設備設計の転職!成功する転職と失敗する転職の違いは?

設計者の転職は他業種と比べて身近な物と言っても良いでしょう。キャリアアップのためや、自身の興味の変化、環境の変化などその理由は様々ですが、誰にでもその機会がくると思っても良いかと思います。

そんなタイミングが来た時の為に、あるいはすでに迎えている人の為に、今回は設備設計者が転職を決意するタイミングや理由、また転職で注意しなければいけないポイント、体験談などをまとめましたので是非お役立て頂ければと思います!

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目次

設備設計の転職理由は?


設備設計者が転職を決意する理由は人によって様々ですが、比較的多い理由としては3つあります。

1つ目は前向きな理由として自身の設計力の向上のためという理由です。将来的に独立を目指している人に多い理由ですが、設計事務所によって設計の考え方や手法は異なりそれぞれに得意な分野を確立しています。設計者としては同じ事務所にとどまるよりも、いくつもの事務所で経験を積むほうが、より多くの設計手法を学ぶことができ優秀な設計者として成長して行くことができます。ひとつの分野に留まらず幅広い分野の設計が分かる設備設計士となるために、今いる事務所で一通り技術を学べたと思ったタイミングで転職を決意することが多いです。

2つ目はキャリアアップの為の転職です。設備設計士は1級建築士の資格を取得後さらに設備設計一級建築士という立場を目指すことが可能です。どちらも取得に非常に時間がかかる資格ですが、それを取得したことによって手がけることが出来る仕事のフィールドはとても大きい物となります。同時にそういった人材を求めている企業も多く存在しているため、自然と現在の企業よりも仕事のやりがい・待遇面において優遇される企業に転職を考える人も少なくありません。

3つ目は設計職には共通して言えることですが、やはり比較的激務の部類に入る職業であるため、体力的・精神的に続けることが難しくなることが原因です。入社したてのタイミングでは一人で物件を丸々任されるというようなことはありませんが、覚えること、勉強しなければいけない事は多く、また受注生産の仕事ですので毎回新しい知識が必要になるためある程度キャリアを積んできても勉強は継続して行う必要があります。新しい知識を学ぶことにやりがいを感じる人にはもってこいの専門職ですが、反面プライベートを重視したいという人には負担に感じることがあるかもしれません。

納期前においては終電ぎりぎりまで作業をする必要もありますし、意匠設計者の意向が急遽方針変更すればそれに付き合う必要も出てきます。また設計時・現場管理時のどちらも多くの人と調整する場面が出てきますので、そういった側面で負担を感じる人もいるようです。

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設備設計の転職の悩みは?

設備設計職は専門性が高いことが大きな強みですが、転職活動を考えたときにはそれが悩みになることもあります。専門性が活かせないような全くの他業種への転職は今までのせっかくのキャリアが無意味になることもある為、替えが効きづらいという面があります。もちろんプロジェクトを推進するマネジメント能力や多くの人との打ち合わせをする調整能力などは活かせる部分は大いにあります。

また設備設計者は人手不足の企業が多いため、一人が抱える案件の量も多くなることが多いです。そのため転職をするタイミングが難しいという点もあります。長いプロジェクトは年単位で動きますのでそれが終わるまで、、と考えていると自身のベストな転職のタイミングを逃してしまうこともあります。多少まわりに迷惑が掛ってしまってでも、自分の為に転職をする!という決断力が求められるようです。

設備設計から他職種への転職は?

設備設計の仕事から他職種へ転職する場合どのような職種が適しているのでしょうか。
せっかく培ってきた経験や専門的知識を活かせるような職種を選ぶのか、まったく別の職種で再スタートをするのか、極端に分ければ2つ道があるかと思います。

まず1つ目の今までの経験と知識を活かせる職種としておススメなのは、CM/PM(コンストラクションマネージャー/プロジェクトマネージャー)会社の設備マネージャーという仕事です。まずCM/PM(コンストラクションマネージャー/プロジェクトマネージャー)というのは建設プロジェクトの各フェーズ(企画・設計・発注から工事・受け渡し)の中でコスト管理・スケジュール管理・品質管理・情報管理を発注者に変わって行う役割のことです。いくつものプロジェクトを経験した人でしか出来ない職業ですので、やりがいも待遇の面でもステップアップできる転職先と言えるでしょう。

CM/PMは最近注目をされ始めている職種であり、非常に今後の伸びしろが期待されている職種です。そのため設備設計者としての知識や経験がある人材はまだ多くなく、非常にニーズのあるポジションと言えます。十分なキャリアを積んだ先の道としてやりがいの面でも待遇の面でも、目指す価値が充分ある職種でしょう。

2つ目の道としてまったく別の職種へ転職を考える場合には、設備設計者の専門的な知識や経験以外に何を手に入れてきたかを十分認識して転職活動をする必要があります。もし設備設計事務所で働いてきた実績がある場合は、プロジェクトの打ち合わせなど対外的なやりとりは比較的自分が主体的に関わることが出来るので、プロジェクトを回すマネジメント能力という面はどの職種においても生きてくる能力である為、その強みを前面に売り出すと良いでしょう。

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設備設計の転職でよくある失敗事例

設備設計職の転職は他業種と比べて比較的多いと言われています。主には自身のキャリアアップの為と言われますが、転職に失敗したがゆえに転職後早々に再び転職をする人もまま存在します。ではどのような要因で転職を失敗してしまったのでしょうか。ここでは主な失敗事例をご紹介していきたいと思います。

失敗事例1:給与だけで転職する

設備設計という仕事は専門職ですので比較的給与の面では良いと言えます。しかしながら給与の面だけで転職先を決めてしまうと後々後悔することになる可能性があります。設計職は共通して言えることですが、基本的に仕事の拘束時間は長いです。給与が高いということはなおさら担当してこなさなければならない案件が多いということですので、毎日終電で帰るという職場であることもあります。自身で図面を引くということは仕上がりの性能に責任を持つということです。そういったプレッシャーの中で仕事をするということも忘れてはいけません。もちろん独立して設計をしない限りは会社全体でチェックをしていくので全責任という訳ではありませんが、それくらいの意識を会社から求められてきます。

設備設計者としては日々更新されていく新しい技術や知識を自ら勉強していく必要もあるでしょう。場合によってはプライベートの時間を削ってでも勉強に宛てなければいけないかもしれません。裏を返せば自身のスキルアップにやりがいを感じる人にはもってこいの職業ですが、ご自身が理想としているワークライフバランスと大きく異なるのであれば、給与だけで転職先を決めることの無いようにすることも、ミスマッチを防ぐうえで重要です。

失敗事例2:書類選考に通らない

転職活動の第一関門は書類選考に通ることと言っても良いでしょう。いくら熱意があっても、経験やスキルがあっても書類上でそれを相手企業に伝えることが出来なければ直接会うことも叶いません。では書類選考で重要なポイントはどんなところでしょうか。ひとつは自分が採用担当者だったら何を知りたいか?ということを意識して書類を作成することです。まず知りたい情報としては”転職の理由”と”入社後の目標”です。転職を決意するに至った理由や、漠然と設備設計者になりたい、ということだけではなく、どのような人材になって会社に貢献したいのかを伝えられなければいけません。

また設備設計者としての能力と経験を具体的に提示することも重要です。採用側も入社後にどのような仕事を頼めるのかが最も気になるポイントですので、自身の能力がどれくらいのレベルなのか、どの程度の図面をどれくらいのペースで作成できるのか、をアピールする必要があります。

そして今後の具体的なキャリアアップのイメージもあるとより良いかもしれません。何年後にこの資格を取り、どのようなポジションとなっていることを目標とするのかが明確だと先方からも高評価を頂けることでしょう。

失敗事例3:プロを活用しない

設備設計といっても専門とする分野は意外と多岐に渡ります。自分が目指したい分野がある場合には志望している企業が本当にそれとマッチしているのかを良く確認しないとミスマッチが発生します。また自分のキャリアとしても、どのような業務にウェイトが置かれている会社なのかを調べることも重要で、いわゆる下請けの様な形で設計に特化して図面を書き進めるような仕事がいいのか、打ち合わせなどで前面に出て行って調整をするような会社が良いのか、同時進行でいくつものプロジェクトを担当して量産的に仕事をこなすスタイルなのか、特に複雑な建築の設計を頭を悩ませながら進めて行くスタイルが良いのかなど、会社によってタイプが分かれてきます。

プロのエージェントはそういった企業ごとの特色の情報を蓄積しているので、求人サイトに掲載されているような表面的な情報以外もしっかりと抑えて、安心して転職先を決めたい場合にはプロに頼るというのも重要です。

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設備設計の転職成功事例

今回は転職活動で成功した人たちの事例をご紹介していきたいと思います。成功の定義は人それぞれですが、収入があがる意味での成功、やりがいやキャリアアップとしての成功、ワークライフバランスが良くなるという意味での成功などを体験した人たちの事例です。

体験談1  伊藤さん

転職者のプロフィール
”before”
職種:大手組織設計事務所
学歴:大学院修士課程
過去の転職回数:0回
勤続年数:20年間
直近の年収:550万円
平均残業時間:月4~50時間

”after”
職種:設備コンストラクションマネージャー
転職後の年収:700万円
平均残業時間:月4~50時間

伊藤さんは大学院を卒業後大手設計事務所の設備設計者として20年キャリアを積んできました。主任として何人もの部下の物件を管理しながらより効率的にプロジェクトを回すことを常に考えながら仕事をこなしていました。仕事内容や待遇には満足しつつも、もう一歩ステップアップしたいという思いが年々高まり、自身の担当していた大きな物件が一段落したタイミングで転職を決意しました。

転職先を探し始めたばかりの段階では同じ設計事務所を考えていましたが、コンストラクションマネージャーという仕事を見つけ、自身のキャリアが特に活かせる仕事だと感じすぐに求人に応募しました。応募をかけていた企業側のニーズにマッチしていたため転職もすぐに決まり、新たなフィールドで今までの知識を活かしながら精力的に働いています。

コンストラクションマネージャーという仕事自体まだ注目され始めたばかりの職種ですが、年々ニーズが高まりつつあり、特に設備の知見がある人材がまだまだ少ないのでニーズがあるポジションと言えるでしょう。自身のキャリアアップの最終目標として設定しても良い仕事かもしれません。

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体験談2  加藤さん

転職者のプロフィール
”before”
職種:設備設計事務所
学歴:大学学部卒
過去の転職回数:0回
勤続年数:30年間
直近の年収:550万円
平均残業時間:月4~50時間

”after”
職種:設備設計事務所
転職後の年収:800万円
平均残業時間:月4~50時間

加藤さんは機械設備系の研究室を卒業後、中堅の設備設計会社に就職しました。中堅会社のため入社後数年で自分の担当物件もをいくつも任されるようになり、自身の設備設計の力を付けながらも、意匠設計部の人たちとの調整能力を学びプロジェクトを俯瞰して把握しながら推進するマネジメント能力を培っていきました。さらに1級建築士、設備設計一級建築士の資格も取得し着実にキャリアアップを積んでいきました。仕事のやりがいも十分感じる職場ではありましたが、給与面ではもう少しステップアップをしたいと感じ始め、転職を決意しました。

自身のキャリアには十分自信があったので、大手の総合設計事務所の求人を探すことに決めました。時間を見つけて求人サイトを探しながらも、転職エージェントに相談もお願いし、自分のキャリアアップも期待できそうな企業を選び求人に申し込みました。30年のキャリアを評価されて無事に転職が決まり、大手ならではの大型物件を通して新しい技術を学びながら仕事に励んでいます。

設備設計職は資格取得などのキャリアアップの基準が分かり易く、キャリアアップをすればするほどそのポストの人材が不足している業界ですので、しっかりと目標を定めれば高収入の企業で働くことも夢ではありません。

体験談3  田所さん

転職者のプロフィール
”before”
職種:設備系サブコン
学歴:大学学部卒
過去の転職回数:0回
勤続年数:4年間
直近の年収:550万円
平均残業時間:月7~80時間

”after”
職種:設備設計事務所
転職後の年収:450万円
平均残業時間:月4~50時間

田所さんは学部を卒業後、設備系のサブコンに就職しました。新卒採用の同期の中では給与も高い方でしたが、代わりに毎日終電で帰り、土日も仕事のことも多く、たまの休みには疲れを取る為に寝て終わってしまうような生活が続きました。もちろんやりがいもありましたが、体力的に厳しい事もあり、現場で見につけた設備の知識が行かせる設計職への転職を決意しました。

転職活動の第一歩として転職サイトを調べつつ、卒業した研究室のOBなどにも相談をして比較的時間にゆとりのある設計会社をピックアップして求人に応募しました。無事に1社から内定を貰い念願の設計事務所に入社してからは、現場で得た知識を活かしながらバリバリと仕事をしつつ、安定して休日を確保できる生活を手に入れました。設計者としてさらにプロジェクトのコントロールが出来るようになれば平日の残業時間も減らすことが出来るのでさらにワークライフバランスを良くするために日々努力をしつつ、さらなるキャリアアップの為に空いた時間を資格取得の勉強にあてています。

最後に

働く上で給与が高い事は非常に大事ですが、自身のキャリアアップをするための時間や自身のモチベーションを保つためのプライベートの時間を確保することも大事です。ご自身にあった生活を手に入れるための転職活動は積極的にするべきだと思います。

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