電気技師とは?年収400万円台の実態と電気工事士・電気主任技術者になるための完全ガイド

建設現場で電気図面を確認する電気技師が、電気パネルと配線を背景に職業としての専門性を示している様子

電気技師とは?年収400万円台の実態と電気工事士・電気主任技術者になるための完全ガイド

「電気技師って実際どのくらい稼げるの?」「資格を取っても給料が上がらないって本当?」

Yahoo!知恵袋では「夫は37歳、年収430万円。異業種から電気工事の会社に転職して、この春で5年目です。第一種電気工事士の免許を取得しています」という具体的な声がある一方、「電験三種で350万〜1,000万以上」という大きな幅の年収情報が飛び交っている。

実際に施工管理の現場で15年働き、現在は人材紹介を通じて数百人の転職面談を行ってきた立場から言うと、電気技師の年収には「職種」と「雇用形態」による大きな格差がある。単に資格を取っただけでは年収は上がらない——これが現実だ。

この記事のポイント

  • 電気技師の平均年収は400〜450万円(厚生労働省調査より)
  • 電気工事士と電気主任技術者は全く別の職種で年収レンジも違う
  • 難関資格を取っても「マイナスをゼロにする仕事」として評価されにくい現実がある
  • 年収700万円超を目指すには班長昇格・独立・施工管理への転身が必要
  • 37歳・実務5年で430万円が転職者のリアルなライン
目次

電気技師とは?電気工事士・電気主任技術者の違いを3分で解説

「電気技師」と一口に言っても、実は複数の職種を総称した言葉だ。混同されがちな電気工事士と電気主任技術者は、業務内容も年収レンジも全く違う。まずはその違いを整理しよう。

電気技師の定義と主な職種

電気技師は、電気に関する専門技術を持つ技術者の総称。主な職種は以下の通りだ。

  • 電気工事士:電気設備の工事・施工を行う
  • 電気主任技術者:電気設備の保安・管理を行う
  • 電気施工管理技士:電気工事の施工管理・監督を行う

それぞれ必要な資格、業務範囲、年収レンジが異なる。特に電気工事士は「作る人」、電気主任技術者は「守る人」という根本的な違いがある。

電気技師の職種別平均年収比較棒グラフ(電気工事士:420万円, 電気主任技術者:450万円, 電気施工管理技士:550万円)

電気工事士と電気主任技術者の決定的な違い

最も混同されやすいのが電気工事士と電気主任技術者の違いだ。

項目 電気工事士 電気主任技術者
業務内容 電気設備の工事・施工 電気設備の保安・管理
働き方 現場での作業中心 点検・書類作成中心
年収レンジ 350万〜800万円 350万〜1,000万円
独立の可能性 高い(電気工事業登録可能) 中程度(保安法人設立可能)

実際の面談では「電気工事士の資格で電気主任技術者の仕事ができると思っていた」という勘違いをする方が多い。業務独占資格のため、それぞれ専用の資格が必要だ。

実務経験がカウントされる職種・されない職種の現実

転職で最も問題になるのが「実務経験のカウント」だ。

ある大学で電気系学科を専攻し、メーカー設計職で600万円を稼いでいた30代の男性は、こう語った:「実務経験のカウントができるというところがミートしているのであれば、結構いい感じだと思います」

この発言の背景には、設計職では第一種電気工事士の免状が出ない問題がある。免状取得には以下の実務経験が必要だ:

  • 第一種電気工事士:第二種取得後の実務経験5年、または実務経験5年
  • 電気主任技術者:電圧レベルに応じた保安業務の実務経験

メーカーの設計職は「電気工事」ではないため、いくら電気の知識があっても実務経験としてカウントされない。これが年収600万円の設計職から施工管理への転身を決意させた理由だった。

電気技師の平均年収は400万円台【2025年最新データ】

電気技師の年収について、データと現場の声を整理すると「思っていたより低い」というのが正直なところだ。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2024年)によると、電気工事従事者の平均年収は約420万円。しかし、この数字には大きなバラつきがある。

電気技師の年収分布ヒストグラム(300-400万:35%, 400-500万:28%, 500-600万:20%, 600万超:17%)

資格別年収相場:電気工事士vs電気主任技術者

Yahoo!知恵袋の実際の相談では、こんな声がある:

「実務経験5年の電験三種持ち電気主任技術者の年収を大体で良いので教えていただきたいです」
回答:「最低でも350万、最高だと1,000万以上の年収はあります」

この「350万〜1,000万以上」という幅は、雇用形態の違いを表している。

資格・職種 会社員 保安法人 独立
第二種電気工事士 350万〜450万円 400万〜600万円
第一種電気工事士 400万〜550万円 500万〜800万円
電験三種 400万〜500万円 450万〜650万円 600万〜1,000万円
電験二種 450万〜600万円 550万〜750万円 800万〜1,200万円

注目すべきは、電験三種という難関資格を取っても、会社員のまま年500万円を大きく超えることは難しい点だ。

雇用形態別の年収格差:正社員・派遣・独立の選択肢

実際の転職面談で見えてくるのは、雇用形態による大きな年収格差だ。

正社員(電気工事会社)
未経験スタート:月給27万円(年収400万円弱)
三星電気の代表は動画で「3年経って電気工事士の資格を取った場合はプラス100万ぐらい」と語っている。これは現場のリアルな数字だ。

派遣(施工管理)
テクノプロのA型:月給205,000円(年収約320万円)
テクノプロのB型:月給265,000円(年収約420万円)
面談で「安いですね」と正直に語った候補者の声が印象的だった。

独立開業
X上では「年商一千万近く(今年突破見込)やから夢のある世界やな、電気管理技術者って」という投稿も見られる。しかし、年商と年収は違う。実際の利益率を考慮すると、独立1年目で年収600万円を超えるのは容易ではない。

年代・経験年数別の年収推移

37歳・実務5年で430万円——これが異業種転職者のリアルなラインだ。

Yahoo!知恵袋のある相談では「夫は37歳、年収430万円。異業種から電気工事の会社に転職して、この春で5年目です。第一種電気工事士の免許を取得しています」という具体的なケースが紹介されている。

電気技師の年収推移グラフ(未経験→3年目→5年目→10年目の年収カーブ)

この数字を年代別・経験別に整理すると:

  • 20代未経験:320万〜380万円
  • 30代・経験3年:400万〜480万円
  • 30代・経験5年:430万〜530万円
  • 40代・経験10年:500万〜650万円
  • 班長クラス:700万円以上

ただし、これは順調にキャリアを積んだ場合。現実には「10年働いても年収500万円に届かない」という声も少なくない。

電気技師になるための5つのルートと必要資格

電気技師になる方法は一つではない。学歴、実務経験、目標とする職種によって最適なルートが変わる。

電気工事士になる2つのルート(学歴・実務経験別)

電気工事士になるルートは大きく2つに分かれる。

ルート1:資格先行型
まず第二種電気工事士を取得してから転職活動を行う方法。未経験者の王道パターンだ。

実際の面談でも「単純に資格を取ったので、ちょっと見てみたいなという」という動機で転職を決める方が多い。AI時代のリスクを感じて「手に職を」と考える人が増えている背景もある。

ルート2:就職先行型
未経験可の電気工事会社に入社してから、働きながら資格を取得する方法。

三星電気の例では「参考書があって勉強さえすれば1年で取れる方もいるんですけど工事をやりながらとなると2年から3年で取れると思います」とのこと。

どちらを選ぶかは、現在の収入状況と学習能力によって決まる。無職期間を作りたくない場合は就職先行型を選ぶべきだ。

電気主任技術者の逆算キャリアパス

電気主任技術者を目指す場合、逆算的なキャリア設計が必要だ。

前述の元メーカー設計者は「大学で電気系の学科を専攻しているので、500V以上の仕事をすれば三種以上は確保できる。1万V以上なら二種、5万V以上5年なら一種が取れる」と語っている。

つまり:

  • 電験三種取得:500V以上の電気設備での保安業務経験
  • 電験二種取得:1万V以上の電気設備での保安業務経験
  • 電験一種取得:5万V以上の電気設備で5年の保安業務経験

これを逆算すると、最終的に電験一種を取りたいなら、早い段階で高圧受電設備のある工場や発電所に就職する必要がある。中途半端な規模の会社では、いくら長く働いても電験二種以上の要件を満たせない。

未経験からの転職成功パターン

面談データから見える未経験転職の成功パターンは以下の通りだ。

パターン1:AI時代への危機感型
「AIでいいとか、今多いじゃないですか。やっぱりその人間を代替してしまうというのがリスク」と語ったサービス業出身者のケース。手に職をつけたいという明確な動機がある。

パターン2:収入アップ志向型
「別にいっぱい働いて稼げるんだったら稼ぎたいなって感じですね」という発言に代表される、残業を厭わない姿勢。電気工事は残業が多い現場もあるため、この覚悟は重要だ。

パターン3:安定志向型
希望年収400万円(最低370万円)という現実的な水準設定。初年度から高年収を期待せず、中長期的な成長を見込む考え方。

成功する人に共通するのは「資格取得への意欲」と「現実的な年収期待値」だ。

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なぜ難関資格を取っても年収が上がらないのか?業界の裏事情

電気主任技術者の資格を取得しても思ったほど年収が上がらない——これは多くの資格保持者が抱く不満だ。その背景には、業界の構造的な問題がある。

電気主任技術者の「保安業務」が低評価される理由

Yahoo!知恵袋のある回答者は、この問題を的確に表現している:

「基本は『資格が仕事をするわけではない』ということです。事故やトラブルでどんな修羅場を解決しても会社にとっては『マイナスをゼロにする仕事』であって『ゼロをプラスにする仕事』ではありません」

これが核心だ。電気主任技術者の業務は以下のような「守り」の仕事が中心:

  • 定期点検・保安点検
  • 事故・故障時の復旧作業
  • 官公庁への報告書作成
  • 電気設備の保安統括

どれも会社の操業には欠かせない仕事だが、「売上に直結しない間接業務」として扱われがちだ。

一方、電気工事士は「作る仕事」なので成果が見えやすい。新しい設備を完成させ、売上に直結する。この違いが評価の格差を生んでいる。

資格手当の実態:期待と現実のギャップ

多くの人が期待する「資格手当」の実態はどうなのか。実際の面談データから見えるのは、思っているほど高額ではない現実だ。

資格 一般的な資格手当 月額換算
第二種電気工事士 5,000円/月 年間6万円
第一種電気工事士 10,000円/月 年間12万円
電験三種 15,000円/月 年間18万円
電験二種 25,000円/月 年間30万円
1級施工管理技士 60,000円/月 年間72万円

電験三種という難関資格を取っても月1.5万円——これが現実だ。「難易度の割に給料が安くないですか?」という知恵袋の質問は、多くの資格保持者の本音を代弁している。

注目すべきは1級施工管理技士の資格手当の高さ。これは「マネジメント業務」として評価されているためだ。

年収700万円超を実現する3つの戦略

それでも年収700万円超を実現している電気技師は存在する。その戦略は以下の3つに集約される。

戦略1:班長・管理職への昇格
X上では「チームの班長に昇格された方は年収が700万以上と大きくアップします」という投稿がある。作業者から管理者への転身が年収アップの王道だ。

戦略2:施工管理への職種転換
同じ電気系でも施工管理に転身すると年収レンジが変わる:

  • 2級電気工事施工管理技士:500万〜600万円
  • 1級電気工事施工管理技士:600万〜800万円
  • 管理職(現場代理人):700万〜1,000万円

戦略3:独立開業
「自営やれば稼げる」という声は複数見られる。しかし、これには大きなリスクも伴う。独立後の年収は営業力と顧客開拓能力に大きく依存する。

現実的には、戦略1→戦略2のステップアップが最も確実だ。

転職成功事例:メーカー設計職600万円→電気施工管理への転身理由

実際の転職面談から、年収600万円のメーカー設計職から電気施工管理への転身を決めた30代男性の事例を紹介する。この事例は、電気技師のキャリア戦略を考える上で非常に参考になる。

実務経験カウント問題の具体的解決策

この男性が転職を決意した最大の理由は「実務経験のカウント問題」だった。

彼は大学で電気系学科を専攻し、メーカーで設計職として600万円の年収を得ていた。電気の知識は豊富で、「大学で電気系の学科を専攻しているので、500V以上の仕事をすれば三種以上は確保できる」と電気主任技術者の取得条件も熟知していた。

しかし、設計職では以下の資格の実務経験がカウントされない:

  • 第一種電気工事士の免状取得
  • 電気主任技術者の認定取得
  • 電気工事施工管理技士の受験資格

「実務経験のカウントができるというところがミートしているのであれば、結構いい感じだと思います」——この発言は、設計職の限界を感じた彼の率直な思いだった。

電気施工管理への転身により、以下の道が開ける:

  • 電気工事の実務経験として認定される
  • 1級電気工事施工管理技士の受験資格が得られる
  • 将来的な独立時の武器になる

30代後半・実務5年で年収430万円のリアル

転職による年収ダウンは避けられない現実だ。

彼の場合、メーカー設計職600万円から施工管理技士見習いとしてスタートすることになる。初年度は400万円程度からのスタートが想定される。

これは前述のYahoo!知恵袋の事例「37歳、年収430万円。異業種から電気工事の会社に転職して、この春で5年目」と符合する数字だ。

しかし、5年後の展望は明るい:

  • 2級電気工事施工管理技士取得:年収500万〜550万円
  • 1級電気工事施工管理技士取得:年収600万〜700万円
  • 現場代理人昇格:年収700万〜800万円

元の年収600万円を回復するのに3〜5年。その後は元職を上回る年収も期待できる計算だ。

単身赴任を考慮した転職戦略

彼がもう一つ重視していたのが「個人事業主的な業務を今やっていまして、もうちょっと大きくしたい」という副業展開だった。

施工管理は以下の点で独立に有利:

  • 発注者・ディベロッパーとの名刺交換機会が多い
  • 工事全体の流れを把握できる
  • 協力会社とのネットワークが構築できる
  • 元請け業務の経験が積める

これは作業員では得られない経験だ。作業員は「指示される側」だが、施工管理は「調整する側」として複数の関係者とのコネクションを築ける。

彼の戦略は明確だった:

  1. 施工管理として実務経験を積む
  2. 1級資格を取得する
  3. 人脈とノウハウを蓄積する
  4. 適切なタイミングで独立する

年収600万円から一時的にダウンしても、5〜7年後の年収1,000万円超を狙う長期戦略だった。

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よくある質問:電気技師のキャリア・年収に関するQ&A

Q. 電気主任技術者の資格を取っても給料が上がらないのはなぜですか?

A. 電気主任技術者の業務は「マイナスをゼロにする仕事」として評価されがちだからです。事故防止や設備保全は重要ですが、売上に直結しないため昇給に反映されにくいのが現実。資格手当(月1〜3万円程度)以外の大幅な年収アップは期待しない方がよいでしょう。

Q. 電気工事士で年収700万円以上を目指すには何が必要ですか?

A. 班長昇格または独立開業が必要です。実際に「チームの班長に昇格された方は年収が700万以上」という事例があります。もう一つの選択肢は施工管理への職種転換。1級電気工事施工管理技士+現場代理人で年収700万〜800万円のレンジに入れます。

Q. 未経験から電気業界に転職した場合、何年でどのくらいの年収になりますか?

A. 実際の転職者の例では「37歳、転職5年目で年収430万円」というデータがあります。年収推移の目安は以下の通り:1年目320万〜380万円→3年目400万〜480万円→5年目430万〜530万円→10年目500万〜650万円。ただし班長昇格や施工管理転身により大幅な年収アップも可能です。

Q. 電気技師になるために最も効率的な資格取得順序は何ですか?

A. 第二種電気工事士→第一種電気工事士→2級電気工事施工管理技士の順序が効率的です。未経験なら第二種から始めて実務経験を積み、その経験で1級施工管理技士を目指すのが年収アップの王道ルートです。電験は保安業務の実務経験が必要なので、明確に電気主任技術者を目指す場合のみ取得すべきです。

林(はやし)

この記事の監修者

林(はやし)|施工管理ちゃんねる(せこちゃん) キャリアアドバイザー

元施工管理技士。大学院工学研究科修了後、発電所・製鉄所・自動車工場など大型プラントの電気施工管理に従事。ビル設備管理を経て、人材紹介会社でRA・CA両面を経験。電気設備・建設・再生可能エネルギー領域の採用支援を行う。



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