プラント設計とは?仕事内容や年収は?

建築の設計士と聞くと、住宅やマンション、アパートなどの住環境施設の設計、また、美術館や図書館と言った公共施設など、身近にある建物を作っている人と言ったイメージが強いと思います。
その中でも少し聞きなれないかもしれませんが、プラントといった建物も設計士が手がけています。今回はプラント施設の設計という点に絞って紹介をしたいと思います。

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目次

プラント設計の役割とは?

 

工場とは、ものをなんらかの形で処理するといったところからただ、建物の箱を作れば良いといったことではありません。例えばゴミ焼却施設であれば、ゴミをためる施設、ゴミを粉砕する施設、ゴミを焼却する施設、焼却し終わったゴミの保管場所など、施設としてしっかりと機能していることが大切です。

プラント設計とはその仕組みを考えるという仕事でとても重要な役割をもっています。

役割1: 動線や配置計画など、人の動きとものの動きをプランに組み込む

基本設計の段階で、人やものの動線、設備をどのように配置するか、大まかなプランを決める必要があります。この時アイデアがともなう提案を求められたり全体を俯瞰して把握する力が求められる事があります。

役割2:実施設計で1分の1スケールでの設備計画

基本設計が固まり次第、実施設計にうつります。ここでは基本設計に従い実際に設備を納めていくことや使い勝手などの詳細を検討し、現実的に計画を落とし込んでいく事を進めていきます。建築の他に、化学、機械、電機、制御、システムなどのあらゆる知識が必要になってきます。

プラント設計に求められるスキルとは?

これだけスケールの大きな仕事をするには必要なスキルが気になると思います。そこで、ここではプラント設計に必要なスキルをポイントを絞って説明いたします。

スキル1:全体を俯瞰してみることができる視点

プラント設計とは、ものの動きや人の動きが複雑に絡む事から物事がスムーズに流れるよう、全体を俯瞰して見ることができる力が必要不可欠です。具体的にはプラントの稼働率や作業員の作業や移動がスムーズに行えるよう、ものごとの全体像を把握しつつ設計を進めていけるバランス感覚が重要になってきます。

スキル2:幅広い専門知識

プラント施設は上でも述べました通り工場という機能を十分に発揮できる建物を作るということから、化学、機械、電気、制御、システムなどの建築の知識だけではなくあらゆる知識が必要になってきます。

たくさんの知識が必要なことから、プラント設計者には大学院を卒業した方が多く在籍しているもの特徴です。幅広い知識を学んでいく探求心も必要だと感じます。

スキル3:関連各所との調整力やコミュニケーション能力

大きなものを作るということと、専門性が高い建築物を作ることになるのでたくさんの人とかかわって仕事を進めることになります。そういったことから、様々な分野の人と仕事の調整を行わないといけないため、高いコミュニケーション能力が必要となってきます。

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プラント設計の働き方は?

 

どの仕事でもそうかもしれませんが、納期が迫っている直近は残業が多いですが、日々の仕事は残業1~2時間程度のところが多いように感じられます。

プラント設計の1日の流れは

プラント設計の一日の流れを説明したいと思います。
9:00~10:00  前日までに来たメールや現場報告の確認など、主に一日の作業の始まりに主に確認作業を行います。

10:00~12:00  外部の業者や社内の打合せなど、午後から現場に出向いたりする人が多いため打合せは比較的午前中に終えることが多いです。

12:00~13:00  昼食

13:00~18:00  図面作成
6割~7割位の割合で図面の作成作業ですが、現場チェックや業者打合せなどで外出することもあります。

プラント設計の休日や休暇は?

プラント設計といっても会社の規模によっては休日の取り方が変わってきます。ここでは2つのケースを紹介したいと思います。

ケース1:大企業の場合

比較的規模の大きい企業は休日は分業制がしっかりしているため、しっかり休めるという印象があります。ですが、お客様あってのお仕事ですので納期が迫ってくれば休日に会社に行くこともあるかと思いますが、その場合、平日に代休をしっかりとれる会社が多いように感じます。また、土日祝日休みの会社が多いです。

ケース2:個人事務所の場合

個人事務所の場合、大体が数名~10人程度の規模で行っていることがほとんどですので1人の仕事の裁量が大きく、業務が立て込んでいる場合は休日をとることが難しいときもあります。土曜日が隔週休みの会社も少なくはありませんが、それだけ仕事に大きな裁量をもって取り組めることは、経験をよりたくさん詰めるというメリットにもつながってきます。

プラント設計の仕事が激務と言われる理由

プラント設計は結構激務で大変というイメージをもたれる方も中にはいるかと思いますがなぜ激務といわれるのか、その点を少し掘り下げてご紹介します。

本当に激務なの?

プラント設計を手がけている企業はスケールが大きな仕事をしているため、比較的規模の大きな会社が多く、企業規模の小さな企業はありません。よって分業制が徹底されている、残業などの勤怠管理がしっかりされていることから、そこまで激務な印象はありません。

激務と言われる理由は?

では、世の中一般的に激務といわれる理由は何なのか?やはりお客様あっての仕事ですので納期は決まっていれば追い込まれることもあるでしょうし、それがきついといわれる理由の1つかもしれません。

また上記で述べた通り、あらゆる知識が必要なため、勉強しなければいけないことが多く、日々の仕事と並行して勉強し続けなければいけないことも、そう言われる理由の1つかもしれませんね。

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プラント設計の年収は?

プラント設計の年収は平均で600万円~700万円です。全体の平均年収が400万円程度ですから比較的年収は高めとなっています。

年齢別

20代のうちは平均で400万円、30代~50代で平均700万円、50代以降は平均1000万円にもなります。ですが、あくまでもこの年収モデルは順当に役職か上がっていくことも加味された数字です。

プラント設計の将来性は?

日本のプラント需要は飽和気味で今後は海外への展開が考えられ、市場のほとんどは海外です。ですが日本の技術を必要とした発展途上の国があるため、まだまだ需要はあります。

プラント設計の年収をあげるには?

年収をアップしたいとは誰しもが気になるところであると思います。ここでは3点にポイントを絞ってご説明いたします。

資格をとる

大規模でスケールが大きな仕事をしているため、一級建築士を取得することは必須になってきます。会社によっては資格手当がつきますので資格をとれば年収が上がります。
資格手当の例を挙げますと
1級建築士 3万〜5万
1級施工管理技士 2万〜4万
2級建築士・2級施工管理技士 5千〜2万
となります。

経験を積む

様々な施設の案件を担当し、図面作成、現場監理、業者間の調整、お客様へのプレゼンテーションなど、プラントを設計する上で重要な経験を積むことで会社から必要な人材となり、必然的に役職が上がり、給与も増えると思います。必要な人材であれば、他社に流れてほしくないため、給与の交渉もできます。

転職をする

資格の取得や上記の経験を積んでいることが大前提ですが、面接時にうまくアピールしうまく交渉できれば一気に年収をあげることができます。また、プラント設計という特殊な建築物の設計を経験している方は全体の建築士の割合で見るととても少ないため、転職市場では売り手市場といえるため、経験者やスキル、一級建築士や技術士などの資格のある方はより有利に交渉ができるでしょう。

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最後に

プラントの設計は、幅広い知識と対人スキルが必要になってきて、苦しい場面もあるかもしれませんが、スケールの大きい建物を完成させた時は言葉で言い表せない程の達成感を感じることができます。

また、今後は海外に市場が展開されることから、世界中を飛び回るスケールの大きいやりがいを感じられる仕事ができるのではないでしょうか。常に勉強し新しいことを学ぶので、設計者として十分スキルアップできる環境だと思います。

お給料も高めですので設計者として経験をつめ、スキルアップしつつ年収を上げたい方には最適な環境です。そのような方は、ぜひ、プラント設計の世界で活躍することを考えてみてはどうでしょうか。

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