大きく差が出ます。
| 勤務先 | 年収相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| 中小電気工事会社 | 400~500万円 | 地域密着、幅広い工事を担当 |
| 大手設備会社 | 500~600万円 | 大型案件中心、福利厚生充実 |
| プラント・工場 | 550~650万円 | 専門性高い、夜勤・休日出勤あり |
| 独立開業 | 300~800万円 | 経営手腕により大きく変動 |
昇給の可能性は勤務先によりますが、技術力向上や関連資格取得により年収アップが期待できます。特に施工管理技士資格を取得して管理職に転身すれば、年収700万円超も十分可能です。
▶ 電気工事士の転職・資格の総合ガイドはこちら
第一種電気工事士の年収実態と収入アップ戦略【独自データ分析】
「第一種電気工事士になれば年収は本当に上がるのか?」——これは資格取得を検討する多くの方が抱く疑問でしょう。当サイトが転職支援を行った30,000名のデータと、有価証券報告書の分析から見えてきた「リアルな年収事情」をお伝えします。
規模別・地域別の年収実態データ
まず、第一種電気工事士の年収は「どこで働くか」によって大きく左右されます。当サイトの転職支援データから見ると:
- 大手電設会社(従業員1000名以上):平均年収680万円
- 中堅電気工事会社(100〜999名):平均年収520万円
- 地場の電気工事店(100名未満):平均年収420万円
「同じ資格を持っていても、こんなに差が出るのか」と驚かれるかもしれません。実際、私が現場で見てきた中でも、大手プラントで働く第一種電気工事士の方は月収50万円を超える一方で、地方の小さな工事店では月収25万円程度というケースがありました。
地域差も顕著で、首都圏では平均を20〜30%上回る傾向があります。特に東京都内の大型再開発現場では、熟練の第一種電気工事士に対して「日給2万5千円以上」という求人も珍しくありません。
年収アップの現実的な戦略
では、どうすれば年収を上げられるのでしょうか。転職成功者の実例から見えた「3つの鉄則」をご紹介します。
①専門分野を極める
「何でもできる」より「この分野なら誰にも負けない」という強みを作ることです。例えば、工場の自動化設備や太陽光発電システムなど、需要が高い分野に特化した方の年収は平均を大きく上回っています。実際に、FA(ファクトリーオートメーション)に特化した第一種電気工事士の方で、年収800万円を超えているケースを複数見てきました。
②資格の組み合わせで希少価値を作る
第一種電気工事士単体ではなく、消防設備士甲種や建築設備検査資格者など、関連資格との組み合わせが威力を発揮します。当サイトのデータでは、3つ以上の関連資格を持つ方の年収は、単一資格者より平均150万円高くなっています。
③現場代理人・工事主任技術者を目指す
「手を動かす側」から「現場をまとめる側」へのステップアップです。ただし、これは諸刃の剣でもあります。責任が重くなる分、精神的な負担は確実に増します。私自身も現場代理人として働いた時期がありますが、夜中に「現場で問題が発生した」という連絡で飛び起きることが頻繁にありました。
転職時の年収交渉テクニック
興味深いことに、同じスキルレベルでも「交渉の仕方」で年収が50〜100万円変わることがあります。転職支援の現場で見てきた「成功パターン」は以下の通りです:
まず、「できること」を具体的な数値で示すことです。「高圧設備の工事経験があります」ではなく「66kV変電設備の新設工事で、工期短縮により200万円のコスト削減を実現しました」といった具合に。
次に、「なぜこの会社で働きたいのか」を業界知識を交えて語ることです。「将来性を感じて」という漠然とした理由ではなく、「御社が手がけているスマートファクトリー事業は今後10年で市場規模が3倍になると予想されており、私の制御盤設計経験を活かしたい」といった具合に。
ただし、年収だけで転職先を選ぶのは危険です。高年収の裏には「激務」「休日出勤常態化」「人間関係の悪さ」といった落とし穴が潜んでいることも。実際に「年収100万円アップで転職したが、残業時間が倍になって時給換算では下がった」という相談も受けています。
年収は確かに重要な要素ですが、「長期的に働き続けられるか」「スキルアップできる環境か」「ワークライフバランスは保てるか」といった観点とのバランスを考えることが、結果的に生涯年収の最大化につながるのです。