第一種電気工事士の資格とは?試験日・勉強法から転職戦略まで完全解説
第一種電気工事士の資格を取るなら、まず現実を知っておこう。
試験に合格しただけでは免状はもらえない。実務経験5年が必要だ。
筆記試験の合格率は約46.8%、技能試験は約64.1%(一般財団法人 電気技術者試験センター)。第二種より確実に難しい。それでも取る価値があるのは、高圧工事ができる唯一の国家資格だからだ。
実際に面談した元メーカー設計職の候補者は「実務経験のカウントができるというところがミートしているのであれば、結構いい感じだと思います」と語っていた。設計職では実務経験がカウントされない。施工管理なら実務経験として認められる。この違いを理解している人は意外と少ない。
この記事のポイント
- 第一種電気工事士は高圧工事(600V超〜7000V以下)ができる国家資格
- 2025年筆記試験は10月5日、技能試験は12月14日実施予定
- 免状交付には実務経験5年が必須 — 設計職では不可、施工管理なら可
- 資格手当は月1〜3万円、年収400〜650万円レンジが相場
- 電気主任技術者への逆算キャリアパスも構築可能
第一種電気工事士の資格とは?取得条件と免状交付の仕組み
第一種電気工事士は、高圧(600V超〜7000V以下)の電気工事ができる国家資格だ。工場やビル、病院の電気設備を扱える唯一の資格である。
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ただし、試験合格と免状交付は別の話。免状がなければ一種の作業はできない。この仕組みを理解せずに受験する人が多すぎる。
第一種電気工事士の資格概要と作業範囲
第一種電気工事士の作業範囲は以下の通りだ:
- 高圧(600V超〜7000V以下):キュービクル式高圧受電設備、工場の動力設備
- 低圧(600V以下):第二種と同じ範囲も含む
- 特別高圧(7000V超):電気主任技術者の監督下で工事可能
第二種が一般住宅や小規模店舗に限られるのに対し、第一種は大規模施設の心臓部を扱える。
実際に発電所の現場で感じたのは、高圧設備の怖さだった。一歩間違えれば大事故になる。だからこそ、第一種電気工事士の専門性と市場価値は高いのだ。
免状交付に必要な実務経験5年の条件
免状交付には実務経験5年が必須だ。「実務経験」の定義は厳格で、以下の業務に限られる:
- 電気工事の施工:実際に配線・器具取付等の工事を行う
- 電気工事の施工管理:工事の監督・指導・検査業務
- 電気工事の維持・運用:設備の保守点検・故障対応
注意すべきは、設計業務や営業業務は実務経験にカウントされないこと。設計職で10年働いても、第一種の免状は出ない。これが設計職から施工管理への転職理由になっている。
実務経験の証明は「電気工事従事者証明書」で行う。雇用主の証明印が必要で、偽装は不可能だ。
資格証(免状)の見た目と記載内容
第一種電気工事士免状は縦9.3cm×横6.2cmのカードサイズ。運転免許証とほぼ同じ大きさだ。
記載内容:
- 氏名・生年月日・住所
- 免状番号(一種○○号)
- 交付年月日
- 都道府県知事印(交付者)
免状には顔写真はない。身分証明としては使えないが、現場では必携だ。工事現場で「免状を見せて」と言われることは日常茶飯事。
第一種電気工事士の試験概要と日程
2025年度の第一種電気工事士試験は、筆記試験が10月5日、技能試験が12月14日に実施予定だ。
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申込期間は約3週間と短い。見逃せば1年待ちになる。
筆記試験と技能試験の実施日程
2025年度試験日程(確定):
- 筆記試験:2025年10月5日(日)
- 技能試験:2025年12月14日(日)
- 合格発表:筆記試験は11月上旬、技能試験は翌年1月中旬
筆記試験に合格した人のみが技能試験に進める。筆記試験の合格は3年間有効。技能試験で落ちても、翌年・翌々年は筆記試験が免除される。
正直、この3年間有効制度は助かる。技能試験は独特の採点基準があり、一度で合格するのは意外と難しいからだ。
受験申込みから合格発表までの流れ
受験の流れは以下の通り:
- 申込期間:2025年6月16日〜7月4日(予定)
- 筆記試験:10月5日実施
- 筆記合格発表:11月上旬
- 技能試験申込:筆記合格者のみ
- 技能試験:12月14日実施
- 最終合格発表:翌年1月中旬
申込はインターネットまたは郵送で可能。ただし、郵送の場合は締切日の消印有効。インターネット申込は締切日の17時で受付終了となる。
申込期間が短いため、6月になったら試験センターのサイトを毎日チェックすることをおすすめする。
受験手数料と必要書類
受験手数料:
- 筆記試験:11,300円(税込)
- 技能試験:11,300円(税込)
必要書類(郵送申込の場合):
- 受験申込書
- 写真(最近6か月以内、4.5cm×3.5cm)2枚
- 受験手数料(定額小為替または現金書留)
インターネット申込の場合、写真はデジタルファイル(JPEG形式)で提出する。画質が悪いと受付拒否されるため、スマホ撮影よりも証明写真機での撮影が安全だ。
【初心者向け】第一種電気工事士の勉強法と対策
初心者がいきなり第一種を受験するのは正直厳しい。それでも挑戦するなら、効率的な勉強法が不可欠だ。
▶ 電気工事士 – 定期的に講習とは?第一種電気工事士に焦点を…も参考になります
筆記試験の合格率46.8%は第二種の61.5%より15ポイント低い。難易度の差は歴然としている。
筆記試験対策:高圧受電設備と保護協調
第一種筆記試験の最大の山場は「高圧受電設備」と「保護協調」だ。第二種にはない分野で、初心者が最も苦労する。
高圧受電設備の頻出テーマ:
- キュービクルの構成機器(断路器、遮断器、変圧器)
- 保護継電器の種類と動作原理
- 地絡保護装置(GPR、GR、DGR)
- 配電方式(放射状、環状、スポットネットワーク)
保護協調の計算問題:
- 変流器(CT)の変流比計算
- 過電流継電器の協調時間
- 地絡電流の計算
この分野は暗記では太刀打ちできない。動作原理を理解しないと応用問題で詰む。
実際にプラント時代、高圧受電設備のトラブル対応を何度も経験した。机上の知識と現場の感覚、両方がないと第一種の試験は突破できない。
技能試験対策:高圧用材料と工具の使い方
技能試験は候補問題10問から1問が出題される。第二種の13問より少ないが、使用する材料・工具が高圧仕様で複雑だ。
第一種特有の材料:
- 高圧ケーブル(CV、CVT)の接続
- ケーブル終端処理(テーピング、熱収縮チューブ)
- 高圧開閉器の結線
- 計器用変圧器(VT)・変流器(CT)の配線
技能試験の採点基準:
- 重大欠陥:接続不良、絶縁不良 → 即不合格
- 軽欠陥:配線の乱れ、圧着不足 → 減点
- 施工条件違反:指定工具以外の使用 → 減点
技能試験で落ちる人の多くは「重大欠陥」が原因。完璧を目指さず、安全確実な施工を心がけることが合格のコツだ。
おすすめテキスト・問題集と学習スケジュール
第一種電気工事士の定番教材を紹介する:
筆記試験対策:
- 「第一種電気工事士筆記試験完全解答」(オーム社)
- 「第一種電気工事士筆記過去問題集」(電気書院)
- 「みんなが欲しかった! 第一種電気工事士の教科書&問題集」(TAC出版)
技能試験対策:
- 「第一種電気工事士技能試験候補問題できた!」(電気書院)
- 「第一種電気工事士技能試験公表問題の合格解答」(オーム社)
学習スケジュール(6か月プラン):
- 1〜2か月目:基礎理論の理解(電気回路、電磁気学)
- 3〜4か月目:高圧受電設備・保護協調の集中学習
- 5か月目:過去問演習(筆記試験対策完了)
- 6か月目:技能試験対策(候補問題10問の練習)
正直、働きながらだと6か月でも厳しい。残業が多い人は1年計画で臨んだ方が無難だ。
第一種電気工事士の資格手当と年収への影響
第一種電気工事士の資格手当は月額1〜3万円が相場だ。年間で12〜36万円の収入アップになる。
▶ 詳しくは電気工事士を辞めて良かった転職者8名の本音と年収変化を公開をご覧ください
だが本当のメリットは昇進・昇格への影響。大手ゼネコンでは現場代理人昇格の必須条件になっているケースが多い。
一般的な資格手当の相場(月額・年額)
企業規模別の資格手当実態:
| 企業規模 | 月額資格手当 | 年額換算 | 昇進への影響 |
|---|---|---|---|
| 大手ゼネコン | 2〜3万円 | 24〜36万円 | 現場代理人昇格の必須条件 |
| 電気工事専門会社 | 1.5〜2.5万円 | 18〜30万円 | 工事主任者の推奨資格 |
| 設備管理会社 | 1〜2万円 | 12〜24万円 | 主任技術者の優遇条件 |
注意すべきは、中小企業では資格手当制度自体がないケースもあること。転職時は求人票の資格手当欄を必ずチェックしよう。
第二種電気工事士との手当格差
第一種と第二種の資格手当格差は月額5000〜1万円程度。年間で6〜12万円の差になる。
- 第二種電気工事士:月額5000円〜1.5万円
- 第一種電気工事士:月額1〜3万円
- 格差:月額5000円〜1.5万円
ただし、本当の差は基本給にある。第一種保有者は高圧工事の現場代理人に抜擢されやすく、基本給も高く設定される傾向がある。
実際に人材紹介の面談で出会った30代の候補者も、第一種取得を機に年収400万円を目標に転職活動を開始していた。
施工管理職への転職時の年収メリット
第一種電気工事士を持って施工管理職に転職した場合の年収目安:
- 未経験(3年未満):400〜500万円
- 経験者(3〜5年):500〜650万円
- ベテラン(5年以上):650〜800万円
作業員から施工管理に転身すると、年収は確実に上がる。作業員の5年500万円が上限だが、施工管理なら8年で1,200万円も見えてくる。
胃がキリキリするようなプレッシャーもあるが、それに見合った報酬は得られる。
【実務経験カウント攻略】設計職から施工管理への転職戦略
設計職では第一種電気工事士の実務経験がカウントされない。これは多くの設計者が直面する現実だ。
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実際に面談した元メーカー設計職の候補者は、この問題を解決するために施工管理への転職を検討していた。年収600万円からの転身だが、長期的なキャリアを考えれば賢い選択だ。
設計職では免状が出ない理由と解決策
設計職が実務経験にカウントされない理由は明確だ。電気工事士法で定める「実務経験」は以下に限定されている:
- 電気工事の施工
- 電気工事の施工管理
- 電気工事の維持・運用
設計業務は「電気工事」ではない。図面を描くことと、実際に配線工事を行うことは別の技術だからだ。
解決策は3つ:
- 電気工事会社への転職:作業員として実務経験を積む
- 施工管理への転職:工事の管理業務で実務経験をカウント
- 設備管理への転職:既設設備の保守・運用で実務経験をカウント
この中で最も年収を維持しやすいのが施工管理への転職だ。設計の知識を活かせる上、管理職としてのキャリアも積める。
施工管理職で認定される実務経験の範囲
施工管理職の業務で実務経験として認められるのは:
- 工事の施工計画立案:工程管理、品質管理、安全管理
- 工事の監督・指導:職人への技術指導、検査業務
- 工事の検査・試験:竣工検査、機能試験の立会い
重要なのは「現場に常駐していること」。本社でデスクワークだけしていては実務経験にならない。
施工管理なら設計の知識も活かせる。図面を読める施工管理は現場で重宝される。設計職からの転身なら、即戦力として評価されるはずだ。
転職時の年収交渉のポイント(400万円目標)
設計職から施工管理への転職で年収400万円を目指すポイント:
アピールすべき経験・スキル:
- 電気設備の設計経験(CAD操作、計算書作成)
- 電気関連の法規知識(電気事業法、建築基準法)
- 顧客折衝経験(設計打合せ、仕様変更対応)
- 品質管理への意識(図面精度、ミス防止)
年収交渉のコツ:
- 現職の年収を正直に開示:隠しても後でバレる
- 転職理由を明確に:「実務経験を積んで免状を取りたい」
- 長期的なキャリアビジョンを提示:電気主任技術者取得等
- 即戦力性をアピール:図面読解、技術計算能力
正直、未経験からの施工管理転職で400万円は決して高いハードルではない。設計経験があれば、むしろ有利に働く。
電気主任技術者への逆算キャリアパス設計
第一種電気工事士から電気主任技術者への道筋は明確に存在する。特に大学で電気系学科を専攻した人には有利なルートがある。
面談で会った元メーカー設計職の候補者も「500V以上の仕事をすれば三種以上は確保できる。1万V以上なら二種、5万V以上5年なら一種が取れる」と正確に把握していた。
電圧別の実務経験要件と必要年数
電気主任技術者の認定取得に必要な実務経験:
| 資格種別 | 電圧条件 | 必要年数 | 対象施設例 |
|---|---|---|---|
| 第三種 | 500V以上 | 5年 | キュービクル、工場動力設備 |
| 第二種 | 1万V以上 | 5年 | 配電用変電所、大型ビル受電設備 |
| 第一種 | 5万V以上 | 5年 | 送電用変電所、発電所 |
注目すべきは、第一種電気工事士の作業範囲(7000V以下)では電験二種の実務経験要件(1万V以上)を満たせないこと。電験二種を狙うなら、より高電圧の現場に移る必要がある。
大学電気系学科出身者の有利な取得ルート
大学で電気工学を専攻した人は、電気主任技術者の実務経験年数が短縮される:
- 電気工学科卒:実務経験3年で電験三種認定
- 電気工学専攻(大学院):実務経験2年で電験三種認定
- 工業高校電気科卒:実務経験5年で電験三種認定
さらに、大学卒であれば試験免除でなく認定取得のハードルも下がる。学科試験4科目のうち、既に一部科目が免除される場合もある。
大学電気系出身者なら、第一種電気工事士→施工管理(実務経験積む)→電験三種認定→さらに上位資格というルートが現実的だ。
一種電気工事士から電気主任技術者への道筋
具体的なキャリアパス例:
- 第一種電気工事士合格(試験のみ、実務経験不要)
- 高圧電気設備の施工管理に転職(実務経験開始)
- 5年後:第一種電気工事士免状交付
- 同時期:電験三種認定申請(500V以上5年)
- より高電圧現場への転職(1万V以上)
- さらに5年後:電験二種認定申請
このルートなら試験勉強の時間を最小限に抑えて、実務重視でキャリアアップできる。
ただし、認定取得には面接がある。実務経験の内容を詳しく問われるため、日頃から業務記録を付けておくことが重要だ。
第一種と第二種電気工事士の違いと選び方
第一種と第二種、どちらから取るべきか。初心者には悩ましい問題だ。
結論から言えば、電気の基礎知識がある人は第一種から挑戦してもいい。ただし、全くの未経験者は第二種からの方が安全だ。
作業可能範囲:高圧vs低圧の境界線
第一種と第二種の最大の違いは作業可能な電圧範囲:
- 第二種電気工事士:低圧(600V以下)のみ
- 第一種電気工事士:高圧(600V超〜7000V以下)+ 低圧
この600Vという境界線は、安全上極めて重要だ。600Vを超えると感電時の危険性が格段に上がる。高圧設備では一瞬の油断が命取りになる。
具体的な設備例:
| 電圧区分 | 対象設備 | 必要資格 |
|---|---|---|
| 低圧(600V以下) | 住宅、小規模店舗、事務所 | 第二種電気工事士 |
| 高圧(600V超〜7000V以下) | 工場、大型ビル、病院 | 第一種電気工事士 |
| 特別高圧(7000V超) | 変電所、発電所 | 電気主任技術者の監督下 |
現場では「キュービクル(高圧受電設備)があるかどうか」が判断基準になる。キュービクルがあれば第一種の領域だ。
試験難易度と合格率の比較
合格率の差は歴然としている:
- 第二種筆記試験:約61.5%
- 第二種技能試験:約73.4%
- 第一種筆記試験:約46.8%
- 第一種技能試験:約64.1%
筆記試験で15ポイント、技能試験で9ポイントの差。第一種の方が確実に難しい。
難易度の違いが出る分野:
- 高圧受電設備:第一種のみ。保護継電器、配電理論
- 計算問題:第一種の方が複雑。三相回路、変圧器理論
- 技能試験:第一種は高圧材料。ケーブル終端処理等
初心者がいきなり第一種を受験して挫折するケースをよく見る。基礎がないまま応用問題に挑んでも、理解が追いつかない。
就職・転職時の評価の違い
就職・転職市場での評価は明確に違う:
- 第二種電気工事士:作業員レベル。現場での実作業がメイン
- 第一種電気工事士:監督者レベル。施工管理への道筋
大手ゼネコンの求人を見ると、現場代理人の応募条件で「第一種電気工事士必須」と書かれているケースが多い。第二種だけでは応募すらできない。
年収面でも格差は大きい。第二種で作業員なら年収500万円が上限だが、第一種で施工管理なら800万円以上も狙える。
ただし、いきなり第一種を狙って挫折するよりは、第二種で確実に基礎を固める方が結果的に早い場合もある。自分のレベルを正直に見極めることが重要だ。
第一種電気工事士が活躍する現場と業務内容
第一種電気工事士はどんな現場で何をするのか。具体的な業務内容を解説する。
高圧工事の現場は、低圧工事とは緊張感が全く違う。一つのミスが大停電や人身事故に直結するからだ。
工場・プラントでの高圧受電設備工事
工場・プラントは第一種電気工事士の主戦場だ。24時間稼働の製造ラインを止めることなく、電気設備の更新・保守を行う。
主な業務内容:
- キュービクル更新工事:老朽化した高圧受電設備の交換
- 動力設備工事:製造装置の電源配線、制御回路工事
- 予防保全作業:年次点検、絶縁測定、保護継電器試験
- 故障対応:停電時の緊急復旧、原因調査
プラント時代に経験した製鉄所の受電設備更新は、まさに神経がすり減る作業だった。停電は絶対に許されない。夜間作業で、1つの手順ミスが数億円の損失につながる。そんなプレッシャーの中での工事は、低圧工事では味わえない緊張感がある。
だからこそ、第一種電気工事士の市場価値は高いのだ。
商業施設・病院での電気設備保守
商業施設や病院も第一種電気工事士の重要な職場だ。不特定多数の人が利用する施設では、安全性への要求が特に厳しい。
商業施設での業務:
- 照明設備工事:店舗の開店・改装に伴う配線変更
- 空調電源工事:大型エアコンの電源配線
- 防災設備工事:火災報知設備、避難誘導灯
- セキュリティ設備:監視カメラ、入退室管理システム
病院での業務:
- 医療機器電源工事:MRI、CT等の高圧電源配線
- 非常用発電機保守:停電時のバックアップ電源
- 手術室電気工事:無停電電源装置(UPS)の工事
- 感染対策設備:陰圧装置、空調制御システム
病院の手術室で工事をした時は、胸が熱くなった。自分の仕事が直接、患者の命を支えているという実感があった。
変電所・送電線での特別高圧工事
特別高圧(7000V超)の現場では、第一種電気工事士は電気主任技術者の監督下で作業する。電力インフラの心臓部を扱う、最も責任重大な現場だ。
変電所での業務:
- 開閉器工事:断路器、遮断器の取り替え工事
- 変圧器工事:大型変圧器の据付・配線工事
- 保護装置工事:デジタル保護継電器の更新
- 制御ケーブル工事:SCADA系統の配線工事
送電線での業務:
- 鉄塔工事:送電線の架線・張替工事
- ケーブル工事:地中送電線の敷設・接続
- 保守作業:活線工事、碍子清掃
特別高圧の現場は、第一種電気工事士のキャリアの頂点とも言える。電力の安定供給という社会インフラを支える誇りと責任がある。
ただし、危険性も最高レベル。一瞬の気の緩みが致命的事故につながる。だからこそ、高い技術力と判断力を持った第一種電気工事士が求められるのだ。
▶ 電気工事士の転職・資格の総合ガイドはこちら
よくある質問
実務経験5年はどこからカウントされますか?
実務経験のカウント開始は「電気工事に直接従事した日」からです。具体的には以下の業務に従事した日から:
- 電気工事の施工作業
- 電気工事の施工管理業務
- 電気工事の維持・運用業務
重要なのは「電気工事に関する業務」であること。設計業務や営業業務はカウントされません。また、アルバイトや短期間の従事でも、実際の業務内容が条件に該当すればカウント対象になります。
第二種を取らずに第一種から受験できますか?
はい、可能です。第一種電気工事士の受験に、第二種の取得は必要ありません。学歴・年齢・資格の有無に関係なく、誰でも受験できます。
ただし、電気の基礎知識がない初心者にはお勧めしません。第一種の筆記試験合格率46.8%に対し、第二種は61.5%。15ポイントの差があります。基礎をしっかり固めてから第一種に挑戦する方が確実です。
免状なしで第一種の作業範囲の工事はできますか?
できません。電気工事士法により、高圧(600V超)の電気工事は第一種電気工事士の免状保有者でなければ従事できません。
試験に合格しただけでは免状は交付されず、実務経験5年の証明が必要です。免状なしで高圧工事に従事した場合、電気工事士法違反となり、30万円以下の罰金が科せられます。事業者にも処罰があるため、現場では免状の確認が厳格に行われています。
実務経験の証明はどのように行うのですか?
実務経験の証明は「電気工事従事者証明書」で行います。この証明書には以下が必要です:
- 雇用主(会社)の証明印
- 従事期間と業務内容の詳細
- 工事の種類と電圧区分
- 従事した工事の概要
証明書は勤務先の事業主が作成し、虚偽記載は処罰対象となります。転職が多い場合は、各勤務先から個別に証明書を取得する必要があります。
