第一種電気工事士を辞めたい人の退職理由と転職成功の全手順

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第一種電気工事士を辞めたい人の退職理由と転職成功の全手順

第一種電気工事士の免状を持っていても、「こんなはずじゃなかった」と感じている人は決して少なくない。高圧設備を扱えるという資格の重みと責任の重さ、それに見合わない待遇への不満——あなたが今抱えている気持ちは、一人だけのものではない。

私たちが面談した第一種電気工事士200名のうち、実に68%が「転職を検討したことがある」と回答している。その背景には、資格の価値と現実のギャップがある。

この記事のポイント

  • 第一種電気工事士が辞めたい理由の上位は「年収が期待以下(54%)」「高圧設備の責任が重い(47%)」
  • 辞める前に試せる5つの対処法で約30%が職場環境を改善できている
  • 転職成功者の平均年収アップは+82万円、施工管理職への転職が最も多い
目次

第一種電気工事士を辞めたい6つの理由【面談データで判明】

施工管理ちゃんねるが独自に実施した面談調査(2024年1月-12月、対象者数200名)から、第一種電気工事士が辞めたいと感じる理由が明確に浮かび上がってきた。

第一種電気工事士の退職理由を示す棒グラフ

データが示すのは、資格の専門性の高さとは裏腹に、待遇や働き方に対する不満が深刻化している現実だ。

年収が上がらない・昇給の見込みがない

面談者の54%が挙げた最多の理由がこれだ。「第一種を取れば年収が上がる」という期待と現実の乖離が激しい。

ある30代の第一種電気工事士は語る。「第一種を取って3年が経つが、資格手当は月1万円だけ。第二種の時と基本給は変わらない。高圧設備の責任だけ重くなって、割に合わない」

資格区分 平均年収 資格手当相場
第二種電気工事士 398万円 5,000円-15,000円
第一種電気工事士 426万円 10,000円-25,000円
年収差 +28万円 +5,000円-10,000円

第一種と第二種の年収差は平均でわずか28万円。資格取得にかけた時間と労力を考えると、「こんなものか」と落胆するのも無理はない。

夜勤・休日出勤が多いのに手当が少ない

面談者の42%が指摘した問題がこれ。高圧設備のメンテナンスは稼働停止時間に行うため、必然的に夜間や休日の作業が多くなる。

実際の面談では、こんな声が聞かれた。「夜勤を2ヶ月やって、夜勤手当が2万弱。お盆休みも1日もなかった。代わりの休みもあるわけじゃないし」

この証言からは、求人票と実態の乖離が見て取れる。「GW・夏季休暇・年末年始あり」と記載されていても、実際には休めない現実がある。

高圧設備の責任が重すぎてストレスが限界

面談者の47%が挙げたのがこの理由。第一種電気工事士は500V超の高圧設備を扱えるが、それは同時に大きな責任を背負うことを意味する。

「一つのミスで工場全体が止まる。その責任を一身に背負うプレッシャーは想像以上だった」(40代・製造業勤務の第一種電気工事士)

高圧設備の事故は人命に関わる。感電事故、火災事故のリスクを常に意識しながら働く精神的負担は、第二種の現場とは桁違いだ。しかし、その責任の重さに見合う処遇が得られていない現実が、多くの第一種電気工事士を悩ませている。

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辞める前に試すべき5つの対処法【状況別】

転職を決断する前に、まずは現在の職場で改善できる点がないかを検討してみよう。私たちの調査では、約30%の人がこれらの対処法で職場環境の改善に成功している。

上司との面談で業務量・責任範囲の調整を依頼

第一種電気工事士だからといって、すべての高圧設備作業を一人で背負う必要はない。業務量の調整は労働者の権利だ。

面談時のポイントは以下の通りだ:

  • 具体的な業務量を数字で示す(月間作業時間、担当設備数など)
  • 同業他社の業務分担事例を調べておく
  • 改善案を自分から提示する(「○○の業務は△△さんと分担したい」)

ただし、人員不足の会社では根本的な解決が難しい場合もある。3ヶ月経っても改善されない場合は、転職を本格的に検討すべきタイミングだ。

社内の高圧設備担当者との情報共有体制を構築

第一種の責任を一人で抱え込まず、チーム体制で対応する仕組みを提案してみよう。

  1. 高圧設備の点検記録を共有システムで管理
  2. 緊急時の連絡体制を整備(24時間対応ローテーション)
  3. 定期的な技術情報交換会の開催を提案

情報共有体制の構築は、個人の負担軽減だけでなく、会社全体の安全性向上にも寄与する。経営陣に対しても「コンプライアンス強化」「リスク分散」というメリットを訴求できる。

第二種からの昇格組との待遇格差を人事に相談

第二種電気工事士から第一種に昇格した人と、最初から第一種を取得した人の間に待遇格差がある場合は、人事部への相談が有効だ。

相談時に準備すべき資料:

  • 同等の経験年数・スキルレベルの同僚との給与比較
  • 第一種固有の業務(高圧設備作業)の実績一覧
  • 他社の第一種電気工事士の待遇調査結果

人事との面談では、感情論ではなくデータに基づいた論理的な説明を心がけよう。「不公平だ」という表現よりも、「適正な評価を希望する」というスタンスで臨むことが重要だ。

第一種電気工事士から転職する際の退職手順

第一種電気工事士の退職には、一般的な退職手続きに加えて、高圧設備に関する特別な配慮が必要だ。適切な手順を踏まなければ、後任者や会社に大きな迷惑をかけることになる。

高圧設備の保安管理業務の引き継ぎ準備

第一種電気工事士が担当している高圧設備の保安管理業務は、法的要件を伴うため、十分な引き継ぎ期間を確保することが必須だ。

引き継ぎに必要な期間の目安は以下の通り:

設備規模 引き継ぎ期間 必要な準備
小規模(変電設備1-2台) 1-2ヶ月 設備台帳整理、点検記録移管
中規模(変電設備3-5台) 2-3ヶ月 保安規程確認、緊急対応手順書作成
大規模(変電設備6台以上) 3-4ヶ月 法定点検スケジュール移管、外部業者との関係引き継ぎ

特に重要なのは、以下の書類の整理と移管だ:

  • 高圧設備の点検記録(法定期間分)
  • 保安規程と運用マニュアル
  • 緊急時連絡先一覧(電力会社、保安協会等)
  • 設備更新・修繕の履歴

第一種電気工事士免状の取り扱い確認

退職時に見落としがちなのが、第一種電気工事士免状に関する手続きだ。免状は個人の資格だが、勤務先との関係で必要な手続きがある。

確認すべき項目:

  1. 電気保安協会等への届出変更(主任技術者選任の場合)
  2. 会社の電気工事業者登録への影響確認
  3. 工事実績の証明書類の保管確認

特に、電気主任技術者として選任されている場合は、後任の選任完了まで退職できない場合がある。この点は退職の意思表示前に必ず確認しておこう。

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転職活動での退職理由の伝え方【面接通過率UP】

第一種電気工事士の転職活動では、退職理由の伝え方が面接結果を大きく左右する。高度な資格を持ちながら転職を希望する理由を、採用担当者が納得できる形で説明する必要がある。

ネガティブな理由をポジティブに変換する方法

退職理由をそのまま伝えるのではなく、前向きなキャリア志向として表現することが重要だ。以下は実際の変換例である:

本音(NG例) 面接での表現(OK例)
年収が低すぎる スキルに応じた適正な評価を受けられる環境で働きたい
責任が重すぎる チーム体制で高い品質の工事を提供したい
夜勤がつらい 計画的な業務遂行でお客様により良いサービスを提供したい

ポイントは「自分の不満」ではなく「お客様や会社への貢献」を軸に組み立てることだ。採用担当者は「この人は入社後も不満を言うのではないか」という不安を抱いている。その不安を払拭する表現を心がけよう。

第一種の専門性をアピールする退職理由例文

第一種電気工事士の専門性を活かしつつ、転職の必然性を示す例文を紹介する。

「前職では第一種電気工事士として高圧設備の保守・管理に従事し、○年間無事故で業務を遂行してまいりました。この経験を通じて、より大規模で複雑な電気設備プロジェクトに携わりたいという思いが強くなりました。御社の○○プロジェクトのような案件で、これまでの知識と経験を活かしながら、さらなるスキルアップを図りたいと考え、転職を決意いたします。」

この例文のポイントは以下の通りだ:

  • 実績を具体的な数字で示している(○年間無事故)
  • 現在のスキルを否定せず、さらなる成長を目指している
  • 転職先の具体的なプロジェクトに言及している
転職面接で退職理由を説明する電気工事士のイラスト

第一種電気工事士の転職先【実年収データ付き】

第一種電気工事士の転職先は多岐にわたる。重要なのは、資格を活かせる職種を選ぶことと、年収アップの可能性を正確に把握することだ。

施工管理への転職【年収+80万円の実例】

第一種電気工事士から電気施工管理技士への転職は、最も年収アップが期待できるルートの一つだ。

実際の転職成功事例を紹介しよう。ある30代の第一種電気工事士(転職前年収440万円)は、電気施工管理技士として転職し、年収520万円(+80万円)を実現した。

「40連勤していて、日曜だから17時に帰れるとかもなかった。転職後は日曜日は休めるんだ、家族と過ごせるんだ。ちょっと楽になったから嬉しいなと思った。授業参観に行ける、運動会に出られる。今までは行けないのが当たり前だと思っていたけど、行ける会社もあることを知った」

転職パターン 平均年収UP 転職成功率 求人倍率
電気工事士→電気施工管理 +82万円 78% 2.3倍
電気工事士→設備保守 +45万円 85% 1.8倍
電気工事士→電力会社 +120万円 45% 0.8倍

施工管理への転職では、現場経験の豊富さが評価される。「工事する側」から「工事を管理する側」への転換は、第一種電気工事士の実務経験が大きなアドバンテージになる。

電力会社・官公庁への転職メリット

電力会社や官公庁への転職は、年収アップと安定性を両立できる選択肢だ。ただし、採用難易度は高い。

転職メリット:

  • 年収水準が高い(平均+120万円)
  • 福利厚生が充実(住宅手当、家族手当等)
  • 定年まで安定した雇用
  • 社会的信用度が高い

一方で、転職のハードルは高い。電力会社の場合、第一種電気工事士に加えて電験三種以上の資格が求められることが多い。官公庁の場合は公務員試験の年齢制限(多くは35歳未満)がネックになる。

ビル管理・保守点検業務への転職

ワークライフバランスを重視する場合、ビル管理・保守点検業務への転職は有力な選択肢だ。

この分野の特徴:

  • 夜勤が少ない(日勤中心)
  • 急な呼び出しが少ない
  • 第一種の資格が直接活かせる
  • 体力的負担が軽い

ただし、年収アップの幅は限定的だ(平均+45万円)。「収入よりも働きやすさを優先したい」という人に適した選択肢である。

また、ビル管理業界は高齢化が進んでおり、第一種電気工事士を持つ若手人材への需要は高い。転職成功率は85%と高水準を維持している。

転職エージェント活用時の注意点【利用者の本音】

第一種電気工事士の転職活動では、転職エージェントを利用する人が多い。しかし、エージェント選びを間違えると、かえって転職活動が長期化するリスクがある。

求人情報の「年収○○○万円」表記に騙されない方法

求人票の年収表記は、しばしば実際の支給額と乖離がある。特に注意すべきは以下の点だ:

  • 「年収500万円(残業代込み)」→ 基本給は350万円程度の可能性
  • 「年収600万円(諸手当含む)」→ 通勤手当、資格手当を含んだ金額
  • 「年収○○万円(想定)」→ 営業実績等の変動要素を含む

実際の面談では、こんな体験談も聞かれた。「求人票では年収550万円と書いてあったが、内定通知書では年収480万円だった。差額は『業績賞与』として計算されていたが、支給実績を聞くと過去3年間で1回だけだった」

求人票を見る際のチェックポイント:

  1. 基本給と諸手当の内訳を確認
  2. 残業代の計算方法(固定残業代の有無)を確認
  3. 賞与の支給実績(過去3年分)を確認
  4. 昇給制度の有無と実績を確認

連絡タイミングと頻度の希望を最初に伝える

転職エージェントとのやり取りで最もストレスになるのが、連絡のタイミングと頻度の問題だ。

利用者からは、こんな不満の声が聞かれる。「急に電話がかかってくることが多くて、仕事中は電話をかけないでほしい。子供を寝かせている時に電話に出てほしいと言われた。内定が決まったら、そこから急に電話がなくなって、メールも来なくなって、『大丈夫かな』『僕はどうすればいいのかな?』と思った」

このような問題を避けるために、エージェントとの初回面談では以下の点を明確に伝えよう:

  • 連絡可能な時間帯(平日○時-○時、土日○時-○時)
  • 連絡方法の希望(電話、メール、LINE等)
  • 緊急時の連絡方法
  • 面談の頻度(週1回、月2回等)

また、エージェントの対応に不満がある場合は、遠慮なく担当者の変更を依頼すべきだ。転職は人生の重要な決断だ。納得できるサポートを受ける権利がある。

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よくある質問

Q. 第一種を辞めて第二種の仕事に戻ることはできる?

A. 可能です。第一種電気工事士は第二種の上位資格のため、第二種の業務範囲もすべてカバーできます。ただし、給与は第二種相当になる場合が多いため、年収ダウンは覚悟する必要があります。「責任の重さよりも働きやすさを優先したい」という場合は、有効な選択肢です。

Q. 転職後も第一種の資格は活かせる?

A. 転職先次第で大きく変わります。施工管理や電力会社への転職では第一種の知識が直接活かせますが、異業種転職の場合は「国家資格保有者としての信頼性」程度の評価になることが多いです。転職前に「この資格をどう活用できるか」を転職先に確認することをおすすめします。

Q. 辞めるタイミングはいつがベスト?

A. 法定点検の繁忙期(年度末や夏場)を避けることが欠かせない。また、高圧設備の保安管理を担当している場合は、後任者の選任・研修期間を考慮し、最低でも3ヶ月前には退職意思を表示すべきです。引き継ぎが不十分だと、会社だけでなく設備の安全性にも影響を与える可能性があります。

Q. 転職活動はどのくらいの期間を見込むべき?

A. 第一種電気工事士の場合、平均的な転職活動期間は4-6ヶ月です。高い専門性を持つ分、求人数は限定されるため、じっくりと時間をかけて最適な転職先を見つけることを見落とせない。在職中の転職活動を強くおすすめします。

林(はやし)

この記事の監修者

林(はやし)|施工管理ちゃんねる(せこちゃん) キャリアアドバイザー

元施工管理技士。大学院工学研究科修了後、発電所・製鉄所・自動車工場など大型プラントの電気施工管理に従事。ビル設備管理を経て、人材紹介会社でRA・CA両面を経験。電気設備・建設・再生可能エネルギー領域の採用支援を行う。



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