管工事施工管理の仕事は非常に幅広く大変と言われますが、実際にどんなことをするのでしょうか。ここからは管工事施工管理の仕事内容や求められるスキルについて紹介していきます。
管工事施工管理の役割とは?
管工事施工管理の仕事の役割は大きく分けると原価管理、工程管理、品質管理、安全管理、環境管理の5つに分けられます。非常に幅広い業務内容であることが、ここから窺えます。この中で特に重要な管理を紹介していきます。
役割1:原価・品質管理
原価管理とは工事に関わる、お金を管理することで、品質管理とはオーナーの要求を満たすために使用する材料の規格や作り上げる製品の性能を満足するように管理することです。この2つの関係は相反するものあり、品質を良くしようとするとコストがかかるので、お互いのバランスを見ながら管理していく必要があります。
役割2:工程管理
工程管理は、工事が予定通りに進んでいるか管理することで納期に影響を及ぼします。物が図面通りに出来ているかの確認も含まれます。一番管理者が頭を抱えるところです。急な仕様の変更や材料の手配漏れや遅れ、作業員の作業スピード等、様々な変化に日々柔軟に対応していく必要があります。
役割3:安全・環境管理
安全管理は作業員が安全・健康に働けるように管理することで、環境管理とは、作業環境や建設場所の周辺の自然環境や生活環境を保全するように管理することです。作業環境は作業員のモチベーションに影響し工程に影響を与えます。建設現場の土壌汚染や騒音は建物が出来てからも影響を及ぼすので特に注意が必要です。
管工事施工管理に求められるスキルとは?
管工事施工管理に求められるスキルには現場を知ること、コミュニケーション、マネジメントが重要です。これ以外にもありますが、この3つを押さえられれば企業から求められる人材になれます。
スキル1:問題解決能力
何よりも大事なのは現場にトラブルが起こった時に、どのようにしたらトラブルを解決できるのか考えられる能力です。トラブルは工程に最も影響を与えるからです。トラブルはスピード勝負ですので自分で対応できないと判断した時に上長の指示を仰いだり、現場の状況から問題の原因を抽出して有識者で協議したりしないといけません。
この際、現場を止めるわけにはいけませんので今出来る作業を指示して現場が止まらないようにもしないといけません。問題解決能力は経験も必要ですが、大事なのは問題は何であるかと、どうしたら解決できるかを考えられる力です。
スキル2:コミュニケーションスキル
コミュニケーションは先ほどの現場を知ることにも繋がりますが、何か情報を得るためには作業員の方やお客さん、上長とコミュニケーションをとることが大切になってきます。特にトラブルが起こった時には実際に現場で作業を行っている方から情報を得ることが出来ないと原因究明を行うのは難しいです。現場は日々変化しているのでコミュニケーションを意識して仕事を進めましょう。
スキル3:交渉力
建設するものが大きくなればなるほど自社以外の作業員の方や、他部門(設計、営業)と一緒に仕事をすることになります。すべてを相手に合わせて仕事をするのは無理なので、交渉するスキルが必要になります。いかに現状の現場の能力で、どこまで要望に応えることが出来るかが求められます。
管工事施工管理の働き方は?
建設業界は繁忙期と閑散期があるので仕事の山が高い時期と仕事の山が落ち着く時で働き方が変化します。仕事量以外にも担当する現場で起こるトラブルの数によっても働き方は変わってきます。ここからは、1日の流れや気になる休日について紹介していきます。
管工事施工管理の1日の流れは
1日の流れは、以下のようになっています
・7:30
出社して現場の朝礼で確認することや注意することをまとめます。
・7:50
現場に行き現場への周知徹底を行います。
・8:00
現場が動き出すので一通り現場を見回ります。見回っていてトラブルが発生したりすると午前中は現場にいるということも、ざらにあります。
・9:00
トラブルがない場合は事務所に戻ってきて事務作業や作業員の日報の確認、工程表への進捗の書き込み、資材の手配等を行います。
・10:30
工程会議への出席等を行います。
・12時
1時間の休憩がありますが12時50分には現場に向かい昼礼に参加し朝からの作業の状況を確認したり昼からの作業の確認や注意することを伝えます。
・13:00
再び現場が動き出すので現場を一通り見回り、トラブルの有無によって終日現場になったりします。
・14:00
トラブルがなければ事務所で午前中に、やり残した作業を行います。
・18:00
終業時間ですが、その日の工程や、トラブルがなければ翌日の工程のチェックと朝礼の準備をして、このくらいの時間には退社できます。
管工事施工管理の休日や休暇は?
建設業界は、なかなか休みが取れないとこで有名ですが実際はどうなのでしょうか。基本的に土日、祝日は休みとなっていますが忙しい時には取りにくい傾向があるようです。ここからは気になる休日・休暇をケース別に紹介していきます。
ケース1:トラブルが起こった時
残念ながらトラブルが起こったときは納期にも影響が出るために休日返上で対応しないといけません。場合によってはお客さんに原因を説明しないといけませんので、会社への報告資料や客先報告資料を作成するまでは帰れない場合もあります。トラブルが起こった場合は、上長や現場としっかりコミュニケーションを取り迅速に対処する必要があります。
ケース2:工程の遅れ
納期の遅れには契約時に罰則規定を設けていることが多いので、何としても守らないといけません。遅れている度合いにもよりますが、トラブルの多発や天候により工程が厳しくなった場合は、休日でカバーするしかないので現場の方の協力が必要になります。こういう場合に普段のコミュニケーションスキルが重要になります。
ケース3:工程通りに進んでいる時
トラブルも工程も問題ない場合は、残業も少なく休みも、しっかりとれます。特に工程が前倒しで進んでいる場合は有給も取りやすいので、この業界は完全に自分の仕事の腕次第で仕事と休日のバランスが取れます。
管工事施工管理の仕事が激務と言われる理由
管工事施工管理は激務と言われますが、どうしてなのでしょうか?ここでは、激務の真相や、激務と言われる理由について紹介していきます。
本当に激務なの?
激務という噂は本当のようです。実際、管工事施工管理の業務内容は幅広く、一人では決して出来ないので、どうしても勤務時間が長くなってしまい、プライベートの時間が取れないといったことはあるようです。
激務と言われる理由は?
その他、激務と言われる理由は体力的にキツイことがあります。仕事上どうしても現場を歩き回ったりするので季節の変化の影響を受けやすく体調管理が難しくなるようです。また人間関係で疲れてしまうこともあります。実際、現場には職人気質の方や気難しい方がいます。上司によっては具体的な指示もなく明らかに無理な工程の遅れを取り戻すように怒られたり、上司から指示された内容を現場に伝えると現場の反感を買ってしまったりと板挟みに合い疲れてしまうこともあるようです。こういうことを防ぐためにも普段からしっかりとコミュニケーションをとることが大事になります。
管工事施工管理の年収は?
それでは年収はどれくらいなのでしょうか? 管工事の内容にもよりますが平均400~500万円という統計結果があります。しかし中には1000万円を超える会社も存在するので会社によってまちまちです。年齢や経験、職種別に年収を纏めましたので紹介していきます。
年齢別
一般的にですが
・20代前半で320万
・20代後半で400万
・30代前半で450万
・30代後半で500万
・40代前半で550万
・40代後半で600万
・50代前半で700万となり、それ以降は下がっていく傾向があるようですが、最近は人材不足と建設ラッシュでもう少し年収は増加傾向のようです。
経験年数別
経験年数が10年を超えると400~450万、経験年数が15年だと450~500万円、経験年数25年だと600~700万程度が相場になっているになっているようです。最近は企業によってこの金額に+αされている傾向があるので、あくまで目安として考えてください。スキルや経験によっては年収1000万を超える求人もあります。
職種別:第1級管工事施工管理
第1種管工事施工管理は第1級管工事施工管理技士という資格を持っていないとできない仕事で資格保有者は監理技術者として年収が上がります。年収は平均500~600万です。
職種別:第2級管工事施工管理
第2種管工事施工管理は第2級管工事施工管理技士という資格を持っていないとできない仕事で資格保有者は主任技術者になり第1級管工事施工管理技士ほどではないですが年収が上がります。年収は平均400~500万です。
管工事施工管理の年収をあげるには?
もし、今現在、管工事施工管理の仕事に携わっている方で相場よりも年収が低い方は、どのようにして年収を上げれば良いのでしょうか。年収を上げる方法は基本的に3つあります。一つずつ紹介していきます。
資格をとる
まずは先ほど紹介した第一級、第二級管工事施工管理技士という資格を取ることです。管工事施工管理技士は第一級も第二級も学科試験と実地試験あり第一級の学科は30%、実地試験は50%程度です。第二級の学科は57%で実地は40%程度です。
難易度は第一級の方が高いです。受験資格は学歴と定められた実務経験年数が必要で、一級はさらに指導監督的実務経験年数が1年以上必要です。大変ですが、資格を持っていると、その後の年収の上がり方が違うので、ぜひ挑戦して頂きたいです。
経験を積む
これは資格を取る上でも必要ですが、やはり経験を積むことは、どの業界でも共通して年収を上げる方法のようです。管工事施工管理で求められるコミュニケーションや問題解決能力、交渉力を身に付けるために実務経験を積む必要があります。現場での実務経験は給料の交渉材料にもなりますし、転職する際にも経験として評価されます。実務経験を積むことで会社の核なれる人材になり得るので、資格を取得しながら経験を積むのが好ましいです。
学歴にもよりますが最終目標の第1級を取得するのに大卒が実務経験年数3年以上必要で高卒が10年以上必要であることや試験の難易度、開催時期が年に1回しかないことを加味すると最低5年~10年以上は経験を積みましょう。
転職をする
この業界は常に人材を欲しているので企業も採用には積極的です。資格を持っている方は現場経験に加え、専門的な知識があると判断され高い年収が提示される可能性が高いです。さらに、そういう人材は自分の年収を交渉出来るので納得のいく年収で転職できます。そのため、経験をしっかり積んで資格を取って転職するといったルートが年収を上げる近道です。
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